オナガグモに擬態?

「面白い形のクモ」の代表格とも言えるオナガグモ 。
普段は体を細長く伸ばしていて、松葉のようにしか見えませんが、動き始めるとこんな形をしています。

オナガグモ (写真は以前に撮ったものです)。


そして今朝「オナガグモだ、ぜひブログで紹介を」と思って撮った写真がこちら。

オナガグモ だと思って撮った写真


カメラの小さな画面では気づかなかったのですが、拡大してみて「あらら」となりました。
これはナナフシ(ナナフシモドキ)の幼虫です。
以前から似ていると思っていましたが、騙されたのは初めてです。
それにしても何故、こんなに似ているのでしょうね?

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5年続いたキアシドクガの大発生、終息しました

今日は5月5日、こどもの日です。博物館のまわりの樹林地では、新緑の光の中でキビタキが美しく囀っています。

キビタキ

思えば昨年のゴールデンウイークの博物館周辺は、こんなに爽やかな雰囲気ではありませんでした。キアシドクガの大発生が5年続いていて、駐車場のフェンスやミズキの木の下にはたくさんの毛虫(幼虫)がうごめいていたからです。

枝からぶらさがるキアシドクガの幼虫(昨年)

しかし今年、4月からお伝えしてきましたキアシドクガの発生状況ですが、いよいよ幼虫の終齢期に近づいたものの、ほとんど姿を見ません。これまで最大の発生量だった一昨年(2017年)と写真を比較してみましょう。上が2017年5月7日、下が今日、2019年5月5日です。
まずは、博物館の壁面です。蛹になる場所を求めて、無数の幼虫が壁面を登っています。

博物館の壁面を登る無数のキアシドクガの幼虫(2017年5月7日)


同じ場所の今年(5月5日)のようす

続いて、お隣の樹林地のミズキのようすです。2017年は葉が食べ尽くされて丸坊主になっていますが、今年は青々と繁っています。

キアシドクガに葉を食べ尽くされたミズキ(2017年5月7日)


上の写真と同じ場所、同じ角度の今年のようす(5月5日)

昨年と一昨年は発生時期が前倒し傾向にあり、花芽ごと食べられて開花すらしませんでした。でも今年はしっかり花を咲かせています。

ミズキの花(2019年5月4日)

過去5年間の傾向から見ても大発生が終息したことを4月中旬には確信していましたが、若齢幼虫の段階ではまだ判断するのは早いと考えていました。でも、もう間違いないですね。キアシドクガの大発生は終息しました。
もちろん、市内の他の地域では、博物館周辺よりややタイミングが遅く大発生が始まった場所もあります。そうしたところではまだ発生は続くものと思われますが、タイムラグは1年程度と考えられます。

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ミニ展示「相模原に来た皇族」の展示解説

5/4は新天皇陛下の即位を祝う一般参賀が行われ、大変多くの方が皇居に足をはこばれていました。

同じ5/4に、当館で現在開催中のミニ展示「相模原に来た皇族」の展示解説を行いました。

このミニ展示は、令和改元記念として5/1から開催している展示で、昭和天皇、上皇陛下、新天皇陛下、秋篠宮皇嗣殿下らが相模原市域に来られた事例を、写真パネルや関係資料で紹介しています。

相模原に来た皇族ポスター・チラシ改元以降

展示解説では、展示した写真や資料の説明はもちろん、その他に皇族方の来訪時のエピソードや裏話(どこで昼食をとられたか等々)なども交えながら楽しく!?お話ししました。

 

特に、新天皇陛下が平成27年に緑区の石老山に登山された際には当館の学芸員も随行しており、その時の様子などを紹介しました。(新天皇陛下は登山を趣味とされてるだけあって、ものすごい健脚とのこと・・・)

今日は、一般参賀があったため?か、あるいは天気が良くて他にお出かけされたためか、この連休の中では来館者が少ない日でした。そのため、展示解説のPR、アナウンスもしたものの、集まっていただいた参加者は10名ほどでした。

しかしながら、人数が少ない分お客様と近い距離感でお話しすることができ、用意していた展示物と同じ資料を実際に手にとって見てもらうことなどもできました。資料は昭和40年の城山ダムなどに皇太子時代の上皇陛下が来訪された時の対応資料で、1分単位のスケジュールや細かな席順などが記載されていることに、皆さん関心をもたれていました。

