雪虫ただよう

今日(11月29日)は晴天を利用して、お隣の樹林地で生きものミニサロンの素材となるプログラムを試していました。
すると、日だまりをふわふわと飛ぶ白いものがいたので、追いかけて写真を撮りました。

雪虫(ゆきむし)です。
北海道などでは初雪の頃に見られ、飛ぶ姿も雪が舞うように見えることから季節の風物詩となっています。
ただ、雪虫というのはこのなかま、アブラムシに近い昆虫でもさもさした白いものをまとって飛ぶ種類の総称です。この写真の個体がなんという種類なのか、よくわかりません。代表的なのはトドノネオオワタムシやリンゴワタムシというらしいのですが・・それは北海道の雪虫のことかもしれず、関東地方にもいるのかどうかもわからず・・同定できません!!

関東地方ではあまり話題にならないのですが、私自身、神奈川県内で子どもの頃から見ていて、秋の終わりと、ほんのりとした郷愁を感じます。
雪虫の飛ぶ先を見ていたら、こんな色も。樹林地の中で、なぜか1本だけ見事に橙色に色づいているコナラの木があります。先日の雪の日にもご登場いただいたあの木です。

街路樹のイチョウも黄金色に色づいてきて、いよいよ紅葉もラストスパートを迎えようとしています。
(生物担当学芸員 秋山)

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青陵高校でビオトープの授業

今日(11月28日)は休館日ですが、南区の県立相模原青陵高校1年生に授業を行ってきました。
お題はビオトープです。

中庭にある、典型的な学校ビオトープです。設置から時間が経ち、しばらく放置された状態だったようで、これをこれからどうやっていこうか?ということで相談がありました。それならば、ということでまずは前提となる生物多様性について考えてもらいました。

そして中庭に出て、現状を確認します。生きものの立場として、あるいは青陵高校の生徒としてこの水辺をどうとらえるか・・

周辺環境に生息する動物になったつもりで、このビオトープの良いところと悪いところ、そしてこれからどうあって欲しいかをグループで考えて、発表してもらいました。

中には、トンボやアリ、ザリガニ、タヌキなどいろいろな動物の気持ちで考えてくれたグループもいました。
こうして将来ヴィジョンを具体化していくためのコンセンサスの形成の難しさと、異なる立場の見方を考えるシュミレーションとして取り組んでもらいました。
落ち着いて熱心に話をきいてくれて、でも合間にはニコニコと楽しそうに生活するようすに、よい雰囲気の学校であることが感じられました。来年の学びの収穫祭に参加して欲しいな、と今から考えてしまいました。
(生物担当学芸員 秋山)

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桂川・相模川流域シンポジウム

昨日(11月27日)は緑区のソレイユさがみで第22回桂川・相模川流域シンポジウム「守ろう、つなごう かつら川・さがみ川の豊かな自然」(桂川・相模川流域協議会:主催、相模原市:共催)が行われました。

ちなみにこのプログラムの素敵な生きものイラストは、当館動物標本クラブのYさんによるものです。ポスターやチラシにも使われていて、生物多様性を合い言葉として行われたこのシンポジウムのテーマをわかりやすく、かわいらしく表現しています。
開演前の特別アトラクションでは、緑区の相州城山谷ヶ原囃子連によるお囃子と獅子舞が披露されました。

伝統芸能を幅広い世代の人たちがつないでいく姿に、会場から大きな拍手が送られました。
さて、第一部の基調講演は知る人ぞ知る昆虫マニアでもある養老孟司先生のご登場です。

養老先生は、お母様が津久井のご出身であり、昆虫の専門家として「津久井町史自然編」にもご執筆いただいているという相模原と深いつながりのある方です。ご講演は、おもしろすぎる!つかみ(ネタバレの可能性があるので中身は明かせませんが・・)で会場をガッチリ一つにして、米国大統領選挙の結果や英国のEU離脱といったグローバルな話題から生物多様性の核心へと切り込む話術に引き込まれ、あっという間の一時間でした。

