臨時休館中ですが…又野の尾崎咢堂記念館は通常どおり開館しています!

今月1日から当館は臨時休館中ですが、所管施設である尾崎咢堂記念館吉野宿ふじやは通常どおり開館中です。

博物館に遊びに来られない分、津久井地域の当館所管施設にお出かけいただくのはいかがでしょうか?
こちらでは、本日12月26日(火)の尾崎咢堂記念館の様子を紹介します。

尾崎咢堂記念館(外観)

ホームページやパンフレットでは、桜が満開の時期の写真を採用していますが、この季節は写真の左側に写っている「咢堂桜」もすっかり葉が落ちています。枝の隙間から覗く雲一つない冬空が美しく、記念館の白い外壁もよく映えますね。冬ならではの景色を楽しむことができます。

ハナミズキ

尾崎が米国に桜を贈った返礼のハナミズキも、このように落葉しています。また来年、美しい花を咲かせてくれることでしょう。
尾崎行雄の桜寄贈については、昨年のミニ企画展で紹介していますので、詳しくはこちらをご覧ください。

多目的室では、NHK大河ドラマ‟どうする家康”関連出張ミニ展示を終えたばかりではありますが、早速次回の出張展示を予定しています。一味違ったスケールになるかもしれません(!?)ので、どうぞ楽しみにお待ちください!
年明けには当館ホームページや本ブログで詳細をお伝えします。

(歴史担当学芸員)

※相模原市立博物館は、令和6年2月29日までエレベーターの修繕など館内工事のため臨時休館中です。ご理解とご協力をいただきますようよろしくお願いします。休館中のお問い合わせなど、詳しくは博物館ホームページをご覧ください。

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シロハラとアカハラ

博物館のまわりの樹林地には、冬になると何種類かのツグミ類がやってきます。そのうちの2種類、シロハラとアカハラは、大きさや姿が似ていて、名前もなんだか色違いなだけです。シロハラはこちらです。

シロハラ

シロハラ(白腹)というだけに、腹は白っぽいのですが・・そんなに白いかというと、そうでもありません。

正面から見たシロハラ お腹はあまり白く見えません

お腹の下の方が真っ白ではあるものの、全体的にはちょっと濁ったような色です。対してアカハラは・・確かに赤いです。

アカハラ 先日、境川沿いで観察したもの

ただし、シロハラと同様、お腹の真ん中から下は真っ白・・。

アカハラ 鳥類標識調査の時の写真・・お腹は白いです

どちらかというと、赤いのは「わき」でした。
鳥の名前は、絶妙にぴったりなものもあれば、やや首をかしげたくなるようなものも少なくありません。色で言えばその筆頭はホオジロです。

ホオジロ 確かにほおのあたりに白い部分もありますが・・

白い部分もありますが、どう見てもホオ(頬)が白いというのは誇張?表現です。シジュウカラの方がよっぽど頬の白さが際立ちます。

シジュウカラ

鳥の種名は、日本鳥学会が刊行している『日本鳥類目録』(2012年発行の第7版が現在の最新版)で使われている「和名」にならって図鑑などでも使用するのが慣例です。『日本鳥類目録』は、分類学の進歩によって種の位置づけやグループ分けが変わることがあり、そうした内容を反映するためにこれまで改訂を重ねてきました。じつは、来年秋頃に改訂8版が刊行される予定で、暫定的なリストが日本鳥学会のホームページ上で公開されています。まだ検討段階でリストには反映されていませんがが、今後、いくつかの種類で分類の変更に伴って和名も変更することが検討されており、バードウォッチャーや鳥類研究者などの間で話題になっています(サンショウクイなど)。ただし、今のところシロハラやアカハラ、ホオジロの和名は変更される予定はありません。
(生物担当学芸員)

※相模原市立博物館は来年2月29日まで、エレベーターの修繕など館内工事のため臨時休館中です。ご理解とご協力をいただきますようよろしくお願いします。休館中のお問い合わせなど、詳しくは博物館ホームページをご覧ください。

