ECO-TOPインターン1日目

今日(2月17日)から相模原市立博物館で5日間のエコトップインターンシップを行う桜美林大学の石井です。
本日の活動は、午前中が学習資料展のチャレンジ体験コーナーで市民学芸員のみなさんのお手伝いをしました。午後からは相模原市民会館で開催された「さがみはら生物多様性シンポジウム 生物多様性を守る~森と林 現場からのメッセージ~」に参加してきました。

チャレンジ体験コーナーの準備から参加しました!

チャレンジ体験コーナーは、小さいお子さんに向けて、昔の遊びを体験などができるようになっています。割り箸鉄砲やコマ、折り紙などが作れます。ボランティアの方々のお手伝いという形でしたが、多くの子どもたちが思い思いに遊んで、楽しんでくれたのがとても嬉しく思いました。

折り紙でお雛様を作っています

生物多様性のシンポジウムでは、ニホンジカ問題や、境川や緑区の森での生物多様性のための具体的な活動とその成果・課題についてなど、様々なことを知ることができました。身近な地域での実際の活動を知り、生物多様性という言葉を最も身近に感じることができました。

シンポジウムのようす

インターンシップ1日目で、不慣れな部分が多かったのですが、とても勉強になる1日でした。これからの4日間も、積極的に活動していきたいと思います。

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甘い汁

博物館お隣の樹林に伸びる木々の幹には、さまざまなつる植物が巻き付いてます。そのうちの一つ、キヅタのつるはしっかりと幹に張り付くように伸びます。

まっすぐに幹を登るキヅタのつる

先日、林内での調査の都合があってキヅタのつるを切りました。すると、切り口からぽたりぽたりと樹液が滴り落ちました。

切り口から滴るキヅタの樹液

真冬にこうして滴る樹液はもしかして、と思いなめてみると、まるで砂糖水のような甘さ!
冬は凍結を防ぐために、体内に糖分をため込む樹木があります。カエデの仲間などではよく知られていますが、キヅタにもそうした性質があることは知りませんでした。
冬枯れた森の風景の中で、ちょっとアンバランスにすら感じられる、濃い甘味でした。

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お子様連れのお出かけも安心!おむつ替えと授乳コーナーあります!

相模原市立博物館にもおむつ替えコーナーや授乳室があるのをご存知ですか?

おむつ替えスペースは、1階女子トイレの奥、左手にある個室内、もう一か所は地下男子トイレ内です。

また、「講師控室」として利用していた地下の小部屋を数年前からは「多目的利用室」(以前ブログでもご紹介済み)として、レイアウトを変更して開放しており、こちらも、おむつ替えや授乳室としてご利用いただいています。室内には水道もありますので前後の手洗いなどにご利用いただけます。

こちらの部屋はご利用者様がかち合わないよう、1階エントランス受付でお声掛けいただいてからお使いいただいております。ただし、こちらの多目的利用室はごくまれに(1年に1回程度)、本来の用途である講師控室として利用することもあり、そうした場合には、授乳室として、別のスペースをご案内いたしますので、いずれにいたしましても、利用を希望される方はどうぞスタッフにお気軽にお声掛けください。

館内貸出し用の車いすやベビーカーも備え付けております。こちらもどうぞご利用ください。

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#宇宙フェスタさがみはら 大盛況でした!この模様はテレビで・・・

かねてからお知らせの通り、2月9日には「宇宙フェスタさがみはら~相模原から水星へ~」を開催しました。
エントランスでは記念撮影コーナーのほか、星のストラップ作りや紙芝居など、多くの皆さんにお楽しみいただきました。みなさんよくお似合いです!(この2枚の写真はスタッフにモデルを務めてもらっています)星のストラップは新柄も登場!お好きな色を選んで作っていただきました。

当日はあいにくの天候でしたが、午前中のこどもプラネタリウム(宇宙フェスタバージョン)、午後の講演会&座談会、午後5時からの「音楽と宇宙の夕べ」、それぞれたくさんの方にご参加いただけました。昼間の星の観望会は残念ながら天体観測室の見学のみとなりましたが、「今度はぜひ星空観望会に参加してみたい」と、職員にとって嬉しい声も。

