今日は相模原市環境情報センターで、自然環境観察員による今年の全体テーマ調査である「ツバメの巣分布調査」の結果について、調査員のみなさんと考察する検討会に参加してきました。まず、センター職員から結果の全体的な説明を受けます。
続いて、相模原市の大きな地図に、ツバメの種類ごとに巣が見つかった地点にマークをしていきます。これがなかなか細かい字を読んでいかなくてはならず、みなさん苦労しています。
でも、たくさんの人が参加した分布調査の結果がしっかりと図化されました!
これを見ながら、ワークショップ形式で気付いたことなどまとめて発表していただきます。
最後に私が、調査でみなさんが感じた疑問にお答えしたり、結果についての概要など説明しました。
詳しい結果はセンターが毎年発行する年次報告書でとりまとめられますが、衝撃の事実が浮かび上がりました。ツバメについては、市街化や再開発の進んだ場所で見られない傾向はあるものの、過去の平成13年、18年の調査と比べてほぼ横ばいのように見えます(合併前の調査と、今回では調査区域が異なるので単純には比較できません)。しかし、ツバメと近縁のイワツバメの営巣確認メッシュが激減していたのです。H13年と比べると、なんと10分の1以下でした(減りすぎていたため、目で数えただけで簡単に比較できてしまったのです)。ツバメの減少傾向が全国的に言われている中、私自身、イワツバメについてはこれほど減少傾向が顕著だとは気付かず、ショッキングでした。
市民参加型調査を10年以上続けていくと、こんなに明瞭に生きものの分布変化が読み取れるんですね。そのこと自体は興味深いし、イワツバメはもともと、半世紀くらいの間に都市部へ進出して、それがまた潮が引くように後退していっているとも言えますが・・さてさて、全国的な傾向はどうなのか、ちゃんと見ていかないといけませんね。
(生物担当学芸員 秋山)