田んぼの緑と大きな鳥

相模川沿いで植物調査を行うために、川沿いの田んぼ道を通っていました。視界の隅で何かが動いたのでそちらを向いたのですが、何もいません。あれ?と思ってしばらく見ていると、こんな鳥がひょっこり顔を出しました。

イネの間から顔を出したゴイサギ

ゴイサギです。黒髪をなでつけたような頭羽がちょっとキザなサギです。それにしても目が真っ赤ですね。この鳥は夜もよく活動します。夏の夜中に上空を「ギャッ」と鳴きながら飛ぶことがあり、別名「夜がらす」と呼ばれています。そのため、バードウォッチャーの間では、昼間見ると徹夜明けで目が真っ赤なのだと冗談交じりに言われます。ちなみに、目が赤いのはゴイサギの特徴の一つで、徹夜明けとは関係ありません。
ちょっと離れた場所では、ダイサギも採食していました。

ドジョウを捕らえたダイサギ

ドジョウを捕らえてはヒョイッと飲み込む動きがリズミカルです。
ゴイサギもダイサギも、カラスくらいある大きな鳥で、しかも色がとても目立ちます。でも、伸びてきたイネの間に低い姿勢で入るとまったく姿が見えなくなります。田んぼは、大きな鳥にとっても、身を隠せる良い場所なのです。
近くの畑の脇では、キジがにらみをきかせていました。

にらみをきかせるキジのオス

そのうち、ケーンと鳴き、翼を打ち付けてバタバタと大きな音をたてました。

ケーンと鳴き始めました

同時にバタバタと翼を打ち付けます

「けんもほろろ」という言葉の由来と言われる、キジのなわばり宣言の方法「ほろ打ち」です。
夏至を過ぎて、鳥の姿が目立たなくなってきました。でも、田んぼのまわりは大きな鳥がゆったりと動き回っていて、ちょっと楽しいですね。

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シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」でみる名所紹介⑫ ㋾

おだやかな 日差しの中に 八景(はけ)の棚(たな)

 

八景の棚は相模原市南区下溝にある景勝地で「神奈川県名勝・史蹟四十五佳選」にも選ばれています。かるたの絵札にも描かれているとおり、ここからの眺望は素晴らしく、眼下に相模川、遠くに丹沢山地を望むパノラマを楽しむことができます。

八景の棚からのパノラマ

相模原市東部から藤沢市かけて広がる相模野台地には、典型的な河岸段丘(かがんだんきゅう)が発達しています。河岸段丘は川沿いに形成された階段状の地形です。河岸段丘の段と段の境の急傾斜の崖は段丘崖(だんきゅうがい)と呼ばれています。

上空から見た相模野台地。緑色の帯状の部分が段丘崖。上流方向を望む。

小倉山から見た相模野台地

八景の棚は段丘の端に位置し、足元は段丘崖となっています。崖は「はけ」、段丘は「たな」とも呼ばれており、八景の棚は段丘崖を意味するとの説があります。そして、崖の「はけ」と眺めの良い景色を見られる場所にちなみ「八景(はけ)の棚」と呼ばれています。

八景の棚のある段丘崖。

相模原市内の相模野段丘は3段の段丘からなり、段丘崖を越える坂道が市内のいたる所にあります。

相模原市南区下溝にある大正坂。上段と中段をつなぐ。

相模原市南区当麻にある子の神坂。中段と下段をつなぐ。

このような坂道では段丘をつくっている地層が見られることもあります。相模原の大地の成り立ちに思いを巡らせながら、坂を歩いてみてはいかがでしょうか。

*このかるたは当館のボランティア「市民学芸員」が2017年に制作したものです。
*このかるたは相模原市立博物館にて貸出し可能です(現在は当面の間、貸出しを休止しております)。
*貸出しの詳細やその他このかるたに関心のある方は、博物館までお問い合わせください(042-750-8030)
*貸出し使用時には感染症予防のため、事前・事後の手洗い・消毒などを必ず行ってください。

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おかいこさま飼育中(22日目 大きさマックス!そして出張授業へ)

掃き立てから22日目、そして5齢に脱皮して4日目となりました。今が一番大きなサイズになっています。

5齢4日目のカイコ 長さは7センチを超えました!

