一人たたずむ白いモジャモジャ

午後から強い日差しが照りつける7月23日。天気図を見ると、関東地方は一両日中に梅雨明けが発表されそうです。
さて、お隣の樹林地の柵の上に、白いものがぽつんとたたずんでいました。

1匹で目立っています!

一見、虫には見えないのですが、よーく見ると、足や目があるのがわかります(写真の左側が頭)。これはアオバハゴロモの幼虫で、ふだんはこんなふうに1匹でいることはありません。

ふだんはこんなふうにかたまって過ごします(数日前の写真)

このように、クズなどの植物の茎にかたまっています。白いモジャモジャは、おしりから出すロウ状の物質だそうです。
脱皮が近いのか、モジャモジャも少なめです。それにしても、あまりにも目立って無防備ですね。
羽化するとこんな姿になります。

アオバハゴロモの成虫

梅雨明けとともに、成虫もたくさん見られるようになるでしょう。

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イオウイロハシリグモ

イオウイロハシリグモ


写真は、イオウイロハシリグモのオス。
水田や林の周辺で見かける、体長20-30mm程度の比較的大型で徘徊性のクモです。
博物館周辺で見かけるのは初めてですが、先日、脱皮殻を見つけたのがこの辺り。
オスだというのも一致しているので、もしかしたらこの個体の脱皮殻だったのかもしれません。

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吉野宿ふじや「藤野ー相模川と人々の暮らし展」

博物館の所管施設 吉野宿ふじやでは、7月20日(土)から8月25日(日)まで「藤野ー相模川と人々の暮らし展」を開催します。

展示の様子を少しだけ紹介します。


 

 

 

 

相模湖ができる前の、藤野地域をうつした写真が所狭しと、並んでいます。

この展示をご覧いただいたあとに、相模湖や相模ダムと一緒に巡るのがおすすめです。
展示を見る前と後では、相模湖が違って見えるのではないでしょうか。

是非、この機会に”吉野宿ふじや”までお立ち寄りください!

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ヤマユリ開花

博物館の前庭で今、ヤマユリが開花しています。今年は花が少ないのでちょっと目立たないのですが、それでも15センチ以上もある大きな花は圧巻です。

博物館前庭のヤマユリの花

ところで、博物館のように平らなところで咲いていると花が大きすぎて茎が支えきれず、地面に倒れてしまいそうに見えます。神奈川県の花にも指定される在来の自生種なのに、どうしてこんなにバランスが悪いのでしょう。でも、その疑問は本来の生育地でこの花を見ると答えがわかります。下の写真は、緑区の丹沢山麓の登山道脇で咲いていたものです。

自生地での本来のヤマユリの様子

山の斜面や沢沿いの傾斜地で、下に向けて垂れるように伸びるのが、ヤマユリ本来の伸び方なのです。重力に逆らわずに垂れながら伸びて、大きな花を咲かせるのなら、不自然ではありません。
ところで、ヤマユリの写真を撮影していると、近くにこんな葉と茎が元気よく伸びていました。

葉を伸ばすシンテッポウユリ

シンテッポウユリです。こちらは近年分布を急速に拡大している外来植物で、在来の生態系への悪影響が懸念されている種なので、思い切りよく根こそぎ抜き取りました。
花は真夏に咲いて、見た目も立派なテッポウユリの仲間なのですが・・

真夏に咲くシンテッポウユリの花

高速道路の法面などで大繁殖しているのが確認されるほか、博物館周辺でも庭先で咲いているのがよく見られます。しかし、これを放置して咲かせてしまうと、周辺へ大々的に拡がってしまう可能性があるのでお気を付け下さい。

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フェンス際の劇場

博物館周辺の樹林地はフェンスで囲われています。当然、樹林の切れ目にあるので、陽当たりが林内よりも良いのです。そこではびこるのが、つる植物。

生い茂るつる植物

歩道の安全確保のために、遠からず抜き取られる運命にあるはずですが、とりあえず威勢良く茂っています。種類も豊富で、カニクサ、ヤブカラシ、オニドコロ、ヤマノイモ、クズ、コヒルガオ、ヘクソカズラ・・・。ヤブカラシは金平糖のような色合いの花を咲かせて、虫がたくさん集まっています。

蜜が豊富なヤブカラシの花

こちらはひときわ大きな葉のクズ。つるは5メートル以上も伸びます。

クズの葉

よく見ると、クズの葉の中の多くは縁がギザギザに噛み切られています。

縁がギザギザになったクズの葉

そんな葉の上を注意深く見ていると・・いました!

ギザギザの犯人?

コフキゾウムシです。ちょうど交尾中でした。
クズの葉を食べる昆虫はほかにもいますが、葉の縁をあんなふうにかじったのはこの昆虫と思われます。
草刈りまでのつかの間ですが、生命力にあふれたミニ劇場を楽しんでいます。

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第5のタヌキ

企画展「闇に生きる 相模原にすむ夜行性の生きもの」は7月7日で終了しましたが、センサーカメラは今も博物館周辺の樹林地に設置しています。
企画展の途中から追加した展示パネルの一つに、博物館周辺に生息する4個体のタヌキの個体識別をしたものがあります。会期中のある日、ちょうど同じような姿勢で撮影できたため追加しました。その特徴は次のとおりです。
まず1個体目は、尾が極端に短いのが特徴です。おそらく、事故などで付け根付近から切れてしまっているのでしょう。

