駐車場に珊瑚の枝?

今、博物館の駐車場の一画にこんなものがたくさん落ちてます。

赤くて、なんだか珊瑚の枝のようです。
正体は、クマノミズキの花柄です。初夏に純白の花をつけていたクマノミズキが熟して、柄ごと落ちた跡です。若い実がついたまま落ちたものもありました。

若いカラスがしょっちゅうやってきては果実を食べています。
ところで、クマノミズキに葉も花もたいへんよく似たミズキという木があります。下の写真は、ミズキです。

こちらがクマノミズキです。駐車場に隣同士で立っています。違いがわかりますか?

とてもよく似ているのですが、決定的な違いがあります。クマノミズキの枝は、一カ所から2本ずつ出ている「対生」という付き方です。それに対して、ミズキは1本ずつ出る「互生」です。ほかにも、冬芽の違いもありますが、この時期はあまり目立たない部分ですね。
そしてもう1点。花の咲く時期がだいぶ違います。ミズキはクマノミズキよりも1カ月ほど早く、もうとっくに果実は熟して落ちた後です。果実や花柄だけではまったく区別がつかないのですが、この時期に落ちている瑞々しいものは、クマノミズキだとわかるのです。
(生物担当学芸員 秋山)

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