4/22は「はや2トークライブ」でした。この模様は4/26に・・・

博物館の地下大会議室あたりから見上げた風景です。新緑が美しいですね!

4月22日は、4月のさがみはら宇宙の日・「はやぶさ2」トークライブを開催しました。今回も多くのみなさまにご参加いただきました。いつもありがとうございます。

今回の講師は、澤田弘崇さん(JAXA はやぶさ2プロジェクト 主任研究開発員)と、小川和律さん(神戸大学大学院 理学研究科 惑星学専攻 技術職員)。

澤田さんには以前、博物館のプラネタリウム番組にご出演していただいたこともあるので、その番組をご覧になった方もおいでかもしれませんね。

テーマは「はやぶさ2の代わりに目撃せよ!-分離カメラDCAM3 で衝突実験を観測する-」でした。

今回は、内容はもちろんですが、澤田さんと小川さんの掛け合いが最高に面白かった (まさにトークライブ!)という感想も聞かれました。見逃した方は、ぜひこちらの録画をご覧ください。

さて、この日、博物館の前ではこんな風景が・・・。

撮影隊のみなさんが・・・?

実は、テレビ神奈川「猫のひたいほどワイド」のみなさんの取材があったのです。

これは天文展示室内でのリハーサル風景。赤いツナギの人は、「猫の手も借り隊」レポーター太田 裕二さんです。

この模様は、4月26日に放送予定だそうです。ぜひご覧になってくださいね。澤田先生からのはやぶさクイズも必見です!太田さんの帽子にもぜひご注目を!

番組のホームページはこちら

さて、6月のさがみはら宇宙の日・はやぶさ2トークライブの予定も公表されました。次回は6月17日です。どうぞ次回もお楽しみに!

カテゴリー: 天文 | 4/22は「はや2トークライブ」でした。この模様は4/26に・・・ はコメントを受け付けていません

花をたくさん見ました!生きものミニサロン

4月22日、今年度最初の生きものミニサロン(毎月第4土曜日12時から)を行いました。
今回は「3歩歩けば花が変わる!」ほどだくさんのお花が咲き乱れる季節ということで、お隣の樹林地でたくさんのお花を観察しました。
外へ出た瞬間に見られるシャガです。

アヤメのなかまの園芸種であるシャガ

さらに、昨日のブログにもアップしたクワの花を観察しました。「これが花?」とみなさん不思議そうに見ていました。

これが花?とみなさん不思議そう

実った果実を食べた子どもの頃の思い出を語ってくれるお母さんもいらっしゃいました。
そして、本日のメイン・・のはずが曇り空であまり開いてくれていなかったフデリンドウを探しつつ、こちらの花も。

木に咲く花には花びらの無いものが多くあります

クワと同じように花びらの無い花ですが、この木にはひとつ強烈な特徴があります。それはニオイ。若葉を少しちぎって嗅ぐと、強く香ります。
そう、サンショウの若葉と花なのです。いい匂い!といういう人と、きらーい、とハッキリ言ってくれた人もいて、感覚の違いを楽しみました。
ちょっと雲が薄く切れて明るくなってきたら、昆虫が飛び回り始めました。これは今日撮影したものではありませんが、ビロードツリアブが静かに花を訪れているところを観察できました。

毛におおわれてあったかそうなビロードツリアブ

このところ樹林地で増えつつあるシロバナタンポポや、ヤブタビラコを見たり・・・

本来は西日本の花であるシロバナタンポポ

小さいけれどレモンイエローが美しいヤブタビラコ

こちらの花を見てもらおうと指さしたとたん、枝をつかんでくれたお子さんが「イテッ!」
特徴を見事に表現してくれました。これはニガイチゴといって、バラ科の野イチゴのなかまなので、枝にはトゲがあります。

トゲに注意!ニガイチゴ

樹林地でそれぞれ花を見たり、虫を探したり・・

いっぱい観察してくれました!

今日も楽しい観察会でした!

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | 花をたくさん見ました!生きものミニサロン はコメントを受け付けていません

こちらも満開 今週末は生きものミニサロンです!

