博物館周辺で見つけたクモシリーズ。今回はヤサアリグモです。
体長はメス 5-6mm、オス 4-5mm、林の周辺などで見られます。その名の通りアリに似ている、徘徊性のクモです。アリグモの仲間は日本にも何種かいますが、この種はやせ形で、頭の部分にもくびれがあるおかげで、よりアリに近い姿をしています。
ヤサアリグモ(オス)横から見たところ。かなりアリっぽいです。前に突き出ているのは大アゴ。メスの大アゴはこんなに大きくないので、もっとアリに似ています。
大アゴをひらいています。アリと同じく、かみつかれると結構痛いです。
正面から見たところ。ハエトリグモと同じく、前方を見つめる「サーチライト」と呼ばれる大きな目が1対あります。
アリに擬態していると思われる生き物は、熱帯を中心に外国にもたくさんいるそうです。中にはモデルとなったアリとすぐには見分けがつかないほど似ている種類もいます。それに対し、日本のアリグモ類はどうも、それほどアリに似ていません。それでも、ちょっと見た感じではかなりアリっぽく見ますし、ご丁寧に歩くときに一番前の肢を持ち上げて、触角っぽく見せたりもします。その努力に免じて悪口は控えます。実際、そういうクモがいる事を知らなければ、見過ごしてしまうことでしょう。
しかし、そもそもなんのためにアリに似ているのでしょうか。外敵に襲われないため、という説が有力なようですが、アリにまぎれてアリを襲うクモもいるようなので、話は簡単ではないようです。【学芸班 木村】
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プロフィール
神奈川県相模原市中央区にある市立博物館です。1995年に開館して以来、相模原の歴史や自然を扱う総合博物館として市民に親しまれ、2019年には入館者数が300万人を超えました。また、2010年7月には、小惑星探査機「はやぶさ」の、2021年3月には後継機「はやぶさ2」の再突入カプセルの世界初公開を行うなど、お向かいにあるJAXA相模原キャンパスとの連携も深めています。
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