これからあと3日ほど食べますが、5齢の最後の2日くらいになると、一回りほど体が小さくなり、色も黄色っぽくなってきます。これが熟蚕で、繭を作り始める直前の姿です。
さて、博物館では飼育の最終コーナーを回って直線に入りラストスパート・・というところですが、今年は6月20日頃に孵化する蚕種(カイコの卵)を博物館から提供した小学校もあり、6月23日に、その一つの大島小学校の3年生2クラスへ出張授業に行きました。体育館で、私も、児童の皆さんも、それぞれ距離を保ちながらの授業です。

出張授業の様子(大島小学校)

ペットではなく、農業としてカイコを飼うことの意味や心構え、生きものとしてのカイコの不思議などをお話ししてきました。みなさんとても熱心に聴いてくれて、質問もたくさん出ました。
24日は清新小学校の4年生の出張授業へ。こちらは4クラスあるので、2クラスずつ、2回授業を行いました。こちらもたくさんの質問があって答えきれなかったので、後で先生にとりまとめてもらい、お答えすることにしました。
いつもと違う1学期を過ごしている児童のみなさんには、カイコの飼育とその成長を楽しんで欲しいですね。

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チャタテムシ

先日、博物館外壁に虫の塊があるのを職員が発見しました。
円陣を組んでいるというか、密集しています。こうなる前は、整然と行列して歩いていたそうです。

博物館の外壁にいた虫の集団

こういうかたまり方をするのは、毛虫、カメムシ、アブラムシと、いくつか考えられるのですが、いかんせん、遠くてよくわかりません。高いところにいるので苦労しましたが、なんとか捕まえて拡大してみました。体長は4mmほどです。

チャタテムシの仲間(幼虫)左の触覚が折れてしまっています。

チャタテムシの仲間の幼虫です。おそらくオオチャタテという種ではないかと思われます。

チャタテムシというと、屋内害虫を思い浮かべる人もいるかもしれません。穀類や粉に紛れたり、他の害虫を呼び寄せてしまったり、標本や古文書を食べてしまったり(博物館関係者にはチャタテムシは「文化財害虫」として知られています)という害が知られていますが、それらの種はいずれも体長2mm以下で、分類上の位置付けも違います。
今回見つけたのは、屋外でカビなどを食べている種類で、木の幹で群れているのを時々見かけます。刺激に敏感で、顔を近づけると、一斉にわぁっと拡散するので、某アニメのキャラクターになぞらえて「まっくろくろすけ」と呼んだ人もいます。かなり強烈な体験ですが、面白いので見かけたらぜひやってみましょう。決して刺されたりしないのでご安心を。

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【刊行のお知らせ】津久井城跡資料調査報告書ー御屋敷曲輪の再評価ー

緑区太井・根小屋・小倉に広がる城山に所在する津久井城は、戦国時代の小田原北条家重臣であった内藤氏が城主でした。今回、相模原市立博物館では、城主の館があったとされる御屋敷曲輪の出土品などの再調査を報告書としてまとめました。

城山(東から)

 

御屋敷曲輪の位置 資料調査報告書より引用

それではこの資料調査報告書の見どころを2点紹介いたします。

 

⓵城山~宝が峰~金精錬
今回は、城主内藤氏が住んでいたと想定されている御屋敷曲輪の出土品を再検討しました。注目されるのは、金粒付着かわらけが出土している点です。かわらけとは、通常酒杯などに用いられる素焼きの器で、金粒付着かわらけは金を熔かすために坩堝(るつぼ)として転用されたものです。このことから津久井城で金の精錬が行われたことが推定されます。また、御屋敷曲輪では鍛冶炉と推定される「炉跡」もみつかっています。

