2014年9月23日(祝)の「さがみはら宇宙の日」は、当館学芸員による講演でした。
演題は『彗星と小惑星』。彗星とはどのような天体なのか、ヘール・ボップ彗星やハレー彗星、ホームズ彗星、マクノート彗星、アイソン彗星などの、具体例とともに、観察時のヒントもまじえながら解説。べテラン観測家デイビッド・レビーさんの言葉「彗星はネコのよう。尻尾もあれば、気ままにふるまう」のとおり、明るさなど、彗星の活動を予報するのは難しいことが強調されました。
彗星の理解が深まりそうな現象が2つ年内に起こります。まず、10月20日未明に起こる「サイディング・スプリング彗星と火星の大接近」です。地球‐月間の3分の1の距離まで、火星に彗星が接近するため、火星のまわりをまわる5つの探査機や、火星面に降りている探査機2つがこの機会に彗星観測を行う予定です。そして、11月11日に予定されているのが、ヨーロッパの探査機によるチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の核への着陸。
2004年の打ち上げから10年もかけてようやく、この彗星にたどりついたロゼッタ探査機から、着陸機「フィレ」が切り離され、同彗星への着陸が試みられます。世界初の試みで、成功すれば彗星の表面や内部構造についての貴重なデータが得られそうで、こちらもたいへん楽しみ。彗星表面のパノラマ画像撮影も予定されています。
小惑星の話では、まず小惑星発見の歴史から始まり、次いで小惑星を調査しているドーン探査機の話題に移りました。
ロシアに落下した隕石や地球に接近した小惑星の例から、地球接近小惑星の危険性が解説されました。次々に発見される地球接近小惑星には、今後も目が離せません。国連でも地球接近天体対策に取り組んでいるというところで、今回の講演は終了しましたが、参加者からの質問が続き、いつしか予定時間を20分もオーバー。ホットな講演会となりました。(天文担当学芸員 山田[講演も本人])
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プロフィール
神奈川県相模原市中央区にある市立博物館です。1995年に開館して以来、相模原の歴史や自然を扱う総合博物館として市民に親しまれ、2019年には入館者数が300万人を超えました。また、2010年7月には、小惑星探査機「はやぶさ」の、2021年3月には後継機「はやぶさ2」の再突入カプセルの世界初公開を行うなど、お向かいにあるJAXA相模原キャンパスとの連携も深めています。
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