このブログを読んでいる方はご存知かもしれませんが、今年11~12月(日程未定)に「はやぶさ2」という探査機の打ち上げが予定されています。
2010年に帰還した「はやぶさ」の後継機で、前回とは違うタイプの小惑星のサンプル採集に向かうためです。
今日はそのミッションマネージャーである吉川真先生(JAXA宇宙科学研究所准教授)
をお招きして、講演会を開催しました。
内容は小惑星探査の意義、「はやぶさ」ミッションの振り返り、「はやぶさ2」の機体やミッションの解説、そしてその後の小惑星探査に及ぶ、網羅的で詳細なものでした。
小惑星探査で調べるのは宇宙のどんな事?
「はやぶさ」では様々なトラブルを乗り越えて地球帰還を果たしたことが、人々の共感を呼びましたが、もちろんトラブルはない方が良いに決まっています。「はやぶさ2」では、担当する各部門が徹底的に「想定外」をなくすための工夫をしているというお話が印象的でした。
「はやぶさ」のCG映像を使って「はやぶさ2」ミッションと比較。
また、既に次のミッションとして「トロヤ群」(木星軌道上の小惑星群)への探査計画が動き出している、というお話もありました。しかも、2024年打ち上げ、2056年帰還という息の長い話で、宇宙を相手にする仕事のスケールの大きさを感じます。もしかして、今の小中学生の中から、それに関わる人材が現れるのかもしれませんね。そう考えると、宇宙の事を子ども達に教えるのって、結構責任重大だとも思います。
約1時間30分の濃密な講演の後の質問はレベルが高く「なぜ今回もオーストラリアが帰還地点なのか」とか、「前回よりも大きなロケットで打ち上げるのに、機体の大きさがあまり変わらないのはなぜか」など、傍で聞いていてもためになるやりとりが交わされました。
目標天体「1999JU3」の模型を掲げて、「イトカワ」との比較。
講演会はちょうど全天周映画「HAYABUSA2 RETURN TO THE UNIVERSE」の上映直前まで行われたので、終了後プラネタリウムに向かう方もかなりいらっしゃいました(上映終了後には拍手が巻き起こったそうです)。
吉川先生から参加者全員にプレゼント。「はやぶさ2」のペーパークラフトとシール。
お忙しい中、講演をしていただいた吉川先生、また、お盆休み最終日の暑い最中に博物館まで足を運んでいただいた皆様、ほんとうにありがとうございました。博物館としても、こうした宇宙を調べる新たな取り組みについて多くの方に知っていただき、皆で応援できれば良いと考えています。(学芸班 木村)