生きものミニサロン「葉っぱ工作を楽しもう」を実施しました

本日4月28日は、毎月第4土曜日恒例の生きものミニサロンを実施しました。今回のテーマは、こちらです。

シュロの葉のカタツムリ

「葉っぱが動物に変身!?葉っぱ工作を楽しもう」です。上の写真は、案内看板にはわせたシュロの葉のカタツムリです。
こんなものも!

ヤブランの葉の熱帯魚

ヤブランの葉の熱帯魚です。
はじめは4組程度のご参加でしたが、エントランスでの実施だったため、途中から「わたしも!」というお子さんが加わってくれて、20名近くのみなさんで楽しく工作しました。

常連のご家族も参加いただいて楽しく工作

ササ舟を浮かべようとバットに水を入れて用意したところ、ツバキの葉でつくった草履も浮かべて遊んでくれています!

草履も舟に!

できあがった作品は、お土産としてお持ち帰りいただきました!

いろいろできました!

シュロで作ったものはとくに、カラカラに乾いて薄茶色になっても形がきちんと保たれます。ぜひおうちに飾って下さいね!

カテゴリー: 今日の博物館, 生きもの・地形・地質 | タグ: , , | 生きものミニサロン「葉っぱ工作を楽しもう」を実施しました はコメントを受け付けていません

カザグルマが咲きました!

カザグルマ(キンポウゲ科)は、神奈川県内では横浜市と相模原市にしか自生地が残っていない絶滅危惧植物です。4月27日、市内の自生地の1カ所へ行ってみました。すると、ほかの花と同様に2週間くらい早めに開花のピークを迎えていました。

カザグルマの花

大輪の花を23個つけていたので、今年は花付きが良い年です。マルバウツギに埋もれて咲く花もありました。

カザグルマとマルバウツギ

この付近にはほかにもたくさんの花が咲いていました。こちらはキツネアザミです。

キツネアザミ

オキジムシロは地面を黄色く染めるほどの見事な咲きっぷりでした。

オキジムシロ

こちらはヒルガオです。

典型的な特徴のヒルガオ

じつは、コヒルガオは市街地でもよく見られるのですが、典型的なヒルガオはなかなか見ることがありません。コヒルガオとの中間的な特徴のものが多いのです。しかし、上の写真の株はハッキリと「これはヒルガオ!」と言える特徴でした。
こちらはシロダモの新芽です。常緑樹ですが、やはりこの時期に新しい葉を伸ばします。

シロダモの若芽

シロダモは、葉裏に銀白色の毛が密生していることから名付けられていますが、このあたりのシロダモは金色のような毛であることが知られています。若芽では特によく目立ちます。
こちらは外来種ですが、美しい桃色のユウゲショウです。

ユウゲショウ

同じく桃色でもかなり主張の強いハナカタバミです。

ハナカタバミ

近くの水田には水はまだ入っていませんでしたが、アマガエルがススキの葉の上でじっとしていました。

アマガエル

野の生きものにとっては、もう初夏が近いことを実感しました。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: | カザグルマが咲きました! はコメントを受け付けていません

今週土曜日は生きものミニサロンやります!

今週土曜日(28日)は、毎月第4土曜日恒例の生きものミニサロンを行います。
今月のテーマは「葉っぱが動物に変身!?葉っぱ工作を楽しもう!」です。たとえばこんなものを作ります。

シャガの葉でつくったカタツムリ

そして、葉っぱの扱いに慣れたら、こんなものも!

ヤブランの葉でつくった金魚

あまり込み入った工作はしませんので、お気軽にご参加ください。お申し込み不要、参加費無料です。
じつは、例年なら葉っぱ工作は雨の多い初夏や秋に行い、この時期はフデリンドウやクマバチなど、野外で春の花や昆虫を探索するのですが・・すでにお伝えしているとおり、博物館のまわりはキアシドクガの毛虫だらけです。キアシドクガを観察するのも検討したのですが、キアシドクガの雨あられの中で観察するのはあまりにもハードなため、葉っぱ工作にしました。毛虫のついていない葉っぱをご用意しますので、安心してご参加ください。

カテゴリー: おしらせ, 生きもの・地形・地質 | タグ: , , | 今週土曜日は生きものミニサロンやります! はコメントを受け付けていません

シナノキの住人

昨日(4月25日)は動物標本クラブのみなさんと野外調査の予定でしたが、朝から豪雨で中止。しかたないので、実習実験室で標本作製作業を行っていました。ところが、午後2時頃には日が射してきました。そこで急遽、市内某所の公園へ。目指すはシナノキの大木です。

シナノキのつぼみと葉

ちょうどつぼみをつけていました。そして、葉の上を注意深く見ると・・この大木の住人が静かにとまっていました!