第二部では「自然保護活動の報告 みんなの参加を実現するために」と題し、上流から下流に至る相模川流域での6本の活動事例報告が行われました(私はコーディネーターを務めさせていただいたので、写真はありませんが・・)。
ここでは、地元にこだわって地道な活動を続けるみなさんの楽しげな写真がたくさん見られました。養老先生の講演の中でも、人間が同一化しようとする「意識」に対して違いをとらえる「感性」のバランスが持続可能な社会を作るというお話がありました。理屈ではなく「地域を守りたい」という感性を大切にした活動が、つながりと広がり、そして継続のカギになるということをみなさんの発表から教えていただきました。
(生物担当学芸員 秋山)

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生きものミニサロン 落ち葉のカレンダー

今日(11月26日)の生きものミニサロンは「落ち葉のカレンダーづくり」でした。
・・・の前に、落ち葉の色の多様さと微妙な色合いを実感していただくために、落ち葉のグラデーションを作ってもらいました。

参加者のみなさんで力を合わせて、隣同士の葉の色が似た色になるように並べます。
あっという間に美しいグラデーションの環ができました!

お子さんたちだけで記念撮影です!

そして、駐車場脇の、まさに落ち葉の上の特設会場(!)で、カレンダーにデコレーションしていきます。

10分ほどで、みなさんすばらしい作品を作ってくれました!

穏やかな晴天の下で、気持ちの良いミニサロンとなりました!
次回のミニサロンは、なんとクリスマス・イブ!12月24日(土)12時からです!
(生物担当学芸員 秋山)

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箱根の雪景色

今日は神奈川県公園協会主催の冬鳥観察会のお手伝いをしてきました。場所は、県立恩賜箱根公園です。昨日の雪の濃さが、低地とは違います。

おまけに、抜けるような青空です。ヤマユリの果実が拳を突き上げるように果実を伸ばしていました。

地面の上には、たくさんの足跡が。動物たちの活動のようすを垣間見られる雪の上の足跡は、観察会のかっこうの題材です。

鳥ではないけれど、こちらはハクビシンの足跡です。

みなさん、めったに見られない雪の上の足跡に興味シンシンでした。

そういえば、やっぱり雪の上の落ち葉は格別の色の組み合わせです。サクラの葉が雪に突き刺さって輝いていました。どんなふうに落ちたのでしょうか?

観察会の終了後、今年7月に立ち入り制限が解除された大涌谷へ行きました。

さすがに標高1000メートルを超える場所は雪がさらに深く、そこから立ち上る噴煙や噴出音に圧倒されました。
平日にもかかわらずたくさんの観光客が訪れていて、箱根の底力を見た気がしました。
(生物担当学芸員 秋山)

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白をまとう紅葉

昨日、宇宙フェスタの前に落ち葉の紅葉の写真をアップしました。
今朝(11月24日)は祝日の翌日のため休館日ですが、朝起きると雪!これは関東ではなかなか撮れない写真が撮れそうだと思い、博物館駐車場へ・・

落ち葉の紅葉が雪をまとっていました。
おとなりの樹林地では、いつのまにやら赤く色づいたコナラの葉にも雪が。

落葉したばかりのツタも白をまとっています。

11月の雪は重くて、落枝などの心配もありますが、ひとまず珍しい色の組み合わせを写真に納めておきました。
(生物担当学芸員 秋山)

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色づくものも、咲くものも

博物館お隣の樹林地ではだいぶ紅葉が進んでいます。木々の紅葉はその時々の気候条件で色合いなどがずいぶんと変わりますが、じつはあまり変わらずいつでも美しいのは、落ち葉の紅葉です。こちらはサクラ。

サクラは、枝からはアッサリと落ちてしまってあまり紅葉としては目立ちませんが、じつは落ち葉になってからも色の変化を続けるので、こんなふうに地面の上でさまざまな色合いを見せてくれます。
そしてもちろん、ツタの紅葉はいつでも見事です。黄色から橙、朱色、深紅と、カロチノイド系色素を自在に操っているように見えます。