講演会&座談会記念品

講演会では村上先生からは水星についてのお話、早川先生からはこの計画についてのお話、特に国際協力の難しさや面白さなど、まさに聞いてみなければわからないエピソードをたくさん披露していただきました。
座談会では漫画家の石川先生からの作成秘話もいろいろ飛び出し、愛読者の皆さんにとっても、未読の皆さんにとっても大いに興味をかきたてられる時間になりました。プラネタリウムドームいっぱいに漫画のキャラクターが総登場したり、実際に水星を観測するとどのように見えるのか、そして宇宙から水星を見たらどうなるのかを知るために地球から飛び出した視線で太陽系を俯瞰して見る演出など、まさにプラネタリウムならではの内容でお楽しみいただけました。みおに石川先生のイラストが搭載されたのは、村上先生が自らツイッターのDMで石川先生にコンタクトをとったことがきっかけだというお話も。午後5時からは、宇宙の映像と桜美林大学の皆さんの演奏とのコラボレーションイベントを開催。

おなじみの名曲の数々、そしてこの日が初演となる「スペースミッション組曲」も!

アンコールでは、淵野辺駅の発車ベルのメロディーにもなっている「銀河鉄道999」が演奏され、これにて「宇宙フェスタさがみはら」のすべてのイベントが終了しました。(あの発車ベルにも松岡先生が携わっているとのこと!淵野辺駅をご利用の際にはぜひ発車ベルにもご注目を)

さて、このイベントの模様は、2月10日付の読売新聞神奈川版に掲載されたほか、2月14日のジェイコムデイリーニュースでも紹介される予定です。ジェイコムデイリーニュースは、ジェイコム加入者でなくてもスマホアプリ「ど・ろーかる」で視聴することもできるそうです。

寒い中ご来館いただきました皆さん、そして登壇のみなさん、ボランティアスタッフの市民学芸員のみなさん、どうもありがとうございました。引き続き当館の事業にぜひご参加くださいますようお願いします。

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宇宙フェスタさがみはら 本日開催です!

本日2月9日は、宇宙フェスタさがみはら「相模原から水星へ」を開催します。
一日中、さまざまなイベントを盛りだくさんにご用意してお待ちしています。詳しくはこちらをご覧下さい。

宇宙フェスタのポスター

午後からの「講演会&座談会」の予約は残念ながらすでに満席となっています。でも、17時からの「宇宙と音楽の夕べ」はまだ整理券を配布中です!(無くなり次第配布は終了します)
ほかにも、午前中のプラネタリウムは宇宙フェスタ特別バージョンで投影したり、宇宙にちなんだ紙芝居(11時45分~、14時~)、星のストラップづくり(10時~、13時~、各回先着50名)、宇宙飛行士訓練服(レプリカ)を着て記念撮影できるコーナーなど、どなたでもお楽しみいただけるイベントがたくさん!
ちょっとお天気が心配ですが、足下にお気を付けてご来館ください!

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雪で浮かび上がるけもの道

2月9日、博物館周辺は久しぶりの積雪となりました。

パウダーシュガーのような積雪

お隣の樹林地のフェンス際を歩いていたら、アレ?と思いました。

積雪が筋状に濃くなっています

地面に積雪の色の濃い部分が筋状に伸びています。そして、その始点にはフェンスの下を掘った跡が。
なるほど!博物館周辺の樹林地では、タヌキやハクビシンをはじめ、いろいろな哺乳類が生息していることが、センサーカメラを使った調査でわかっています。フェンスで区切られた狭い区画でどうやって生活しているのかな?と疑問でしたが、こうしてフェンスの内外を出入りしているんですね!

積雪に浮かび上がる「けもの道」

積雪のおかげで、少しくぼんだ「けもの道」が浮かび上がりました。野良ネコもいるし、野生動物の通り道だとは断定できませんが、けもの道であることは間違いありません。雪の降り始めの、ちょっとした発見でした。

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ミズキの冬芽

博物館お隣の樹林地はミズキを中心とした林ですが、先日のブログでもお伝えしたとおり、ここ5年ほどのキアシドクガによる食害でだいぶ痛めつけられています。樹皮が剥(は)がれて枝が折れて、果ては枯死寸前の株も多く見られます。

立ち枯れ寸前のミズキ

それでも、生きている株の枝先にはこんな大きな冬芽が目立ってきました。

ミズキの冬芽

ミズキは、早い年は3月中旬くらいから冬芽が膨らんで、若葉を出し始めます。ということは、あと1月ちょっとで崩芽するかもしれないので、冬芽もなんだか色つやも良く目立ってきました。
越年草(秋に芽生えて幼植物のまま冬を越す植物)のフデリンドウも、落葉の下で静かに春を待っています。