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ナラタケが出るということは

12月1日から館内設備の修繕のために臨時休館中(2月末まで)の相模原市立博物館ですが、ここ数日の寒波ですっかり木々の葉も落ちました。

12月22日の相模原市立博物館正面 左の大きな木がクヌギ

そんな中、正面入口近くにあるクヌギの大木の根もとに、こんなキノコが発生しました。

根もとにぴっしり生えたキノコ

ナラタケです。このキノコは、クヌギやコナラなどのブナ科樹木の切り株や、立ち枯れた株の根もとに生えることが知られています。

すでに乾いて傘が反り上がっています

ということは・・このクヌギも枯れてしまっているのでしょうか。この3年ほどの間に、博物館周辺でもナラ枯れ(カシノナガキクイムシが媒介するブナ科樹木の病気)がまん延しています。すでに枯れてしまった何本かのコナラを伐採しましたが、開館当初からそびえたつこのクヌギもナラ枯れの猛威にやられてしまったようです。このクヌギは根もとで二股に分かれていて、現在のところ、枯死が確実なのは片側の1本です。近々この1本を伐採する予定ですが、残りの部分についても注意深く見ていきたいと考えています。
(生物担当学芸員)

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【きょうは何の日?】12月19日は‟日本初飛行の日”

皆さまは、本日12月19日が「日本初飛行の日」であることをご存知でしょうか?
これは、1910(明治43)年12月19日に東京の代々木練兵場(現在の代々木公園)で、当時の徳川好敏(とくがわ よしとし)陸軍工兵大尉が日本における動力機初飛行に成功したとして、公式に認められたことに由来します。
この時の記録は、飛行時間4分、最高高度3,000m。搭乗した飛行機はフランス製の「ファルマンⅢ」(通称「アンリ・ファルマン複葉機」)でした。現代では当たり前のように長時間にわたるフライトを叶えてくれる飛行機ですが、この当時は4分というわずかな飛行時間がとても大きな進歩に思えたことでしょう。

それでは、「日本初飛行の日」にちなみ、当館所蔵の‟飛行”に関連する資料を紹介します。

日付変更線通過記念証

先月まで開催していたミニ展示でもお馴染み、本市出身の郷土史家・鈴木重光氏コレクションの中から、まずは「日付変更線通過記念証」のご紹介です。
最近ではあまりなじみがないかもしれませんが、航空会社が旅の思い出のサービスとして交付していた証書の一種です。写真は、1955(昭和30)年12月9日に鈴木重彦氏が日付変更線を通過した記念に交付されたもので、七福神、鶴と亀、門松など、もうすぐお正月がやってくるこの時期にもぴったりの縁起がいいデザインですね。

続いてはこちら、1961(昭和36)年~1962(昭和37)年に収集された航空会社のパンフレットです。

航空会社のパンフレット

かつて、飛行機は一部の人しか乗ることができない高級な乗り物でしたが、この頃から運賃の低下などにより、旅行の交通手段として一般化しました。この資料からは、来たる大量輸送の時代、航空会社が旅客獲得のために団体割引や定期航空便の案内、最新鋭ジャンボジェット機の就航など、魅力的な情報をパンフレットにして紹介していたことがわかります。

飛行機が身近な乗り物として普及するまでには様々な歴史がありした。「日本初飛行の日」の本日は、快適な空の旅を実現してくれる飛行機に思いをはせながら過ごしてみてはいかがでしょうか?

(歴史担当学芸員)

※相模原市立博物館は令和6年2月29日まで、エレベーターの修繕など館内工事のため臨時休館中です。ご理解とご協力をいただきますようよろしくお願いします。休館中のお問い合わせなど、詳しくは博物館ホームページをご覧ください。

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ポカポカ陽気のバードウォッチング

12月16日、エコパークさがみはら(相模原市立環境情報センター)の自然環境観察員のみなさんと、境川でバードウォッチングを行いました。冬の気候とは思えないポカポカ陽気で日差しも強く、歩いていると暑いほどでした。
JR町田駅に集合し、午前中いっぱいかけて、古淵駅近くまで歩くコースです。スタートしてすぐ、コサギが採食していました。

コサギ ドタバタ動き回っていました

ガーガーとダミ声を発しながら飛び跳ねたり、足指でガサガサ川底を探ったりしていて、見た目の優雅さと裏腹な取り乱し方でした。
そしてこの日、全行程で度々登場してくれたのが、カワセミです。

水に映る姿も美しいカワセミ

境川は川幅が広くないため、水路と水平に移動するカワセミを観察するには最適です。鳴きながら飛ぶことが多いため、見つけるのも簡単です。飛ぶ姿を上から見ると、背中のコバルトブルーが映えて美しく、みなさんから歓声が上がりました。

近い距離で観察できるのが境川探鳥の魅力です

途中の緑地では、ケヤキの幹の股に溜まった水を、アカハラ(亜種オオアカハラ)、ヒヨドリ、ツグミがかわるがわる飲んでいました。下の写真では、アカハラの後ろでヒヨドリが順番を待っています。

