ドイツから12 最終便は成田から

いよいよドイツから最後の書き込みです。何を書こうか迷いましたが、やっぱりドイツで出会った素晴らしい人々について書き留めておきたいと思います。
まず、ドイツ側の受け入れの中心としてコーディネートしてくださったリンケさん。実は、出発まで私のドイツ人のイメージは、学生時代に接した何人かの河川技術者によって作られていました。厳格であまり笑わず、理屈っぽい。ところが、初日にベルリンの空港へ迎えに来てくれたリンケさんは満面の優しい笑みと、連発されるジョーク、気遣いの塊のような方でした。
その後の2週間でよくわかったことは、ドイツのみなさんはちょっとシャイで、でも挨拶をした瞬間にみなさん素晴らしい微笑みを返してくれることです。
そして、行く先々で私たちを出迎え、面倒を見てくれて、本業の博物館教育の実際を披露してくれたリンケさんのお仲間たち。
とりわけコマンドラさん、ニコルさん、マリーさん、オットーさんのバイタリティあふれるご婦人方(名前と名字が混在してますが…)、博物館教育の世界では少数派の男性で、フランス映画から飛び出してきたような雰囲気のシューラーさん。みなさん本当に心優しく誠実な方々で、個人の休日をつぶして何日も早朝から夜中まで私達につき合ってくれました。同業者ということもあり、言語を超えて通じ合うことができました。
ホームステイのホストとして受け入れてくださったノイテさん親子、特に14歳の娘さんは私よりはるかにしっかりした英語でへんてこな日本人と一所懸命コミュニケーションをとってくれました。ドイツの極めて一般的なボードゲーム、Mensh Argere Dich Nicht を教えてくれて一緒に楽しみ、テレビのバラエティ番組を見て大笑いし、翌日は、ベルリンの地下壕や中世の離宮跡を見て歩きました。
ボランティアとしてこのツアーのコンダクターを務めてくれた若干20歳のヴィクトリアさん。ドイツではギムナジウム卒業から大学入学までの1年間をボランティア期間に当てるのが一般的です。博物館のガイドとして1年間勤めた締めくくりとしてこのツアーに随行してくれました。私たちのおやじギャグや天然ボケに絶妙のツッコミを入れてくれるチャーミングな若者でした。
そして、今回私たちがもっとも感謝しているのが、通訳のDr.ハイケさん。日本文学の研究者として大学で教鞭をとり、翻訳も手がけるハイケさんの通訳は本当にすばらしく、今回のツアー成功の立役者と言えます。知的で気品のあるたたずまいが常に私たちに安心感を与えてくれました。漢字も自在に駆使されるほどあまりにも日本語がお上手なので、時々ハイケさんがドイツ人なのか日本人なのかわからなくなりそうでした。早朝から深夜までみっちりお付き合いしてくださったご恩を、私たちは決して忘れることはないでしょう。
こうして同業者としてだけでなく、人間として心から尊敬できる方々と知り合えたことが、今回の旅の最大の成果でした。
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さてさて、長々と書いていたらフランクフルト空港で送信するタイミングを逸してしまい、もう成田です。時差ボケしてる間もなく仕事の大波が押し寄せてきます。頑張って通常業務に戻ります。
(生物担当学芸員 秋山)

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