今日は緑区のある山に、絶滅危惧植物の生育状況を確認する調査に行きました。
シャクジョウソウ(イチヤクソウ科)です。神奈川県では絶滅危惧1A類。じつは、かなり珍しく個体数の少ない植物です。
それにしても、植物らしくない姿形です。緑色の部分がどこにもありません。近いなかまのギンリョウソウと同じく、腐生植物です。菌根をつくって樹木と共生している菌類(キノコのなかま)にとりついて、そこから栄養をもらって生育します。葉緑体を持たないので、光合成はいっさいしません。なんともしたたかな生き方ですね。
同じ山で、アオテンマも見ました(上の写真)。オニノヤガラの品種ですが、淡黄緑色が梅雨の林内にとても映えていました。この植物も、ラン科の腐生植物です。シャクジョウソウと全く異なるなかまの植物ですが、生き方はよく似ていますし、なんとなく、雰囲気も似ていますね。
(生物担当学芸員 秋山)
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プロフィール
神奈川県相模原市中央区にある市立博物館です。1995年に開館して以来、相模原の歴史や自然を扱う総合博物館として市民に親しまれ、2019年には入館者数が300万人を超えました。また、2010年7月には、小惑星探査機「はやぶさ」の、2021年3月には後継機「はやぶさ2」の再突入カプセルの世界初公開を行うなど、お向かいにあるJAXA相模原キャンパスとの連携も深めています。
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