季節のうつろいは早いもので、一昨日(4月19日)から二十四節気ではもう穀雨(こくう)です。雨が降るとさまざまな穀物の苗が勢いを増して成長する晩春の時季を表します。そんな中、すでに数日おきの雨で花も葉も驚くようなスピードで展開しています。こちらもその一つ。

クワの雌花

クワです。小さくて目立ちませんが、これでも開花しています。クローズアップすると・・

花弁(かべん)はなく、柱頭(ちゅうとう)だけがニョキニョキと出ています

柱頭(めしべの先)が飛び出ているので、これで雌花が咲いています。満開です。
博物館にはカイコを育てるためのクワが何本か植えられていますが、一番大きな木にはたくさんの花が咲きます。ただし、博物館には雌木しかないので、残念ながらほとんど熟しません。ちなみに、こちらは相模川の河原で撮影したものですが、雄花です。

クワの雄花

どちらにしても、地味な花です。
あまりに地味なので、満開のフデリンドウの写真も。隣り合う花の色合いの違いをお楽しみください。

微妙に色違いのフデリンドウ

開花のピークを迎え、たくさんの株が出そろうと微妙に色の違う花が咲いていたりします。今年はまだ見つけていませんが、博物館おとなりの樹林地ではピンク色の花も毎年わずかに咲きます。
今週土曜日、4月22日の12時から、今年度最初の生きものミニサロンを実施します。フデリンドウをはじめとした春の花を観察するお散歩の予定です。ぜひご参加下さい。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | こちらも満開 今週末は生きものミニサロンです! はコメントを受け付けていません

楽園の春

4月18日、緑区のある場所へ希少な植物の試料採集に行きました。
ここはまさに楽園。いくつかの絶滅危惧植物が自生し、そのうちの一つであるオカオグルマのDNA分析用の試料を採りました。これは、キク科の系統分類の研究を進めている大学からの要請なのですが、県内の絶滅危惧種の分類研究の進展はそのまま保全の基礎資料としてフィードバックされますから、こちらもできるだけ協力しています。

落ち着いた黄色の花のオカオグルマ

ちょうど花盛りで、澄んだ黄色の花が見事に咲き乱れていました。
こちらは絶滅危惧種ではありませんが、ヒメハギの花です。小さくてしゃがんで見ないと気付かないほどですが、見事な色合いです。

派手そうな形なのに1センチほどの小さな花のヒメハギ

サンプリングの後、近くの沢沿いの林道を歩きました。エイザンスミレがスミレにしては大柄な花を咲かせていました。

スミレらしからぬ葉のエイザンスミレ

こちらはミミガタテンナンショウ。まるで仲むつまじく語り合っているかのような咲き方でした。

たまたま向かい合わせに咲いていたミミガタテンナンショウ

少し足を伸ばして、石砂山の麓へ。満開のミツバツツジにギフチョウが訪れていました。もうシーズンも終盤となり、翅がだいぶ痛んでいますが、元気に飛び回っていました。

ミツバツツジにとまるギフチョウ

ミツバツツジは旧津久井町の花だったこともあり、この時期の津久井地域は家々の庭先が薄紫色に彩られます。
そして、前日の雨でできた水たまりのそばでは、ツバメが巣材の泥をせっせと集めていました。

巣材の泥を集めるツバメ

日々刻々と新緑が濃くなり、青葉の季節まであと少しです。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | 楽園の春 はコメントを受け付けていません

環境学習セミナーを開催しました

博物館駐車場のヤマザクラが満開となりました。好みの問題ではありますが、青空が似合うのは、ソメイヨシノよりもヤマザクラだと思っています。ヤマザクラの桜吹雪の下に立つと、春爛漫のウキウキ感とはちょっと異なる、ザワザワとした不思議な感覚にとらわれます。まさに「桜の森の満開の下」(坂口安吾)の世界ですね。

赤く色づいた若葉とともに花が咲くヤマザクラ

さて今日(4月15日)は、相模原市環境情報センターが実施している自然環境観察員制度の環境学習セミナーを博物館大会議室で実施しました。最初に、桜美林大学リベラルアーツ学群の片山博文さんによる「ビッグ・ヒストリーと生物多様性」と題したご講演をいただきました。

