宇宙教室にクリスマスコンサート、それからそれから・・・

「盆と正月が一緒にやって来たような」とは、せわしないことを示す言い回しですが、12/16の博物館は「クリスマスとお正月が一緒に来たような」一日でした。
何しろ既報の通り、博物館のエントランスには、そこかしこにクリスマスの装飾が施されていると同時に、

さがぽんとさがみんもクリスマスカラーでお目見え!

来年の干支にちなみ、イノシシの展示もしてあるという

動かないからいいけど、この大きさで猪突猛進されたら怖い!

文字通りの「クリスマスとお正月」が一緒に来ているだけではなく、企画展関連事業のチャレンジ体験コーナー、12月の「さがみはら宇宙の日」である宇宙教室、そして年に一度のお楽しみであるクリスマスほしぞらコンサートを開催するという、盛りだくさんの一日だったからです。さらにとあるテレビ局の取材(これは放送日決まり次第お知らせします)も入るなど、どれか一つだけでも十分なボリュームのある出来事が一日に凝縮されていたのです。

まずはチャレンジ体験。いつものようにブンブンゴマや割り箸鉄砲などの昔遊びが人気です。
そしてかわいい椅子が用意されたこのコーナーでは・・・

さあ始まるよ~

紙芝居に大人も子どもも引き込まれます!

思わず引き込まれる紙芝居

そして地下大会議室では12月の「さがみはら宇宙の日」として「宇宙教室」を開催。

おなじみの幟旗!

これは相模原市中央区中央地区のみなさんが実施しているシリーズもののうちの講演会部分のみを公開講座として、博物館を会場に開催したものでした。内容もまさに「子どもと大人 共に学ぶ」にふさわしく・・・

最新情報も満載!

講師の先生と参加者のやり取りなどもあり、楽しく進行。

そうこうするうちに、クリスマスほしぞらコンサートの観覧券が完売近し!との連絡が入り、案内表示の用意やホームページやツイッター情報の更新などなど。

入場待ちのお客様の列

かくして満席のお客様を前にクリスマスコンサートが始まります。

いろいろな楽器がスタンバイ!

まもなくです!

本番中は撮影ができないので写真ではお伝えできませんが、それぞれの曲に合わせ、神奈川県内最大級のプラネタリウムドームいっぱいに様々な映像が映し出されるダイナミックな演出と、出演者中山うりさんの素敵な歌声と演奏を皆さんにお楽しみいただきました。

満席のドーム内

クリスマスの日の夜空を再現し、冬の星座についての生解説もたっぷり。まさにプラネタリウムならではの特別な時間となりました。

博物館職員にとってはあわただしい1日となりましたが、ご来館のみなさまにはどんな1日だったでしょうか。

今後も、12月22日からのプラネタリウム冬休み特別上映、同じく22日には生きものミニサロン、23日には考古学講座、24日には星のストラップ作り、1月6日は「部分日食を観察しよう!」と「チャレンジ体験」・・・と、さまざまなイベントが続きます。期間限定のミニ展示も開催中です。ぜひぜひ、この機会にご観覧・ご参加くださいませ。みなさまのご来館をお待ちしております。

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淵野辺公園の風っ子砦をリニューアル?

急に冬らしい天気(つまりとても寒かった!)になった、とある日曜日、博物館にある団体のみなさんが来訪されました。
実はこちらの皆さんは、市の公園課が公募した「淵野辺公園・樹林広場を“想造(そうぞう)”しよう~風っ子砦リニューアル~」ワークショップのみなさんでした。

(市のホームページより)

第1回目のワークショップを行うにあたり、公園の現地見学をしたのちに博物館で淵野辺周辺の歴史などを知ろう!ということで、博物館にご来館いただいたわけです。
みなさんにもきっとおなじみの、淵野辺公園の「風っ子砦」、実はもう30年以上前から親しまれているものなんだそうです。
木製遊具ということもあり、さすがに老朽化が進んでおり、この遊具のリニューアルを行う機会に、樹林広場(あの場所、樹林広場っていう名前だったんですね!)について皆さんと考えていきたい・・・ということでワークショップを行うことになったんだそうですよ。

さあ、どんなコンセプトの広場に、そしてどんな遊具になるんでしょう!?
順調にいけば来年度にはリニューアルするそうですので楽しみですね。
もしかしたら淵野辺の歴史にちなんだものになるのかも?
あるいは歴史を踏まえたうえで関係ないモチーフのものになるのかも?

