ジョロウグモの脱皮

脱皮中のジョロウグモ

写真は、ジョロウグモの脱皮。もう最終段階で、あとは長い脚を引き抜くだけです。
クモや昆虫など、硬い殻を持つ動物は体を大きくするために脱皮をします。
皮膚のように、体の成長とともに伸びてくれれば良いのですが、そういう仕組みにはなっていません。
脱皮したてのクモは体が柔らかく、大変無防備な状態です。しなくて済むなら済ませたいところでしょうか、大昔からこのやり方は変わりません。
ところで、この写真、腹部から上に白い線が伸びているのがお分かりでしょうか。
脱皮の時には体の外側全てを脱ぎ捨てるので、糸いぼ(腹部にある糸を出すための器官)も使えなくなるはずなのですが、どうやらジョロウグモは脱皮時にも継続して糸を使う仕組みを持っているているらしいのです。
見逃してしまいそうな些細な事ですが、ちょっと考えてみると不思議、というのは意外にあるものです。

足まで無事に抜けました。

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(歴史分野)実習生報告  探訪の下見にて

今回は歴史分野の博物館学芸員実習生が書いています。

来月8日に行われる「中世さがみはら探訪ブラリタイマ~無量光寺文書特別見学~」に向けて、歴史担当の学芸員さんと、歴史分野の実習生4人で、ルートの確認に行ってきました。

強い日差しのなか、原当麻駅をスタートして、1万歩以上の道のりを汗だくになりながら歩きました。しかしながら、途中で立ち寄る天応院や浅間神社、無量光寺では、緑豊かな木陰での天然のクーラーに癒されました。

↓下の写真は当麻の田園風景(9/8当日は歩かないことになりました・・・)

 

↑上の写真は、武田信玄が植えたとの伝承がある「さいかちの木」

歴史担当学芸員さんに、さがみはらの歴史を教えてもらうと、何気ない道にもドラマがあることに気づかされます。

寺社や町並みの歴史を伝える学芸員の技術を学びつつ、その技術が少しでも自分のものになっていくよう資料を読み込んで、当日の現地解説を頑張りたいと思います。

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ヤブランが花盛り・・クマバチの飛行も!

博物館の前庭では今、ヤブランが花盛りです。

博物館前庭のヤブラン

猛暑が続きますが、この花の淡い紫色と、すっと立った花序(かじょ)が風に揺れる様子は、ちょっと涼しげな空気を運んでくれます。
そのヤブランの花に群がるのは、クマバチ(キムネクマバチ)です。

花の密を食べるクマバチ

ざっと数えただけでも、10匹以上が一心不乱に蜜を求めて飛び回っていました。羽音も豪快で、まさに「ぶんぶんぶん」と飛んでいます。この音を聞くと、歌劇『サルタン皇帝』(リムスキー・コルサコフ作曲)の中の楽曲、「熊蜂の飛行」を思い出します。独奏曲としても編曲されていて、超絶技巧の速弾きが要求されるフレーズから、様々な楽器の“腕試し曲”としても有名です。ただし、ロシア語の原題はマルハナバチを指す単語なので、熊蜂は邦題を付ける時に、日本人がイメージしやすいように意図的に変えたのでしょう。でも、クマバチの羽音の迫力の方が、やはりこの曲に合っていると思えてなりません。

クマバチは重いので、花にとまると大きく揺れます

お天気が良ければクマバチもたくさん飛んでいるはずですので、羽音をぜひお楽しみ下さい。このハチはメスのみ毒針を持っていますが、とても温厚な性格です。捕まえたりしない限り、人間に攻撃的になることはありませんので、近づいても安心です。
ただし、ミツバチをはじめ、ほかにもいろいろな昆虫が集まっていますので、ヤブランの群落の中にむやみに足を踏み入れたりしないよう、お気を付け下さい。

ミツバチも訪れています

ヤブランは花期が長い花なので、見ごろはしばらく続きます。

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8/24、25は 「探検!発見! クイズ&チャレンジ2019」を開催!!

博物館ボランティアの「市民学芸員」のみなさんが企画運営する夏休み中の恒例イベント「探検!発見! クイズ&チャレンジ」を今年も開催します。

「探検!・発見! クイズ&チャレンジ2019」

「探検!発見! クイズ&チャレンジ」は、2つのコースがあり、主に小学生以上を対象にした「クイズコース」と、主に幼児を対象にした「チャレンジコース」があります。もちろん、どちらのコースも参加賞を用意しております。

参加賞の一部です!どれを選ぼうか迷ってしまいますね!

★クイズコースは、常設展示室内の6つの分野のクイズに答えるもので、各クイズの答えがクロスワードになっていて、そこから答えのワードを導きます。クイズもクロスワードも難しくなく、常設展展示をより楽しめる内容ですので、小学生のみならず大人の方もぜひご参加ください。

★チャレンジコースは、主に幼児を対象にした体験型スタンプラリーで、小さいお子さんでも気軽に楽しめる内容です。
当日は、「市民学芸員」のみなさんに加え、インターンシップ生や博物館の学芸員実習生もスタッフとして参加し、やさしくご案内します。

