ネコハエトリの綱渡り

ハエトリ糸ながし1
この写真、ネコハエトリが葉の裏側に逆さまにぶら下がって、お尻の先(それっぽく言うと「腹部先端」)から糸を出しています。クモは、生活のいろいろな場面で糸を使いますが、これもその一つ。地面に下りずに空間を移動するために糸を流し、どこかに引っかかったところで、それを伝って移動するのです。似たような行動は、網を張るクモが、最初の足場をつくるときにも行います。
ハエトリ糸いぼ
お尻の先にある「糸疣(いといぼ)」と呼ばれる(「しゆう」と読むこともあります)器官を一生懸命動かしている雰囲気がわかるでしょうか?
ハエトリ綱渡り
そして、移動開始。お尻で糸を出しながら、頭のがわの糸はくるくるとまるめて回収します。最後には食べてリサイクルまでしてしまいます。
ハエトリ綱渡りぼけ
前の写真はコントラストが強すぎて、糸を丸めているのが見づらいので、これ。
うーん。ピンボケです。でも、糸のふわふわした玉を抱えている様子は伝わると思います。
この直後、後ろから来たジョギングの方に糸を切られ(ゴール!)、ターザン(いや、スパイダーマン)のように糸にぶら下がったまま反対側の草むらに落下しました。
結果的に、さんざん糸を流して待って、2mほどの距離を10秒程度で渡った、というだけの事。それなら地面を得意のジャンプで跳ねていけばいいじゃないか、とも思うのですが、クモなりの事情が何かあるのでしょう。
私としても、そうしょっちゅう出会う場面でもないので、なかなか楽しめました。皆さんも、日差しの暖かい日に、植込みをじーっと眺めながら散歩すると、見ることができるかもしれません。(学芸班 木村)

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