【8/4まで】ステスクで当館所蔵のオリパラ東京2020大会資料を展示しています。

先日開幕したオリンピックパリ大会では、日本選手の目覚ましい活躍が連日のように報じられています。今大会は本市にゆかりがある選手も多数出場しており、スケートボード女子ストリートでは市内出身の吉沢恋(ここ)選手が金メダル獲得の快挙を達成しました。

オリンピックの幕開けとともに、「ステスク」の愛称でおなじみの相模大野ステーションスクエア(市内南区相模大野)で開催中の「相模大野サマーフェスタ~スポーツを学ぼう~」にて、当館所蔵のオリンピック・パラリンピック東京2020大会資料を展示しています。

相模大野サマーフェスタ(後援:相模原市教育委員会)

昭和39(1964)年の東京大会から実に57年ぶりに再び東京が開催地となった前回大会ですが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受けて1年延期、さらに開会式をはじめ競技のほとんどが無観客で執り行われた異例の大会となったことは記憶に新しいと思います。

そのような苦い思い出がありつつも、東京2020大会は自転車ロードレース競技のコースのうち約30㎞の区間が相模原市域を通るなど、本市に関連がある大会でもありました。こうした経緯から、大会終了後に100点超ものオリンピック・パラリンピック大会関係資料をレガシー(=遺産)として当館が受け入れることになったのです。
今回、相模大野ステーションスクエアで展示している資料はその中のごく一部で、当館は博物館資料の館外貸し出しという形で相模大野サマーフェスタに協力しています。

大会ポスターや公式ガイドブック

街頭フラッグや自転車ロードレース競技のパンフレット・ポスター

展示は相模大野ステーションスクエアA館6階エスカレーター横(くまざわ書店側)、A館7階エスカレーター付近2か所(ダイソー側、レストランフロア側)で開催しています。
令和4(2022)年に当館のレガシー展でも展示した表彰台も出展していますので、大会公式マスコットキャラクターのミライトワ・ソメイティと一緒に表彰式の気分を味わっていただけます。

表彰台と、ミライトワ(左)・ソメイティ(右)

会場スタッフによると、観覧者の中には大会ボランティアとして従事した方も複数名いらっしゃったようで、当時のことを思い出しながらじっくりと展示資料をご覧になっていたとのこと。

大会スタッフが身に着けていた靴と帽子

展示は8月4日(日)まで、また、8月3日(土)・4日(日)の2日間はパラスポーツ「ボッチャ」の体験イベントも開催するそうです。詳細はチラシをご確認ください。

貴重な東京2020大会レガシーをご覧いただける機会ですので、お買い物やお食事の際にお立ち寄りになってみてはいかがでしょうか?

(歴史担当学芸員)

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宮ヶ瀬湖畔で自然観察会を実施しました

本日は月曜日ですが、博物館は開館しています!夏休み期間(8月25日まで)は休館日無しで営業します。プラネタリウムも夏休み期間の特別上映を実施中。上映番組に関連したプレゼントなどもあります。特別展示室では民俗企画展「上溝番田の神代神楽」が好評開催中です。酷暑の中ですが、涼しい博物館へぜひお越しください!

さて、先週の7月27日には宮ヶ瀬湖畔園地で小学生向け自然観察会を実施しました。
内容は野外の危険生物についてのおはなしと小さな昆虫たちの観察です。

危険生物のおはなしでは、スズメバチやマダニの標本と生きたヤマビルを観察し、体の構造の違いに気づいてもらうとともに、対処法を一緒に考えました。

子どもたちは、はじめて間近で見るスズメバチをじっくり観察しています。
ヤマビルとマダニについては、保護者の方のほうがより興味をもたれていたようです。

昆虫の観察の時間では子どもたちと昆虫を探し、発見した虫をみんなで観察しました。
一見何もいないように見える木にも、じつは小さな虫たちがたくさんいます。

木の葉を網で掬(すく)うことで小さな昆虫を採集し、チョウやトンボのような大きな虫だけではない、より小さな虫たちの世界を少しだけ覗いてもらいました。

なお、当観察会は宮ヶ瀬ダム振興財団主催の小学生向けイベント「サマーアカデミーみやがせ2024」の一環として実施されました。
当ブログ記事で使用した写真もすべて同財団からご提供いただいたものです。
(動物担当学芸員)

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保育園でカイコの授業

本日は月曜日ですが、博物館は開館しています!夏休み期間(8月25日まで)は休館日無しで営業します。プラネタリウムも夏休み期間の特別上映を実施中。上映番組に関連したプレゼントなどもあります。特別展示室では民俗企画展「上溝番田の神代神楽」が好評開催中です。酷暑の中ですが、涼しい博物館へぜひお越しください!