向かいでヒヨドリが順番を待っています

ヒヨドリも無事にありつけました。

ヒヨドリ

続いてツグミです。

ツグミ

それにしても、すぐ隣に川が流れているのになぜこの水に執着しているのでしょう。そんなことをみなさんといろいろ推測しながらのんびり歩くのはほんとうに楽しいですね。
参加者のお一人が、水際の草陰にいるバンを見つけてくれました。

バン 動かずにいると見失ってしまいます

少し汗ばむほどでしたが、好天にも恵まれ、2時間強で30種の野鳥を観察できました。
(生物担当学芸員)

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館内工事が本格化

相模原市立博物館は設備の修繕のため、12月1日から休館期間に入っています。大きな工事の内容は、エレベーターと空調設備の修繕です。駐車場の一画には資材置き場が設置されています。

駐車場に設置された資材置き場の仕切り

もちろん、館内のエントランスなどにも同様に区画が仕切られています。

エントランス内にも

搬出入経路には、養生が施されています。

床面保護のための養生

エレベーターホールが囲いが置かれ、当然ながらの立入禁止。

エレベーターホールの仕切り

立入禁止!

しばらくエレベーターが使えないため、職員がメンテナンスなどのために資料や道具類を移動するのも、階段です。
このほかにも、常設展示の修繕や、資料の大がかりな写真撮影など、休館中でなければできない作業が行われています。このブログでそんな休館中の様子をお伝えしてきます。
(生物担当学芸員)

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プロの写真家による岩石標本撮影

相模原市立博物館では、プロの写真家にお願いして博物館資料の撮影を進めています。

地質分野では鉱物や岩石の標本を撮影していただいています。

標本に合わせて機材を選定し、背景、照明の位置やカメラの高さなどを調整します。

カメラのファインダーを覗きながら、撮影する標本の位置を決めます。

位置が決まったらいよいよ撮影です。実際にシャッターを切るのはカメラに接続したパソコンで操作します。撮影後自動的にパソコンに画像が転送されます。

撮影した写真はデータベースとして公開することも検討しています。

(地質担当学芸員)

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【朗読プラネタリウム】美しい声と音色と夜空の協演

11月23日、当館初の試みとなる朗読プラネタリウムを実施しました。
‟朗読プラネタリウム”とは、当館の目玉のひとつでもあるプラネタリウムのドーム内で、素敵な朗読と楽器の調(しらべ)、そして星空の協演をお楽しみいただけるイベントです。

本ブログでは、休館前のラストイベントでもあった朗読プラネタリウムの様子をお伝えしたいと思います。

蠍座カレンダー

朗読を務めてくださったのは、癒しの「アルファボイス」の持ち主で、本市が地元でもあるナレーター・俳優の渡辺克己さんです。さらに、渡辺さんの美声を彩る演奏は、テルミン奏者の大西ようこさん、現役の東京藝術大学生のサウンド・パフォーマー 伊藤明日奈さんにご担当いただきました。

今回は、薄井ゆうじ氏の小説『12の星の物語』から、ちょうどこの時期の誕生月の星座である蠍(さそり)にまつわる「蠍座カレンダー」を題材に朗読いただきました。物語の詳細と結末はぜひ小説をご覧いただければと思いますが、かつて国語の教科書にも採用された「蠍座カレンダー」は、もしも意図せず相手を傷つけてしまったときや、自分の望みを達成するには別の誰かの敵とならなければいけないときに私たちはどうすべきか、とても考えさせられるお話です。

200名超の方にお越しいただき満員御礼でした。

プラネタリウムでの開催ということで、まずは当館プラネタリウム解説員による蠍座を含めた星空の生解説から始まりました。本来であれば今の時期は太陽に隠れてしまっている蠍座も、スクリーンに映し出すことで本物さながらに観察できるのはプラネタリウムの醍醐味ですね。

いよいよ物語が始まります…!

そして、星空解説が終わると、いよいよ朗読の始まりです。
テルミンの音色に包まれた暗いドーム内を、荒野を旅する物語の主人公のように、ゆったりとした歩調で朗読しながら渡辺さんが登場します。声のお仕事だけでなく、舞台を中心に俳優としても活躍されている渡辺さんの演技に、ドーム内はまるで物語の舞台である荒野のような空気へと様変わりしました。大西さんによるテルミンの演奏と、伊藤さんが表現する効果音の協演によって、さらに物語への没入感が深まります。客席の皆さまは、旅人と蠍の物語の行く末を静かに聞き入っていました。

旅人と蠍の物語の結末は…?

朗読終了後は、手をかざすだけで奏でることができる不思議な楽器「テルミン」や、砂を踏む足音から蠍の声まで(!)様々な音を演じ分けた道具に、皆さま興味津々の様子で退場されていました。
また、お越しいただいた皆さまのため、演者のお三方には終演後のファンサービスにも丁寧に応じていただきました。

演者の皆さんで記念撮影!

