アメリカネナシカズラという長い名前の植物があります。ヒルガオ科のつる性の1年草なのですが、寄生植物で、正真正銘、根無し草。
といっても、種子植物なので、初めは地面から芽が出るわけで、根っこもあるはず。いったいいつ根無し草になるのかを見たくて、昨年、種子を博物館のプランターに蒔いておきました。今朝、にょろにょろ伸びたつるを見つけて・・黄色いヒモのようなものがアメリカネナシカズラの茎です。葉っぱは退化してありません!
植物というよりも、ハリガネムシのような雰囲気です。でも、ちゃんと伸びる方向に見て右巻き。ヒルガオ科であることの証しです。
すでに吸着根で台になったコセンダングサから水分や栄養を吸い取れるようなっています。ということは・・
地面から伸びている茎がすでに枯れています!さらにアップにすると・・・
もうちょっと早く気付けばよかったのですが、それでもネナシカズラが根無し草になったまさしくその時を撮影できました!
じつは、個人的につる植物が好きで、中でもヒルガオ科は一番お気に入りの分類群です。さらにその中でも、「究極のつる植物」と密かに呼んでいるのが、ネナシカズラのなかまです。今朝はその重要な瞬間を撮影できたので、とても気分の良い一日となりそうです!
(生物担当学芸員 秋山)