新しい概念であるビッグ・ヒストリーのお話にみなさん引き込まれています

これまでそれぞれの時間軸で語られることの多かった宇宙の歴史と生命の歴史、そしてその未来について統合して考えていくという非常に刺激的な内容のお話でした。生物多様性の概念にも深く関わるため、みなさんとても熱心に聴き入っていました。
そして、このセミナーを博物館で行った理由でもあるのですが、今年度から自然環境観察員制度の定期的な植物調査として、「花ごよみ調査」を毎月1回、博物館周辺の樹林で実施することになったのです。その第1回調査と調査ガイダンスを今回行いました。調査の説明の後、大会議室を出てお隣の樹林地へ。

花を一つずつ確かめながら記録していきます

主役はもちろん、この時期にしか見ることのできないフデリンドウです。

満開となったフデリンドウ

ただ、実際に歩いて見ると、ほかにもたくさんの花が咲いていることにみなさん驚かれていました。しゃがむだけで数種類の花が見えてきたり、木々の枝先にも目をやると・・・

目立たないけどよく見ると美しいアオキの雄花

アオキの雄花です。
ちょっと不安定な雲が出てきて、最後はぽつりぽつり降ってきた雨を気にしながらの調査になりましたが、たくさんの目でたくさんの春の花を確認できました。これから月1回調査を実施して、この樹林地の花ごよみを作っていきたいと思います。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | 環境学習セミナーを開催しました はコメントを受け付けていません

フデリンドウが見ごろになりました!

断続的な低温や冷たい雨に当てられて遅れ気味でしたが、博物館お隣の樹林地でフデリンドウが見ごろを迎えました。

青空の色に咲くフデリンドウ

遊歩道沿いにもたくさん咲いています。博物館へお越しの際には、踏みつけないように気をつけながらぜひご覧下さい。フデリンドウは越年草(おつねんそう)です。今咲いている株は昨秋、発芽して冬を越したもので、間もなく結実するとあっという間に枯れてしまいます。はかなさというより、この潔さが魅力の花でもあります。
こちらは、ミミガタテンナンショウ、カントウタンポポ、フデリンドウの春の花3種。

上からミミガタテンナンショウ、カントウタンポポ、フデリンドウ

同じアングルに入れるのはちょっと無理がありますね。
ニガイチゴの花も咲いています。梅雨の頃には赤い果実が実るでしょう。名前は苦そうですが、ふつうに甘い野いちごです。

野いちごのなかまのニガイチゴ

ミツバツチグリも元気に咲いています。

まぶしいほどの黄色の花のミツバツチグリ

木々の葉が開く前の今の時期、明るい林床で咲く背の低い植物がいろいろと見ごろです。是非お立ち寄りください。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | フデリンドウが見ごろになりました! はコメントを受け付けていません

瑞々しい春の色

今日(4月12日)は、相模原植物調査会のみなさんと緑区の三井地区で植物調査を行いました。断続的とはいえ、このところの陽気で植物も一気に開花、展葉(てんよう=葉が開くこと)をはじめていました。おくゆかしく、下向きに咲くモミジイチゴです。

モミジイチゴ。果実はキイチゴと呼ばれます

でも、うっかり枝に触れると鋭いトゲで痛い思いをします。
こちらは、スミレ2種の競演。タチツボスミレ(薄紫)とケマルバスミレ(白)です。

タチツボスミレ(左)とケマルバスミレ(右)

図鑑を見ているとキンポウゲ科という大きなグループがありますが、こちらはキンポウゲの中のキンポウゲと言えるウマノアシガタです。

いわゆるキンポウゲです

奇妙な名ですが、この花の八重咲き品がいわゆる「キンポウゲ」と呼ばれるものです。
目立つのは花ばかりではありません。ホオノキの巨大な冬芽も仰々しく開いていました。

ホオノキは葉も巨大なので、冬芽も特大です

アオキは常緑樹ですが、やはりこの時期に開花、展葉します。子どもが両手のひらを合わせたようなやさしげな葉です。

アオキの瑞々しい若葉

瑞々しい花々には、活動を始めた昆虫たちも集まります。ミツバツチグリの花を訪れていたのは、モモブトカミキリモドキでしょうか。

マッチョな姿のモモブトカミキリモドキ

冗談のようなマッチョな形を見ると、いつも笑ってしまいます。
暑くもなく、寒くもなく、気持ちの良い野外調査でした。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | 瑞々しい春の色 はコメントを受け付けていません