いずれにしても公園の新しいイメージを考えるにあたり、博物館見学をしていただけたということは博物館で働く職員としても嬉しいことです。

今後とも淵野辺公園と博物館、あわせてお楽しみいただけると幸いです。

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丹沢大山自然再生活動報告会

12月15日、藤沢市の日本大学生物資源科学部で2018年度丹沢大山自然再生活動報告会が行われました。
丹沢大山自然再生事業は神奈川県と関連自治体、民間団体、大学など丹沢大山に関わるさまざまな組織と県民が共に自然再生を考え、実践していく活動です。当館も生物担当学芸員が丹沢大山自然再生委員会の委員として参加しています。
報告会は、委員長による、20年以上に及ぶ活動を踏まえた現状と課題の説明から始まりました。

委員長による開会挨拶

続いて県自然環境保全センターの田村淳研究員による基調講演「丹沢山地のシカによるブナ林の衰退と再生に関する一連の研究」 が行われた後、3つの会場で研究・実践活動報告に進みました。3会場はそれぞれ「生き物再生」「水・土再生」「地域再生」のテーマが設定されました。また、別会場でポスターセッションもあり、口頭発表と合わせて34本の多様なテーマで熱心な議論が行われました。

ポスターセッションのようす

当館の「学びの収穫祭」でも毎年発表していただいている、あざおね社中(麻布大学)は、丹沢山麓の青根地区での地域再生活動を行っていますが、この報告会へは初参加です。同様の活動を行う他の団体や大学からも注目され、今後の情報交換や連携が期待されます。

あざおね社中のポスター発表

首都圏に隣接しながら貴重な自然環境を有する丹沢ですが、さまざまな問題や課題を抱えています。あまりにも規模が大きく、時間がかかる自然再生は決して楽な道筋ではありません。そうした認識を含め、立場を超えて情報を共有し、これからの丹沢を考える有意義な報告会でした。

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小鳥たちの競演

すっかり冬らしい気候になっていました。
博物館のまわりの樹林は落葉樹の葉がだいぶ落ちてきて、見通しがよくなっています。そうすると野鳥の姿も見やすくなって、ふだんはなかなかじっくりと見るのが難しい小鳥たちも観察しやすくなります。
こちらはヤマガラです。

ヤマガラ

ニーニーなどと鳴きながら、低木の枝や地上付近をせわしなく動き回ります。
こちらはカワイイ野鳥代表のエナガです。

エナガ

体がとても小さいうえに木の高い場所を動き回ることが多いのですが、葉が落ちると、とたんに見やすくなります。博物館のまわりでも常時群れが動き回っているので、カワイイ姿を見る機会が増えてきました。
こちらは平地の冬鳥の代表、ジョウビタキ(オス)です。この美しさは説明不要ですね。

ジョウビタキ(オス)

博物館のまわりでも、1羽ずつなわばりを持って冬越ししているようです。群れることはありませんが、単独でも人目に付きやすい場所によく出てきてくれる鳥です。
通勤途中や、休憩時間にちょっと駐車場に出るだけでもバードウォッチングができるので、この時期は楽しみが一つ増えます。

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津久井城の発掘調査速報④(調査終了しました)

11月7日から掘り始めた津久井城跡の今年の調査も、12月7日に埋め戻して完了しました。この間、11月25日には、公園の一大イベント、収穫感謝祭にて現地説明会を開催し、大勢の方々にご覧いただけました。

