それはあなたです!

11月17日、市内緑区の林道を歩いていると、カーブミラーの上にジョウビタキがちょこんととまっていました。

カーブミラーにとまるジョウビタキのオス

するとおもむろに飛び立ち、鏡の前に飛んで鏡像と向き合います。

鏡の自分を見つめて・・というわけではなさそうです

何度も何度も繰り返していました。これは、お出かけ前の身だしなみチェック・・というわけではなく、鏡に映った自分自身を、なわばりに侵入してきたライバルと思い込んで攻撃しているのです。目も真剣。

目が真剣です

端から見ているとちょっとほほえましくも感じるのですが、考えてみるとこの勝負、永遠に引き分けです。すっきりしない戦いを何度も続ける彼の今年の冬越しを考えると、ちょっとかわいそうな気持ちになりました。「それは、あなたですよ!」と教えてあげたいですね。

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11月の星空情報②

冬も近づく落葉の候、日に日に寒さも増してきましたね。
相模原では間もなく紅葉が見ごろを迎える頃でしょうか。
色づく景色が楽しみです。
みなさん、体調にはくれぐれも気をつけて、
これからの寒い季節を心も体も健康に乗り越えていきましょう。

そして、今時期の星空観察は寒さが少し厳しいですが、
凛と澄んだ空気の夜空で見上げる星々は、
いつもよりキラキラと輝き、
まるで美しいダイヤモンドのようです。

秋から冬の星空
(撮影地:相模原市緑区)

 

11月17日には「しし座流星群」が極大になります。
今年はたくさんの流れ星が見える!と、言う予測ではないのですが、
月明かりはなく、観測条件は良いとされています。
街明かりの少ない場所で夜空を見上げたら、
流れ星を見つけることが出来るかもしれません。

流星群は極大日の前後約一週間の間は見つけやすく、
見ごろは17日の真夜中から18日の夜明け前です。
星空観察をする際は安全な場所、そして暖かい格好で観察してくださいね。

図:しし座流星群の放射点 11月18日午前2時 東の空

 

また、夏頃から夜空で寄り添うように輝いている木星と土星は、
近頃では日の入りの1時間後には、南西の低い空で明るく輝いています。

さらに11月19日には、これら二つの惑星に細い月が近づいて見えます。
月が細いほど、惑星の明るさが際立つため、とても美しく見えることでしょう。
木星と土星はこれから12月下旬にかけてさらに近づいていきますので、
しばらくの間は二つの惑星が夜空で寄り添う姿を楽しめそうです。

図:11月19日 月が木星、土星に接近
(国立天文台 天文情報センター)

 

そして、10月6日に地球に最接近した火星も
まだまだ空の高い所で赤く輝いています。
惑星たちは明るいので街中でも見つけやすいです。
(11月の星図はこちらをご覧ください。)

もしかしたら、ご自宅の窓からでも眺めることが出来るかも知れません。
自分だけの星空観察ベストポジションをぜひ探してみてはいかがでしょうか?

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ヨツモンカメノコハムシ

今朝、こんな虫を見つけました。

ヨツモンカメノコハムシ。ちょっとカメムシのようにも見えます。


体長1cm弱、ハムシ(甲虫の一種)の仲間で、ヨツモンカメノコハムシといいます。
その特徴は、平たくて、大きな笠を背負っているように見える事です。

裏側からも光を当ててみると「甲」の部分が透けて見えます。


照明を当ててみると、カブトムシやテントウムシでいう「甲」の部分が大きくて、頭部や腹部などがその下にすっぽり覆われているのが透けて見えます。

背中側から見たところ


腹側から。目や足がはっきり見えます。

似たような形の昆虫ではジンガサハムシやイチモンジカメノコハムシなどがよく知られていますが、このヨツモンカメノコハムシは元々沖縄以南に分布していたものが、近年になって関東にも分布を広げてきたものです。今年はそういった生き物に出会うことが多いような気がします。身近な生き物の種類も、少しずつ変わっているのかもしれません。

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開館25周年記念イベントスタート!

