ゲンジボタル観察会

5月24日、今年も農業用水路沿いで県立上溝南高校のみなさんと、ゲンジボタルを観察してきました。
中央区のこの場所は、過去から現在まで養殖のホタルや、餌のカワニナなどを移入していない、正真正銘、地元のホタルです。

美しく光るゲンジボタル

ゲンジボタルの発生時期は、ソメイヨシノの満開から2か月後というのが一つの目安です。今年はソメイヨシノの開花が遅れたため、5月下旬ではまだ早いかな、と思っていたのですが、無事に観察することができました。

昨年の同時期よりも少し多く飛んでいました

水路沿いで約150頭の飛行を確認できました。
観察終了後、元気な高校生たちにスマホをかざしてもらって「人間のホタル」で記念写真。

恒例の記念撮影

ゲンジボタルは、水田耕作用の水路に年間を通して水が流れていることが生息の条件です。冬の水路清掃など、地元のみなさんの地道な作業に感謝しつつ、美しい光を眺めました。
(生物担当学芸員)

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メジロの大げんか

5月21日、サツキの自生地の調査へ行った際、現場近くで調査の同行者と待ち合わせをしていたら、いつになく激しいメジロの声が聞こえました。目を向けると4羽のメジロが激しくけんかしていました。

にらみ合う2羽

そのうちの2羽は特に、空中で体当たりしてもつれるように地面へ落ちたりと、ガチンコ勝負です。

オス同士?でしょうか

お互いに上を取ろうとしています

おそらく、2組のつがいが縄張りをめぐって争っているのだと思いますが、ふだんはチィーチィーとかわいらしく動き回っている小鳥なので、こんな激しい一面があるのかとちょっと驚きました。

取っ組み合いです

そばではコゲラがギィーと鳴きながら、何食わぬ顔で採食していました。

コゲラは我関せず、日和見の様子です

このけんかは見ている間ずっと続いていて、待ち合わせ時間になり、そこを離れる時もまだやりあっているようでした。いったいいつまで続いたのでしょうか。成り行きが少し気になりました。
(生物担当学芸員)

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近世絵図がテーマの講演会を開催します【博物館資料の特別公開も!】

5月26日(日)、令和6年度相模原市文化財研究協議会公開講演会「近世絵図から読み解く相模原の歴史」を当館地階の大会議室で開催します。

公開講演会「近世絵図で読み解く相模原の歴史」

主催者の相模原市文化財研究協議会は、相原の歴史をさぐる会・相模原郷土懇話会・旧笹野家住宅を考える会の3団体で構成され、公開講演会や文化財探訪の実施等を通して、郷土の文化財の普及や愛護等の活動を行う組織です。

今回開催する講演会では、市立公文書館職員を講師に迎え、相模原が描かれた近世絵図を題材に、絵図が描かれた背景や絵図から語られる地域の歴史を読み解きます。さらに、当館所蔵の絵図資料を特別公開し、講演会後にじっくりと観覧いただく機会を設けます。

幅2m以上もの巨大な複製資料も展示します!

また、本講演会は相模原市教育委員会(文化財保護課、市立博物館)との共催事業のため、特別公開における展示では当館学芸員が協力しています。

江戸時代中期から幕末まで、相模原市域や神奈川県ゆかりの絵図資料を選りすぐり、この機会にのみご覧いただけるラインナップとなっております。参加希望の方はこちらから詳細をご確認のうえ、当日会場へお越しください!申し込み不要、先着順のご案内です(定員150名)。
皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

(歴史担当学芸員)

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サツキの自生地

5月21日、市内緑区の渓谷へ、サツキの自生地の現況確認に行きました。サツキは街路樹や庭木としてごく普通に見られる植栽樹ですが、本来の生育環境はなんと、渓谷の岩場です。つまり、岩場の過酷な土壌条件で生育可能なので、コンクリートジャングルの市街地でも生育できる、というわけです。

人を寄せ付け難い風景の渓谷

この場所は、令和元年東日本台風(台風19号)で大きな被害のあった場所だったものの、その後訪れていませんでした。自生地がどうなっているか心配でしたが、無事に開花を確認できました。

流れの水面から1.5メートルほどの高さに咲いています

まだ花期のピークではなかったのですが、ざっと周辺を探したところ、株自体はかなり残っているものの、つぼみを付けている株が少ないように感じられました。若干、まだ台風によるダメージが残っているのかもしれません。

