イプシロン4号機の打ち上げパブリックビューイング実施しました!

予定通りの日程だと臨時休館日に当たるため開催できなかったのですが、天候の都合で1/18に延期されたことにより、博物館でも打ち上げパブリックビューイングを実施することができました。

エントランスモニターも準備万端

近くの小学校の皆さんと一緒に打ち上げを応援することができました。

打ち上げの瞬間!

小学生の皆さんには、夜のニュースでも見てみてね~などとお話をしました。

たまたまでしょうが宇宙機アウターのお子さんも!


こうしたイベントへの参加により、ご家庭でも宇宙の話題が盛り上がると嬉しいなと思います。
参加してくださったみなさんありがとうございました。

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乾燥標本になってしまったジョロウグモ

以前、このブログで「ジョロウグモは年を越して2月頃まで生きている事がある」と紹介した事がありますが、残念ながら今年は、博物館周辺で年越しをした個体はいないようです。
その代わりではありませんが、網にからまって死んでいる個体を見かけました。

生きているうちに自分の網に捕らわれてしまう事はまず有り得ないので、どうしてこうなったのか不思議です。
さらに良く見ると、硬い殻を持たない腹部がしっかり残っています。さらに頭胸部の銀色の毛や、脚の環状斑(縞模様)が色鮮やかに残っていて、まるでていねいに乾燥標本にしたかのようです。
クモの標本は、普通「液浸標本」といってアルコール浸けにします。
しっかりと保存するためにはそれで良いのですが、ビンの中に入っていて、色も抜けてしまうので見映えがしません。
そこで、乾燥標本づくりに挑戦したことがあるのですが、きれいに仕上げるには結構手間がかかります。
こんな風にきれいな乾燥標本(?)ができてしまうなんて、偶然の力にしばし感嘆してしまいました。

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1月17日まで休館です!

博物館は、1月15日から17日(木)まで設備メンテナンス等のための休館となります。ご不便をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。
さて真冬らしい寒い日が続きますが、1月15日に、市内の相模川へ絶滅危惧種カワラノギクの結実状況を確認に行きました。

実ったカワラノギク

ぼんぼりのようなかわいらしい綿毛の果実がたくさん実っていました。
河原の強い風でもあまり長い距離を飛ぶことはありませんが(カワラノギクの果実の性質についてはコチラ)、うまく河原石の隙間に入り込み、春になってたくさん芽生えてほしいものです。
せっかくなので付近の河原を歩いていると、地面にたくさんの羽毛が不穏なようすで散らばっていました。

地面にちらばった羽毛

ドバトの羽毛です。そばの石についていた血痕や、羽根の散らばり方から、ついさっき、こんなことになったようです。おそらくオオタカが、捕らえたドバトの羽根をここでむしったのでしょう。オオタカはこうして地面でできるだけ羽根をむしりとってから、お気に入りの食事場所へと運ぶ性質があります。
その脇では、ウメの花が咲いていました。

ウメの花


寒風ふきすさぶ河原も、季節は着実に進んでいるようです。

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寒空の下の探鳥会

今日(1月12日)は神奈川県の森林インストラクターのみなさんと、県立相模原公園(南区下溝)で探鳥会を行いました。
厚い雲に覆われた寒空でしたが、じつは、こんなお天気模様は冬の野鳥観察の場合好条件です。冬は太陽の位置が低いので、あまりきれいに晴れていると、逆光になる位置が大きくなるためです。

寒さ対策万全でバードウォッチング

みなさん、ふだんは森林インストラクターとして活動されているため、野外に慣れていて、防寒対策も万全でした。
そんな中、何種類かの鳥はじっくりと長時間観察することができました。そのうちの一つ、キツツキのなかまのコゲラです。

コゲラ(写真は以前撮影したものです)

木を叩く音を聞きながら、日本で一番小さなキツツキを堪能しました。
途中、公園から少し出て相模原沈殿池でも観察しました。

冬の水鳥観察の名所、相模原沈殿池

最近は水鳥がめっきり減ってしまいましたが、オシドリの抜群の美しさを楽しむことができました。

オシドリ(写真は以前撮影したものです)

特に、銀杏羽と呼ばれる飾り羽を見て、体のどの部分についている羽かというクイズをみなさんで考えていただきました(答えは、翼の付け根の三列風切羽のうちの1枚です)。
そして、後半、じっくりたくさん見られたのは、冬鳥のアトリです。