 

このミニ展示は、6/2(日)まで開催しています。6/1(土)にもう1回展示解説を行いますので、ぜひご参加いただければ幸いです。

 

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ありふれた種(ギンメッキゴミグモ)

ギンメッキゴミグモ

クモというと茶色や黒のイメージが強いかも知れませんが、この種は腹部が銀色に輝いています。
林の周辺や公園、庭先などで見かけるありふれた種ですが、体長5mm程度と小さいのであまり目立ちません。
このクモの最大の特徴は「上を向いてとまる」事です。円網を張るクモは、通常下を向いていますが、このギンメッキゴミグモは上を向いています。
また、円網が上下非対称で、上半分の方が大きくなっているのも特徴です。これは、頭が向いている上側の方がすばやく獲物に到達できるからだと言われています。
ありふれた種なので、こういった事を自分の目で確かめることも手軽にできます。機会があったらぜひじっくり眺めてみてください。ひょっとしたら「新発見?」という観察ができるかもしれません。

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【予告】いよいよ今月下旬から!生物企画展

気持ちの良い晴天となった連休後半の5月4日、博物館は今日もたくさんのみなさまにご来館いただいています。
開催中の考古企画展「相模原市の遺跡2019 博物館 de トレジャーハンター ~お宝なぞ解き考古展~vol.3」も残すところ会期は5月6日までの3日となり、ラストスパートです。
ということは、次の企画展が間近に迫っています。5月25日(土)からは、生物企画展「闇に生きる 相模原にすむ夜行性の生きもの」が始まります。
このブログでも、この企画展の情報を随時お知らせしていきます。まずは、どんな展示なのか?ということなのですが・・

タヌキ

白黒のタヌキの写真です。この写真は、博物館のまわりの樹林地に仕掛けたセンサーカメラ(自動撮影装置)の画像です。
こんなふうに、夜間活動することが多い生きものの姿を、実際に撮影された写真や映像、そして標本(はく製など)などでご紹介する予定です。
人間が直接撮影するのと違って、カメラの存在をさほど気にしていない動物たちの表情は自然で、普段の生活の様子を垣間見ることができます。

夜行性の野鳥 ヤマシギ

展示室内は、大型映像なども使って臨場感のある展示空間にしたいと考えています。
次回からは、実際にご紹介する生きものについて取り上げていきたいと思います。

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メジロのイナバウアー

5月1日、中央区の横山丘陵緑地を歩いていると、メジロが木の幹に不自然な姿勢で止まっていました。何だろうと見ていると、幹についている白いものを引っ張っています。

メジロがなにかを引っ張っています

写真を撮ってみたら、クモの卵嚢(らんのう)を引きはがしているところでした。巣材にするのでしょう。
よほど良質な巣材なのか、ずいぶんがんばって引っ張っているなと見ていると・・

体重をかけて引っ張っています

どんどん反り返って、ここまでいくと・・

そこまで引っ張るか!

お見事!メジロのイナバウアーでした!
しかし、イナバウアーって今のお子さんたちに通じるのかな?

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令和改元記念 ミニ展示「相模原に来た皇族」を開催中

本日、元号が「令和」になり、新天皇が即位されました。
実は、新天皇は4年ほど前に本市緑区の石老山に登頂されています。
そのように皇族の方々が相模原市域に来訪された事例を紹介するミニ展示「相模原に来た皇族」を本日より博物館にて開催しています。

相模原に来た皇族ポスター・チラシ改元以降

主な事例としては、戦前の昭和天皇の陸軍士官学校への行幸、昭和20年代から40年代の上皇陛下の皇太子時代におけるダムや企業への来訪、そして平成になってからの国民体育大会への来訪などを関係資料や写真パネルにて紹介しています。

今回の展示をご覧になると、相模原にも意外に多く皇族の方々が来られていると感じてもらえると思います。

また、今日展示を見てくださった親子連れのお客様からは、「親子でこのような展示を見られるのも今しかないですね」と、うれしい感想をいただきました。

令和という時代になったこの時に今回の展示をご覧いただくと、あらためて昭和から平成の時代に思いを馳せる機会になるのではと考えています。

このミニ展示は6/2(日)まで開催しています。そして、5/4(土)、6/1(土)の午後1時からは、担当学芸員による展示解説も行いますので、ぜひご来館いただけると幸いです。

