「緑色のクモ」というのは結構いるのですが、このウロコアシナガグモは特段にきれいな気がします。
ポピュラーな種ですが、メタリックな色彩だからでしょうか。無条件に「きれい」と思ってしまいます。
写真の個体は、あまり典型的な体色ではありません。普通はもっと全体が緑色に光っています。通勤途上の生け垣の前にしゃがんだところ、葉裏に潜んでいるのを見つけました。
抱えている白いふわふしたものは卵のうです。ガードしているのでしょう。寒さが過ぎたと思ったら、もう繁殖シーズンです。
もっとも、時々「擬卵」といって、卵が入っていない卵のうをつくる事もあるのですが、こればかりは見ただけではわかりません。
実はこれがウロコアシナガグモかどうかというのも微妙で、よく似た種がいるのですが、標本にして顕微鏡で見なければ確認できません。「確かこの辺にいるのはそうだった」という暫定的な判断です。今日は調査をしているわけではないので、それぐらいにしておきます。
通勤路の風景もどんどん緑が濃くなってきて、暑くもなく、心地よく歩けます。
こちらは今朝見かけたネコハエトリ。まるで空を見上げてぼんやりしているみたいでした。クモにとってもさわやかで気持ち良い陽気なのでしょうか…。(学芸班 木村)