長崎の被爆者による講話と家族の被爆証言

今日の午前中は、「ながさき 戦争・原爆被災展」関連事業の講演会でした。
1人めの話者は、八木道子さん(公益財団法人長崎平和推進協会継承部会副部会長)。実際に原爆を体験された方です。小柄でにこやかな方ですが、非常にはっきりした口調で語られた内容は原爆の惨状を示す恐ろしいものでした。

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たった一発の爆弾が7万4千人の命を奪った事、その半分以上が子どもだった事、爆風の速度は秒速400m、温度は3000〜4000度といった想像を絶する威力(「みなさん、お風呂だったら40度ですよね」などと問いかけながら語ります)、爆心から500m圏の小学校では1400人いた生徒のほとんどが亡くなり、家族全てが亡くなったため、そのうち半数ほどは存在した事すら確認できない事など、数字や写真を使って訴えかけます。そして圧巻は爆心から3.6km離れた自宅で爆発を目撃した話です。空襲警報解除後に高空を飛ぶ飛行機を見に2階に上がり、手を振ったとたん、目の前で強烈な光が炸裂し、その後階段を降りたのか吹き飛ばされたのかも覚えていないと仰っていました。
実際に体験された方のお話は、実に説得力があり、半ば自分もそれを見たかのような気持ちになります。本当に、この方たちがいなくなったら、これを伝える人がいないのだという事を実感しました。
そういった危惧を持ちながら被爆二世として語り継ぐ活動を続けていらっしゃるのが、2人めの話者、佐藤直子さんです。

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被爆者として語り継ぐ活動をしていた父親から引き継いで、紙芝居を使って被爆者の体験談を伝えながら「身近にいた家族だからこそわかること」を語ろうと活動していらっしゃいます。ただ被爆者の事を家族がよく知っているかというと、家族にはあまり語らないという難しさもあると仰っていました。
どちらの方のお話も、重く、悲しく、涙を禁じ得ないものでしたが、紛れもなく現実に起きた事です。
語り継ぐ事はとても大切だと思います。ナイーブな考えかもしれませんが、話を聞いた人の世界は、きっと今までとは違うものになります。それが核兵器や戦争のない世界をつくっていく基礎になるのだと思います。話者の八木道子さんが質問に答えて言った「微力だが、無力ではない」という言葉が、とても心に残る講演会でした。(学芸班 木村)

「ながさき 戦争・原爆被災展」11月26日(水)から平成27年2月1日(日)

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