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雨の相模湖

4月30日、天気予報どおり朝からバッチリ雨の中、相模原市立環境情報センターのスタッフと野鳥調査の下見に相模湖へ行きました。
途中、ずいぶんたくさんのエナガに出会いました。

エナガの巣立ちビナ

巣立ちビナが群で行動しているためですが、エナガは群内のコミュニケーションが活発なので、雨の日は雨音にかき消されないよう、晴れている日よりも大きな声で鳴き交わします。
途中、相模湖下流の弁天橋を上から眺めたところです。新緑が雨に濡れていっそう瑞々しい色合いに見えました。

弁天橋を見下ろしたところ

春なので、こんな風景も。スズメの交尾です。

交尾するスズメ

JR相模湖駅は、ツバメと仲良しの駅です。バス乗り場の屋根裏にはたくさんの巣があり、その下にはすべてフン避けのネットが張られています。

電線で鳴くツバメ

ツバメが止まりやすいように、巣のある場所の近くに横棒が渡されていたりもします。ツバメの子育てを見守る地元のみなさんや、JRの駅員さんのまなざしの優しさが感じられました。

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来館者300万人達成記念イベント『フルートとハープの調べinプラネタリウム』を開催しました。

今日(4/29)、プラネタリウムでは『フルートとハープの調べinプラネタリウム』が開催されました。

(左)フルートの浅尾 真実さん、(右)ハープの山本 文瑠さん

4月16日から販売開始したチケットは、当日まで残らず完売!
ありがとうございました!
そして、購入できなかった方はごめんなさい。

そして気になる内容は・・・

美しいフルートとハープの調べ。そして、楽曲に合わせて作られた光学式プラネタリウムの美しい星とデジタルプラネタリウムを利用した多彩な演出・・・
演奏に聞き入っていた皆様から思わず声があがる場面もありました。

あっというまの1時間。参加された方にとって、とても濃厚な時間になったのではないでしょうか。

参加者に配られた当日プログラム

今回のコンサートは来館者300万人達成記念イベントの一環として実施されました。
美しい演奏とプラネタリウムに映し出された星、そしてたくさんの方にご参加いただき、記念イベントとして相応しいものになったと思います。

ご出演いただいた浅尾 真実さん、山本 文瑠さんにはこの場を借りてお礼申し上げます。本当に素晴らしい演奏ありがとうございました!

そしてなにより、参加してくださった皆様、ご来館いただきありがとうございました!

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アメリカネナシカズラの根が消えた!

4月28日朝、気持ちよく晴れたので、博物館で系統保存のために栽培しているカワラノギクの様子を確認しました。適度に雨も多いためか、芽生えも順調です。ただ、よく目を凝らしてみると・・

カワラノギクの芽生えに絡みつくものが・・

不自然にねじれたような芽生えがありました。これはなんの仕業かというと、アメリカネナシカズラです。
ヒルガオ科のつる性寄生植物で、こんなふうに寄生根(きせいこん)を寄主(きしゅ)の植物(ここではカワラノギク)に食い込ませます。

締め上げるように絡んでいます

寄主から水分も栄養も横取りするため、葉緑素を持ちません。成長点も植物らしからぬ風情です。

アメリカネナシカズラのつるの先端

何より特徴的なのは、その名のとおり、ある程度、寄生根を寄主へ食い込ませると、用が無くなった根は消えてしまうのです。根無し、というより、すぐに根が消失してしまうというのが正しいのです。この株もそろそろ・・と思って探してみると、すでに根元が干からびていました。

根元が干からびて透明になっています

さらに数時間して見てみると、乾燥してくるりと縮んでいました。

完全に地面から離れてしまったつるの根元

カワラノギクを育てているので、明らかにこれは害草(おまけに外来種)です。でも、この仲間の生態や分類には興味深いことが多く、つい、開花するまで悪さをしない程度にコントロールしつつ、育ててしまうのです。ちなみに、以前撮影したものですが、アメリカネナシカズラの花はこんな感じです。

アメリカネナシカズラの花

直径3ミリメートルほどで、やっぱり色はほぼ、ありません。何から何まで、不思議な植物です。

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