11月14日、開館前の博物館はいつもとちょっと景色が違いました。

開館25周年記念ロゴをあしらったウインドウバナー

ウインドウバナーが設置され、開館25周年の雰囲気が高まります。
そして、「みんなで飾ろう!お誕生日ケーキ」とメッセージボードが設置されました。

開館前のまっさらなケーキとボード

開館半日後、来館者のみなさんのご協力で、こんなにデコレーションが進みました。

半日でだいぶ豪華になってきました!

メッセージボードにもこんなに!

メッセージボードへの書き込み

11月15日からは、スペシャルクイズラリーも始まります!挑戦して下さった方にはなんと、開館25周年記念ポストカード1枚を進呈!
新型コロナウイルスの関係で大きなイベントはできませんが、ご来館いただいた皆様と一緒に楽しめる25周年記念イベントを企画しています。お楽しみに!

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紅葉が見ごろになってきました

博物館周辺の木々がだいぶ色づいてきました。

博物館前庭のケヤキ

駐車場のタカオカエデ(イロハモミジ)はさすが、紅葉のシンボル的存在です。

タカオカエデ(イロハモミジ)

同じく駐車場のエノキは黄葉です。青空に映える色ですね。

エノキの黄葉

紅葉は地面にも広がっています。サクラの葉は一足先に落葉し、地面で美しく色づいています。

サクラの落葉の紅葉

お隣の樹林地の遊歩道も色とりどりの落葉で覆われ、思わず下を向いて歩いてしまいます。

遊歩道の落葉の紅葉

晩秋は足早に去りつつあり、あっという間に冬がやってきそうです。

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博物館25周年記念イベント、準備着々!

相模原市立博物館は今年で開館25周年を迎えます。すでにロゴマークがあちこちに表示されています。
今日(11月12日)は、週末から始まる企画展のポスター展示の準備を行いました。歴代の企画展ポスターから、年ごとに1枚ずつを選んでエントランスに展示します。

懐かしいポスターが並びます!

イベント全体のポスターやチラシの発送作業も並行して行っています。

市内の公民館や学校などに配布されます

奥の方に見える巨大なオブジェは・・バースデーケーキを模したもので、来館者のみなさんにデコレーションしていただこうと考えています。

バースデーケーキも間もなくお披露目です!

そして、記念のポストカードも作りました!近々ミュージアムショップで販売予定です。

まだチラッとだけですが、お見せします!

ちょっとマニアックな当館所蔵の資料や、博物館の周辺に生息する野鳥など、バラエティに富んだ7枚組です。
25周年イベントの詳細については近日中に博物館ホームページや、広報さがみはらでもお知らせいたします。お楽しみに!

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シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」でみる名所紹介⑳ ㋧

根小屋地区 ムササビも待つ パークセンター

絵札に描かれている背景の山は、城山と呼ばれる緑区の津久井城跡で、現在、城山や津久井湖周辺などが県立津久井湖城山公園となっています。
また、絵札下部に描かれているのは、この公園の管理を行っている「パークセンター」です。
この津久井湖城山公園のキャラクターが「武者サビ君」といい、城の歴史と山に生息するムササビからイメージしたそうです。

神奈川県立津久井城山センターホームページ(クリックするとリンクが開きます)

ムササビは、ネズミ目リス科に属する日本固有の哺乳類です。前肢と後肢の間にある皮膜を広げて滑空する事で知られています。尾の先まで含めた大きさは70-80cmほどあり、皮膜を広げた姿はしばしば「空飛ぶ座布団」と例えられます。
樹木内の空洞などに営巣し、夜になるとそこから出てきて枝の上を移動しながら葉や実を食べたり、他の木に飛び移ったりします。
多摩丘陵や丹沢山地周辺ではかつて広範囲に生息していたものが、樹林地の減少や分断により生息範囲が狭まっていると言われています。

ムササビの幼獣。昼間ですが巣穴から顔を出しています。津久井城山パークセンターで撮影。

行動する時に、鳴き声によるコミュニケーションを行う事も知られています。夜「グルルル…」という鳴き声がするので「怪物では?」とテレビ番組で取り上げられる事もあるようです。
江戸時代には「野ぶすま」という妖怪と同一視されていたとか。
城山公園は、かつて津久井城があった場所です。その頃にもムササビが生息していたとすれば、当時の人は結構怖がっていたかも知れませんね。

