おかいこさま、始まります!

5月25日から始まった企画展「闇に生きる 相模原にすむ夜行性の生きもの」は順調にスタートダッシュを決めることができました!
そして、間髪入れずにカイコの飼育が始まります!27日から孵化が始まり、29日までに大方が孵化したため、給桑を開始します。
孵化の様子を連続写真でご紹介します。

自分でかじって空けた穴から頭が出てきました

体をくねらせながら3分の2ほど出てきました

足で殻につかまると、あとはもうスルリ!

出ました!

卵の殻をかじって穴をあけて出てくるのですが、頭が出始めると1分もかからずに出てきます。

1齢幼虫は体に毛が生えているので「毛蚕(けご)」と呼ばれます。

こうして孵化したカイコの1齢幼虫は、クワの葉を近くに置くとすぐにそちらへ歩いて向かいます。
養蚕の用語で、給桑を開始することを「掃き立て」と呼びます。小さな幼虫(毛蚕=けご)を傷つけないように羽箒で蚕座へ掃き落とすためです。
これから25日間ほど、養蚕の日々が始まります。

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大きなハチではありません

オオイシアブ

「ブーン」という大きな羽音とともに、こんな風貌の虫が飛んできたら、ハチだと思ってギョッとする方も多いのではないでしょうか。
この虫の名前はオオイシアブ。体長2〜3cm程で、林の周辺などで見られます。
アブと言っても血を吸うのではなく、他の昆虫を捕食しているので、人間に害はありません。
ハチに似た昆虫はとても種類が多いのですが、アブはハエやカに近い仲間で羽が2枚であるのに対して、ハチは羽が4枚というのが簡単な見分けのポイントです。
もっとも「ハチかも知れない」と思っている時に、顔を近づけて見る人はいないと思います。
この写真で「なるほど2枚だ」と思っていただけると幸いです。

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企画展記念講演会 幅広い年代の方に聴いていただけました

5月26日(日)、企画展記念講演会「ここだけの話、博物館のまわりには、実はこんな動物がいます!」を開催しました。
小さなお子様から大人まで、ほんとうに幅広い年代の方々50名以上にお越しいただきました。
残念ながら会場の様子を写真に撮る余裕が無かったのですが、センサーカメラの動画などをじっくり見ていただきながら解説を進めました。
また、センサーカメラ以外の写真もご紹介しましたが、これは昼間のタヌキをちゃんと撮影できた最初の1枚です。

2012年に撮影したタヌキ

こうした写真の思い入れの部分などもお話しできるのが、講演会のよいところです。
そして、企画展で一番お伝えしたかったことを改めてお話ししました。それは、「闇」は人間社会にとって無い方が安全かもしれないけれど、都市環境の中では闇が生物多様性を保っているという側面があることや、野生動物と人間が物理的な距離以上に、心理的な距離を保てる要素であるという点です。
生き生きとした野生生物の映像を見ながら、闇に生きる命について考えるきっかけになれば嬉しい限りです。
さて、展示室のキッズスペースではこの週末、くつろぎながら読書するみなさんの姿がありました。

週末なので終日お子さんたちがくつろいていました

ほかにも、パネル式のクイズもあります。

めくると答えが見えるクイズパネル

ちょっとマニアックな設問のようなので、ヒントを入れることを検討中です・・。
企画展は7月7日まで続きます。次の関連イベントは6月8日(土)18時から、ライトトラップ見学会です。
お楽しみに!

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生きものミニサロン たくさんの虫に出会いました!

5月25日、毎月恒例の生きものミニサロンを実施しました。今回のテーマは「ムシムシ天国!いろいろな虫を観察しよう」です。
小学校の運動会が多い日なので参加者がいるかな?との心配をするまでもなく、20名以上の方と楽しくたくさんの虫を観察できました。まずは、下見の時に見つけたこちらを館内で観察してから出発。

美しいカメムシです!

