5/13・14はプラネタリウムこども無料デー♪(5月のさがみはら宇宙の日・国際博物館の日記念事業)

ゴールデンウィークが終わり、3月から開催していた考古企画展も5/7で終了、ちょっとだけ静かになった博物館ですが、5/13・14はいろいろなイベントを実施しますのでどうぞお楽しみに!

ブログではこれらのイベントを一つずつご紹介します。

まずはタイトルにもある「プラネタリウムこども無料デー」。

これは、5月18日の『国際博物館の日』にちなんで実施するもので、今年で3回目です。

通常、4歳から中学生の方は観覧料200円がかかりますが、この二日間に限っては、無料にするというものです。無料でご覧になるためには、各日の開館時間(9:30)から配布する整理券が必要ですのでご注意ください。また、大人の方は通常通り有料となります。※未就学児の観覧には保護者の方の付き添いが必要ですので予めご了承ください。

この二日間は、通常のプログラムに加え、この二日間限定の番組、アインシュタインの相対性理論を織り込みながらも、小さなお子さんから大人まで幅広く楽しめる作品「ナナとハチ~ちきゅうにおちてきたネコのものがたり~」も上映しますので、どうぞお見逃しなく!

©LIBRA/NOBO/MASA/YOKOT

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カザグルマが咲きました

博物館の近くにはたくさんの公共施設や学校があります。そのフェンス沿いにかつて植えられたクレマチスがいま、花をたくさん咲かせています。

クレマチスのパテンス系の白花品種

美しい桃色の品種もあります。

同じくパテンス系の品種で桃筋の入ったもの

でもやっぱり、博物館の中庭で今咲いているこの花の野生種らしい清楚なたたずまいには特別な美しさを感じます。

クレマチス・パテンス系の原種の一つ、カザグルマ

園芸用のクレマチス(Clematis:このなかまの学名の一部です)の原種の一つである、カザグルマ(キンポウゲ科)です。県内でわずかに残る自生地のほとんどが相模原市内にあり、博物館で咲いているのはその自生地の株から挿し木で増やしたものです。

花の直径は10センチ以上あります

この株の花は、花びらのように見える純白の萼片(がくへん)の先が内側に巻き込み、鋭く尖る剣弁の特徴があり、おしべの紅色とあいまって凜としています。
中庭でその名のとおりカザグルマのような形の大きな花を咲かせています。あと1週間くらいが見ごろとなります。

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【毛虫注意報発令中】(写真あり)

こんな名前の注意報はもちろん、正式には無いのですが・・先日お伝えしたキアシドクガの幼虫(毛虫)の大発生がますます大変なことになっています。

枯れたように見えるミズキも、葉が食べられているだけで枯れてはいません

上の写真のように、博物館のまわりのミズキの葉が、これまでにないスピードで食い尽くされています。そろそろ終齢幼虫になり、蛹化(ようか:さなぎになること)の場所を探し回って徘徊しているので、博物館や、おとなりの樹林地のフェンスに無数の幼虫がうごめいています。

キアシドクガの幼虫。毒はまったくありません

多くの方にとって不快な光景だと思いますが、キアシドクガは名前に反して幼虫にも成虫にも毒はありません。もう1週間ほどでこの状態は終息し、今月下旬には白い蛾の乱舞のようすが見られると思います。

キアシドクガの成虫(昨年の写真)

繰り返しになりますが、この大発生に対処する現実的で有効な手段はありません。いましばらくの辛抱となります。

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鈴木重光 絵はがきコレクション巡回展③ 南区合同庁舎!

現在、鈴木重光 絵はがきコレクション巡回展③を南合同庁舎の1階ロビーにて行っております。

これらの絵はがきは、津久井郷土資料室に保管されていた資料で、旧内郷村(現在の緑区若柳・寸沢嵐)の郷土史家鈴木重光氏が収集した12,000枚もの絵はがきのごく一部です。

展示しているのは、津久井地域の写真が掲載された絵はがきで、南区の皆さんには馴染みが薄い場所かもしれませんが、どこか懐かしさを感じる風景がきっとあるかと思います。
また、南区合同庁舎の近くで、遊歩道として親しまれている横浜水道の取水施設などの絵はがき写真もあるので、ぜひご覧ください。

横浜水道の城山隧道

また、いくつかの場所を選び、現在と絵はがきの写真を比べて展示しています。
現在と様変わりしている所もあれば、ほとんど風景が変わっていない所もあります。

昔の与瀬駅(現 相模湖駅)

平成29年1月にリニューアルした相模湖駅

        

この絵はがき巡回展を通して、自然豊かで、美しい景色や名所旧跡も多くある津久井地域の魅力を感じていただければと思います。開催は5月31日(水)までです。

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こんなところも、在来種タンポポの特徴です

博物館の周りの地面は、春の花が咲きそろって地上の楽園のようです。
前庭で春先からがんばって咲き続けているのは、カントウタンポポ(在来種)です。

在来種のカントウタンポポ

外来種のセイヨウタンポポと違うのは、総苞(そうほう)という花を下支えする葉の外側が、反り返っていないことです。下の写真は、カントウタンポポとセイヨウタンポポの総苞の比較です。