現在、当館は臨時休館期間中ではありますが、再開後にも様々なイベントを開催し、皆さまのご来館をお待ちしております。どうぞ、その時を楽しみにお待ちください。

(歴史担当学芸員)

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冬のタチツボスミレ

12月7日から二十四節気の大雪(たいせつ)となっていますが、日々、気温の変化が激しくて体調管理に苦労しますね。そんな折、博物館近くの路傍でこんな花が咲いています。

タチツボスミレ

タチツボスミレです。この道路に沿って広がる樹林地内にはとても多い花で、4月から5月にかけて地面を覆うように咲きます。でも・・今は冬です。

こぶりですが、しっかり咲いています

しかも、こうした路傍に咲くのはふつう、スミレやノジスミレなど、いわゆるすみれ色の種類です。こんな季節外れの路傍で咲いているのを見た記憶がありません。春の花が秋の終わりや初冬にも少し咲くことはよくあります。ソメイヨシノなどのサクラが良い例ですが、タチツボスミレの冬咲きはちょっと意外でした。
近くのフェンスではつる植物の黄葉が見ごろです。

ノブドウの黄葉

ノブドウやヘクソカズラ、ヤマノイモなどが、グラデーションを作っていてとてもきれいです。

たまに、赤く染まっている葉も

イチョウもだいぶ葉を落とし始めて、紅葉、黄葉の季節もそろそろ終盤ですね。
(生物担当学芸員)

※相模原市立博物館は来年2月29日まで、エレベーターの修繕など館内工事のため臨時休館中です。ご理解とご協力をいただきますようよろしくお願いします。休館中のお問い合わせなど、詳しくは博物館ホームページをご覧ください。

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12月星空情報②「クリスマス」

ネットで楽しむ博物館」の「星空さんぽ 2023年12月ミニテーマ『クリスマス』」はご覧いただきましたでしょうか。

イエス・キリストが誕生した「ベツレヘム」は、現在のパレスチナ自治区にある町です。聖書に記された「ベツレヘムの星」以外にも、イエス・キリストと星を結ぶ天文現象があります。

キリスト教のシンボルといいますと、すぐに思いつくのは「十字架」ですが、十字架がシンボルとして定着したのは、紀元4世紀頃と考えられています。それ以前は広く「魚」が使用されていました。それでは、なぜ魚だったのでしょうか。

魚のシンボルが彫られた紀元3世紀の石板

 

天球(※)上の太陽の通り道である「黄道」と、地球の赤道を天球まで延長した「天の赤道」は2箇所で交わります。そのうち、天体の位置を表す際の原点であるのが「春分点」です。(※天球:空をプラネタリウムの天井のように球状に表したもの)

黄道と天の赤道が交わる春分点と秋分点
(©国立天文台 天文情報センター)

また、地球の自転軸は止まりそうなコマのように首を振っています。それを「歳差運動」といいます。この「歳差運動」によって、昔と現在では星空の見え方が違っていました。

地球の歳差運動
(©国立天文台 天文情報センター)

時代が紀元元年をまたぐ頃、つまり、キリストが誕生した頃に、それまで「おひつじ座」にあった「春分点」が「うお座」に移っていったのです。また、「イエス、キリスト、神の子、救世主」のギリシャ語の頭文字を繋げると“ΙΧΘΥΣ(イクテュス)”となり、ギリシャ語で「魚」の意味があるからとされています。また、聖書の中には魚にまつわるエピソードが多いことも理由の一つです。

その「歳差運動」によって起こる、もう一つ興味深い星空の変化があります。現在のパレスチナからでは一部分しか見えない有名な星の並びが、かつては見えていました。キリストが活躍していた頃、春になると、宵の空に「南十字星」が南の地平線上にはっきりと昇っていたのです。なんだか神秘的ですね。

キリストが誕生した頃、ベツレヘムから見た春の星空のイメージ

満天の星の下で暮らしていた昔の人は、星空の中の変化にとても敏感だったのかもしれません。

時は流れ現在、街にはクリスマスツリーのベツレヘムの星が輝いています。たまにはどこかで足を止めて、本物の星空も眺めてみてください。
(当館プラネタリウム解説員)

※相模原市立博物館は来年2月29日まで、エレベーターの修繕など館内工事のため臨時休館中です。ご理解とご協力をいただきますようよろしくお願いします。休館中のお問い合わせなど、詳しくは博物館ホームページをご覧ください。

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