今日は午後から歴史講演会「オランダ商館医師・ケンペルが見た元禄日本 ~将軍綱吉への謁見旅行から~」が行われました。講師はベアトリス.M.ボダルト=ベイリーさん (大妻女子大学比較文化学部教授)です。会場は用意した席がほぼいっぱいになる大盛況でした。
ケンペルは17世紀末の長崎出島の商館医として勤務し、約2年の滞在期間に2度にわたり江戸参府を行った人物です。博物学者としての側面を持ち、日本の風土や動植物などについて書き遺した「廻国奇観」は後にヨーロッパの大ベストセラーとなりました。講演では、異文化との接触に抵抗を持たなかったケンペルの生い立ちにまつわるエピソードや、日本滞在中の厳しい制限下での記録方法など、非常に興味深いお話しでした。
講演後の質疑では大変専門的な質問も飛びだして、市民の皆さんの関心の高さがうかがえました。
ベイリー先生は、この3月で大妻女子大を退官され、母校であるオーストラリア国立大学で再び教鞭を執られるとのことです。実質的に大学外では日本での最終講義となったかもしれません。これからも日本とドイツ、そしてオーストラリアの異文化交流の架け橋となっていただきたいですね。
(生物担当学芸員 秋山)