タケウチトゲアワフキ

信じがたい造形!!タケウチトゲアワフキです。
ちょうど羽化が進んでいるようで、よく探すとたくさんいます。

そこかしこにとまっていました

そして、羽化したての真っ白な個体も!ゆで落花生のようです・・

羽化したばかりで翅も乾いていない個体

シナノキの若枝に、チューブ状の巣をつくり、そこで幼虫時代を過ごしてこの時期羽化するようです。

タケウチトゲアワフキの幼虫の巣

シナノキは丹沢の高標高地には自生しているものの、低地ではこうした植栽木しかありません。しかもこの木は大木なので、タケウチトゲアワフキをつけたまま移植されてきたのでしょう。
ツノゼミのなかまほど奇抜な形ではありませんが、シックな色合いといい、美しいカーブを描く角といい、惚れ惚れするような造形でした。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: | シナノキの住人 はコメントを受け付けていません

残念な発見

博物館周辺の樹林地に設置しているセンサーカメラは、これまでいろいろな動物たちの生息を確認してきました。哺乳類ではタヌキ、ハクビシン、イタチ、ネコ。鳥類ではフクロウ、ヤマシギなど、昼間歩き回っても目視確認しにくいものも捉えられています。しかし先日、嬉しくない動物が写りました。

尻尾の縞模様が見えます

アライグマです。元が動画なので、写真にすると不明瞭ですが、その特徴であるシマシマの尻尾が写っています。
ちなみに、同じ場所で写ったタヌキはこんな尻尾です。体型はよく似ていますが、尻尾にシマシマはありません。

タヌキの尻尾に縞模様はありません

アライグマ同様、外来種のハクビシンは、全体にほっそりしていて、尻尾も細長くシマシマはありません。ちょっと角度が違う画像ですが、場所は同じです。

全体にほっそりしたハクビシン

タヌキもハクビシンも、生息場所や食物がアライグマとかなり重なります。市内ではこれらの3種が同じ場所で生活している地域も多くありますが、博物館周辺はフェンスと道路で囲まれたあまり広くない樹林地です。今後どのように影響し合っていくのか、ちょっと気になります。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , | 残念な発見 はコメントを受け付けていません

毛虫注意報(4月24日)

先々週からお伝えしていますキアシドクガの発生状況ですが、いよいよかなり目立ってきました。というのも・・

枝だけの木がミズキで、緑の葉がついているのはサクラです

昨年までよりだいぶ早めに発生したため、食草であるミズキがまだ若葉の状態なのに食い尽くされたものが多く、幼虫の多くが飢餓状態です。そうすると、幼虫は糸を吐いてぶらんと垂れ下がり、風に揺られて次の枝(葉があるところ)へと移ろうとします。

糸でぶら下がるキアシドクガの幼虫

周りの木もだいたい食べ尽くされているので、あてどなくさまようことになります。

フェンスの支柱に集まる幼虫

ということで、博物館の駐車場(特に奥側)はキアシドクガの毛虫がたくさんぶら下がっている状態です。フェンスや、ミズキ以外の木にもたくさんとりついていますので、ご注意下さい。職員がほうきなどで払い落としていますが、とても追いつかない状況です。なお、キアシドクガには幼虫も成虫も毒がありませんので、不快というほか、害はありません。また、住宅地では広い範囲に殺虫剤を空中散布することはできませんので、残念ながら抜本的な対策は取れません。毛虫などがお嫌いな方には耐えがたい光景かと思いますが、もう2週間ほどご辛抱いただければと思います。
キアシドクガの大発生も5年目です。発生が早まり、飢餓状態の個体が多く、正常に生育できる個体が激減しているはずなので、この大発生もそろそろ終息するものと思われます。

カテゴリー: 今日の博物館, 生きもの・地形・地質 | タグ: , | 毛虫注意報(4月24日) はコメントを受け付けていません

植物画を描いてみませんか?

芸術的表現よりも、科学的な正確さが優先されるのが、生物画です。その中でも植物画は「ボタニカルアート」とも呼ばれ、科学的でありながら美術作品としても認識されている分野です。
今年度は6月2日と9日(いずれも土曜日)に、植物学教室「花の観察と植物画」を実施します。

過去の教室のようす

講師は植物画家の豊田路子さんです。2週にわたり描くのは、それぞれ草本(いわゆる草)と木本(いわゆる樹木)で、1回で1枚を仕上げます。学生時代以降、絵筆すら持ったことがない、という方もご安心ください。初心者向けの講座なので、植物をまったく描いたことが無くてもご参加いただけます。
ちなみに、これまでの受講生の作品をご覧頂くと・・

過去の受講者の作品

過去の受講者の作品

過去の受講者の作品

いかがでしょうか。もちろん、人それぞれ得手不得手があるので、思い通りに描ける方となかなかそうはいかない方がいます。でも、1日集中して植物と向き合うということがまず重要で、そこから植物への関心と理解が深まることは間違いありません。教室の雰囲気も毎回、和気あいあいと行われています。
もともと定員が少ない(20名)ため、毎回抽選となりますが、ご関心のある方はぜひご応募ください。お申し込み締め切りは4月30日です。