春の冷たい雨

今日(4月11日)はこれまでの春らしい陽気が幻だったかと思うような冷たい雨模様です。
でも、幻でないことは春の証拠があちこちにあるのでちょっと安心します。その一つ、博物館前庭のヒトリシズカです。

花弁はありませんが、静御前の名を冠した美しい花です

同じ場所のシャガは満開です。ただ、雨に当たって花がだいぶ下を向いています。

外来のアヤメのなかまです

雨に濡れた花もなかなか美しいですね。
二階の喫茶室から見える中庭に、あまり目立ちませんがこんな花が咲いています。しかも、後ろ向きです。

博物館のまわりの樹林の中でも姿勢良く咲いています

ミミガタテンナンショウというマムシグサのなかまです。この写真は中庭に出て撮ったので正面ですが、室内からは残念ながら花の背面しか見えません。この花は野外でもなぜか山道などの明るい方に背を向けて咲いていることがよくあります。ヒマワリのように、明るい方に向きたい花ばかりではないのですね。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | 春の冷たい雨 はコメントを受け付けていません

難しいサクラ

博物館の敷地のサクラも満開となっています。周辺の並木とちがって、博物館のサクラの種類は、ソメイヨシノはごく少なくて、ヤマザクラと、さらにそれ以外のサクラばかりです。そのうちの1本が、駐車場の奥で咲いています。

美しく咲く問題のサクラ

見事に満開です。花と葉が同時に展開しているので、少なくともソメイヨシノではありません。葉と花が同時に開くヤマザクラかというと、花が白色で出始めの葉が赤くないのでそれもちがいます。そうすると、桜餅に巻く葉で有名なオオシマザクラかな・・と思って枝を取りよーく見てみると・・

左はオオシマザクラ、右が問題のサクラ

上の写真は、花の付け根の萼筒(がくとう)という部分を拡大したものです。右側が1枚目の写真の花で、左側は、同じ駐車場の別の株に咲いているものです。左側は、おそらくオオシマザクラと言って良いものです。しかし、右側には明らかに違う特徴があります。

萼筒を拡大したところ

さらに拡大すると、萼筒に毛がたくさん生えています。これはオオシマザクラには無い特徴なのです。では、もう一つのわかりやすい特徴の葉の縁を拡大して見てみます。

一つの鋸歯の中にもう一つ鋸歯があるのが重鋸歯

鋸歯(きょし=葉縁のギザギザ)の先が針状に尖っていて、重鋸歯(じゅうきょし=ギザギザが二つずつで一つの山になっている)なので、これはオオシマザクラの特徴です。さて困りました。葉はオオシマザクラを主張し、花は違うと言っています。
こうした場合、雑種を疑わざるを得ません。実際、サクラのなかまは数え切れないほどの種類と、それらの雑種があります。自然に交配することもありますし、園芸樹であるサクラは人工的に作られた雑種も多数あります。
結論として、博物館駐車場の問題のサクラは、オオシマザクラと何か別の品種(ソメイヨシノかそれに近いもの)が掛け合わさった雑種であるとしか言えません。このブログのタイトルはむしろ、「サクラは難しい」とすべきかもしれませんね。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | 難しいサクラ はコメントを受け付けていません

フデリンドウが開花 でもまだ見ごろは先・・

博物館のお隣の樹林地で、フデリンドウが開花しました。

独特の青色が美しいフデリンドウ

咲き始めは一輪ずつ花を付ける株が多く、落ち葉の影でひっそりと咲いています。
遊歩道やフェンス沿いではまだつぼみばかりで咲いていません。見ごろは来週末くらいになりそうです。
一足先に咲いたタチツボスミレは満開で、場所によっては一面が薄紫色に染まっています。

タチツボスミレは圧巻の咲きっぷりです

カントウタンポポもだいぶ咲いてきました。

在来種のカントウタンポポ

路傍のタンポポは外来種との雑種がほとんどですが、この樹林地内のものは在来のカントウタンポポであることを確認済みです。
フデリンドウが見ごろを迎えたら、またこのブログでお知らせします。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | フデリンドウが開花 でもまだ見ごろは先・・ はコメントを受け付けていません