落ち葉の紅葉は、手で動かして作為が入るととたんにつまらなくなります。なぜかわかりませんが、落ちているまま、風のおもむくままがいちばん綺麗です。

そんな中、まだまだ咲いている花もあります。通勤途中にトキワハゼの花を見つけました。

春先から秋の終わりギリギリまで粘って咲くこの花は、ほかの草花がほとんど茶色くしなしなになっている中で咲くためか、寒空の下がよく似合います。

さて、今日(11月23日)の博物館はこれから「宇宙フェスタ2016」が行われます。直前の準備も着々です!祝日の一日、ぜひ博物館で宇宙に染まる一日をお過ごし下さい!
(生物担当学芸員 秋山)

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準備万端 宇宙フェスタさがみはら2016

学びの収穫祭の余韻さめやらぬ今日11月22日、館内は再び大きなイベントの準備に追われました。
宇宙フェスタさがみはら2016!明日23日は、プラネタリウムや天体観測室、大会議室にエントランスの特設ステージと館内全体を使ってさまざまなイベントが繰り広げられます。
今日の閉館後に仕込みが本格的にはじまりました。特設<星のステージ>ではコンサートや実験、紙芝居など・・

プラネタリウムでは、講演とトークバトル「生命の可能性を探る」!生命科学の最先端を走る気鋭の科学者たちが議論を戦わせます!

そして大がかりな準備と並行してたいせつな作業もこなします。参加者のみなさんへの配布物の丁合と袋詰め作業です!

狭い部屋で黙々と職員たちがぐるぐると円を描いて作業しました。
そんな写真ばかりでは気が引けるので、宇宙フェスタとは関係ありませんが、日中、調査で訪れた箱根から富士山のようすを一枚!

明日は寒い一日となる予報ですが、館内では宇宙フェスタの熱気を存分に味わえるはずです!どなたでもご参加いただけるイベントも多数ありますので、ぜひ博物館へお越し下さい!
(生物担当学芸員 秋山)

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学びの収穫祭終了、そしてエントランス展示開始

学びの収穫祭が無事に2日間の日程を終了しました。
今日も大会議室での口頭発表会に、ホワイエでの展示発表にと、たくさんの方が訪れました。展示発表のコアタイムのようすです。

昨日はお近くの県立弥栄高校と光明学園相模原高校、今日は横浜サイエンスフロンティア高校のみなさんが来てくれて、展示発表をしてくれたり・・

ほかのブースも積極的に訪れてくれていました。やはり、実物資料の迫力はみなさん大いに興味があるようで、剥製標本は高校生だけでなくたくさんの方が手にとって見てくれていました。

口頭発表、展示発表とも16時までに終了し、閉館のチャイムと同時に展示発表のボードを分解。

手際よく1階へ運び、再構築して、エントランス展示の始まりです!

今回見逃した方も、展示発表は来年1月いっぱいまでは展示する予定です。ぜひそちらもご覧下さい。
(生物担当学芸員 秋山)

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「宇宙の日」記念行事全国小・中学生作文絵画コンテスト授賞式

本日、11月20日(日)の13時から博物館の大会議室で、「宇宙の日」記念行事全国小・中学生作文絵画コンテスト授賞式を行いました。
このコンテストは、9月12日の「宇宙の日」にちなんで、「宇宙の日事務局」が主催し、小学生と中学生を対象に、作文と絵画作品を応募してもらう内容となっています。今年は、「宇宙とわたし」をテーマに、当館宛にも多数の作品が届きました。
今日は当館への応募作品の中で、「最優秀賞」、「優秀賞」、「佳作」となったお子さん及び保護者の方をお招きしましたが、嬉しいことに、対象者のお子さん全員を含む、14組54名のみなさんがご出席くださいました。

小学生の作文の部から順に、賞状、記念品が当館館長より渡されます。大勢が見守る中、みんな嬉しそうです。でも、ちょっと緊張もしちゃったかな?

みなさんに賞状と記念品が渡された後、代表して2名のお子さんからお言葉をいただきました。ちょっと緊張してしまったかもしれないですが、立派にあいさつをしてくれました。

式が終わった後、お子さんのみなさんで記念撮影を行いました。みなさんいい笑顔で写っていて、いい記念になったと思います。また是非、来年もいい作品を作ってください。

みなさんの力作は現在、博物館入口を入って正面すぐに展示してあります。
しばらく作品は館内で展示する予定ですので、ご来館の際は、是非ご覧下さい。

(学芸班 高橋)

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