大船渡市碁石海岸での自然観察指導員講習会が終了し、後泊して今日は3年3カ月後の津波被災地をめぐりました。碁石海岸のすぐ南部の陸前高田市広田地区。ここは、南北の湾から津波が押し寄せ、陸上でそれが打ち合うように合わさる「波あい」が起きた場所です。2011年3月24日、なにもかもが流された跡です。
あまりの惨状に呆然と立ち尽くすしかなかった場所の今日、2014年7月7日のようすです。
青々をとしたイネが育ち、水田が復活していました。
続いて、大船渡市北部の三陸町越喜来(おきらい)地区。越喜来小学校の真新しい校舎の屋上まで津波にのまれてしまいました。地域の核として機能し、誇りでもある小学校の被災した姿を地元の方々がどう受け止めたのか、考えただけでも胸が張り裂けそうになりました。
同じ場所の、今日の風景です。校舎は撤去され、高台への移転工事が進んでいました。
ある場所では、自然の再生能力を超えるスピードで復旧し、ある場所はほとんど手つかず。そんなまだらな復興のようすを改めて見て、考えさせられる一日でした。
(生物担当学芸員 秋山)