アトリ(写真は以前撮影したものです)

はじめは遠くて色があまりわからず、図鑑のようなオレンジ色が見えない、という声がありましたが・・そのうちに近い距離で見られて、全員がしっかりと胸や肩のオレンジ色を確認できました。
午後2時すぎに解散となりましたが、30種類以上の鳥をほぼ全員が見られて、寒さに負けずに歩いた成果は上々でした。

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タネ降臨

博物館で系統保存のために栽培している絶滅危惧種のカワラノギクが結実しています。この株は、市内の相模川の河川敷で採種されたもの由来で、市内産の系統が絶えてしまわないように栽培しています。

結実したカワラノギク

カワラノギクの果実は同じキク科のタンポポと同じように綿毛がついていますが、風に乗って飛ぶことはあまりありません。種子の大きさに対して、綿毛が短くて少ないためです。

カワラノギクの果実

ではなんのために綿毛がついているのでしょう?ある研究によると、河原という特異な環境に生育するために遠くへ飛ぶ必要はなく、むしろ、条件の良い河原石のすきまに入り込んで、そこから抜け出てしまわないように綿毛でうまくひっかるためだろうとされています。綿毛の機能もいろいろですね。
立ち枯れたカワラノギクを見ていたら、茎の途中にもっと大きな綿毛がひっかかっていました。

カワラノギクの茎にひっかかっていた大きな綿毛

周りをよく見ると、地面にも落ちています。

地面の上でも目立ちます

こちらは、相当な滞空時間であることが容易に想像できますね!

キラキラと輝く白銀色の美しい綿毛

これは、先日、壮大なつるをご紹介したテイカカズラの果実なのです。
あの勢いで樹木の上の方まで登っていき、地上15メートル以上の高さで開花して、今、果実を飛ばしているのでしょう。美しく繊細な綿毛付きの果実は、怒濤のごとく巻き付くつるとは対照的な印象ですね。

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日曜・祝日のお昼のお楽しみといえば・・・~ #プラネタリウム #無料 番組のご案内~

もうみなさんご存知ですよね?

相模原市立博物館では平成28年4月以降、日曜と祝日の12:10から、プラネタリウムで無料のミニ番組「おためしタイム」を投影しています。
事前申し込みなども不要で、どなたさまでもご覧いただけますので、お気軽に「おためし」いただければと思います。

プラネタリウム内の様子

この「おためしタイム」、無料のミニ番組といってもなかなか侮れませんよ!
アイデアたっぷりの内容や、デジタルプラネタリウムの機能を活用した演出など、通常の番組とは一味違う内容をお楽しみいただいているのです。ですから、いつもプラネタリウムをご覧になっている方にもお楽しみいただけますし、ミニ番組ながらプラネタリウムの雰囲気はばっちり味わえますので、小さなお子様連れのお客様など、プラネタリウムデビューにも最適、というわけなのです。

さて、1月6日から始まった、1月から3月までのおためしタイムのテーマは「世界の夜空から-カナダ・ブラジル編」です。
今回のテーマでは、オリンピック「東京大会2020」で相模原市と関連する各国で見られる星空をプラネタリウムでご紹介する、という趣向。

ようこそ!

ここ相模原でみられる夜空と、カナダやブラジルの夜空はどんなふうに違うのか、あるいは違わないのか?
相模原に居ながらにして世界の空にひとっ飛びできるというプラネタリウムならではの世界旅行はいかがでしょうか。
ぜひ皆さんの目でお確かめください!

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1月6日、#部分日食 を観察できました!

1月6日は待ちに待った部分日食の日でした。
残念ながら9時30分の時点では厚い雲に覆われ、とても観察できそうにない状況であったため、せっかく開館前からたくさんのお客様にお集まりいただいたのにもかかわらず天体観測テラスへの入場はご案内できない状態でした。

館内のモニターでインターネット配信されている遠隔地のリアルタイム映像を流しながら学芸員による解説も・・・

しかしながら、10時過ぎには厚い雲越しに、観察できそう?
急いで日食メガネを皆さんにお配りして・・・

わ~見えた見えた!と歓声が上がります。

その後は、急きょみなさまを天体観測テラスにご案内することとし、

モニター越しの部分日食

雲の隙間から無事に観察することができました。

さがぽんも日食観察メガネ仕様!