尾が極端に短い個体

続いて、尾の右側の付け根が白く見える個体です。

尾の右側の付け根が白く見える個体

次は、尾の先だけが黒い個体です。

尾の先の方だけ黒く見える個体

もう1個体は、尾は長いけれど、毛足が短い個体です。

尾の毛足が短く細く見える個体

これらの4枚の写真は24時間以内に撮影されているので、夏毛と冬毛の違いなどは考慮する必要はありません。
そして最近、第5の個体が写るようになりました。尾が中途半端に短い個体です。これも、事故などで尾が途中で切れているのでしょう。

尾が中途半端に短い個体

この個体は、カメラの前で何度か他の個体に攻撃されていました。比較的最近この地域に入ってきた若い個体と考えられます。もし、この場所のタヌキが今年繁殖をしていれば、そろそろ子タヌキが巣穴から出て活動を始める頃です。タヌキの個体群にどんな変化が起きるのかちょっと楽しみです。

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生物企画展が終了しました!

5月25日にスタートした生物企画展「闇に生きる 相模原にすむ夜行性の生きもの」が7月7日をもって終了しました。
最終日となった7月7日は特にたくさんの来場者をお迎えし、1日で1100名を超えました!

最終日(7月7日)の様子

観覧中の方の声に耳を傾けていると、「このタヌキ、博物館のまわりにいるんだって!」とか、「こんなにたくさんの動物がいるんだって、見たことある!?」「クマ、大きいねぇ」など、こちらがお伝えしたいことや、注目していただきたいことがよく伝わっている様子でとても嬉しく感じました。会期中は合計12,581名の皆様にお越しいただきました。心より感謝申し上げます。
そして週が明け、9日には撤収作業を行いました。学芸班の職員総出でテキパキと動き・・

進む撤収作業

大人気だったツキノワグマのはく製(神奈川県立生命の星・地球博物館から借用)も・・・

津久井産のツキノワグマ(はく製)

しっかり梱包されて返却の途に。

梱包されたツキノワグマのはく製

撤収作業はものの3時間ほどで大方終了しました。あっけなく片付いてしまうとちょっと寂しいのではないかと、まわりからは思われます。でも、あっけないくらいに片付くから良いのです。これが列品作業と同じくらいの時間がかかるとしたら、ウンザリしてしまいます。

がらんどうの特別展示室

特別展示室はすでに、次の企画展JAXA連携企画「オーロラが輝く奇跡の星」写真展 ~宇宙観測からわかる私たちへのメッセージ~」の列品を待つ状態です。こちらもどうぞご期待ください!

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少し似ているけど違うクモ2種

初夏から夏にかけて、林縁部などに姿を表すシロブチサラグモ。

シロブチサラグモ


体長5mm程度ですが、よく見ると陶器やガラスのようなつやがあり、美しい種です。
浅いドーム状の網を張って、その下にぶら下がります。

実はこの時期、似たようなクモをたくさん見かけます。

ジョロウグモ幼体


これです。ジョロウグモの幼体。やはり体長5mm程度のものが多いのですが、これから秋に向かってぐんぐん大きくなります。
白黒の模様の入り方が、シロブチサラグモにちょっと似ていますが、ドーム状の網は張りません。
さらに、こちらはほぼ垂直に張った網に、下を向いてとまっています。

どちらも小さいクモなので、なんとなく歩いていると「クモの巣があるな」と思って通り過ぎてしまいますが、改めて見てみるとちょっと似ていて、さらによく見ると、全然違う事がわかります。

いつもと様子が違うジョロウグモのヨコ糸


そして、こちらはジョロウグモ幼体の奇妙な網。
一生懸命にヨコ糸を張っているのですが、普通ならきちんと揃えて張られるはずの糸がガタガタ、というかでたらめになっています。雨粒が影響しているのか、原因はわかりません。
初めて見ましたが、雨粒がリズミカルに並んでいるのも美しいと思います。これもじっくり観察したおかげです。

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7/7、企画展最終日、そして星のストラップづくりです!

今日、7月7日は、企画展「闇に生きる 相模原にすむ夜行性の生きもの」がいよいよ最終日です。今日17時までとなりますので、まだ間に合います!ご覧になっていない方はぜひご来館ください。

タヌキも首を長くして?お待ちしています!

そして七夕でもある今日は、1階エントランスで実施中の「博物館de星まつり!七夕でワッショイ!」のエンディングイベントとして、「星のストラップ作り」ワークショップを10時~15時まで開催しています。

こんなストラップができあがります!

こちらもぜひご参加ください!

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脱皮中(オオカマキリ)

脱皮終盤ですが、まだカマが出ていません

朝、オオカマキリの幼虫が脱皮するところを見かけました。
カマが見えないので、バッタの仲間のようにも見えます。

カマの部分が抜けました

カマの部分が抜けて、カマキリらしい姿になりました。
脚でつかまらず、腹部の先だけでぶら下がっでいます。
脱皮したてのせいか、緑色の体色がちょっと青みを帯びた不思議な色に見えます。

約30分後、脱皮は完了していました

一旦その場を離れ、約30分後に再び見に行くと、すっかり脱皮は終わっていました。
まだ幼虫なので、羽はありません。

脱皮殻の背中が割れているのが見えます

せっかくなので脱皮殻を持ち帰って撮影。
背中側に縦の割れ目があって、そこから抜け出た事が見て取れます 。
先日紹介したクモの場合、頭胸部がフタのように外れて脱皮をしていました。
同じ節足動物でも、脱皮の仕方が違う事がわかります。

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