神奈川地学会

7月7日(土)の七夕の日,神奈川地学会のミニ巡検に参加しました.
小田原市入生田にある神奈川県立生命の星・地球博物館周辺の箱根火山火砕流堆積物の見学です.
総会,講演会に続いて,15時30分頃から巡検です.
まず,生命の星・地球博物館の横を流れる早川の対岸の火砕流堆積物を見学しました.写真中央の崖の中腹あたりから川に張り出している部分がそうです.これは約2万年前の火砕流によるものですが,写真ではよくわかりません.

次に,昔,溶結凝灰岩を切り出していた石切り場の後へ.この溶結凝灰岩は約6万6千年前の大火砕流のときの火砕流堆積物です.箱根登山鉄道の入生田と風祭の間くらいの場所です.この辺りで盛んに採石していたようです.
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これが採石の跡です.かなり時間が経過しており,埋まったり,表面に植物が生えてわかりにくくなっています.民家の敷地内なので,教えてもらわないと気づきません.
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近寄ってみるとこんな感じ.黒いシミのようなものは,熱と堆積物の重さでつぶれた軽石です.
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採石した時の屑石で石垣が作ってありました.
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近くの神社にある祠にはこの石材が使ってあります.つぶれた軽石など,溶結凝灰岩の構造がよくわかります.
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雨が心配されましたが,降られることも無く,無事ミニ巡検を終えることができました.曇りで日差しは無いものの非常に蒸し暑く,夜のビールをおいしくいただくことができました.
(地質担当学芸員 河尻)

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