総苞ががっちりまとまっている在来種のカントウタンポポ

外側の総苞が反り返っている外来種のセイヨウタンポポ

ところが、これらのタンポポの雑種が増えてきているのは、これまでも何度かご紹介してきました。雑種の多くはカントウタンポポそっくりの外見で、総苞がしっかりとまとまっています。

外見はカントウタンポポにそっくりな雑種のタンポポ

これじゃ見分けられない!ということで今、博物館では確実な識別をしたいときは、花粉を観察しています。でも、いちいち顕微鏡を見なくても、種子が実って綿毛ができてくると、だいたい見分けられる特徴があります。それは、種子がしっかり実っているかどうかという点です。下の写真は、カントウタンポポです。

カントウタンポポの種子(見やすいように、手前の種子を一部抜いています)

次の写真は、雑種のタンポポです。

雑種タンポポの種子

一見すると同じように見えますが、カントウタンポポの綿毛の内側をよく見ると、実っていない種子も多いので、ちょっと空いた感じがします。それに対して雑種のタンポポは、しっかり実ってぎゅっと詰まった感じです。
カントウタンポポの種子を無造作につまんで持ち上げると、実った種子と実っていない種子が半々くらいで取れます。

同じ花からとったカントウタンポポの種子。左が実っていて、右は実っていない

カントウタンポポは自家不和合性(じかふわごうせい)といって、他株の花粉がつかないとちゃんと受精せず、種子が実らない性質があるためです。たくさんの小さな花の集合体であるタンポポは虫が訪れて受粉をしますが、すべての花に他株の花粉がつくとは限らないので、こうしたバラツキが出るのです。それに対して雑種のタンポポはセイヨウタンポポと同じく、無融合生殖(むゆうごうせいしょく)という方法で花粉の媒介無しに種子を実らせることができるため、ほぼすべての花が種子になるのです。
もちろん、確率的にはカントウタンポポでも実りの良い花もあるはずなので確実な識別法ではありませんが、野外で簡易にできる識別方法の一つです。

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図書館 × 博物館 ★コラボ企画のご案内★

図書館の階段に・・・

案内全景はこちら

博物館の最寄り駅、JR横浜線淵野辺駅のそばにある市立図書館はご存知でしょうか?

その図書館の階段にこんな案内が・・・。

すでに博物館のホームページのお知らせ欄やツイッターなどではお知らせ済みですが、現在、図書館の2階で、博物館の企画展の連動展示を行っているのです。

図書館の2階の展示

まさに地元!淵野辺の遺跡の展示ですので、多くのみなさんの興味を引いているようです。(口コミで?この展示を目当てに来館される方もおいでだとか!)

図書館ならでは!

関連図書のブックリストも作成していただけました。

29.4-2博物館展示ブックリスト

また、図書館の貸出し期限票の裏面でも考古企画展のキャラクター「考古学者さがぽん」と「おびのっち」が活躍しています!(このバージョンの期限票は期間限定ですので、出会えた人はラッキーだったかも・・・)

図書館での連動展示も、博物館の考古展と同様、5月7日までですので、ぜひ博物館の展示とあわせ、お早めにご覧いただければと思います。

また、プラネタリウムで上映中の全天周映画「いきものがたり」にちなんだ展示も相模原市立図書館で実施しています。

全天周映画「いきものがたり」関連展示

こちらもぜひご覧くださいね!

今後も機会を捉え、こうした連携を進めていけたらと思っています。

※いきものがたり関連展示の画像は図書館ツイッターからお借りしました。

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エビネが咲き始めました!

キアシドクガの大発生で幕を開けた今年のゴールデンウィーク、お天気もよくて、どんどん開花も進みそうです。そんな中、一気に咲き始めたのがエビネです。

里山の貴婦人と称されるエビネ

中庭には2カ所にありますが、そのうちの1カ所の株です。もっとたくさん咲くもう一方の株は数輪咲いているだけですが、明日には咲きそろいそうです。
さて、昨日(4月28日)のことですが、再びオカオグルマのサンプリングに行ってきました。相変わらず丘を黄色く埋めるように咲くようすが見事でした。

オカオグルマの咲く丘

野みちを少し進んだところには、こんな花の群落も。

花も葉も豪奢なクマガイソウ

クマガイソウです。大きな花をつける野生ランですが、現在、市内では乱獲・盗掘によりほとんど姿を消しています。このヒミツの場所は、地元の方が家の裏山で大切に守って下さっているので、こうして毎年花を咲かせています。
「楽園」と勝手に呼んでいる場所ですが、その称号にふさわしい貫禄で咲いていました。

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今年も大発生!キアシドクガ(写真あり)