さて、7月25日、南区のマミー保育園へカイコの授業に行きました。この保育園では年長クラスの園児たちがカイコを飼育して繭を収穫し、糸取り体験などをしたそうです。そこで、改めてカイコについて学ぼうということで、呼んでいただきました。

この日のために作ってくれた横断幕がとてもうれしかったです!

クイズなども交えた約30分のお話をとても熱心に聴いてくれました。カイコという昆虫について、そして、共通の祖先を持つ野生の蛾であるクワコについてもお話ししました。特に、クワコの終齢幼虫の擬態の様子や、カイコにも残る眼状紋(がんじょうもん)の話にはとても関心が高く、前のめりで聴いてくれました。

クワコの枝への擬態

刺激を与えると見せつける、クワコの眼状紋

黄色い繭や、日本の伝統品種のピーナッツ型の繭、そしてカイコの成虫も見てもらいました。

やはり実物は大人気

最後に、担任の保育士さんがご自身で調べた絹の道(神奈川往還)や横浜線のお話をわかりやすくして解説してくださり、楽しく授業を終えることができました。
(生物担当学芸員)

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在来タンポポの花粉による識別を行いました!

7月27日(土)、実習実験室で花粉による在来タンポポの識別を行いました。これは、認定特定非営利活動法人アースウォッチジャパンによる「日本固有のタンポポ全国調査プログラム」に、当館学芸員が研究員として参画していることから実施されたものです。

当館では、相模原市自然環境観察員制度によるタンポポ分布調査において同様の識別作業の実績があります。今回も、市民参加による識別作業のノウハウを生かして作業を進めました。
全国から集まったタンポポのサンプルを3回に分けて識別作業を行う予定で、初回となる今回は、このプログラムにご支援いただいているRGAリインシュアランスカンパニー日本支店の皆様を中心に集まっていただきました。

はじめはちょっと難しい顕微鏡観察も、すぐに慣れました

生物顕微鏡を使った作業は、ピントを合わせるところから慣れないと難しく、はじめはみなさん苦戦していました。しかし、徐々に慣れてくると効率的に作業が進み、次々と「在来種と雑種」の識別をしてくれました。

見えるかな・・?

見えた!!

花粉による識別は、粒の大きさがそろっているか、バラバラなのかで見分けます。

在来タンポポの花粉は粒揃い

雑種タンポポの花粉は、小さなものなどが混じり、大きさがばらけています

また、そもそも花粉がほとんど作られていない花も雑種です。みなさん慎重に集中して作業されているので、ちょっと気分を変えて、別の植物の花粉を見ていただきました。こちらは、博物館の近くで採集してきたアレチマツヨイグサの花粉です。

アレチマツヨイグサの花粉

タンポポとはまったく異なる三角形の花粉にみなさん驚かれた様子でした。
集まったタンポポのサンプルは、外見から「在来種」と判断して採集されたものですが、結構な割合で雑種が含まれていました。身近な野草であるタンポポをとおして、生物多様性について考えるきっかけとなることがこのプログラムの目的の一つです。顕微鏡観察を楽しみながらも、遺伝子レベルの多様性を意識していただけたことと思います。
(生物担当学芸員)

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野生動物サマースクールを実施します!

8月17日に、博物館で「野生動物サマースクール」(主催:相模原市有害鳥獣対策協議会)を開催します。講師は麻布大学講師の加瀬ちひろ先生です。博物館周辺の樹林地でフィールドワークをしたり、室内で都市部に生息する哺乳類の生態などについて学びます。

タヌキ(博物館周辺にて)

日 時:令和6年8月17日(土) 午前10時~正午
🐻 会 場:相模原市立博物館2階 実習・実験室及び野外
🐻 対 象:市内在住の小学生と保護者
🐻 定 員:30名(申込順) ※定員に達した時点で受付終了とします。
🐻 費 用:無料
🐻 申込方法:募集期間中に、こちらからお申込みください。
🐻 募集期間:令和6年7月19日(金)から
🐻 内 容:目指せ・となりのけものマスター!
🐻 講師 加瀬 ちひろ さん(麻布大学 獣医学部 動物応用科学科 講師)
チラシはこちら

アライグマの足跡

夏休みの1日、楽しく野生動物について学びませんか?
(生物担当学芸員)

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勝坂遺跡のミニ展示を開催中!(9月1日まで)