8/24、25は多くの方のご来場をお待ちしています。「探検!発見! クイズ&チャレンジ」に参加して、参加賞と夏休みの最後の想い出をお持ち帰りください。

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博物館実習3日目 展示解説の実践

8月8日は博物館実習の3日目でした。実習内容は展示解説の実践で、常設展示の中から資料を選び、実習生や学芸員の前で解説しました。

午前中は展示解説をする資料を選び、その資料について調べ、解説の原稿を作成しました。

市民研究室での文献調査

時には学芸員に質問することも

午後から、いよいよ展示解説の実践です。実習生全員が行います。一人の持ち時間は3分間です。

学芸員が見守る中での緊張の展示解説

聞き手に問いかけをしながらの解説

問いかけをしたり、三択クイズを取り入れたりしながら、それぞれ工夫して解説をしていました。ほとんどの実習生が初めての経験で、しかも学芸員が見守る中での解説は相当緊張したようです。

3日間の共通実習は終了しました。この後は分野別の実習となり、日程は分野によって異なります。

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博物館実習2日目 資料の取扱い

8月7日は博物館実習の2日目でした。

実習内容は博物館資料の取り扱いです。自然系・人文系の資料の取り扱いと資料の梱包を行いました。

自然系資料の取り扱いでは、押し葉標本を作製しました。
まず、学芸員から植物標本について説明を受けました。

実際の標本作製はボランティアの方々の指導を受けながら行いました。

ボランティアの方に標本作製のお手本を見せていただきました。

この実習で作製した押し葉標本は博物館資料となり、収蔵庫で保管されます。

人文系資料の取り扱いでは掛け軸と巻物の取り扱い実習を行いました。学芸員から資料を取り扱う際の心得について解説があり、その後、実際に資料を取り扱いました。

掛け軸と巻物の取り扱いを学びました。

資料の梱包は土器を取り扱いました。
自分たちで梱包資材を作るところから始めます。

梱包は資料が倒れないよう、複数人で作業します。

学芸員の監督のもと、実物資料を取り扱うので、実習生はかなり緊張した様子で実習に取り組んでいました。

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これでもカメムシ

朝、いつものように植え込みを覗き込んでいると、こんな虫がいました。

イトカメムシ

イトカメムシです。
体長5mm程。とてもほっそりとしていて、蚊やガガンボのようにも見えますが、名前の通りカメムシの仲間です。
こういう「地味で目立たないけれど、よく見ると面白い虫」に出会うと、ちょっと得したような気持ちになります。

ところで、こちらの写真にはすごく小さな虫が一緒に写っています。
最初、他の昆虫を捕食しているのかと思いましたが、イトカメムシは植物の汁を吸うはずです。なんとなくカメムシのミニチュア版のようにも見えるのですが、もしかしたら幼虫をガードしているのかもしれませんね。

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今年度の博物館実習が始まりました

8月6日より今年度の博物館実習が始まりました。
大学からの依頼に基づき、学芸員資格取得を目指す学生を受け入れています。今年の実習生は19名です。

8月6日から8日までは共通実習です。実習生全員が同じ内容で実習を行います。

初日の8月6日の午前は、博物館の概要や学芸業務についての講義と、コントロール室、機械室の施設見学を行いました。

相模原市立博物館の概要の講義

コントロール室の見学

機械室の見学

午後からは展示室やプラネタリウム、収蔵庫、バックヤードの見学でした。

常設展示室の見学

天体観測室の見学

プラネタリウムの見学

収蔵庫フロアでの解説

写真室の見学

学生たちは熱心にメモを取りながら解説を聞いていました。講義や普段は立ち入ることのできないバックヤードの見学を通して、博物館の実務について、概要は知っていただくことができたようです。

9日間の短い実習ですので、学芸員の仕事の全てを経験してもらうことはできませんが、大学の講義ではわからない実際の学芸業務を少しでも学んでいただければと思います。

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インターンシップ学生日記②

 

赤松と申します。

本日は、市民ボランティアの皆さまと一緒に「星のストラップ作り」のお手伝いをさせていただきました。

予定していた先着100名の方にご参加いただき、とてもうれしく思っています。皆様が楽しそうに作業をしている様子を見て、私もとても楽しかったです。至らない点も多々あったとは思いますが、ご参加いただいた方々が楽しんでいただけたのなら幸いです。本日は「星のストラップ作り」にご参加いただき、ありがとうございました。

8月24日(土)と25日(日)に行われます「クイズラリー」のお手伝いもします。多くの方々にご参加いただけるとありがたいです。よろしくお願いします。

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インターンシップ学生日記①

こんにちは!

インターンシップ生の赤松と申します。本日8月6日より5日間インターンシップ生としてお世話になります。よろしくお願いします。

本日は学芸員実習生と社会教育主事の方に交じって博物館の概要の説明を聞き、その後施設内の見学と通常では入れない収蔵庫の見学をさせていただきました。

収蔵庫の見学では、考古学資料が保管されている部屋にも入れていただき、貴重な体験をさせていただきました。施設内見学では、プラネタリウムを投影する場所に入れていただきました。先月には、はやぶさ2の話題で日本中が盛り上がり、宇宙に関心を持つ方も増えたと思います。プラネタリウムでは、毎週月曜日にドラえもんの上映が行われており、小さなお子様が宇宙に関心を持つきっかけになることと思います。ぜひご来館ください!!

明日8月7日は、国立天文台が定めた「伝統的七夕」の日。「星のストラップ作り」が行われます。私もお手伝いさせていただきます。たくさんの方々にご来館いただけるとうれしいです!!お待ちしています。

「星のストラップ作り」の材料

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