近づける岩場に咲いていたサツキ

一方、同じく渓谷を代表するシダ植物であるヤシャゼンマイは、元気に茂っていました。

ヤシャゼンマイ

渓谷の植物らしく、スッキリとしたフォルムと色合いが美しいシダです。
ほかにも、渓谷特有というわけではないのですが、カナウツギが開花していました。

カナウツギ

シラキも花穂がたくさんついていました。

シラキ

サツキは、相模原市のこの場所が、分布の東限と言われています。株が残っているのを確認できて、ひとまず安心しました。
(生物担当学芸員)

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稲城市で自然観察会-(おもに)植物編

5月19日、東京都の稲城市iプラザからの講師派遣要請で、当館学芸員が「街なか植物・鳥ウォッチング」の講師を務めてきました。2回連続の講座の1回目は、「(おもに)植物編」です。まず室内で、身近な自然観察を楽しむようになると、365日毎日楽しくなりますよ、というお話しから始めました。なにしろ、私たちが通常行く可能性のある地球上のあらゆる場所に、植物、または野鳥がいるからです。

最初は室内の講義から

15分ほどのお話しの後、早速野外へ出ました。普段通り過ぎている歩道の植込みなどにも、じっくり観察すれば楽しい植物がたくさん生えています。視点を落として、小さなかわいらしい野草の姿をみなさんで楽しんでいます。

視点を落とすと見えてくる、小さな植物を観察

そして、こんな植物の紹介も。ネズミムギの開花の様子です。花のようには見えませんが、雄しべが垂れているこの状態が、開花です。イネ科の植物なので、花びらはありません。

ネズミムギの花

ただし、ネズミムギは花粉症の原因植物です。取り扱いに注意しながら観察しました。
最近目立つようになった外来植物や、タイトルにあるように植物だけでなく、花を訪れている昆虫、さらには姿を見せてくれた野鳥(翌週はおもに野鳥を観察する予定ですが・・)などにも目を向けながら、再びiプラザの前まで戻って来ました。最後は、街路樹として植えられているカツラについてお話ししました。

カツラの木の下で終了

カツラは落葉の頃、甘い匂いを発します。若葉には無い匂いなので、秋の落葉も楽しみですよ、と予告して終了となりました。来週も身近な自然をみなさんと楽しもうと思います。
(生物担当学芸員)

※この観察会は申し込み制で、すでに締め切られています。

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生きものミニサロン「桑の木でくらす生き物観察」を実施しました!

5月18日の国際博物館の日に合わせて、毎月恒例の生きものミニサロンを実施しました。今回は「桑(くわ)の木でくらす生き物観察」というテーマです。桑の木はカイコの幼虫の餌として有名ですが、野外でも実は様々な生き物の生活の場となっています。そこで、博物館の敷地に生えている桑の木を舞台に小さな虫たちを観察しました。

本番の桑の木の観察のまえに、まずは肩慣らし。コナラの樹になぜかたくさん集まっている小さなアリたちを観察します。

葉の上にアリがたくさん

虫めがねでよく見ると、緑色の小さなアブラムシがいるのが分かりました。アリたちはどうやらアブラムシに蜜をもらっていたようです。

アリとアブラムシ

観察を続けると、皆さんも小さな虫たちの世界に目が慣れてきたようです。

小さい虫たちを観察

 

次は本番。桑の木の生きものを探してもらいます。
白いふわふわとしたものを背負った不思議な生き物が葉っぱの裏に隠れています。

白いふわふわ

これは、クワキジラミという昆虫の幼虫です。

クワキジラミの幼虫

シラミと名前につきますが、じつはアブラムシに近い仲間の昆虫です。白いふわふわはロウ状の物質で、幼虫だけが背負います。成虫は茶色っぽく、小さいセミのような見た目をしています。

クワキジラミを観察中…

 

つづいて観察したのは、枝先の茶色い生き物。

クワコの幼虫

クワコという蛾の幼虫です。
下見では1頭しか見つからなかったのですが、参加者の皆さんと探したところ、3頭を観察することができました。

そして、参加者の方がなんとクワコの繭(まゆ)を見つけてくれました!

クワコの繭

黄色くてとてもきれいな繭です。
じつはクワコは、カイコととても近い仲間です。
カイコは繭から糸をとるための品種改良によりもっと大きい繭を作りますが、繭の形じたいはクワコととてもよく似ています。
繭からも、同じなかまだということが見てとれます。

たくさんの目で観察すると、より多くの発見があることを実感した1日でした。

(動物担当学芸員)

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大学生の実習

相模原市立博物館では毎年夏に大学生の博物館実習を行っています。しかしそれ以外にも、大学の学芸員課程の授業の一環として当館を利用した見学や実習も受け入れています。5月18日午後、その一つとして、博物館から最も近い場所にある大学、青山学院大学から学生が実習のために来館しました。「博物館実習Ⅰ」という、上記のような本格的な学外実習の前に、必要最低限の知識とスキルを得るための講座です。
まずは、掛け軸の取り扱いです。