みなさん、勝坂(かっさか)遺跡はご存知でしょうか?
勝坂遺跡は本市南区磯部に位置する縄文時代の遺跡です。
勝坂遺跡の名称は、縄文時代中期の土器の名称である「勝坂式土器」としても全国的に有名です。

今から50年前に縄文時代中期のムラ跡が良好に保存されていることがわかり、国が定める貴重な遺跡である「史跡」として保存され、現在では勝坂遺跡公園として公開活用されています。

この50周年を記念し、当館エントランスにてミニ展示を開催中です。
博物館ホームページ:https://sagamiharacitymuseum.jp/blog/2024/07/06/katusakaminitennji/

展示の様子

50年前の発掘でみつかった土器

ミニ展示では勝坂遺跡の紹介や、史跡指定までの経緯、史跡公園としての活用について解説しています。さらに記念講演会も企画しており、詳細は以下のとおりです。

記念講演会:「50年前の勝坂遺跡〜史跡指定までの道のり」
会場:当館地階 大会議室
日時:8月3日(土)午後2時から4時まで
講師:大貫英明さん(相模原市文化財研究協議会 会長)
申し込み不要 直接会場までお越しください(定員200名)

市内の遺跡に広く精通している大貫さんの貴重な講演ですので、ぜひお越しください。

また、市教育委員会文化財保護課など多様な主体と連携し、関連事業を行い、勝坂遺跡を盛り上げていきます。
相模原市報道提供資料(PDF):https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/030/936/0712/03.pdf

関連事業が盛りだくさん!

この機会に勝坂遺跡をはじめとして、市内の遺跡に親しんでみてはいかがでしょうか?
(考古担当学芸員)

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【市民学芸員かわら版】奄美・沖縄のチョウ

7月23日(火)、当館1階情報サービスコーナー入口横が定位置の『市民学芸員かわら版』最新第15号を発行しました。最新号のテーマは、「世界自然遺産 奄美・沖縄のチョウ」です。

“市民学芸員かわら版”の看板が目印です。

『市民学芸員かわら版』とは、当館の博物館ボランティア「市民学芸員」の情報発信チームが作成する壁新聞です。企画立案から情報収集、記事のレイアウトまで全て市民学芸員が行い、自然・歴史・文化に関する幅広いトピックスについて、市民目線を取り入れながらわかりやすく情報発信しています。
また、様々なテーマをお楽しみいただけるよう、不定期に最新号を発行し、来館者の皆さまに新鮮な情報をお届けしています。

ツマムラサキマダラ

今回のテーマ「奄美・沖縄のチョウ」では、ここ相模原とは異なる亜熱帯性気候の地域で見ることができる色鮮やかなチョウの魅力を、美麗な姿(写真)とキャプションで紹介しています。写真の撮影・キャプションの作成は、全て市民学芸員が行いました。

相模原市域の生きものについて紹介している自然・歴史展示室「人と自然のかかわり」の展示資料との違いを見比べてみるのもおすすめです。

自然・歴史展示室「人と自然のかかわり」も併せてご覧ください。

市内の小・中学校では今月20日(土)から夏休みが始まり、早くも連日お子さまを中心とした来館者で賑わっています。

南国気分を味わえる『市民学芸員かわら版』最新号「世界自然遺産 奄美・沖縄のチョウ」、ご来館の際はぜひチェックしてみてください。

(歴史担当学芸員)

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ハキリバチ

出勤途中、館の近くの草むらで葉っぱが不自然に揺れていました。
イネ科の草の上で、何やら黒い塊がもぞもぞしています。
そっと近づくと、オオハキリバチというハチのペアだとわかりました。

オオハキリバチのペア

メスの上にオスが乗り、交尾姿勢に入るところのようです。
オスが大あごでメスの頭部をくわえています。
オオハキリバチは館の回りでも時折見かけるハチですが、このようにペアでいるところを観察したのははじめてです。

ハキリバチのなかまの多くは、その名のとおり成虫が植物の葉っぱを切り取り、幼虫が育つ巣の材料にするという変わった生態を持っています。
(ちなみに上の写真のオオハキリバチは、ハキリバチの仲間なのに葉っぱを切らないそうです。)
博物館のまわりのヌスビトハギにも、ハキリバチのなかまが葉を切った跡が残っていました。

ハキリバチに切り取られた葉っぱ

きれいな円形に切り取っていて美しいです。
この葉っぱを切ったのがどんなハキリバチなのかはまだ分かっていません。
葉を切るところもぜひ観察したいと思っています。

(動物担当学芸員)

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生きものミニサロン「クモのヒミツを探ろう!」を実施しました

7月20日、毎月恒例の「生きものミニサロン」を実施しました。
今回は、いつもサポートスタッフを務めてくれている大久保さんと小田さん(いずれも、公益財団法人日本自然保護協会に登録されている自然観察指導員)を中心に進めていただきました。テーマは「クモのヒミツを探ろう!」として、博物館の玄関前のクモやその網(いわゆる、クモの巣)を観察しました。

まずは、クモの体や巣がどうなっていたか、自分の中でのイメージを膨らませます。

クモの体のつくりはどうだったかな?

