またやられた!カワラノギク受難

博物館で栽培しているカワラノギクが、この1週間ほどでまた虫にやられてしまいました。

葉だけでなくつぼみも食べられてしまいます

先週末の台風で相模川が上流のダムの放水により増水し、今年はカワラノギク自生地の多くが流失したはずです(でも、大量の肥沃な土砂を新たに運んで来てくれるし、競争相手の植物ごと流してくれるので大水は必要です)。来春、自生地に「相模川産」と由来のはっきりした種子を蒔くためにも、開花してもらわないと困ります。そこで急遽、犯人さがしをしました。
じっと目を凝らすと・・

茎に化けているつもりのイモムシ

茎に化けているつもりでしょうが、こちらも必死です。正体見たり!!
葉のウラにいるのも見逃しません・・

葉のウラでじっとしています

すると、どうやらこれが成虫かな?というのまでとまっていました。

イモムシの成虫と思われる蛾

おそらく、○○ウワバというヤガ科の蛾でしょう。しかし、この仲間は食草の選択幅が広いものが多く、成虫も幼虫も似たものが多くて種類まではわかりません。
とりあえず採集しておきました。葉の食害をどうにか逃れてつぼみをたくさんつけてくれた株もあります。

カワラノギクのつぼみ

来週には咲き始めることでしょう。開花したらまた写真をアップします。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | またやられた!カワラノギク受難 はコメントを受け付けていません

畑にこんなものが!!

10月24日、市内にお住まいの方が博物館へ来られて「うちの畑にこんなものがなったんです!植えてもいないのに!」と持ち込まれたのは・・

植えてもいないのにこんな大きな果実が畑になっていたら驚きますね!

500ミリリットルのペットボトルが小さく見えるほどの巨大な果実!
袋に入れられていた時は、スイカが間違えてなってしまったのかと思いました。しかし取り出してみると、頭が若干尖り、おしりが少しくぼんでいて、典型的な瓜の形です。
ちょうどボランティア作業に来られていた相模原植物調査会のメンバーにもご意見を伺い、だいたいアタリがついてきたので、持ち込まれた方の許可を得て割ってみました。

皮はかなり固くてスイカではないことがわかります

皮がかなり固くて、苦労の末どうにか割れました。

種子もしっかり稔っています

ちゃんと種子も稔っていて、正体はハッキリしました。かんぴょうの原料である、ユウガオです。
おそらく、堆肥やほかの苗の土にでも種子が混じっていたのでしょう。
かんぴょうにしなくても、中身を切り出してスープにすると美味しいですよ、とお伝えしたら、嬉しそうに持って帰られました。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | 畑にこんなものが!! はコメントを受け付けていません

ひっぱりだこ!?の博物館!★ラジオ出演情報あり★

今年は例年にも増して、新聞や雑誌、タウン紙などに取り上げていただくことが多く、本当にありがたいことです。

最近ではエイ出版社『相模原本』や、雑誌「天文ガイド」最新号などに掲載していただきました。(もしまだご覧になっていなかったら、「天文ガイド」11月号は博物館の天文研究室でもご覧いただけますので、どうぞご来館の際にご覧くださいね。)

神奈川新聞やネット版の毎日新聞、各タウン紙にもいろいろ掲載していただいています。

掲載の例はこちら

神奈川新聞掲載例

毎日新聞(ネット版)掲載例

タウンニュース掲載例

こうしたことを通じ、今まで博物館をご存知なかった方や、イベントなどの情報が伝わりにくかった方に、必要な情報が届くといいなと願っています。

また、ここ数年、市内の不動産会社からお声掛けいただくことも多くなっており、相模原市へ転居を考えている方や淵野辺駅周辺へのお引越しをお考えの方に、相模原市立博物館が近くにあることが当地の魅力の一つと感じていただけるとしたら、とても嬉しいことだと思っています。

今年度はテレビ番組への出演も既に数回ありました。そのうち1回は、神奈川県のテレビ広報番組なので、今もご覧いただくことができます。博物館とJAXA相模原キャンパスを取材した内容(7月2日放送分)なので、お楽しみいただけると思います。未見の方はぜひご覧ください。

また、地元のFMラジオ局にもレギュラー枠があり、毎月第3日曜日には16:40ごろから博物館の最新情報やおすすめイベントなどをご案内していますので、どうぞお聴き逃しなく。過去の放送はこちらからお聞きいただけますよ!

このことに加え、このたび同じくエフエムさがみの相模原市中央区の「大好き!中央区」にも出演することとなりました。こちらの放送は10月26日(木)の午後7時からの番組の時間内だそうです。ぜひこちらもお聴きくださいね!

カテゴリー: おしらせ, 今日の博物館, 報告 | ひっぱりだこ!?の博物館!★ラジオ出演情報あり★ はコメントを受け付けていません

今日の博物館は団体利用のお客さまで大賑わいです!