掛軸の取り扱い

当館の歴史担当学芸員から、掛け軸を広げて、掛けて、外して、収納するまでの手ほどきを受けます。
使用するのは本物の掛軸なので、やや緊張しながらの作業です。

丁寧な取り扱いが求められます

そして、こちらは梱包実習です。資料を安全に運搬するために必要不可欠な技術です。

過不足のない梱包を考えながら取り組んでいます

梱包方法は、ただ一つの正解があるわけではなく、資料の形状や状態に合わせた梱包を行う必要があります。資料をよく観察した上で、方法を考えながら作業します。
こちらでは、展示の際の資料の固定方法を紹介しています。

虫ピンとチューブを使った固定

不自然ではない形で、なおかつ資料へダメージが無いように固定する工夫について解説しました。
最後に、収蔵庫の見学です。

動植物資料収蔵庫を見学

博物館の収蔵庫の様子だけでなく、資料を保管する上での方針や意義についても説明しました。
事前にこうした博物館の専門技術やバックヤードを見ておくことで、実習先の博物館でどのような立ち振る舞いをすべきか、イメージしやすくなることでしょう。
(生物担当学芸員)

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相模原ふるさといろはかるた展、れんげの里あらいそのお次は…

5月15日(水)、南区新戸のれんげの里あらいそで開催していた出張展示「相模原ふるさといろはかるた」展の撤収作業を市民学芸員かるたチーム有志で行いました。

テキパキと片付けています。

本市の伝統、相模の大凧でお馴染みの「7間凧(ななけんだこ)」の下、約1ヶ月間たくさんの方にご覧いただき、「相模原ふるさといろはかるた」と市民学芸員の取組について知っていただけたと思います。

また、相模の大凧揚げといえば、市政70周年にちなんだ「稀風(きふう)」の題字が大空高く舞い上がった姿が記憶に新しいですね。

令和6年「相模の大凧まつり」(撮影:当館生物担当学芸員)

名残惜しくも、れんげの里あらいそでの展示はこれにて終了しましたが、市民学芸員かるたチームでは早くも次の出張展示に向けて着々と計画中です。
近日中に当館ホームページ等でお知らせしますので、お楽しみにお待ちください。

(歴史担当学芸員)

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キビタキの水浴び場

毎年、博物館お隣の樹林地では夏鳥のキビタキがやってくることはこのブログでも度々紹介しています。今年は博物館の建物近くでさえずっていることが多いのですが、先日(5月10日)、やけに近いところで「ヒッ、ヒッ」という地鳴き(じなき:さえずりではない、ふだんの鳴き声)が聞こえると思って探して見ると、思いがけず博物館のフェンスにとまって鳴いていました。

フェンスにとまるキビタキ

このフェンスは博物館の裏手の、排水路に沿っている場所です。この排水路は、4メートルほど掘りこまれており、上に金網が張られています。時折、排水が流れるため、ところどころに水たまりもできています。金網は、ヒヨドリくらいのサイズまでしか通り抜けられないため、小鳥にとっては安全この上ない水場となっています。そんな様子を一昨年、このブログでも紹介しました。
キビタキもまた、この水場を利用していたのでした。

金網にとまるキビタキ

この直後に金網の下へスッと入ったところは見たのですが、残念ながら、見失ってしまい、水浴びをしている現場は撮影できませんでした。それでも、キビタキが人工物にとまるところをあまり見たことが無いので、フェンスや金網にとまる様子など、ちょっと面白い写真を撮ることができました。
(生物担当学芸員)

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令和6年度地質学講座 1回目

5月12日(日)に令和6年度の地質学講座の第1回目を開催しました.地質学講座は2年ぶりの開催です.

今年度のテーマは「神奈川県最古の地層」で陣馬山や道志川下流に分布する約1億年前の地層を観察します.連続4回の講座で,1,4回目は博物館での講義,2,3回目は野外に出かけて地層の観察をします.

1回目は博物館での基礎的な事項の講義で,神奈川県最古の地層である小仏層群とそのでき方を理解するのに欠かせないプレートテクトニクスについて解説しました.

2日目は5月26日(日),相模原市緑区の陣馬山麓で小仏層群の地層を観察する予定です.

2年前の地質学講座は全回博物館での講義でした.それ以前は新型コロナウィルスの影響で地質学講座自体が開催できなかったので,野外観察を組み込んだ地質学講座は2019年以来,5年ぶりです.久しぶりの野外での地質学講座ですので,荒天とならないよう祈るばかりです.

(地質担当学芸員)

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