あいにくの天候ではありましたが、100名以上の方にご参加いただくことができました。
こうしたことをきっかけに、宇宙や天文現象への興味関心を深めていただければ幸いです。
さて、次回の部分日食は12月26日です。
どうぞお楽しみに!

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お年玉

新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
相模原市立博物館は本日、1月4日から通常開館しております。
新年最初の写真は、1月3日に県立相模原公園で撮影した、ウメの花の蜜を吸うメジロです。

ウメの花の蜜を吸うメジロ

そして、博物館のお隣の樹林地に仕掛けてあるセンサーカメラ(赤外線探知式自動撮影カメラ)のデータを回収したところ、こんなお年玉映像が写っていました。

センサーカメラがとらえたフクロウ

フクロウです!フクロウが写るのは初めてではないのですが、この映像では、なんと足で獲物を捕らえています。写真では見づらいと思いますが、元は動画なのでハッキリわかります。獲物は鳥です。

獲物が動いたので持ち直しているところ

ただ、その獲物ですが、大きさや真夜中(午前3時ころ)ということを考えると、なかなか見ることのできない夜行性の鳥(まだ解析中で確定できていません)ではないかと思えてなりません・・。しかし、フクロウにとってはこちらの好みや都合は関係ないので、しかたのないことですね。
気を取り直してカメラのセッティングをしていると、いつの間にかまわりをエナガに取り囲まれていました。

エナガ

写真が逆さまなわけではありません。エナガはよく、こうして逆さにぶら下がって食べものを探します。
いつ見ても、かわいい鳥です。

エナガ

博物館へ戻ろうとしたら、こんどはカラスがヘンな声で鳴いています。上空を見ると、ノスリというタカを追いかけていました。

カラスに追われるノスリ

カラスは、自分にとって危険な生きものが近づくと、先に攻撃を仕掛けるのです。
それでも上昇気流に乗り、ノスリはあっという間にカラスが追いつけない高さにまで上がり、気持ちよさそうに青空へと吸い込まれていきました。

上昇しながら旋回するノスリ

今年も幸先良く、生きものの姿をとらえることができました!

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離れがたい冬

博物館のお隣の樹林内では今、赤い色が目立ちます。
赤いと言っても、毎冬見られるマンリョウの果実の赤ではありません。

この季節の定番の赤、マンリョウの果実

冬も本番というのに、コナラの紅葉が目立っているのです。

季節外れの、コナラの紅葉

コナラは例年ならとっくに紅(黄)葉して葉が落ちているのに、今年はまだ枝に葉を残した木が多く見られます。
冬空に美しく映えています。

複雑な色合いの紅葉が青空に映えます

コナラのような落葉樹は、気温が低くなって光合成の効率が落ちると、葉の中に残っている養分をできるだけ幹や根へ移動させます。それでも葉に残った養分が黄色や赤色の色素へと変化して紅葉し、その後、葉の付け根と枝の間に「離層(りそう)」と呼ばれるシャッターのようなものが形成され、落葉します。
今年はどういうわけか、離層の形成がうまくいかなかったのか、遅いのか・・。

本格的な紅葉です

よく見たら、クマノミズキの葉もちょっとだけ残っていました。なんとも絶妙のグラデーションが美しいですね。

わずかに残っていたクマノミズキの葉

枝と葉が離れがたく、いつまでもくっついているようにも見えるのですが、それでも冬芽はしっかり準備されています。いずれアッサリと落葉するでしょう。しばし、季節外れの紅葉を楽しみたいと思います。
ところで、博物館は本日12月28日が年内最終の開館となります。新年は1月4日から通常開館します。みなさまよいお年をお迎えください。

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ゴミグモのサイン


今朝、見つけたゴミグモの幼体。
普通なら直線状についているはずのゴミリボンが、L字型に曲がっています。
おそらく網が一部が壊れて、修復したらこんな形になってしまったのでしょう。
ゴミグモは幼体で越冬します。「越冬」というと冬眠のイメージがありますが、クモや昆虫の場合、お天気次第では活動しているものも多いようです。
ところで、ギンメッキゴミグモが出て来る物語(確か小学校の教材でした)を読んだことがあるのですが、そのお話ではギンメッキゴミグモが「毎日網にメッセージをつづって」あいさつをしていました。果たして作者の方がクモのどんな行動から着想を得たのかはわかりませんが、今日出会ったゴミグモはこのL字にどんなメッセージを込めたのだろうか、とふと想像してしまいました。

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