金粒付着のかわらけ(赤枠) 資料調査報告書より引用

金の精錬が推定される津久井城ですが、その城主の内藤氏は家臣団の中でどのような位置づけなのでしょうか。これまでの研究によると津久井領を支配していた内藤氏は、当初は他国衆(外様国衆)でしたが、次第に勢力を伸ばし、北条一門・家老に匹敵する譜代重臣と呼ばれる高い政治的地位に位置付けられた、と考えられています。(黒田基樹氏 1997 「津久井内藤氏の考察」『戦国大名の支配構造』岩田書院)

先ほど述べた津久井城での金精錬を加味すると、家臣団の中でも高い地位に上げられても不自然ではないでしょう。また、武田氏と相対する境目の城として要所の守護を任せられるほど有力な家臣であったとも考えられます。

⓶(金÷2)+宝=???

今回の調査では、津久井城主五代目の内藤直行の朱印についても、印章の解読を行いました。その結果、「金」の字を縦に割り、中央に「寶」(宝の旧字体)を配置したものであると判明しました。ここでも金が関与しており、当主の印に「金」と「寶」が組み合わされていることは、金に対する強い意識が見て取れます。

内藤直行の朱印の解読 資料調査報告書から引用

 

いかがでしょうか。資料調査報告書から2点抜き出してみました。本書は、考古学の学術的な用語が多くありますが、カラー写真や図面が豊富で眺めるだけでも楽しめる仕上がりとなっています。

資料調査報告書

博物館ミュージアムショップ、および相模原市役所本庁舎1階行政資料コーナーにて一部1,820円で有償配布しております。この機会にぜひご覧ください。

*相模原市立博物館は6/9(火)より開館しております。

*6月19日(金)より、プラネタリウム・天文展示室・天文研究室・休憩コーナー・市民研究室・喫茶室の利用を再開いたします。(情報サービスコーナーは当面の間休止します。)当面の間、団体でのご利用はお控えください

*また、当面の間、開館時間は9時30分、閉館時間は通常より1時間早い16時までになっております。

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地上の星

この時期の森の中、地上に落ちてきた星からその存在をわかる植物があります。一つは、こちら。

地面にたくさんの星がきらめいています

地面に無数の星のように光る花です。まわりを見ても、どこにこれを降らせた木があるのかわかりにくいのですが、間違い無くこの森のてっぺんあたりに枝を伸ばして花を咲かせたのでしょう。その木は、アカメガシワです。

アカメガシワの花(雄花)

雌雄異株で、落ちてきたのは雄花です。星のきらめきのように見えるのは、放射状に伸びた雄しべです。
雌花はこちら。果実をつけるので、花のうちは地上に落ちません。

アカメガシワの花(雌花)

そしてこちらの星も目立ちます。

繊細な美しさをもつ星が落ちています

ネムノキです。森の中では普段あまり目立たないため、こうして地上に花が落ちて初めて存在に気付くことが多い木です。下の写真は、河原の陽当たりの良い場所で咲いている様子です。

ネムノキの花

森の中ではスルスルと幹を高くして、森のてっぺん付近でしか咲きません。そのため、アカメガシワもネムノキも存在に気付きにくいのです。河原のように陽当たりが良く、あまり他の木が生えていないと、背が高くない灌木の状態でもよく咲きます。

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おかいこさま飼育中(19日目 5齢になるとわかりやすい、カイコの眼)

6月3日の掃き立てから19日目。金曜日の午後から眠に入っていたカイコは、今朝までにほとんどが5齢に脱皮したので、給桑を再開しました。
1階エントランス(展示観覧ルートの出口近く)で飼育展示中のカイコは、3齢まではアクリルケースで覆っていたのですが、4齢からは開放容器のまま展示しています。

飼育展示の様子 間近でカイコを見ることができます

カイコを間近で観察できますので、ぜひご来館ください。
さて、5齢の齢期は約1週間です。この間に、カイコが1生で食べるクワの約8割の量を食べると言います。5齢でどれだけたくさんのクワを食べられるかで、繭の大きさも決まります。
さて、5齢になると全体に大きくなり、体の各部位も観察しやすくなります。その中でも、今回はカイコの眼を拡大してみましょう。
多くのカイコには、頭側に大きな黒い斑紋があるので、これを眼だと思っている人も多いのですが、これは眼状紋という模様の一つです。

でっぱった部分の黒い模様は眼状紋と言います 眼ではありません

下の写真は横から見たカイコの頭部のアップです。どれが眼かわかりますか?

