イカルとモグラ(特に関係があるわけではありませんが・・)

博物館の駐車場(奥の砂利敷きの方)に立つと、頭の上の方から「コッ、コッ、ヒーコーキー」とささやかな声が降ってきます。その声の主はこちらです。

イカル 黒い頭巾と黄色く大きなくちばしが特徴

イカルという鳥で、かつてはJRの駅の売店のシャッターに描かれておなじみでしたが・・黄色い大きなくちばしが目立つので、確かに図案化したくなるはっきりした姿の鳥です。今、博物館周辺に30羽以上の群れが訪れていて、木々の冬芽などを食べています。
さて、イカルの写真を撮っていたら、足下にこんな穴が開いていました。

落ち葉をかき分けて、新しい穴があいていました

こちらは、アズマモグラの坑道(トンネル)です。ふつうは地中から掘り出した土が塚になり、その中心に穴が埋もれたようにあるのですが、珍しくいきなり穴がぽっかり。塚が無いのは、これが下から出てきた穴ではなく、地上から掘って潜った穴だからです。モグラが地上を歩くのは極めて珍しいのですが、何か事情があってうっかり地上へ出てしまい、慌てて土を掘って潜ったのでしょう。そんなアズマモグラのようすを想像したら、なんだか楽しくなってしまいました。
穴の左に置いた500円玉と比べるとわかりますが、結構大きな穴です。

左下の500円玉と比べると大きさがわかります

穴は入口から漏斗状にややすぼまっていますが、幅6cm、高さ4cmほどで、これがこの坑道を掘ったアズマモグラの胴体の太さということになります。
さて、今日、2月11日は午後から学芸員リレートークがあり、プラネタリウム内ではバレンタインコンサートがあります。駐車場も混雑して、イカルの声もかき消されそうですね。

※学芸員リレートークは先着順(200名様)ですが、混雑が予想されます。開場は13時30分を予定していますが、聴講をご希望の方は余裕を持ってお越し下さい。バレンタインコンサート(15時30分~)は2月11日午前10時現在、まだ残席がありますので、ぜひお誘い合わせ上ご来場ください(観覧券の販売は売り切れ次第終了となります)。なお、本日は駐車場が満車となった場合の臨時駐車場(17時頃まで)をご用意しています。満車の際は駐車場入口で臨時駐車場をご案内いたしますので、ご協力よろしくお願いいたします。

カテゴリー: 今日の博物館, 生きもの・地形・地質 | イカルとモグラ(特に関係があるわけではありませんが・・) はコメントを受け付けていません

JAXA相模原キャンパス 宇宙科学探査交流棟オープン記念イベントに参加ありがとうございました♪(実験棟の写真も少しあります!)

バタバタしているうちにやや旧聞となってしまいましたが、2/2にJAXA相模原キャンパスに宇宙科学探査交流棟がオープンしました!

オープン記念式典の様子はこちら・・・

 

当日は来賓のみなさんにむけ、お隣の実験棟もお披露目されたそうです。実験棟の写真はこちら。

さて、既報の通り、博物館ではオープン記念としていくつかのイベントを開催しました。

まずは、オレンジスーツを着て記念撮影ができるコーナーを設けたこと。

みなさん、思い思いのポーズや構図でステキな写真ですね!

また、プラネタリウムの番組編成を特別版として、三日間だけ全天周映画「HAYABUSA2」リュウグウ版を上映しました。

そしてこの三日間限定で、プラネタリウムをご覧になった方に缶バッジをプレゼントする、という企画もありました。

残念ながら記念イベント最終日の2/4は宇宙科学探査交流棟は臨時休館となってしまいましたが、博物館では記念イベントを引き続き実施し、同日に開催されていた「チャレンジ体験コーナー」とあわせ、みなさまにお楽しみいただけたようです。

次に交流棟を一般の人が観覧できるのは2/17とのこと。

交流棟内には、博物館コーナーがあるほか、博物館のスタンプも押して完成させるスタンプラリーもありますので、ぜひ交流棟と博物館、両方をお楽しみくださいね!

