出てきたのは意外なクモ

カタハリウズグモの網があったので「一応、写真を撮っておこう」というくらいの気持ちで撮影していると…

カタハリウズグモの網。うず状の隠れ帯がきれいです。


網の白い渦巻き(隠れ帯)の部分からぎこちない動きでクモが出てきました。

カタハリウズグモではないクモが出てきました。


が、どう見てもウズグモの仲間ではありません。
頭の中は疑問符がいっぱいの状態でしたが、様子を見ていると、ポトッと地面に落ちたのはマミジロハエトリ。

マミジロハエトリでした。


これはかなり意外でした。クモが他種の網に入ることは、決して珍しい事ではないのですが、ハエトリグモの仲間に関して言えば、沖縄などに生息するポルティアハエトリ以外では、聞いた事がありません
この網の主はどうなったのでしょうか。近くにそれらしき姿は見当たりません(翌日もこの網は留守のままでした)し、マミジロハエトリが獲物を抱えている様子もありません。どうやら捕食目的の侵入ではなさそうです。
それにしてもどうやって網の下側にとりついたのか、カタハリウズグモはどうなったのか、謎ずくめの出来事でした。

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生物分野実習(8月29日 最終日!)

こんにちは!生物分野実習生です。
今日(8/29)は9/14から始まるミニ展示に向けた準備を行いました。
フィールドに赴き、展示に使用する植物の写真を撮影しました。

野外に出て素材写真の撮影

以前に雑木林に入った時とは見られる花の種類が違い、季節ごとの植物の移り変わりを感じました。
その後、写真を元にパネルや解説のキャプションを作り、展示のレイアウトについて綿密に打ち合わせました。パネルを一から作ることに慣れていなかったので、大変な思いをしました。

収蔵庫で展示に使用する標本の選定

パネル貼りとカッティング

展示のレイアウトを考えています

寂しいですが、今日で実習最終日でした。実習期間は長いと思っていましたが、あっという間に感じるくらい楽しく過ごせました。実際に体験することで今まで学んだことを深く理解でき、更なる発見が多くありました。この実りある9日間を無駄にせず、今後もそれぞれ努力したいと思います。
秋山さんを始め実習に関わった皆さん、多くを学ばせていただきありがとうございました。

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探検!発見!クイズ&チャレンジ2019

こんにちは!民俗分野実習生です。
8月24日に「探検!発見!クイズ&チャレンジ2019」1日目が開催されました。
クイズコースとチャレンジコースに分かれ幼児の方から小学生、保護者の方々まで楽しめるイベントとなりました。

受付の様子

このイベントの開催に合わせて普段は入れない中庭の開放や実物の縄文土器に触れることができました。

中庭にはたくさんの来館者の方が入られ、貴重な体験を楽しんでいました。

中庭開放の様子

また、土器のコーナーでは実物の縄文土器に触れることができ、展示されている他の資料にも興味を持っていただけました。

学芸員の指導のもと実物の土器に触れている様子

他にも鳴砂(なきすな)の音を鳴らす体験や土器の模様を付ける体験イベントが行われました。

初日は約360名の方に体験していただくことができました。

私たち実習生としても来館者の方々や市民学芸員、ボランティアの方々との交流ができ、非常に貴重な経験をすることができました。

 

来年も「探検!発見!クイズ&チャレンジ」は開催されるので是非お楽しみ!

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勾玉作り&収蔵庫見学・・・実習実験室は大賑わい!

8/24に勾玉作り&収蔵庫見学を開催しました。

まず、午前中に今回の講座の補助スタッフとなる歴史分野の学芸員実習生に勾玉(まがたま)作りを実践してもらいました。

勾玉作りの本番前練習・・・紐結びに苦戦中!