カイコの頭を横から見たところ

眼は、下の丸い枠の中にあります。単眼で、数はちょっとわかりにくいのですが、片側に6個ずつ、両側で12個です。

黄色い丸の中に単眼が6個並んでいます

あれ?昆虫って複眼なのでは・・と思われるかもしれませんが、チョウや蛾の仲間のように、蛹期を境に完全変態する種類では、複眼になるのは成虫からです。
カイコの眼の数が12個って、あまり知られていない情報かもしれませんね。

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「写真で見る相模原~昭和・平成の生活と民俗~」(No.14・脱穀の道具)

前回は、麦の刈り取りと脱穀の写真を取り上げましたが、いずれも昭和62年(1987)度制作の文化財記録映画「相模原の畑作」の際に撮影したものでした。映画では文化財記録映画という性格上、「相模原の畑作」に限らず、ほかの作品でもすでに行われていなかったものを含めて再現していただいており、現在では貴重な記録となっています。

一方で、博物館が保管する写真には、実際にわずかながらも行われていた作業などもあり、今回は麦に限らず、稲や大豆の脱穀作業の様子を撮影した写真を紹介します。

次の三枚の写真は、昭和59年(1984)11月に南区新戸で撮影されたもので、水稲の脱穀です。一枚目では、センバ(市内南部では稲こきマンガとも呼ばれる)で稲をこいでいますが、実は当時でも、ほとんどセンバを使うことはありませんでした。 ただ、この方は、翌年の種籾に使うものだけは傷がつかないように、機械ではなくセンバを使っていました。
そして、センバで脱穀した籾をフルイにかけ、トウミでゴミを飛ばします。

次の二枚の写真は、昭和60年(1985)年11月・南区下溝の撮影で、大豆の収穫です。ここでは大豆をクルリボウで叩き、トウミにかけて実とゴミを選別しています。
前回の麦の「ぼうち」作業では、大勢でクルリボウを使っていましたが、麦の脱穀でも必ず大勢でやるということではなく、また、大豆などそれほど量が多くないものは、個人で叩きました。
トウミを使っている写真では、下側の口から大豆が出て、トウミの先からゴミが飛んでいる様子が分かります。

最初の写真で、すでにセンバが使われていなかったことを記しましたが、実際に使われていたのは動力脱穀機です(昭和59年10月・南区新戸)。米や麦の脱穀作業では、センバの後に足踏みの脱穀機が導入され、さらにその後、動力脱穀機へ代わっていくものの、残念ながら今のところ、農作業で足踏み脱穀機を使っている写真は保管していません。
二枚目の写真は、平成10年(1998)11月8日に中央区の淵野辺公園で行われた「農業まつり」での足踏み脱穀機の体験の一コマで、会場ではほかにセンバやトウミの体験なども行われました。

たびたび記しているように、博物館では多くの写真を撮影しています。これからもさまざまなテーマの基に、また、いろいろと関連付けて紹介していきたいと思います。

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シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」でみる名所紹介⑪ ㋸

「ルート16 相模原貫く 大動脈」

「相模原ふるさといろはかるた」 ㋸

㋸の札は、国道16号を取り上げています。
国道16号は横浜市西区を起・終点とする延長約327キロメートル(市内延長約14.9キロメートル)で、首都圏の主要都市(横浜市、町田市、相模原市、八王子市、川越市、さいたま市、柏市、千葉市、木更津市など)を結ぶ環状道路です。相模原市内の16号沿線には、大型小売店や家電量販店、飲食店などが多くあります。

この道の魅力はたくさんありますが、今回は2つほどご紹介しましょう!