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「写真で見る相模原~昭和・平成の生活と民俗~」(No33・エビス講)

 今回紹介するエビス講は11月20日の年中行事です。このエビス講は1月20日にも行われ、エビスが1月20日に働きに出かけて、11月に帰ってくるという話は多くの地域で聞くことができます。市内でもエビス講は盛んで、各家で両日ともエビス・大黒を祀り、さまざまなお供え物をしました。

 最初のモノクロの写真は、平成元年度制作の文化財記録映画「相模原の年中行事」において緑区大島で撮影したもので、普段はエビス・大黒像を台所で祀っていますが、前日の19日の「宵(よい)エビス」に床の間に移します。そして、20日朝に小豆飯や煮物などをエビス(向かって左)と大黒(同右)に供えます。また、エビス講には尾頭付きの魚を供えることが多く、この家では、二匹の鯛を腹合わせにして藁で吊るしているのが特徴です(平成元年[1989]11月19・20日撮影)。

                           

                           

                           

 年に二回行われるエビス講の行事内容はほぼ同じで、次の写真はいずれも昭和63年(1988)1月20日の撮影です。最初は南区下溝で、木像の比較的大きなエビス大黒像を神棚の下に出し、やはり尾頭付きの魚や高盛りの飯・ケンチン汁などを供えています。次の写真は緑区大島の別の家で、魚は二匹ですが腹合わせではなく、木像のほかに掛け軸も飾っています。

                           

                           

                           

 先ほどエビス講では正月に働きに出かけ、11月に帰ってくるという伝承を紹介しました。そのためエビス講では金も供え、1月ではたくさん稼いでくれるようにお願いして、11月にはよく稼いでくれたということで1月より多くの金をお供えすることが見られました。
 最初の写真では桝(ます)に財布を入れて供えています(昭和59年[1984]11月20・南区当麻)。もう一枚は文化財記録映画「相模原の年中行事」での撮影で、左側に一升桝の桶が見えますが、この中に金や預金通帳を入れて、作物の収穫の感謝と預金増額のお礼をしました(平成元年[1989]11月20日・緑区橋本)

                           

                           

 ところで、この職員ブログで紹介している写真は博物館建設準備に伴うもので、合併以前でもあるため当時の津久井地域の写真はかなり少なくなります。それでも合併後やそれ以前に津久井地域で撮影された写真もあり、次の写真は緑区根小屋で、この家では他でもよく見られる尾頭付きのほかに、柿や大根・ニンジンなどの野菜の煮物の上に油揚げを載せたものを供えています。この油揚げを載せた野菜の煮物は、当家だけでなく比較的近所の家でも作っているものの、柿を供えるのはあまり見られないそうです(平成24年[2012]11月20日)。

                           

 11月下旬は忙しい農作業もようやく一息つく時期で、12月に入ると山仕事や藁細工などの冬場の作業があります。そして、新年を迎えるに当たっての準備も始まり、この職員ブログでも冬や正月がテーマとなっていくことになります。

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シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」でみる名所紹介⑲ ㋡

ツインビル 小田急相模原の 街を見下ろして


小田急相模原駅は、駅前の再開発によって現在では大きく発展しています。

平成17年3月24日に北口の駅前ロータリーが閉鎖され、東側に仮設の駅前広場とロータリーが移転し、北口旧広場にラクアル・オダサガが建設され、平成19年12月に開業しました。また、行幸道路の北側に、商業施設と居住施設を備えたペアナードオダサガが建設され、平成25年10月10日に開業しました。この2つの建物が絵札に描かれているツインビルです。

昔からの街並みが変化していくのは時代の流れとも言えます。今回は、小田急相模原にまつわる歴史の一部を2点、紹介いたします。

①中和田新開

明治のはじめまで、現在の県道町田厚木線のあたりは一面原野でした。しかし今から約140年前の明治13年頃、この土地を開発し、耕地として利用しようとした人がいました。綾瀬村蓼川(たでかわ)に住む平出富士太郎その人です。仲間であった鈴木孫七らの協力を得て、この周辺を切り開きました。この開墾が、後の臨時東京第三陸軍病院の新設などにつながります。この開拓を、平出富士太郎の出身地から「蓼川新開」、または上鶴間の中和田集落の範囲であったことから「中和田新開」と呼称されました。「新開」とは明治時代の新たな開拓のことです(江戸時代は「新田」)。