アカスジキンカメムシです。赤と緑のピカピカに、歓声が上がりました。
そして、外へ出ると早速こんな虫がお出迎え。マイマイガの幼虫(毛虫)です。

マイマイガの幼虫

小さいうちは毒の毛を持ちますが、大きくなると毒が無くなることを説明すると、中には手にとってじっくりと観察される参加者もいました。クレイアニメの主人公のような顔つきですね。
そして、数日前に館内で捕獲されたヤモリを館外へ逃がすセレモニー?を。

かわいい手や顔つきが大人気でした

撮影会のようですね。

逃がしたヤモリをモデルに撮影会

そして、クワの木に移動して葉裏に群れる白いモジャモジャを観察しました。

よく見ると動いています

これはクワキジラミの幼虫なのですが、足があってモゾモゾ動いてる!と大きな声が上がりました。そもそも虫であることにみなさん驚かれたようです。
そして最後に、草についているこんな泡を観察しました。

草についている泡の正体は?

これは卵?いえいえ、泡を取り除いてみると・・

アワフキムシの仲間の幼虫

こんな虫が出てきました。アワフキムシの仲間の幼虫です。お尻がテールランプのように赤いのが特徴です。
クワキジラミはろう物質でモジャモジャを、アワフキムシは液体を出して後ろ足でかきまぜて泡をつくります。どちらも身を守る方法なのでしょう。
身近なところにも、こんな不思議な形の虫がいることがちょっと新鮮だったようです。あっという間の30分でした。
次回は6月22日(土)12時からです。

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企画展オープンしました!そして生きものミニサロン実施します!

5月25日朝、博物館のまわりの小学校では運動会の元気のよい放送が聞こえています。
そんな中、企画展「闇に生きる 相模原にすむ夜行性の生きもの」がオープンしました!

企画展の入口

入口では、夜の生きものたちの世界に入り込んでいただきます。

大きな映像で動物たちが駆け回ります!

たくさんのはく製標本や、いろいろ楽しい映像などがみなさまをお待ちしています。
さらに!こんなコーナーもあります。キッズスペースをご用意して、夜や闇を扱った絵本などをくつろぎながら読むことができます。

くつろぎながら読書できます!

5月とはいえ、外は真夏並みの暑さです。涼しい博物館でゆったりと闇の涼しさを味わってはいかがでしょうか。
企画展は7月7日(日)まで開催しており、観覧無料です。また、明日(5月26日)14時から、担当学芸員の秋山による記念講演会「ここだけの話・・・博物館のまわりには、じつはこんな動物がいます!」を実施します。企画展でご紹介している映像を解説したり、さらに、ちょうど成虫がヒラヒラと飛んでいるキアシドクガの大発生の経過についてもご紹介します。
さて、そして本日は5月第4土曜日です。恒例の生きものミニサロンを実施します。今日は「ムシムシ天国!いろいろな虫を観察しよう!」をテーマに、たくさんの虫をじっくり観察します。たとえば・・・

お尻が赤いこの虫は??

どこにいるの?・・・実はどこにでもいる虫ですが、ちょっと工夫しないと見ることができません。
こちらも参加無料、お申し込み不要ですので、お気軽にご参加ください!生きものミニサロンは12時から30分間のミニ観察会です。
お楽しみに!

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いよいよ今週土曜日から!企画展、そして生きものミニサロンも!

準備を進めてきた企画展「闇に生きる 相模原にすむ夜行性の生きもの」は大方の作業が完了し、あとはライティングなど最終の仕上げを残すのみとなりました。今日は展示業者さんが来て、看板などサイン類を設置してくれました。

特別展示室入り口のようす(まだシャッターは閉まっています)

外のサインもバッチリです。

道路に面して設置したサイン

今回の展示の目玉は、映像です。博物館周辺の樹林地で撮影された動画などをふんだんに使用しています。きっと、夜の世界に足を踏み入れたような感覚になるでしょう!

壁に大きく映した映像が2面、そのほかにも3つの映像を用意しています

そして何より、博物館の展示は実物資料が基本です。たくさんのはく製を並べています。

哺乳類、鳥類、昆虫など約80点の標本を展示します

25日は9時30分の開館とともにオープンします。入場無料です。また、12時からは毎月恒例の生きものミニサロンも実施します。たくさんの昆虫が出てきているので、たっぷり観察する予定です。ぜひご来館ください!

