暗いかも・・

今日は、隔月で実施しているボランティア連絡調整会議の日でした。午後から博物館を拠点に活動するボランティアグループの方に出席していただき、11月の学びの収穫祭に向けた連絡調整などを行いました。
と、それだけでは15分くらいで済んでしまうので、毎回、ミニレクチャーや研修なども行っています。今回は、自然歴史展示室の暗さチェックです。

東日本大震災の後の節電要請に応える形で展示室内の照明を省いたり、照度を落としたりしてきました。しかし、5年以上が経って、省いたのか、電球切れなのかわかりにくい箇所があったり、部分的にLED化したことで明るさが変化したりしています。
そこで、ボランティアのみなさんに客観的にチェックしてもらいました。

途中、展示替えを行った部分のミニ解説も!
いつも見慣れてしまっている職員よりも、ボランティアのみなさんから見ると通路などはちょっと暗いようです。安全面や展示の見やすさなども考慮して、今後、明るくすべきところはしていきたいと思います。
(生物担当学芸員 秋山)

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沿岸のツバメ

今日はちょっと足を伸ばして、相模川の下流方面へ調査に行きました。
相模原ではとても数少ないコシアカツバメがふつうに飛んでいるところに、沿岸部だなあという実感が沸きます。

若いアオサギにレンズを向けると、なんとなく所在なさげな表情を見せてくれました。

カワセミの背のコバルトブルーに目を奪われていたら、

ギンヤンマも同じ色を見せつけながら目の前を行ったり来たりしていました。

ひさしぶりの野外調査。たくさんの汗をかいたけど、やっぱり外の方が気持ちがよいですね。
(生物担当学芸員 秋山)

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雑種強勢

秋蚕として育ててきた在来品種が繭をつくりました。
左から小石丸、乞食×小石丸、乞食の繭です。

やはり、交雑品種は大きな繭を作ります。乞食の形質である黄繭でありながら、大きさは小石丸より大きい!
といっても、現代の実用品種(これも多くは雑種第一世代ですが)に比べるとかわいらしいレベルの小ささです。
この雑種強勢の現象は、昭和初期に日本人の農学者、外山亀太郎博士(厚木市出身!)によって発見され、のちに農産物全般に応用されて現在に至る革新的な技術です。
改めてその現象をルーツであるカイコで確かめることができました。
今年はもう一回、育てる予定です!
(生物担当学芸員 秋山)

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四日市の白いキノコ

この週末はお休みをいただき、三重県四日市市へ行っていました。土曜日に見つけたこんなキノコは・・

今日午前中には、こんなににょきっと大きくなっていました。シロオニタケのなかまだと思いますが、詳しいことはわかりません。

と、キノコの写真を撮りにいったわけではありません。個人的に参画している(公財)日本自然保護協会(NACS-J)主催の自然観察指導員講習会のお手伝いに行ってきました。

「自然観察から始まる自然保護」を合い言葉に、自然のふしぎを感じて、自然を愛する心を育てる観察会をリードする人たちを養成する講習会です。年齢は関係ありません。学生の先輩指導員が、父親以上の年齢の新人指導員に腕章を授けます。

この1泊2日の講習会の締めくくりは、受講生が自ら企画してミニ観察会を実践します。

工夫を凝らした観察会は、講師なんていう偉そうな立場で参加している私自身も「これ、もらい!」とうなるようなアイデアもあります。
みっちり二日間のハードな講習会ですが、たくさんのネタを吸収して相模原に戻ってきました。今後の博物館の活動に還元していきたいと思います。
(生物担当学芸員 秋山)

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金色の繭

今回は公開せずに飼育を続けてきた在来品種のカイコですが、今朝から熟蚕がちらほら出てきました。
まぶしへ移動したら早速繭をつくりはじめる律儀なカイコも!

少し時間が経ってから見てみると、だいぶ外枠ができています。
よく見ると、繊維が金色です。

そう、これは黄繭品種の乞食と小石丸の交雑品種で、繭色は黄色となります。
じつは昨日のうちにクワの葉でつくってしまったものもいて、こちらは外側がほぼ完成。

光沢こそありませんが、美しいですね。
同時に飼育している小石丸は、まだ熟蚕に達していないものが多く、成長のスピードも品種や系統によって違うことがわかります。それにしても、眼状紋が明瞭でかっこいい!

小石丸も1頭だけ繭をつくりはじめていて、こちらは白繭です。これはこれでまた美しい!

これから在来品種のくびれ繭を楽しむ日々が続きます。
(生物担当学芸員 秋山)

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有害生物調査 トラップ交換・浮遊菌調査

相模原市立博物館では毎年夏に,博物館資料に害を及ぼす生物の発生・進入状況を調査しています.捕虫トラップを仕掛けて調査します.トラップはエサのないゴキブリホイホイのようなタイプと虫をおびき寄せる薬剤の入ったフェロモントラップがあります.