カテゴリー: おしらせ, 今日の博物館, 報告, 天文 | タグ: , , , | JAXA相模原キャンパス 宇宙科学探査交流棟オープン記念イベントに参加ありがとうございました♪(実験棟の写真も少しあります!) はコメントを受け付けていません

地質学講座2回目

2月3日に地質学講座の2回目を実施しました。

初回(1月20日)は、小学校5年生の単元「流れる水のはたらき」の内容を解説しました。

2回目からは、小学校6年生で学習する内容を解説します。

2月3日の2回目は、流れる水のはたらきでできる地層について解説しました。

まずは、泥、砂、れきの説明です。
それぞれの粒度にふるい分けしたものを観察してもらい、粒子の大きさをの違いを実感しました。

次に、ペットボトルに入れた水と泥、砂、れきを激しく振って、しばらく放置し、どのように堆積するのかを観察しました。泥、砂、れきにわかれて堆積しているのがよくわかります。今回実験に用いたものは、分かれて堆積するのがわかりやすいように、泥、砂、れきをブレンドしたものです。見やすく分かれるように、ブレンドの仕方を変えて何度も作り直して完成させたものです。結構時間をかけて作ってあります。

簡単な装置を使って、泥、砂、れきを混ぜたものを水で流して地層を作る実験もしました。

きれいに地層ができました。

ペットボトルや装置を使った実験では、あっという間に堆積するので、どのように泥、砂、れきが分かれるのかを見ることができません。そこで、長さ1mのアクリルパイプに水を入れ、そこに上から泥、砂、れきを混ぜて入れて、どうなるのかを実験しました。
粒子の大きなものほど早く沈降し、粒子が非常に細かいものは沈まずに漂っている様子が観察できました。

パイプの下には泥、砂、れきが分かれて堆積しました。

このようにして全ての地層ができるわけではなく、他にも地層のでき方があることを説明して、最後に泥、砂、れきがそれぞれ固まってできた泥岩、砂岩、れき岩を観察しました。

次回は火山の噴火によってできる地層について、解説します。

カテゴリー: 報告, 生きもの・地形・地質 | 地質学講座2回目 はコメントを受け付けていません

大盛況!学習資料展 チャレンジ体験~昔あそび・道具を楽しく体験~

2/4(日)に現在企画展示中の「学習資料展」の関連イベント「チャレンジ体験」を開催しました。チャレンジ体験は、昔の教室、生活道具、おもちゃなどを展示している学習資料展にあわせて行っているイベントです。

スタッフである博物館ボランティアの市民学芸員さんたちが、昔のあそびや道具について、楽しくそして優しく指導し、来場者のみなさんは楽しみながら日常ではできない体験に心躍らせていました。

やさしく作り方を教えてます

あやとりも丁寧に教えてあげています

体験内容はブンブンゴマ、割りばし鉄砲、折り紙、けん玉、あやとりなどの昔あそびや、石臼や薬研などの生活道具の体験です。

ブンブンゴマ上手にまわせたよ!

石臼ひきでお米が粉になるよ。

イベントの中で、昔ながらの雰囲気で上演する紙芝居や、市民学芸員が作った「相模原ふるさといろはかるた」大会、レコード試聴など様々なイベントも行われました。今回は各コーナーとも大変賑わっており、特にいろはかるた大会は熱い熱戦が繰り広げられていました。

今日は節分にちなんだお話等々

みんな身を乗り出す「いろはかるた大会」

レコードを見て、触って、聴いてみたよ。

また、この日はJAXA展示棟のオープン関連イベントとして宇宙服試着体験もあり、館内が多くの人の熱気で溢れていました。(残念ながらJAXA展示棟は臨時休館になってしまいましたが・・・)

宇宙服試着にもなんと100名以上!

この日のチャレンジ体験は11月から数え6回目でしたが、今回は今年度最高のおよそ300人以上の参加があり、大盛況でした。指導いただいた市民学芸員のみなさんも大変だったと思いますが、その分、子どもたちの笑顔をたくさん見ることができました。

学習資料展は2月25日(日)までで、チャレンジ体験は2月18日(日)にあと1回開催します。親・子・孫3世代で楽しめる展示・イベントですのでぜひご来場下さい。

学習資料展ポスター

なお、この学習資料展は企画段階から市民学芸員のみなさんと協働で開催しているものです。この学習資料展に関する事例発表を、2月10日(土)の午後に川崎市市民ミュージアムで行われる神奈川県博物館協会のシンポジウムにて、当館の学芸員と市民学芸員さんが行います。武蔵小杉でランチがてら、もしよろしければご来場下さい。

神奈川県博物館協会シンポジウム「博物館のまわり:ボランティアの活躍」についてはこちらをご覧ください。

 

カテゴリー: おしらせ, 今日の博物館, 報告, 考古・歴史・民俗 | 大盛況!学習資料展 チャレンジ体験~昔あそび・道具を楽しく体験~ はコメントを受け付けていません

春の前の幻日

今日(2月3日)は節分です。つまり明日は立春で、もう春が訪れます。
といっても、まだまだ寒いし雪は降るし・・そんな季節の移り変わりとは関係のない空の自然現象が今朝、見られました。幻日(げんじつ)です。