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朝から雨が激しすぎて

5月21日は、春の嵐でした。
実は、その前日までは、次に雨が降るのを楽しみにしていたのです。なぜかと言うと、先月、存分に花を楽しませてくれたフデリンドウが、そろそろ結実してきて、こんな姿になっていたからです。

実るフデリンドウ

フデリンドウは越年草(おつねんそう:前年秋に芽生えて冬を越し、春、開花結実すると枯れる植物)で、種子は、茎の先端にがま口のような袋があり、その中にたっぷりと詰め込まれています。

雨を待つフデリンドウの種子

世代をつなぐにはしっかりと種子を散布しなくてはいけませんが、フデリンドウは、タンポポのように遠くへ種子を飛ばそうという気は無く、近場へばらまく戦略です。親植物が結実してすぐに枯れてしまうので、同じ場所にまた育てば良いということなのでしょう。どんな風に散布するのかというと、雨が降るとがま口がパカッと開き、雨粒の勢いであふれるように種子が落ちるのです。そのようすを写真に撮りたい!と思って雨を待ち構えていたのですが・・

すでに空っぽになっていました・・

思わぬ春の嵐の中、狙いをつけていたフデリンドウの株へ濡れながら駆けつけたのですが、時既に遅し。
がま口が元気よく開いて、種子はすでに残らずこぼれ落ちた後でした。来年こそは!

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列品作業が進行中!5/25からの企画展

5月25日(土)スタートの企画展「闇に生きる 相模原にすむ夜行性の生きもの」の準備作業が佳境を迎えています。
5月18日は、オープン一週間前となり、たくさんのはく製標本を収蔵庫から移動しました。

慎重に資料を運ぶ学生さん

この作業には、相模原動物標本クラブのメンバーでもある、麻布大学動物研究会のみなさんがお手伝いしてくれました。
大きなシカの標本も、若い力で慎重に運んでくれています。

展示ケースの中は大きな資料を持つと狭い!

展示資料の中には、他館からお借りしたものもあります。こちらは、神奈川県立生命の星・地球博物館所蔵のツキノワグマのはく製です。
これは、担当学芸員が慎重に開梱、列品します。

借用資料は厳重に梱包してあります

借用してきた理由は、この標本が津久井産のものだからです。サイズは小さめですが、なかなか良い顔つきです。

開梱されたツキノワグマのはく製

あと1週間、展示準備作業もラストスパートとなります。

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またもや、珍しいキンラン

先日のブログで、市内の緑地に自生する珍しいタイプのキンランである、ツクバキンランについてご紹介しました。
今日(5月18日)、企画展の準備の合間を縫って、別の緑地へ別のタイプの珍しいキンランを見に行きました。

キンラン(アルビノ)

葉緑素を欠いて全体が白い、アルビノのキンランです。
今年は市内の緑地はどこも、キンランやギンラン、ササバギンランがたくさん開花していると情報があり、ここも、管理をされている市民の方も驚くほどの開花株が見られています。そして、その中で4株が、アルビノだったそうです。その方のご案内で、貴重なアルビノのキンランの写真を撮ることができました。
花の形は通常のキンランと同じですが、やはり色がかなり薄めです。

花は通常より淡い黄色

こちらは近くに咲いていた通常のキンランです。

キンラン(通常のタイプ)

ほとんどのキンランがすでに花が終わっているので、アルビノタイプは花期が少し遅いようです。
葉緑素を欠くということは、光合成もしないということです。キンランをはじめ多くのランは、発芽時に菌根菌(きんこんきん:植物の根について共生関係を作る菌類)の助けを借ります。キンランはもしかしたら、その後も菌根菌から栄養をもらって開花までこぎつけてしまうということでしょうか。
美しい花の野生ランですが、地面の中ではなにやら恐ろしげな搾取構造ができあがっていそうです。謎と不思議が詰まった植物ですね。

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企画展(5/25~)はこんな夜行性の生きものも!

5月25日(土)から始まる企画展「闇に生きる 相模原にすむ夜行性の生きもの」では、身近に生息する夜行性の生きものをたくさんご紹介します。今日は、動植物資料収蔵庫で、こんな作業をしました。

昆虫の標本箱

昆虫標本の取り出しです。夜行性の昆虫というとホタルが思い浮かびますが、こちらも夜行性です。

アケビコノハ

アケビコノハというガの仲間です。
ガは、チョウと比べて10倍以上の種類数がいます。そしてその多くが夜行性です。小さなものから大きなものまでたくさんいるのですが、今回は、大きくて美しいガを、お見せしたいと思っています。こんなガもいます。ギンモンスズメモドキといいます。

ギンモンスズメモドキ

翅(はね)に銀色の光沢部分がある、とても美しいガです。
ほかにも、こんなの相模原にいるの?という大きなガもご紹介します。お楽しみに!

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