雨の日のクモ観察

今日は朝からずっと雨が降っていましたが、こんな日にクモはどうしているのでしょうか?
ジョロウグモの様子が観察できたのでお見せします。
ジョロウだらん
わかりますか?第3脚と第4脚で網にぶら下がって、第1脚と第2脚はだらんとしています。おそらく、上から落ちてくる雨に当たりにくいように、垂直方向から見た表面積を最小にしているのでしょうか。円網を張るクモはよくこういった行動をとります。
ジョロウだらん2
こちらの個体は、第1脚のみ、だらんとしています。まあ、いろいろやり方があるのでしょう。
ところで、ジョロウグモの場合、雨が降り出すと網の半分を第1脚でかき分けて壊してしまう行動が知られているのですが、今回、それは見られませんでした。
そのかわりに発見したのが、これ。
ジョロウ横糸なし
ジョロウグモの網のアップなのですが、横糸が張られていません。「え?横糸あるんじゃないの?」と、思われるかもしれませんが、写真に写っているのは「足場糸」といって、横糸を張る前段階で張られる糸。横糸と違って、獲物を捕らえる粘球がついていません。
朝、網を張り直している途中で雨が降り出したのでしょうか。想像することはいくらでもできますが、真相は謎です。たまたまその場面に出くわさないと本当の事はわからない、というのも生きもの観察の面白さなのだと思います。
ジョロウ横糸
因みにこれは、晴れた日にジョロウグモの幼体が横糸を張っている様子の写真です、足場糸はキザギザと階段状に張られているので横糸と区別できます。(学芸班 木村)

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