電線などがかぶっていますが、幻日がはっきりと見えます

上の写真は、デジタルカメラの撮影素子が痛まないよう、太陽を隠すため中央に住宅を入れています(下の写真は我満できずにそのまま撮影してしまいましたが、目やカメラのためにはおすすめできません)。幻日は、太陽と同じ高さの薄雲に太陽が反射して映る現象です。大気中に浮かぶ六角板状の氷晶がプリズムとなって太陽光を屈折させて起きる現象で、片側に見えることはよくあるのですが、今朝は両側に並びました。

カメラに負担をかけるのであまりおすすめできない撮り方ですが・・

特に太陽高度が低いときは、虹色がきれいに出ます。

幻日は、太陽と22度離れた角度に出ます

ところでこれらの写真は通勤途中に撮影したのですが、博物館に着いてから屋上でちゃんと大きなカメラで撮影しようと急いで上がると・・、すでに雲が晴れて、幻日も幻だったかのごとく消えていました。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | 春の前の幻日 はコメントを受け付けていません

微細な虫に日が当たる

2月1日、当館のある収蔵資料が他館へ貸し出されました。それは、これです。

どれがその資料なのか・・?あまりにも小さくてよく見えません

はて・・?なんでしょう?これは。スケールとして入れたペンがやたらに大きく感じられます。資料をアップにしても・・

アップにすると、かろうじてなにか粒がのっているのがわかります

さらに、一つずつをアップにしてみましょう。まずはこちら、マルヒメキノコムシです。

マルヒメキノコムシ

こちらは、クリイロヒメキノコムシ。

クリイロヒメキノコムシ

大きさはなんと、どちらも2mm程度しかありません!もちろんこれで成虫です。こんな小さな昆虫がなぜ貸し出されていったのか・・それは、これらの昆虫の幼虫が「変形菌」を専門に食べるからです。貸出先のミュージアムパーク茨城県自然博物館の学芸員さんが、慎重に資料を確認しています。

資料を慎重に確認

じつは2月17日から始まる企画展「変形菌-ふしぎ?かわいい!森の妖精-」の中で、変形菌を食べる生きものとしてこの標本を展示するため、借りて行かれました。この資料、じつは半世紀前に採集されたものなのですが、まさか将来展示資料として脚光を浴びることになるとは、おそらく採集者も考えていなかったことでしょう。
標本を管理する仕事の中でも、嬉しいひとときとなりました。

カテゴリー: 今日の博物館, 生きもの・地形・地質 | 微細な虫に日が当たる はコメントを受け付けていません

★2/11、プラネタリウムがハンドベルの響きに満たされます★

すでに「さがぽん」のツイッターなどではお知らせしていますが、2/1の広報さがみはらにも掲載されました。

広報さがみはら2/1号

タウン誌にも掲載された他、エフエムさがみ(FMHOT839)(1/21)やエフエム富士(1/25)でもお話しましたが、みなさん、お聴きになったり、どこかでこのポスター、ご覧になったりされたかしら?

バレンタインコンサートINプラネタリウム

今回は、バレンタインコンサートと銘打ち、試行的にちょっとだけおトクな「ペアチケット」もご用意いたしました。

ペアチケットは、2名で800円です。ぜひ、ご家族やお友だちとご利用ください☆

ただし、お客様の組み合わせによっては、通常の観覧券のほうが低額になる場合もありますので、窓口でご確認くださいね。また、このペア観覧券は隣り合ったペア席を確保するというものではありませんので、あわせてあらかじめご承知おきください。

神奈川県内を中心に、20年以上活動を続けているイングリッシュハンドベルサークル、クローバーベルフレンズのみなさんが奏でるメロディーを、星空の生解説とともにお楽しみください☆

会場となるプラネタリウム

観覧券は2/3から博物館一階エントランス受付で販売します。満席が予想されますので、観覧ご希望の方は、ぜひお早めにお買い求めください。(販売状況などはツイッターなどでもお知らせしようと思っています)

なお、2/11は、博物館のお向かいのJAXA相模原キャンパスの宇宙科学探査交流棟オープン後2回目の日曜日にあたること、また、博物館の大会議室では講演会を開催する予定があることなどから駐車場の混雑が予想されます。当日は臨時駐車場の用意もありますが、ご来館の際はぜひ時間にゆとりをもってお越しくださいますようお願いいたします。

※2/11はプラネタリウムの番組編成が変則的ですのでお気を付けください。

カテゴリー: おしらせ, 天文 | タグ: , , , | ★2/11、プラネタリウムがハンドベルの響きに満たされます★ はコメントを受け付けていません

あの戦国大名も実はもとは相模出身!~歴史講座 戦国に繋がる相模のもののふたち~全3回終了!

