毎年紅葉の時期になると、なぜ落葉前にこんな色へと変化するのだろう?と不思議な気持ちになります。
頭では、光合成色素や糖分、アントシアニン、活性酸素といった単語の組み合わせでいくらでも説明がつくのですが・・では、もっと根源的に「この色にはどんな目的があるのか??」という疑問に対する答えが見つかりません。余剰な糖分や色素の化学変化、そして活性酸素の生成阻害と言って済ませてしまうには、あまりにも主張が強すぎる光景だし、目的があるとしたら、その変化の具合があまりにもまちまちだと思うのです。
同じ種類の木でも、黄色で終わったり、朱色まで染まってみたり・・同じ株ですら、年によって差が出ます。
毎年コンスタントに真っ赤に染まる木は、青空をどこかで意識し通じ合っているのでは、とさえ思いたくなります。
人間に都合の良い解釈はいくらでもできるのですが、それは悠久長大な進化の大樹の末端にいる私たちの、視野の狭さを表しているにすぎません。科学の根元にはまだ、理屈で説明できないことばかりあるのだと自覚させられる季節です。
・・・って、ちょっと話がでかくなりすぎましたね。
(生物担当学芸員 秋山)