そのイメージとともに、いざ玄関先へ。

クモの巣を探そう!

みんなでクモを探します。

立体的な巣をつくるジョロウグモ

葉っぱの上に巣をつくるクサグモのなかま

次々にクモの巣が見つかります。
クモの種類ごとに、網の作り方も違うようです。

こよりを使って巣をツンツン

ティッシュのこよりでクモの巣をつついてみます。
こよりがくっつく糸とくっつかない糸がありました。
クモが糸を使い分けて巣をつくっていることが実感できました。

館内に戻ってから、観察したクモの絵を描いてみます。

クレヨンでぬりぬり

クモの網を含めて環境まで描いてくれているお子さんが多かったのと、描くのはわずか5分程度の時間だったのに、みなさんの表現力にビックリ!最後に、昆虫とは異なる体のつくりを、マグネットを使って確認しました。

頭と胸が一緒になった部分から足が8本出るのがポイントです!

足の出る位置や、眼の数が8個であることなど解説すると、みなさん驚かれていました。

細かい点はともかく、すばらしい作品をご覧ください!

皆さん、とっても素敵なクモの絵が描けました!

8月の生きものミニサロンは、8月24日(土)に開催します。
いつもとちょっと違うかも!?お楽しみに!
12時からの回と、15時ごろの2回開催予定です。ぜひご参加ください。

(動物担当学芸員)

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さがみはら地域づくり大学の講師を務めました。

7月13日(土)、南区相模大野のユニコムプラザさがみはらで開講している「さがみはら地域づくり大学」の講師を務めました。
同講座は、市民協働の観点から地域活動や市民活動を促進するために役立つ知識・技術を体系的に学べる場として開講しているもので、魅力あるまちづくりのための諸活動に参加できる人材の育成を目的としています。

この日講師を務めたのは、おもに地域活動や市民協働の基本を学ぶ「地域活動コース」における座学の1コマ目です。「さがみはらを知る」と題したこの講義では、市職員などが講師となってシティプロモーションやまちづくり、子育て政策などの様々な観点から文字どおり“さがみはらを知”ってもらいます。その中には歴史について学ぶ時間もあるため、当館学芸員が例年講師を務めています。
講師を引き受けるのは今回で2回目なのですが、本年は「さがみはら地域づくり大学」記念すべき節目の10期目とあってか、過去最多の29名が受講されているとのこと。昨年とは違う会場と雰囲気の中、歴史の講義が始まりました。

29名の受講生、過去最多です。

前の週にキックオフミーティングを行った地域活動コースでは、今回担当した「相模原の歴史を知ろう」が本格的な座学の最初の講義となりました。プログラムでは、受講生の皆さんは座学のほか、市内施設訪問やまち巡りを通して様々なことを学ぶ予定になっています。このため、今後の学びに役立つよう、そして、より本市への関心が高まるきっかけとなるにはどうすれば良いか、という視点で構成を考えました。

そこで、時代ごとに本市の歴史における特徴的な出来事を示しつつ、各時代に関連する文化施設や名所・旧跡などを紹介することにしました。例えば、鎌倉時代であれば先日のブログにも登場した横山党や和田義盛の伝承地を、近代では郷土の偉人・尾崎行雄と尾崎咢堂記念館を紹介する…といった具合に、相模原の歴史について古代から現代までお話しました。

クイズを開催!正解と思う選択肢に挙手しています。

また、歴史に興味がある方も、少し苦手意識がある方にも楽しんでいただけるよう、講義の途中に全4回のクイズを織り交ぜました。皆さん元気よくご参加くださり、おかげさまで大変盛り上がりました。

講義終了後には、受講生の中から質問や熱心に感想を伝えに来てくださった方がいらっしゃいました。相模原の歴史に関心を寄せていただけたことが伝わり、とてもうれしく思いました。
今回の講義が、皆さんにとってこれからの学びの一助になれば幸いです。

(歴史担当学芸員)

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