カテゴリー: おしらせ, 生きもの・地形・地質 | 植物画を描いてみませんか? はコメントを受け付けていません

エビネ咲く(4月18日)

春雨の朝、博物館の中庭を見るとエビネの花が咲き始めていました。

エビネ

毎年、大型連休直前に咲き始めるのですが、今年はエビネも少し早めのようです。雨に打たれた花はまだ少しうつむき加減ですが、週末にはしっかり前を向いて咲きそろうはずです。

エビネの花

里山の貴婦人とも呼ばれるこの野生ランは、美しさゆえに盗掘が絶えず、中央区や南区ではとても珍しい花となってしまいました。博物館では安全な中庭で咲き誇っていますので、ご来館の際にはぜひご覧下さい。
さて、お隣の樹林地では花ではありませんが、こんな植物がありました。

青々とした葉と茶色い茎はセットです

ゼンマイです。食用としてもしられるシダ植物ですが、食べるのは栄養葉の若芽です。展開するとこんな大きな葉になります。
そして、左側にまっすぐ立っている茶色い茎は、胞子茎といって胞子を飛ばすために伸びた茎です。

ゼンマイの胞子茎

ゼンマイのように役割の異なる2種類の茎や葉を持つシダ植物は少なくなく、同じく食用のコゴミ(クサソテツ)やツクシ(スギナ)も胞子茎を別に出します。一方、ワラビの仲間のように胞子が通常の葉の縁などにつく種類も多くあります。
博物館のまわりでは、植物が日替わりでいろいろな表情を見せてくれています。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , | エビネ咲く(4月18日) はコメントを受け付けていません

キアシドクガの脱皮

4月14日(土)、博物館大会議室で環境情報センター自然環境観察員制度の今年度第1回環境学習セミナーが行われました。平成13年度から続く自然環境観察員制度についての説明や、今年度も博物館のまわりの樹林で実施する「花ごよみ調査」について調査方法などを解説しました。午後は野外に出て、花ごよみ調査の実地説明です。

花ごよみ調査方法の説明会

自然環境観察員の西田和子さんを中心に、咲いている花をじっくりと探します。この調査は、身近な野生植物の名前をおぼえる、もっとも手っ取り早い方法の一つです。この季節の主役であるフデリンドウや・・

フデリンドウ

ふだん、花が咲いているかどうかを意識することがほとんどない、ヤエムグラの極小の花もしっかり観察しました。

ヤエムグラ

さて、調査中に、観察員のお一人がおもしろい発見をしてくれました。昨年より10日から2週間ほど早く発生が始まったキアシドクガを見ていて、ミズキの若葉の多くが半分に折りたたまれているのに気付かれたのです。

折りたたまれたミズキの若葉

よく見ると、細かな糸でくっつけられています。

合わせ目は細かい糸でくっつけられていました

そして、折られた葉を開くと・・

幼虫と脱皮殻が!

キアシドクガの幼虫と、脱皮殻が!
キアシドクガは、脱皮前に葉を折りたたんで蛹になる部屋をつくり、その中で脱皮していました。
また一つ、キアシドクガの生態について学習することができました!

カテゴリー: 今日の博物館, 生きもの・地形・地質 | タグ: | キアシドクガの脱皮 はコメントを受け付けていません

小さな猛禽

博物館お隣の樹林地には、結構たくさんの種類の鳥たちが生息しています。先日のフクロウはその中でも最大級ですが、猛禽類と呼ばれるタカのなかまも、何種類か確認されています。その中でも一番小さいのがこちら、ツミです。

ツミ

顔をよく見ると、目の虹彩部分が赤色です。これはオスの特徴です。さらに、胸から腹にかけての朱色の斑が大きいので、おそらく昨年産まれの若鳥でしょう。

顔をよく見ると、目の虹彩が赤色です

タカの多くは、オスよりもメスの方が大きいのですが、ツミもその差が顕著で、オスはヒヨドリよりも少し大きいくらいです。メスはハトくらいの大きさですが、いずれにしても小さいですね。世界にはもっと小さなタカもいますが、日本ではツミが一番小さなタカです。
さて、日だまりにはカナヘビやトカゲがたくさん出てきています。こちらはカナヘビです。人の腕の上も暖かかったのか、落ち着いてしまいました。

カナヘビ

カナヘビの特徴はしっぽが長いことですが、それにしても長い!

立派なしっぽのカナヘビでした!

カナヘビも、トカゲと同じく危険な状況になると自切と言ってしっぽを自ら切り落とします。しっぽはすぐに再生しますが、ここまで伸びるにはかなりの時間がかかるはずです。この個体がこれまで自切したことが無かったのかどうかはわかりませんが、立派なしっぽ、大切にね!といいながら土の上に戻しました。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: | 小さな猛禽 はコメントを受け付けていません