今日は小学校や幼稚園・保育園のお友達はいませんでしたが、市内の複数の公民館の事業で博物館をご利用いただきました。

また、近隣の大学からのお客さまや、近くの神奈川県立弥栄高校を訪問していた韓国の高校生のみなさんにもお越しいただきました。

了解をいただきましたので韓国の高校生のみなさんの写真をご紹介します!

まずは小惑星探査機「はやぶさ」の説明を聞き、

その後は、天体観測室も見学していただきました(通常の展示解説では天体観測室はご案内しておりません)。

博物館では個人のお客さまはもちろんですが、団体のお客さまも大歓迎!

平日ですと20名様以上(4歳未満の人数を除く)でプラネタリウムを貸し切りでご覧いただける時間帯もあります。貸し切りだと現在上映中ではない番組もお選びいただけますので、団体でお出かけを検討されているみなさま、ぜひ博物館にご連絡くださいね。もちろん通常のプログラムの席の確保も可能ですよ。(それぞれ条件などがありますので、まずは電話か、直接来館してご相談ください)

プラネタリウム番組や、展示解説などのご相談、お待ちしています!

カテゴリー: 今日の博物館 | 今日の博物館は団体利用のお客さまで大賑わいです! はコメントを受け付けていません

火山灰を顕微鏡で見てみよう

10月15日に「火山灰を顕微鏡で見てみよう」を開催しました。

相模原地質研究会、弥栄高校サイエンス部、その他多くの方々にボランティアとしてお手伝いいただきました。ボランティアの皆様、ありがとうございました。たくさんの方々にご参加いただき、大盛況でした。

火山灰の中に含まれている鉱物を顕微鏡で見ると、とてもきれいです。みなさん熱心に、観察していました。

火山灰を顕微鏡で見るとこんな感じです。これは姶良(あいら)カルデラと呼ばれる鹿児島県にあった火山から約3万年前に噴出した火山灰で、福島県に降り積もったものです。これは一例で、火山灰によって含まれる鉱物が違うので、見え方も大きく異なります。

火山灰中の鉱物の洗い出しも体験していただきました。

もともとはただの土にしか見えません。

この中から洗い出した鉱物はこんな感じです。

洗い出した鉱物は、カードと一緒にお持ち帰りいただくことができました。

火山灰を顕微鏡で観察すると想像していた以上に美しく、多くの方々に楽しんでいただけました。参加者の中から、将来、火山灰の研究者が誕生すると嬉しいですね。

カテゴリー: 報告, 生きもの・地形・地質 | 火山灰を顕微鏡で見てみよう はコメントを受け付けていません

丹沢大山自然再生活動報告会

10月15日、藤沢市の日本大学生物資源科学部において「丹沢大山自然再生活動報告会 ―自然再生を担う多様な人材育成について―」(主催:丹沢大山自然再生委員会、共催:神奈川県自然環境保全センター)が行われました。

報告会のポスター

基調講演は、長崎県の対馬市から域学連携についての取り組みが報告されました。単なる学術連携のお話ではなく、過疎や高齢化の過酷な現実と将来予測に立ち向かう大変刺激的で熱気のこもった内容に、会場全体が圧倒されました。UターンやIターンを含めて、若者世代と市民(島民)をつなぐコーディネートの取り組みは多層的、多角的で、多くの示唆を含むものでした。

対馬市の域学連携担当の前田さんはご自身もIターン者です

当館からも生物担当学芸員が活動報告を行い、ボランティアグループの一つである相模原植物調査会のみなさんと丹沢山麓域を中心に行っている植物相調査や、市町村合併によって市域に含まれることになった丹沢を、市民がどう認識しているかなどについてお話ししました。
丹沢大山再生事業では、次代を担う人材育成が喫緊の課題となっていることが共有されています。この日もさまざまな世代に向けて取り組まれる人材育成の実例が報告されました。県民、あるいは市民が丹沢を身近な山として、そして自然の財産としてその価値をどのように共有するかが重要なポイントになると、改めて感じました。

カテゴリー: 報告, 生きもの・地形・地質 | 丹沢大山自然再生活動報告会 はコメントを受け付けていません

雨の演出

今日(10/14)は「初心者のための植物学教室」の2回目を行います。野外観察も行うため、雨の中、対象となる植物のようすを下見をしていると、ハッとさせられるような植物に出会いました。

水滴をまとっていつもと違う姿になっています

雨の滴を花殻に溜めて、晴天時には思いもよらない美しい姿を見せています。
じつはこれ、ヨモギです。もともと花びらも無いし、草餅を作るときでもなければ、ふだんはお世辞にも目に留まるような植物とは言えません。

水滴がレンズになっています

花が落ちて、花を支えていた総苞(そうほう)という部分に表面張力で水滴がつかまっています。
ヨモギが雨の演出で一気に表舞台に立ちました。
もうひとつ、雨が演出して妖艶な輝きを見せていたのはこちらです。

