一番小さな野鳥

連休最終日の11月4日、博物館お隣の樹林地で野鳥の調査をしました。すると、こんな鳥を見つけました。

キクイタダキ

キクイタダキといいます。この鳥には一つの称号?があります。それは「日本で一番小さな野鳥」です。
全長(嘴から尾の先まで伸ばした状態で)10センチメートル。スズメの3分の2くらいしかありません。込み入った木の枝の中をせわしなく動き回ることが多いため、どうにか撮影できた1枚が上の写真です。
今年はドングリの結実が良くないものの、エノキが豊作のようです。ほかにもこの時期の果実などを求めて集まるいろいろな野鳥を観察したので、また少しずつご紹介していきたいと思います。

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JAXA特別公開 開催中!

11月2日は博物館のお向かいのJAXA相模原キャンパスの特別公開が行われています!

ポスター

博物館も会場の一つとして、トークイベントやワークショップなどが行われているため、たくさんの来館者をお迎えしています。
今年はスタンプラリーの景品交換所が博物館のエントランスになっています!

スタンプラリーの景品交換所は正面入口すぐ

小惑星探査機「はやぶさ」の初号機の実物大モデルがみなさまをお迎えしています。

はやぶさ初号機実物大モデル

相模原キャンパスは16時30分まで、博物館会場は17時までとなっています。
駐車場が大変混み合っておりますので、お車でお越しの際は十分時間に余裕をもってお越し下さい。

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秋空が似合う渡り鳥

10月28日、市内の相模川でちょっと珍しい鳥を見ました。
クロハラアジサシという鳥で、関東周辺では繁殖や越冬はしていません。秋の渡りのシーズンに、たまに姿を見せてくれる鳥です。相模川では何年かに一度くらいの頻度で見られます。

クロハラアジサシ

数羽から、多いときは40羽以上の群れが見られたこともありますが、今回は10羽がかわるがわる橋の灯りの上にとまって休んでいました。
すると、ちょっと羽色の異なる個体が飛んできました。

クロハラアジサシ(夏羽)

これも同じクロハラアジサシですが、夏羽です。
この時期に夏羽はなかなか見られないのですが、秋空を背景に飛ぶ姿は息をのむような美しさでした。

冬羽、あるいは若鳥(左)と夏羽(右)

これからまた、遙か遠く、おそらく南西諸島から南アジアなどの越冬地へと向かって旅立つことでしょう。しばしの休息、栄養を補給しながらゆっくり過ごしてほしいですね。

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秋深まり、カマキリ弱る

博物館の建物の脇に、カマキリがいました。
体が大きめなのと、翅(はね)の色合いから、オオカマキリかチョウセンカマキリだろうと考えつつカメラを近づけました。

威嚇する元気のないカマキリ

暑い季節なら、カメラを近づけると前足の鎌を立てて威嚇してきます。オオカマキリとチョウセンカマキリのわかりやすい識別点は、前足の付け根の間の色なので、威嚇ポーズで前足をこちら向きに立ててくれると識別できるのです。でも、もはや威嚇する元気は無さそうです。顔だけはこちらに向けるのですが、前足はだらんとしたままです。
ならばと、さらに近づいてお顔のアップを撮らせてもらいました。

こちらを向いているかのような眼の中の黒い点

カメラ目線!?
いやいや、カマキリの大きな眼は複眼なので、瞳孔はありません。こちらを向いているように見えるのは偽瞳孔(ぎどうこう)という現象で、複眼の構造上、光が反射しない部分が黒くなり、それがこちらを向くように移動して見えているのです。
弱々しいカマキリをあまり刺激するのもためらわれたので、結局、種の識別はできませんでした。

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生きものミニサロン「旅するタネのヒミツ」を実施しました!

10月26日、毎月恒例の行きものミニサロンを実施しました。今回のテーマは、「旅するタネのヒミツ」。さまざまな工夫で親株から離れた場所へ運ばれるタネ(果実)のしくみを観察しました。まずはこちら。

ケチヂミザサの果実は、ねばねばの液でひっつきます

博物館お隣の樹林地で、ケチヂミザサを観察。ケチヂミザサは、ねばねばした液で動物などにひっつく、「ひっつきむし」のひとつです。果実の採集には、特製の「ひっつきむし採集器」を使いました!

当館特製!ひっつきむし採集器

ケチヂミザサとヌスビトハギが採れました!

そして、トウカエデの下へ。このところの台風で枝がしなり、ちょうど手の届くところに果実が実っていました。

トウカエデの果実

これは、果実がプロペラの構造になっているので、クルクル回転しながら風に乗って落ちます。
そのようすを再現する簡単な工作もしました。

工作した空飛ぶタネモデルを実際に飛ばしてみました

ニワウルシの果実の回転も複雑なのでそれを真似たモデルもつくりました。

上がニワウルシモデル、下がカエデモデルです

ほかにも、風に乗るガガイモの美しい果実や、トゲトゲしいオオオナモミの果実なども観察しました。
このところの悪天候から一転、今日は清々しい秋晴れの中、楽しくミニサロンを行うことができました。来月は11月23日の実施です。申込み不要ですのでぜひお気軽にご参加ください!