16号のある歩道橋から見た日の出後の様子(2020/01/02 撮影)

時期は限られてしまいますが、16号の相模原駅入口交差点付近では、画像のように新年(1月上旬)の日の出後の様子を見ることができます。

また、ある有名なアーティストがこの道を曲名に入れた歌を歌っています!神奈川県横浜市出身のアーティスト小田和正さんです。アルバム『Far East Café』の中で、「16号を下って」という曲があります。

ぜひ、この曲を聴きながら、16号を南へ下って海を目指してみてはいかがでしょうか♪

 

*このかるたは当館のボランティア「市民学芸員」が2017年に制作したものです。
*このかるたは相模原市立博物館にて貸出し可能です(現在は当面の間、貸出しを休止しております)。
*貸出しの詳細やその他このかるたに関心のある方は、博物館までお問い合わせください(042-750-8030)。
*貸出し使用時には感染症予防のため、事前・事後の手洗い・消毒などを必ず行ってください。

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シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」でみる名所紹介⑩ ㋦

塗り壁と 茅葺き屋根の 古民家園

 

みなさん緑区大島の相模川自然の村公園内の古民家園に行ったことがあるでしょうか。

公園内には四季折々の植物やキャンプ場などがありますが、公園駐車場から古民家園への案内板に沿って進むと、ひときわ目立つ茅葺屋根と漆喰塗りの建物が現れます。それが古民家園です。

ひときわ目立つ茅葺き屋根の建物

 

古民家園は、南区上鶴間にある青柳寺の旧庫裡(庫裡とは本来は住職や家族の台所のこと。転じて住居のこと)を、平成10年に移築復原した建物で、江戸時代中期の大型民家と庫裡の特徴を併せ持つ貴重な建造物として、県指定重要文化財になっています。

古民家園外観

内部は大きなかまどのある広い土間、今では珍しい囲炉裏のある板の間、そして広い畳の座敷と庭側に長い縁側などあります。

特に、絵札にも描かれている土間、板の間から見える大きな柱、曲がった素材を活用した屋根を支える梁(はり)や桁(けた)などは大変見応えがあります。

絵札のアングル 広い土間と板の間に懐かしい囲炉裏がある

屋根を支える梁(はり)・桁(けた)も見応えありです

 

実は古民家園は平成30年度に「平成の大修理」と題し、屋根の茅の全面葺き替えなどを行いました。園内には、葺き替えの作業の工程などを紹介するパネルなどもあります。

茅葺き替えの解説パネル

大修理の掛け軸とインスタ映えを目論んだ⁉障子の💛模様(猪目模様という)

また、敷地内には青柳寺の前住職で、この旧庫裡で句会を催すなど俳人としても活躍された八幡城太郎氏を紹介する石碑などもあります。

青龍寺庫裡と八幡城太郎の碑 身延山での修行を詠んだ「釈迦堂のわたりの冷えや涅槃西風(ねはんにし)」の句が刻まれている

その他、七夕飾りやひな人形の展示などの季節に応じた行事や、毎月第4日曜日には、市民ボランティアの企画・運営による教育委員会主催の各種イベントが開催されていますので、ぜひご参加してみてください。(8月まで休止中です)
さらに近頃はコスプレイヤーの撮影スポットにもなってるそうです。気になる方は、「相模原市古民家園 コスプレ」で検索してみてください。話題の鬼滅の刃のレイヤーさんもいます(笑)

毎年行われている七夕飾り(今年は中止です)

 

古民家園の詳細についてはこちらをご覧ください。

*このかるたは当館のボランティア「市民学芸員」が2017年に制作したものです。
*このかるたは相模原市立博物館にて貸出し可能です(現在は当面の間、貸出しを休止しております)
*貸出しの詳細やその他このかるたに関心のある方は、博物館までお問い合わせください(042-750-8030)
*貸出し使用時には感染症予防のため、事前・事後の手洗い・消毒などを必ず行ってください。

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