中和田新開の開拓碑(現在は小田急相模原駅そばの行幸道路沿いにあります)

 

②臨時東京第三陸軍病院

今から83年前の昭和12年の陸軍士官学校移転後、本市域や座間市域では、相模原駅~淵野辺駅周辺や、相模大野駅~座間駅周辺を中心に相模陸軍造兵廠、陸軍兵器学校、臨時東京第三陸軍病院、相模原陸軍病院、陸軍士官学校練兵場など、多くの軍関連施設が設置されました。

軍関連施設(赤丸が小田急相模原駅)

小田急相模原駅の付近には、陸軍第一電信連隊、臨時東京第三陸軍病院が位置しています。今回はこの臨時東京第三陸軍病院を紹介します。

この病院は昭和13年3月に開院し、日中戦争での負傷者を主な対象として、当時の最新の医療機器が完備され、社会復帰のためのリハビリも行っていました。ちなみに「第三」と呼称されるのは、戦線拡大に伴い、東京都新宿や、同目黒につくられた臨時陸軍病院に続いて設立されたためです。

臨時東京第三陸軍病院 の航空写真

現在では国立病院機構 相模原病院となっています。昭和天皇の行幸が昭和14年3月1日に行われ、行幸記念碑が同病院の正門付近に今でもあります。

病院正門付近にある行幸記念碑

中和田新開が駅前の発展の基礎であり、その後、陸軍関連施設の建設など、今の現状からは想像しにくいと思いますが、地域に残る歴史を紐解くことで、先人たちの業績を改めて知ることができます。

 

*このかるたは当館のボランティア「市民学芸員」が2017年に制作したものです。
*このかるたは相模原市立博物館にて貸出し可能です(現在は当面の間、貸出しを休止しております)。
*貸出しの詳細やその他このかるたに関心のある方は、博物館までお問い合わせください(042-750-8030)
*貸出し使用時には感染症予防のため、事前・事後の手洗い・消毒などを必ず行ってください。

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かいこランドを訪問

11月6日、博物館のご近所にある大野村いつきの保育園にお邪魔しました。
こちらの年長さんたちが、6月から毎週お散歩途中に来館して、カイコの観察、そしてお絵かきした作品などを披露してくれていました。
今回お邪魔したのは、なんとこの保育園に「かいこランド」ができている!と伺ったからです。園舎に上がるとすぐに園児の皆さんがお出迎え、そして作品を説明してくれました。

カイコにまつわる様々な作品を鑑賞

素敵な作品を鑑賞した後、階段を上ると一人の園児が自ら設計、製作した“がしゃぽん”が!

カイコのデコレーションが内部にも施されていました

ハンドルを回すとちゃんとカプセルが出てきて、中には手作りの繭のマスコットや、お手紙が!!

手作りの作品がカプセルに収められていました

さらに階段を上ると、3階の小部屋にはカイコのお部屋があり、カイコに扮したかわいい園児さんたちが待っていました。

かわいいカイコさんたち
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そして、最後に大きなお部屋に通されると、創作絵本の朗読、さらにみなさんが整列して、「かいこのめいさんち」という歌を披露してくれました。園児たちが作詞したそうで、大きな声で楽しそうに歌う姿に感動しました。

“すいかのめいさんち”をベースにつくられた「かいこのめいさんち」

心のこもったおもてなしの数々に感激しっぱなしでしたが、それは何より園児たちがカイコを観察して思ったこと、考えたことを全力で形にしていることが感じられたからです。創作絵本もストーリーと絵をすべて自分たちで考えて作ったそうです。自由で素直な筆致からは、園児たちのカイコへの愛情があふれ出ていました。

創作絵本

かいこランドには、一人一人の子どもの個性を尊重し、信頼を寄せる大人の愛情も同時に感じられました。
時間を忘れる楽園のようなひと時を過ごし、澄み切った秋空のような気分でかいこランドを後にしました。

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