越冬中のフデリンドウ

真冬の寒さとは裏腹に、日が長くなってきてなんとなく生きものの動きが活発になってきました。春への動きはだんだんと加速するので、こちらもエンジンをかけていかないと追いつけなくなりそうです。

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ムササビの食べ痕

2月3日午後、緑区の津久井湖城山公園へ行きました。目的は、自然体験活動などを行うNPOのみなさんとのムササビの観察です。まず、まだ明るい夕方に、ムササビの食痕探しです。アラカシの木の下を探すと・・

真ん中がぽっかり開いた食痕

ありました!このように、葉っぱの真ん中をくり抜くように食べられているのが、ムササビの食痕の特徴です。
実際には、葉を二つに折りたたんで、真ん中をバリっと食べるのです。

お約束ポーズ!

なぜこんな食べ方をするのでしょうか。首都大学東京の研究室が発表した論文によると、葉には栄養となる糖分が含まれていて、ムササビはそれを目当てに食べているのですが、葉には昆虫などの食害から身を守るために、フェノールという有害物質も含まれています。アラカシの場合はそれが、昆虫に食べられやすい周縁部分に多く含まれるためムササビはフェノールを避けるようにこのような食べ方をするそうです。

神奈川県で一番高い山は?

展望広場から日没を見て、丹沢山地の蛭ヶ岳(ひるがたけ=相模原市の最高峰であり、県内最高峰)を眺めました。その後、夜の森を歩きましたが、ちょうど今はムササビが決まった巣箱を利用していないタイミングだったため、残念ながら声だけしか聴くことができませんでした。それでも、夜の森の雰囲気を楽しんだり、ちょうど新月直前で星がよく見えていたので、昴(すばる=プレアデス星団)の星の数を数えたりして、楽しく観察会を終えました。

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樹名板の裏でみつけました

博物館での冬の生き物観察の定番、「樹名板めくり」。


大抵はこんなふうに白いふわふわしたものがついています。
この中にはアリグモやハエトリグモ、フクログモの仲間などが潜んでいて、寒さをしのいでいます。


今年目につくのはこの昆虫。キマダラカメムシです。市内ではここ7〜8年の間に分布を広げていて、博物館の敷地内でもすっかりお馴染みになりました。


そして、ちょっとした発見がこちら。
ジョロウグモの卵のうです。
普通は木の幹に産み付けられていて、ちょっと目にはわからない感じなのですが、どういうわけかこんなに目立つところにありました。
鳥などの天敵に持っていかれないか心配ですが、5月末頃まで無事でいてくれれば、たくさんの子グモが現れるのを見る事ができます。
これは良い観察ポイントができました。

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明るくなった林内で広がる外来種

博物館周辺のミズキ林で、この5年ほど続くキアシドクガの大発生については度々このブログでもお伝えしていますが、冬の間にその影響が見えてきたことがあります。
度重なる食害で樹勢が弱り、枯れてしまったり、台風などの強風で根元から傾いてしまったりというミズキが多く見られます。

根元から倒れかかってほかの木にもたれるミズキ

そうして林内の空間を占めていた枝葉がぽっかりと無くなった場所は、空から直接光が差し込むようになります。そうした明るい空間を、生態学の専門用語でギャップと呼びます。昨年の初夏くらいから数多くのギャップができて、それに合わせてこんな風景が出現してきました。

シャガ(アヤメ科)の若葉

これは、シャガというアヤメの仲間の外来種です。裏庭のようなちょっと暗い場所に咲く花で園芸種としてもよく知られています。この樹林に遊歩道が整備された頃、誰かが勝手に植えてしまったようです。ずっと遊歩道沿いにおとなしく咲いていたのですが、この植物は、ちょっと明るい場所ができると一気に株を増やします。ここでも一面に葉が広がって、今春はシャガ群落ができあがってしまいそうです。
そしてこちらも外来種です。

セイタカアワダチソウ

セイタカアワダチソウです。明るい草原を好む有名な外来種ですが、ふつうはこんな森の中には入ってきません。しかし、ギャップによって勢いづいて、少し茎を立ち上がらせながらはびこってきています。
外来種の勢いが増すのは決して喜ばしいことではありませんが、だからといってこれらを根こそぎ抜きとったとしても、別の外来種が入ってきたり、春に咲くフデリンドウの芽もろとも抜いてしまう危険もあったりで、それもよくありません。
自然の変化に生きものたちがどのようなリアクションをするのか、いましばらく静観してみたいと思います。

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