体長:メス4-5mm、オス 3-4mmの小さなクモ。葉の上にちぢれたような糸をめぐらした中にいる事と、全身が和毛に覆われているように見えるため、この名前がついたようです。しかし実際には、アルミサッシやフェンス、看板等に網を張っている事も多く、むしろそういう場所でよく見かけます。
ちぢれたような糸でできた網は「ボロ網」と呼ばれています。糸に粘り気はありません。しかし1本1本を拡大すると、細い繊維が絡み合った構造があって、昆虫などの体表に引っかかるようになっています。クモは引っかかった獲物がうまく動けなくなっているうちに素早く近づき、噛みついて捕らえます。クモの網というと「粘る」というイメージが強いのですが、実はこういったタイプの網を使うクモは結構います。
さて、今日はこのクモのペアを見つけました。交接後のオスは年内に死んでしまいますが、メスは越冬して、春に卵を産むそうです。生き物の世界では冬越しに向けた準備がもう始まっているのですね。と、ここまで書いて気づきました。冬に幼体や卵を観察した記憶がある…あれ?これは改めて観察の価値ありのようです。(学芸班 木村)
葉の上の個体
フェンスなどでよく見かけます
カップル成立。写真下がオス。
交接行動。下にもぐっているのがオス。
網に渦巻き模様をつけるウズグモの仲間も粘球がない横糸で獲物を捕らえています。
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プロフィール
神奈川県相模原市中央区にある市立博物館です。1995年に開館して以来、相模原の歴史や自然を扱う総合博物館として市民に親しまれ、2019年には入館者数が300万人を超えました。また、2010年7月には、小惑星探査機「はやぶさ」の、2021年3月には後継機「はやぶさ2」の再突入カプセルの世界初公開を行うなど、お向かいにあるJAXA相模原キャンパスとの連携も深めています。
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