博物館の駐車場や、そのお隣の樹林地では今、ミズキが花盛りです。

満開のミズキの花

でもよく見ると、たくさんあるミズキの木の半分以上は、こんなふうに丸坊主です。この木は枯れているわけでもなく、芽吹きが遅れているわけでもなりません。

下側の青々したトウカエデの緑とは対照的なミズキ

いったん芽吹いたものの、大発生中の毛虫に葉を食べ尽くされてしまったのです。お嫌いな方に申し訳ありませんが・・

おいしいところを食べ尽くしているところ

キアシドクガという蛾の一種です。ドクガ科に分類されるためにこんな名前がついていますが、幼虫にも成虫にも毒はありません。ここ4年ほど大発生が続いており、昨年は成虫の乱舞するようすがテレビのニュースなどでも紹介され、話題になりました。今年もすでに見てのとおりの大発生。あと1週間から10日ほどで蛹になり、5月下旬には純白の蛾の乱舞が見られるはずです。こちらは昨年の成虫の写真です。

成虫は美しい蛾です

昼間活動する蛾で、ミズキの木のまわりを乱舞するようすはとても美しいのですが・・今、こうして木からぶら下がっているところはやはりちょっと困ります。

みずから吐いた糸でぶらさがっています

駐車場内にも場所によってたくさんぶら下がってきていて、駐車場が混雑する連休の時期にちょっと困ったことになっています。ご来場の際にはお気を付け下さい。
年に1回だけの発生で、あと2週間ほどで落ち着きます。殺虫剤で駆除するのは、ほかの生きものや人間への影響を考えると得策とは言えません。私たち人間が一歩下がるという判断も必要だと思います。
お口直し、というわけではないのですが、同じ樹林で咲くウワミズザクラです。

ウワミズザクラは、サクラの開花リレーのアンカー選手

ソメイヨシノなどのサクラとはあまり似ていませんが、正真正銘、サクラのなかまです。この花が咲くと、本格的な青葉の季節を感じます。

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軍都さがみはら探訪~矢部から淵野辺周辺をめぐる~の下見

先日、5/28(日)に開催する「軍都さがみはら探訪~矢部から淵野辺周辺をめぐる~」の下見に行ってきました。当日は、4月にもかかわらず気温が25℃以上になる陽気で、半日歩いただけで日焼けしてしまいました(汗)

かつてあった旧陸軍兵器学校の正門(現存せず)

今回の「軍都さがみはら探訪」は、主に矢部から淵野辺周辺の旧陸軍兵器学校にかかわる場所などを巡ります。旧陸軍兵器学校は、昭和13年(1938)に東京小石川から移転してきた施設で、現在の淵野辺1丁目~2丁目にかけて広大な面積を有しており、戦争末期には5000人もの人が兵器にかかわる教育、修理や弾薬の調整などを行っていました。

正門があった場所付近に建つ兵器学校の石碑

兵器学校の跡地は、学校、住宅地、工場などに姿を変え、その名残りを留めるものはわずかですが、実は現在も戦前の建物が残っていたり、兵器学校の痕跡が所々に残っています。今回はそのような場所をご案内いたします。
     

現存する貴重な兵器学校時代の建物「旧弾薬庫」

兵器学校内にあった「細戈(くわしほこ)神社」の碑(新田稲荷神社内に移転)

申し込み等の詳細は、5/1号の広報さがみはらなどに掲載しますので、近現代史に興味のある方はもちろん、ちょっと散歩がてらに参加したい方もぜひ、ご応募ください。

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中庭はこれからすごいことに

博物館1階エントランスの真ん中、ガラスで仕切られた中庭に森があります。当館の建物の設計は「森の中の博物館」というコンセプトによって作られていて、それを象徴するものと言えます。

エントランス入口側から見た中庭

この中庭は雑木林をイメージしているのですが、市内の絶滅危惧植物をいくつか植栽しています。その一つがカザグルマ(キンポウゲ科)です。この株は、県内でも数少ない自生地の株から挿し木をして増やしたものです。ゴールデンウィーク中には開花するでしょうか。

カザグルマのつぼみ

そして、エビネ(ラン科)です。こちらも間もなく開花して、連休中に見ごろを迎えそうです。

エビネのつぼみ

そういえば先日(4月15日)ふと気付いて写真を撮っておいたヤツデの芽生えでしたが・・

ヤツデの崩芽(4月15日)

今日(4月27日)見たら、威勢良く手をひろげていました。ちなみにヤツデは絶滅危惧植物ではありませんが・・

若葉が飛び出しているヤツデ(4月27日)

そして、開いたばかりのコナラの若葉がなにやらもう刻まれているなと思ってよく見ると、こんなものがついていました。

中には小さな卵が・・

ヒメクロオトシブミのゆりかごです。親が葉に卵を産み付けると、丁寧に丸めていきます。孵化した幼虫は葉を食べつつ、このゆりかごで育ちます。こちらは昨年撮影した写真です。成虫成虫は5mmほどの小さな甲虫です。

ヒメクロオトシブミ

ほかにもたくさんのイモムシや毛虫もついていましたが、それに負けないくらい、植物にも勢いがあります。ゴールデンウィークに合わせるように、中庭の若葉と花が一番美しい季節を迎えます。

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