タンポポにもいろいろ

昨日オープンした松原巖樹生物細密画原画展「図鑑の生きものいっぱい」は、オープン二日目の今日もたくさんのご来場者をお迎えしています。
さて、ここしばらく展示の準備状況などばかりアップしていましたので、外へ・・。
博物館のまわりでは今たくさんのタンポポが咲いています。代表的なのは、おとなりの樹林内のカントウタンポポです。

在来種のタンポポとして、こうした日当たりの良い林縁や里山などに咲きます。特徴は、花を支える総苞という緑色の部分がお椀型にしっかりとまとまっていることです。

博物館の前庭にも、同じようなカタチのタンポポが咲いています。

お!カントウタンポポかな・・でも、となりのつぼみを見てみると・・。

総苞のまとまりが悪く、ちょっと離れているものが数枚見られます。これは、カントウタンポポとセイヨウタンポポ(外来種)の雑種と言われています。なんとも紛らわしいですね。興味深いことに、お隣の樹林地はカントウタンポポ、前の道路沿いにはセイヨウタンポポが生育していて、その間の駐車場や博物館前庭にはこのような雑種が多く見られます。当初、樹林内も雑種化してしまうのではと危惧しましたが、一部道路際には入り込んでいるものの、今のところカントウタンポポの群落は維持されています。
さらに、前庭にはこんなタンポポも。

西日本の在来種であるシロバナタンポポです。これはタンポポが白化したのではなく、もともと白い花のタンポポです。これも関東地方に自生分布しないので、外来種です。でもまあ、抜き取るほどのものでもないため放置して花を楽しんでいます。
タンポポにもいろいろあります。生物は多様性に満ちています。
(生物担当学芸員 秋山)

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