今日は捕虫トラップを交換しました。

こちらはエサのないタイプのトラップです.地面を歩いたり這い回ったりする虫などを捕獲します.

こちらは飛んで移動する虫などを捕獲するフェロモントラップです.

こちらは地上を移動する虫などを捕獲するフェロモントラップです.

収蔵庫だけでなく,実験室や学芸員の仕事部屋でもある市民研究室にもトラップを仕掛けます.

また、今日は収蔵庫の空気中の浮遊菌についても調査しました.

これらの調査は専門の知識や技術を持った業者に委託して行っています.

(地質担当学芸員 河尻)

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博物館実習地質分野 展示制作

今日の地質分野の博物館実習は,展示の解説パネルを作りました。

展示する砂の顕微鏡写真を撮影しました.特別な装置を用いたわけではなく,デジタルカメラのレンズを顕微鏡の接眼レンズに近づけて撮影しました.

実習生が撮影した砂の顕微鏡写真です.

パソコンでパネルの原稿を作成しました.

プリントアウトして,糊付きのスチレンボードに貼り付け,余白を切り落とします.共通実習2日目で練習したことの実践です.

今日で,ほとんどのパネルを作ることができました.次回はいよいよ列品作業をして,展示を完成させます.

地質分野の実習は2週間ほど間が空いて次回は9月16日です.

(地質担当学芸員 河尻)

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生物分野、実習最終日です

こんにちは、生物分野実習生です。
今日は実習最終日です。
先日から進めていたミニ展示を完成させ、午後は動物標本クラブの方の標本作製を見学しました。剥製になるまでに、腐らないための工夫、美しく見せるための工夫などいろいろな手順があることが分かりました。

9日間という短い期間でしたが、展示解説のポイントや資料の扱い方等、学ぶことが沢山ありました。生きものミニサロンでは探り探りの準備で1回目は緊張しまくりの回となりましたが、2回目は寸劇も取り入れ自分たちも楽しんで実施することができました。
実習で学んだことを活かして、実習生ミニ展示が開かれます。9月中旬ごろ展示開始の予定ですので,是非いらして下さい。
実習で関わった方々、学芸員の皆さん本当にありがとうございました。

小堤、小林、坂和、高階

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「松橋さんの本棚」公開!そして「里のいごこち」会期延長!

館内の3カ所で展示中の相模原の動物写真展「里のいごこち」は、市内在住の生きものカメラマン、松橋利光さんの作品です。
その松橋さんから、展示を機にたくさんの著書を御寄贈いただきました。その名も「松橋利光さんの本棚」!2階喫茶室にオープンです。

ここに開架したのは、松橋さんの膨大な全著作の一部ですが、比較的新しいものがズラリ!動物園、水族館の動物から身近な野生生物、そしてペット動物など、表情あふれる動物たちの写真がたくさん掲載されています。もちろん、最新作の「里のいごこち」も、喫茶室でいつでも見ることができます。

そして今日は、先日の「小中学生のための生きもの教室」で参加者のみなさんが作ってくれた「さがみはらのどうぶつファイル」を掲示しました。松橋さんの写真に、参加者がそれぞれ分担して生態や特徴を書き込んでくれたものです。もちろん、松橋さん本人からその生きものの説明を聞いて(写真は今月25日のようす)、

著書を参考にしながら!

松橋さんの作品と子どもたちとのコラボレーション!すばらしいです!

そして!!「里のいごこち」とこの「どうぶつファイル」の展示は9月25日まで会期延長が決定しました!

一所懸命、自分たちの言葉で書き込んでくれたどうぶつファイル、ぜひご覧下さい。
(生物担当学芸員 秋山)

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着々と楽しく

今日は生物分野の実習生に代わって学芸員がブログを書きます。ナゼかというと、展示作業の大詰めで時間オーバーでがんばってくれたからです。パソコン上でのパネルの作成や・・

手描きイラストを入れたり、折り紙やペーパークラフトを貼りつけたりして、「見て欲しい」気持ちを前面にパネルづくりをしています。

今年の生物分野の実習生は、静かでおとなしいのに、いつもなにやら楽しそう。てきぱきと役割分担しながら効率的に仕事を進める一方で、

遊び心も忘れません。

「宿題」として考えてきたけど(その宿題も学芸員が出したものではなく、自分たち自身で課したものです)、ボツになったキャラクターデザインのおもしろさに、思わず「清書して!」と言ってしまいました。
仮設置した展示は、先日の生きものミニサロンの応用パネルもあるけど、ほとんど今朝からの作業で仕上げたものです。通常なら2日仕事の量でしょうか。

この展示は、9月17日から他の分野の実習生展示とともに特別展示室で展示します。お楽しみに!
生物分野の実習は明日が最終日です!
(生物担当学芸員 秋山)

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