2015年最初の「さがみはら宇宙の日」は講演会、
『超大型30m望遠鏡TMTで見る宇宙』と題して、国立天文台TMT推進室の、家 正則(いえ・まさのり)さんにお話ししていただきました。
講演前に会場に流れていたアランフェス協奏曲は、なんと家先生の演奏を録音したもので、会場のみなさん、びっくり!
まずは、TMT の先輩格にあたる「すばる望遠鏡」の説明から。口径8.2mの「すばる望遠鏡」でもたいへんな苦心、苦労の結晶であることがわかります。
それをはるかに上回る、口径30mのTMT。「月の上のホタルの光が見える」、「東京から大阪にある1円玉を数えられる」という驚くべき性能の望遠鏡が、ハワイ島マウナケア山頂で、いよいよ建設が始まりました。
建設費は約1500億円! 日本は約4分の1を負担する、5カ国の国際協力事業なのです。
5カ国間の取り決めをきちんとまとめていく作業もたいへんそうです。
TMTの巨大な鏡には、熱膨張率がほとんどゼロという特殊ガラスの技術をもつ、相模原市のメーカー「オハラ」の製品が使われています。このガラスは、以前、博物館でも展示されました。
TMTの完成予定は2022年頃になる予定。どのような新たな宇宙の姿が明らかになっていくのでしょうか。
「はやぶさ2」の2020年末帰還とともに、TMT の描き出す宇宙にも楽しみです!
2時間を超える解説と、その後の質問攻めにもやさしく対応してくださった家先生、本当にありがとうございました!(天文担当学芸員 山田)