雨に冷えつつ咲くアサガオ

どこからかタネが運ばれて勝手に咲いているアサガオです。ふつうのアサガオなのですが、花色がオーシャンブルー(ノアサガオ系の多年草の園芸種)のような色あいで、水滴をまとっていっそう妖しげです。雨に冷えたのか、花がしなだれているのも演出を際立たせています。
曇りや雨の日は、晴れとはまた違った生きものの表情があります。今日の野外観察がとても楽しみになりました。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | 雨の演出 はコメントを受け付けていません

今年のドングリは

野生植物の結実(果実の実り)にはふつう、大きな波があります。豊作と不作を繰り返したり、何年かおきに大豊作があったり。庭のカキの木なども、天候にあまり関係無く実りの良い年と悪い年があるのと同様です。
さて、博物館ではコナラの実りが年によって大きく異なるのですが、今年は・・

地面を覆うドングリ

かなりの豊作のようです。駐車場の地面の一部が、ドングリに覆われています。
親の木はこちらです。この木だけではなくて、今年は博物館のコナラの木はほとんどが豊作です。

大量のドングリを落としてくれているコナラ

よく見ると、すでに根が出て地面へと向かっているものもあります。

根が地面へと向かっています

9月の生きもの生きものミニサロンはドングリを扱いましたが、これだけ豊作なら、今月28日のミニサロンもドングリにしようか、思案中です。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | 今年のドングリは はコメントを受け付けていません

手話通訳付きの「はや2トークライブ」を開催しました

10月7日は「10月のさがみはら宇宙の日」として、また、9月16日から開催中の企画展の関連事業として「はやぶさ2トークライブ」を開催しました。

(開場前の会場の様子)

 数を重ねて11回目の開催となった「はや2トークライブ」、いつもと違うのは「手話通訳」の方に来ていただいていることです。
これは事前に手話通訳を希望する参加者の方からのご連絡をいただいたことを受け、市の「手話通訳者・要約筆記者の設置と派遣」の制度(http://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/fukushi/shogai/service/000180.html)を利用したものです。
今後も、「はや2トークライブ」に限らず、他の事業においても手話通訳や要約筆記の方に来ていただくことが可能です。

(中央は「前説」担当の武井先生、手前は手話通訳者)

 希望される方は是非お早めにお知らせください。ただし、都合により、ご希望に添えない場合もありますので予めご了承ください。

今回の「はやぶさ2トークライブ」につきましては、講師である山田先生や吉川先生には事前に資料原稿を入れていただくなど、ご協力をいただいたことで手話通訳付きの講演が実現いたしました。お忙しいところ、本当にありがとうございました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。

(吉川先生によるいつもの「順調です!」)

(質問対応中の山田先生)

 宇宙手話についてはぜひこちら(http://fanfun.jaxa.jp/topics/detail/7661.html)もご覧ください。講演会の中でも何度も出てきていた「はやぶさ」の手話もご覧いただけますよ。

カテゴリー: おしらせ, 今日の博物館, 報告, 天文 | 手話通訳付きの「はや2トークライブ」を開催しました はコメントを受け付けていません

初心者のための植物学教室 開講

10月7日(土)、「初心者のための植物学教室」の第1回を実施しました。
まず、植物とは生物の中でどのような位置づけなのか、そして、おおまかにどのような分類がされているのかについてお話ししました。ざっくり言うと、植物はまず、「コケか、コケ以外か」で分けられるというところにみなさんちょっと驚かれていました。

キク科を概観しています

そのあと、数千種類に及ぶ野生植物の名前を調べるにはどのような方法が効率的なのかということを考えます。
それは、頭の中に「引き出し」を作ることです。「イネ科」「バラ科」「マメ科」・・まずはその科のくくりの特徴をどうとらえるのか、この季節に多いキク科を例に見ていきます。
受講者のみなさんに、キクイモの花を分解してもらいます。

キクイモの小花(舌状花)

キクイモの花は、花びらのついたものと、ついていないものがあります。上は花びらのついている舌状花(ぜつじょうか)です。下は、ついていない筒状花(とうじょうか)で、どちらもこれで一つの花(小花)です。

キクイモの小花(筒状花)

キクイモやヒマワリなどは、円形に集合した筒状花のまわりを、舌状花が囲んでいわゆる「ヒマワリ型」の花をつくっています。小花が集まって一つの花に見えるこうした構造こそが、キク科の特徴です。やはり実際に自分の手で確かめるのが一番。皆さん熱心に小花を観察されていました。
第2回は来週土曜日です。引き出しの中にさらに「しきり」を作るため、科を横断して見られる植物のさまざまな特徴を、野外で観察しようと思います。

カテゴリー: 今日の博物館, 生きもの・地形・地質 | 初心者のための植物学教室 開講 はコメントを受け付けていません