そのあとは、講座の案内看板を書いてもらったり、作業台に必要物品を配置するなど、会場準備万端?整えました。

案内看板も楽しげに、かわいらしく書きました

今回の講座は当初25名定員でしたが、申込みが多かったため28名まで参加を受入れました。さらに、参加者のほとんどは子どもさんのため付き添い者も多く、会場の実習実験室は熱気で大賑わいでした。

参加者+付き添い者で大賑わい

午後1時30分に開会し、はじめに少し勾玉の話や古墳時代の話を行ったのち、まずは収蔵庫見学ツアーに出発です。普段見ることができない博物館の裏側を一部ですが見学していただきました。収蔵資料を目の当たりにした参加者の多くの方に感動していただけたと思います。(アンケートにも多数の好評意見あり)

収蔵庫見学ツアー・・・温湿度管理も厳重です

さて、そのあといよいよ勾玉作りです。時間の関係もあり、穴の開いた勾玉キットを博物館のミュージアムショップであらかじめ購入いただき、材料の滑石(かっせき)、蝋石(ろうせき)に作りたい勾玉をペンなどで描きます。

実習生も子どもたちにやさしく指導

時間短縮のため、不要な角をノコギリで落とし、そのあとは金ヤスリでひたすら削って形を整えますが、この時に白い粉がたくさん出るため、知らぬ間に顔を白くお化粧した!?子が多くいました。

だいぶ形が整ってきたかな

この辺で飽きてしまう子もいるので、勾玉の古代の穴あけ体験として、細い竹と金剛砂(勾玉石より硬い砂)による摩擦の勾玉の穴開け体験も何人かチャレンジしてもらいました。

竹で穴あけ体験・・・かなり真剣です!

形が整ったら、紙ヤスリでなめらかにして、最後にツルピカシートで拭くとツヤが出てきれいな勾玉の完成です。

出来映えはそれぞれでしたが、参加者全員手作りの勾玉を手に、明るい笑顔で帰っていきました。

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オトコエシと秋の風

博物館お隣の樹林地では、オトコエシの花が咲き始めました。

オトコエシの花

どこかで聞いたことがあるような無いような・・そんな名前の植物ではないでしょうか。それもそのはず、秋の七草の一つであるオミナエシと近縁の植物です。
この花が咲き始めると、秋の到来を感じます。実際、ここ数日の朝方の風はちょっと涼しげで、二十四節気の処暑(しょしょ:8月23日から)にぴったりの気候です。

すっかり野外で見なくなったオミナエシに対し、オトコエシは普通に生育しています

ところで、最新の植物図鑑を開くと、オトコエシはスイカズラ科に分類されています。一昔前の図鑑では、オミナエシ科です。これは、21世紀に入って系統分類学の研究が進み、世界的に新しい植物分類体系であるAPG体系というものが提唱され、それに従った分類に変更されているためです。スイカズラ科はAPG体系によって大きく枠組みが変更された科の一つです。
そんな人間の都合にはお構いなしに、季節は進みます。

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インターンシップ学生日記⑤

こんにちは!

インターンシップ生としてお世話になっている赤松です。

インターンシップ最終日の本日は、昨日に引き続き「探検!発見!クイズ&チャレンジ2019」のイベント運営の補助をさせていただきました。

本日は「土器チャレンジサポート」のコーナーを担当させていただきました。このコーナーでは、縄文土器の模様を縄を使って実際に作ってみるというコーナーです。本物の縄文土器も多数展示されているので、今回のイベントを通じて少しでも考古学や縄文時代に興味を持っていただけたら嬉しいです。

イベント全体では700人以上の方々に参加していただきました。参加していただいたみなさんありがとうございました。

5日間のインターンシップで、普段あまり経験することのない博物館の業務を体験させていただき、とても貴重な経験になりました。ありがとうございます!

 

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生物分野実習(8月24日)生きものミニサロンを実施しました!

こんにちは。生物分野実習生です!
今日(8/24)は、生きものミニサロン「見つけよう!虫めがね隊」を2回(12時~、14時50分~)実施しました。

今回も案内看板を描きました!

前日は悪天候でしたが、今日は天気がよく無事開催することができました!

エントランスに集合して開始!

子どもたちがお題の植物を見つけたときの、うれしそうな表情が印象的でした。

お宝探し的に植物を見つけてもらいました!

昆虫の幼虫が成虫になるスタンプラリーです!