現地説明会の様子

見学者の中には、怪しげな武者も・・・。ご参加ありがとうございます。

甲冑武者も真剣に城跡を見学

この調査は、「津久井城市民調査グループ」というボランティア団体との市民協働で行っています。皆さん、日頃の講習会、研修会の成果を存分に発揮してくれました。

戦国時代の遺構を丁寧に掘り出す市民調査員

遺構を検出したら、写真を撮ったり、図面をとって記録を作成します。

遺構面の標高を測量する市民調査員

測量した内容を図にする市民調査員

池底に敷かれた石1点1点を計測する市民調査員

市民調査員の方々は、1ヶ月間で延116人もご参加いただき、よい調査ができました。皆さん、大変ありがとうございました。

さて、県立津久井湖城山公園内の「里山広場」での発掘調査は、平成24年度から始めてもう7年目。この場所で調査を長年継続している理由は、城域の外れで池を伴う庭園跡が発見されたからです。正に思いもよらないところから、予想外の遺構が発見された状況です。小田原北条氏の城館で、中枢の屋敷跡に伴う庭園遺構の発見は近年増えてきていますが、庭園に特化した平場の空間(曲輪 くるわ)、庭園のためにつくられた曲輪は例がありません。こうした城としての軍事施設とは関係ない曲輪を、里山ならぬ「山里曲輪」といいます。その起源は、織田信長の岐阜城や安土城に端を発しているといわれ、実際、岐阜城では庭園の曲輪が発掘調査されています。今年の調査では、庭園を観賞するための建物跡の検出までには至りませんでしたが、建物に伴うと思われる砂利敷遺構の発見や、かわらけや鉄釘などの出土もあり、一歩近づいた感じです。

今年度までの調査成果は、来年3月16日から開催を予定している考古企画展にて、速報展示する予定です。乞うご期待。

FM HOT 839 それいけ!さがみ月光団!「津久井城で大いに語ろう」音源配信中

 

 

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寒さに耐えるジョロウグモ

今年は暖冬と言われているようですが、昨日(12月11日)には急に冷え込んで、すっかり冬らしい寒さとなりました。
博物館周辺のジョロウグモもすっかり数が減りましたが、今朝はこんな様子が見られました。

昨晩からの雨に打たれて、全身ずぶ濡れ…というか水滴にまみれています。
死んだように動きませんが、網に腹部先端をつけているという事は、まだ命綱になる糸をしっかり付着しているという事。つまり、生きています。死んだクモは、地面におちるか、中途半端にぶら下がった形になってしまいます。
決して冬を越して春に活動する、という事ではないのですが、ある程度寒さに耐える事ができるようで、県内でも2月まで観察された例があります。
もしお近くでまだ頑張っているジョロウグモを見つけたら、いつ頃までいるのか観察してみても良いかもしれません。

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干支が登場!

それは1本の電話から始まりました・・。
「博物館でイノシシは展示されていますか?」
「すいません、収蔵庫にはありますが、展示には出していないですね。」
「そうですか、年賀状の絵柄の参考にしようと思っていたんですが・・残念ですね。」
電話を切ってから、ハッと気付いて反省と後悔にさいなまれました。どうして気付かなかったのか!!

ということで、電話を下さった方にはとても申し訳ない気持ちと感謝の気持ちでいっぱいなのですが、1階エントランスの正面で、干支ミニ展示スタートです。来年の干支は「己亥(つちのとい)」、ということで当館所蔵のニホンイノシシのはく製が登場しています。

干支ミニ展示「亥」登場です

背景がハマリ過ぎています!
こんなアングルでも撮影することができます。はく製に触ることはできませんが、撮影はOKです。

自然の中にいるみたいな背景ですね

資料写真などにはあまりないのですが、おしりがどうなっているのかな?という疑問もこれで解決です!