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わぉ!な生きもの写真コンテスト 入賞作品写真展を開催中です!

10月19日から、「第4回わぉ!な生きもの写真コンテスト 入賞作品写真展」を1階エントランス(自然歴史展示室入り口付近)で開催しています。

この写真展は、公益財団法人日本自然保護協会とソニー(株)の共同プロジェクトである「わぉ!わぉ!生物多様性プロジェクト」が主催するフォトコンテストの、昨年度の入賞作品を展示するものです。

日常の中で出会った生きものたちとの「わぉ!」な出会いをとらえた写真は、見る人を思わず笑顔にしてしまう作品ばかりです。

気に入った写真にシールで投票するコーナーもあります。

11月17日(日)まで開催していますので、ご来館の際はぜひお立ち寄りください!
なお、明日(10月23日は祝日の翌日のため休館となります。ご了承ください。

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赤と黒

“赤と黒”というと、あまりにも有名な、19世紀のフランスを舞台としたスタンダールの小説のタイトルですが・・
植物の世界では、秋の深まりを象徴する色の組み合わせです。例えばこちらは、クサギの果実。

クサギの果実(黒い部分)とがく(赤い部分)

熟した果実を、星形の萼(がく)が強調しています。種子を運んでくれる鳥に対して熟したことを示すサインとなります。
こちらはサンショウです。果実は香辛料として利用される際には乾燥してさらに粉にしますが、熟した当初はこんな鮮やかな“赤と黒”です。

サンショウの果実

もうひとつ、トキリマメです。なんだかロボットの目のようですが、こちらは鞘(さや)が赤く染まって口を開け、黒い果実を強調しています。

トキリマメ 赤い部分は鞘

赤く熟す果実もありますが、黒は鳥にとって、よりジューシーな色のサインなのでしょうか。それをご丁寧に赤い背景まで作って目立たせる、お見事な植物の進化ですね。

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寒いのかな?

この1週間ほど、博物館の室内でよくこの昆虫を見かけます。

ブラインドに静かにとまるキマダラカメムシ

キマダラカメムシです。もともと相模原市内にはいない昆虫でしたが、西から徐々に分布をひろげてきた外来種です。数年前から博物館周辺でも見かけるようになり、昨年あたりからかなり目立ってきました。市民からの問い合わせもぽつりぽつり・・特にちょっと見慣れない亜成虫は、図鑑で調べても簡単には判明しません。

キマダラカメムシの亜成虫(昨年夏の写真)

今日(10月16日)は、2階窓際のブラインドにつかまっていました。カメムシの仲間が室内に入ってくるのは、越冬のためなのでしょう。でも、ほかのカメムシはもっと秋が深まってから入ってきます。

美しいカメムシと称されることもある、国内最大のカメムシ

もともと南方系の昆虫なので、やはり寒がりなのでしょうか。

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ゴージャスなイネ科植物

博物館のまわりでは今、ちょっとゴージャスな雰囲気のイネ科植物が咲いています。それは、ケチヂミザサです。
でも、イネ科というと一般的に花弁が無くて華やかさから縁遠い植物なのですが・・

ケチヂミザサ

どうでしょう?フワフワ綿毛と、紅色の芒(のぎ:イネ科特有の、花についている針状の付属物)がシュッと伸びていて、なかなかの華やかさです。
もちろん、この写真はかなり近接して撮ったもので、実際の花の大きさは、芒を含めて1cmほどです。さらに拡大してみると・・

フワフワはめしべの柱頭で、その下におしべの葯が下がっています

花弁は無いものの、めしべの柱頭のフワフワと、おしべの葯が目立ちます。イネ科の植物は花期が短いものが多いのですが、ケチヂミザサは地面を覆うようにたくさん生えているため、次から次へと咲いてしばらくはこの小さな花を見ることができます。
ケチヂミザサには、もう一つ特徴的な性質があります。それは「ひっつき虫」。花が終わってしばらくすると、果実が実ります。すると、芒に粘着性の液体をつけて、動物の体などにひっつきます。

芒が粘着性の液体で光っています。

そうです。野みちを散歩していると、靴や靴下にベタベタ細かくひっついてくるアイツです!ひっつき虫になると、とたんにゴージャスだとか言ってられない、やっかいものになってしまいますね。

ケチヂミザサの葉

ちなみにケチヂミザサの名は、全体に毛深くて、やや縮れたように波打つ葉が笹のように見えることからついた名です。

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河原の秋模様

10月3日、相模川の河原の動植物調査を行いました。
ちょうど、渡りの途中のノビタキが姿を見せてくれました。

ノビタキ

ちょっと目立つ高いところに止まり、しばらくあたりを見渡しては地上に降りて採食・・そんな様子を見ると、秋を感じます。
川沿いに広がる水田では、稲刈り跡でダイサギが群れて採食。

ダイサギ

イネに隠れているつもりが、急に白日の下にさらされた昆虫やカエルなどを食べているのでしょう。
日中の気温は夏のような暑さですが、どんどんと秋の色合いが濃くなっていきます。

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