私たちも始めは緊張していましたが、楽しんで取り組めました。

子どもたちの楽しそうな笑顔が印象的でした!

今日、2回実施した「生きものミニサロン」を通して、相手に伝える方法を工夫する難しさがわかりました。
今回の経験を活かし、これから実習生展示の制作に取り組んでいきます。

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インターンシップ学生日記④

こんにちは!

インターンシップ生としてお世話になっている赤松です。

本日は、「探検!発見!クイズ&チャレンジ2019」というイベントのお手伝いをさせていただきました。

私は、「鳥の巣チャレンジサポート」というコーナーのお手伝いをさせていただきました。このコーナーは、四種類の本物の鳥の巣を見ていただき、その後展示スペース内のはく製から四種類の鳥を見つけていただくというものです。私自身も本物の鳥の巣を見る機会はほとんどなかったので、とても貴重な経験になりました。

参加していただいた皆さんにもよろこんでいただいてよかったです。

明日も引き続き開催されますので、たくさんの方にきていただけるとうれしいです。

インターンシップも残り一日となりましたが明日も精一杯頑張りますのでよろしくお願いします。

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インターンシップ学生日記③

こんにちは!

インターンシップ生の赤松と申します。

本日は、受付のスタッフの方に教えていただきながら、プラネタリウムのご案内の補助と館内放送のお手伝いをさせていただきました。

初めての館内放送は緊張しましたが、噛むことなく行うことができ安心しました。受付スタッフの方にもよくできていたといっていただきました。貴重な体験をさせていただきありがとうございました。
明日24日と明後日25日には「探検!発見!クイズ&チャレンジ2019」というイベントが行われます。私もお手伝いさせていただきます。たくさんの方々に参加していただけるとうれしいです。

インターンシップもあと二日になりますが、精一杯取り組ませていただきますのでよろしくお願いします。

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エゴマ油で灯明

博物館中庭の植栽には、エゴマが生えています。2年前に植えた後は自然に種を落とし、4月下旬に芽を出します。今のエゴマは3代目です。今年も膝下ぐらいまで伸びてきました。

博物館中庭のエゴマ

津久井城の発掘調査をいっしょに行っているボランティア「津久井城市民調査グループ」の講習会を先日行いました。タイトルは「エゴマ学 ~植物×民俗×歴史×考古×自然科学~」。エゴマについて学んだ後、昨年皆さんと収穫したエゴマを使って、試しに搾油体験を行いました。

昨年収穫したエゴマ 約3kg

まずはエゴマの実をフライパンに入れて、5分ほど炒ります。途中、パチパチと音が鳴って、ゴマのようないい香りが漂ってきます。

炒り終わったら、ミル(ミキサー)で粉砕します。昔はすり鉢を使ったのでしょう。これに水を10%程加えて練り込みます。

ネットに移して、レンジで1分ほど温めます。民俗例だとセイロで蒸したりしますが、ここも時短で。

温まった後は手早く搾油します。搾油器は木枠と竹の容器、落とし蓋、ジャッキで作った簡易な物。下に穴を空けた竹筒に温まったエゴマをネットごと入れ、ジャッキで圧搾。

ビニール袋に油が溜まってきました!

重さだと実から10%ぐらい搾油できました。エゴマ油は黄色っぽい色です。

搾り出したエゴマ油

搾り粕はこんな感じ

ここからが本当の目的です。津久井城跡の発掘調査で、素焼きの土器(かわらけ)を使った灯明皿が出土しています。この灯明用にエゴマ油が利用されていた可能性が高いのです。

津久井城跡御屋敷から出土した灯明皿

皆さんで搾ったエゴマ油を市販のかわらけに小さじ1杯注ぎ、麻ひもを灯心(とうしん)にして一度浸し、火をつけると、

見事に灯り、拍手が湧きました。やわらかい灯火は20分ほど続きました。

灯明実験のかわらけに残る油煙痕(灯心痕)

比較資料:上矢部の中世館跡出土の灯明皿

今後、ボランティアの皆さんとエゴマ油を製油して、かわらけの灯明実験を行い、考古資料である灯明皿の使用頻度などが検討できればと思います。

 

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