後ろから見るイノシシ

ちなみにこのイノシシは、2007年に南区の当麻で交通事故にあってしまった個体をはく製にしたものです。
年賀状のご参考に、または写真のモチーフそのものとしてもいかがでしょうか!
年明けの1月14日まで展示の予定です。

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勝坂遺跡で探鳥会

12月9日、南区磯部の勝坂遺跡で、文化財保護課主催の「勝坂を学ぼう!初冬の谷戸で野鳥観察」が行われ、お手伝いに行ってきました。
ちょっと風が強くて寒い中でしたが、20人以上の方にご参加いただきました。

双眼鏡で野鳥を観察する参加者のみなさん

風もあってちょっと鳥は少なかったのですが、エノキの果実を一生懸命に食べていた冬鳥のシメの群に遭遇したり、

シメ

それを追い散らかすチョウゲンボウが飛んで歓声が上がりました。
また、一番じっくりと見られたのは、冬鳥のツグミでした。今年はツグミの飛来が遅くて、このところやっと姿が見られるようになりましたが、こちらも長旅の疲れを癒やすように静かにエノキの果実を食べていました。

ツグミ 乾いた鳴き声が印象的でした

途中、ムクノキの大木があったので、ご希望の方には果実の味を確かめてもらいました。

ムクノキの果実

「甘いけどおいしくない」「良くいえば渋柿みたいな味」というのが御感想でした。
解散後に、コゲラが近くで見られたので、残っていた方と観察しました。

コゲラ

午前中、のんびりと勝坂を歩きながら楽しく探鳥することができました。

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プラネタリウムで #クリスマス コンサートを楽しもう!

平成28年度から始まったクリスマスほしぞらコンサート、毎年ご好評をいただいています。

今年度のクリスマスほしぞらコンサートは、中山うりさんらをお招きしての特別なひとときです。

クリスマスほしぞらコンサート告知ポスター

満天の星の下で、生演奏をお楽しみください。

中山うりさんは、プラネタリウムコンサートの経験も豊富で、今回演奏する曲は、オーソドックスなクリスマスの名曲から、ご自身の曲でNHKみんなのうたで放送された曲など、どこかで聞いたことのある曲も多いので、きっとお子様から大人の方までお楽しみいただけると思います。

観覧券は12/1から博物館受付で販売を開始しています。通常のプラネタリウム番組と同じ観覧料でご覧いただけます。

12/9現在、残席は90席程度です。コンサート当日までには売り切れになる可能性が高いので、観覧ご希望の方はどうぞお早めに観覧券を確保してくださいね。

さて、コンサートは12/16の17:00~18:00です。(17:00以降は博物館自体は閉館しますので常設展などをご覧いただくことはできません)

お帰りの時間はすでに暗くなっていると思いますので、どうぞお足もとにはお気を付けください。

それでも帰り道には、ちょっとだけ足をとめて空を見上げてみませんか?

プラネタリウムの中で聞いた星ぼしのお話を思い出すような輝きが、みなさんの頭上で瞬いているかもしれませんよ。

ぜひぜひ、そんな特別な思い出を、大切などなたかと(あるいはゆっくりと自分だけの時間として)お過ごしください!

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枯れ葉の中の卵のう(クモ)


通勤路でいつも見かけていた枯れ葉。寒くなる以前にクモが卵のうをつけた葉が残っているのだろうと、確認もせずに通り過ぎていました。
今日ふと気が付くと、昨日の強風で落ちかかっていたはずの葉が、元の位置に戻っています。

葉の内側を見ると、ヒメグモの仲間(メス)が卵のうを守っていました。
ぱっと見てカグヤヒメグモだと思ったのですが、出現期や改めて卵のうの形状を見ると、オオヒメグモのようです。
クモを捕まえてルーペで観察すればはっきりするのですが、この寒さの中、頑張っているのに、そんなことをしては気の毒だと思ってやめました。このメスは冬を越すことはありません。
オオヒメグモというのは、家の周りにも普通にいるクモですが、こういう姿を見るとなんだか特別な感慨が湧いてきます。

2018.12.5.

 

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