昨年の12月17日(土)から全3回にわたって開催した「歴史講座~戦国に繋がる相模のものふたち~」が終了しました。今回の歴史講座は、のちに戦国大名などになった相模国出身の武士(もののふ)たちを紹介しました。

1回目の座学では、相模出身とされる毛利氏、小早川、大友氏など戦国大名にまでなった武士を当館学芸員より紹介しました。その数なんと12家(一部伝承や上杉の名跡を継いだ越後長尾などの例も含めますが・・・)。意外なところでは、香川県の由来とされる香川氏(現茅ヶ崎市内「香川」出身で後に讃岐国に移る)などでしょうか。

第1回レジュメの一部

2回目に探訪した小松城は、室町期の石造物が多く存在し、尾根上には堀などの城郭遺構も良好に残っている上、長井(永井)氏という城主の伝承もある実は市内では貴重な城跡と言えます。

宝泉寺の入口に立つ小松城碑

奥の山が小松城跡
手前の宝泉寺には中世石造物が多く残る

良好に残る小松城の堀切にて説明

 

3回目の鎌倉探訪では、1回目の座学で登場した相模武士の痕跡をたどる探訪で、上杉氏開基の明月院、大友氏館跡地そばの浄光明寺、毛利氏・島津氏の墓などを講師の磯川いづみ氏に案内してもらいました。

上杉氏開基の明月院

毛利氏・島津氏の墓所入口

この講座には、3回で延べで100人を越える参加があり、全3回参加いただいた方も30人ほどいました。参加者は戦国ファン、城郭ファン、鎌倉ファンなど様々でしたが、全回参加の方も各回参加の方も概ね満足いただけたようです。

今回は相模原にかかわる内容は小松城とそこに伝承がある長井(永井)氏ぐらいでしたが、2月11日(日)には学芸員リレートークの4回目として、相模原の中世武士について語る「謎のさがみはら中世武士列伝」を開催しますので、ぜひご来場いただければ幸いです。
なお、当日は駐車場の混雑が予想されますので、ゆとりをもってお越し下さい。

学芸員リレートーク「謎のさがみはら中世武士列伝」についてはこちらをご覧下さい

カテゴリー: 報告, 考古・歴史・民俗 | あの戦国大名も実はもとは相模出身!~歴史講座 戦国に繋がる相模のもののふたち~全3回終了! はコメントを受け付けていません

真冬の瑠璃色

市内のある場所で、ちょっと珍しい鳥の出現情報があり、確認のために行ってきました。その際に、近くでこんな鳥が盛んに採食していました。

ルリビタキ(オス)

ルリビタキです。冬の瑠璃色を代表する鳥です。繁殖期は標高1500メートル以上の亜高山帯で過ごし、冬の間はこうして平地の薮で過ごします。こんなに美しいのに、明るい場所へはあまり出てこないのですが、暗めのところでもこうして光沢のある明るい瑠璃色が映えます。

雪をバックに

雪をバックにしても見事な色合いです。
ちなみに、正面から見ると印象が違いますね。鳥は横顔はわりあい丸っこいのですが、飛ぶ時の空気抵抗を少なくするため、体全体が流線型になるのです。

正面から見たルリビタキ

夏の瑠璃色の代表はオオルリという鳥ですが、こちらは瑠璃紺色と言えるような深い色です。青葉を背景に際立つ色合いなのでしょう。
さて、目的としていたちょっと珍しい鳥というのはこちら、コイカルです。

少なくとも近年の市内での記録はありませんでした

県内では記録が少なく、相模原市では近年の確実な観察記録がなかったため、写真付きの重要な記録となりました。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | 真冬の瑠璃色 はコメントを受け付けていません

※2/4は宇宙科学探査交流棟は臨時休館です※ 2/2~4の記念缶バッジはこれこれ、これですよ~

※タイトルのとおり、2/4は宇宙科学探査交流棟は臨時休館です。訪問を予定していた方はお気をつけください。当博物館は通常どおり開館し、オープン記念イベントも予定どおり実施します。(2/4追記)※

みんなで知恵を絞って考えた記念バッジの図案も決まり、いよいよ出来上がってきたようです。

モデルのさがみんちゃんに持ってもらいました。

2/2~4プラネタリウム観覧記念プレゼントの缶バッジイメージ写真(缶バッジのプレゼントは先着500名様限定)

2/2~4の三日間限定でお配りします。数量限定、先着500名様分です。この機会にぜひプラネタリウム番組をご覧ください(^^♪

※さがみんちゃんのぬいぐるみはプレゼントの対象ではありません。博物館ミュージアムショップではさがみんちゃんグッズをいくつか取り扱っています。博物館ご来館の際はぜひミュージアムショップにもお立ち寄りくださいね!

カテゴリー: おしらせ, 天文 | タグ: , | ※2/4は宇宙科学探査交流棟は臨時休館です※ 2/2~4の記念缶バッジはこれこれ、これですよ~ はコメントを受け付けていません