生物分野実習(1日目)

初めまして!博物館実習生(生物分野)の小堤、小林、坂和、高階です。
今日から生物分野の博物館実習が始まりました!!

午前中は炎天下の中、葉山島に植物の採集に行きました。
相模川は昨日の台風により濁流でした。

水産技術センター内水面試験場では、名物研究員の勝呂さんから施設の説明をお聞きしました。

絶滅危惧種の保護にとても力を入れていて、ミヤコタナゴなど種の保全をしていくのは大変なのだなと思いました。

午後は二日後の「小中学生のための生きもの教室」で使用する、手羽先の軟骨の除去や図書の準備を行いました。

準備したことを活かせるよう二日後の生きもの教室を頑張ります!
実習生:小堤、小林、坂和、高階

※博物館実習とは、学芸員資格を取るために、博物館法で定められた大学のカリキュラムの一環として行われます。分野共通の実習を3日間行い、その後、6日間の分野別実習を行っています。共通実習1日目のようすはコチラです。

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ツバメまつり!

今日は午後から相模原動物標本クラブの野外活動で、ちょっと遠出をして中央自動車道沿いのとある場所へ行きました。目的は、この鳥です。

ツバメです。この鳥は私たち人間との距離がもっとも近い野鳥といえますが、繁殖期が終わる頃、集団で大規模なねぐらをもつことは意外と知られていません。その大きなねぐらが今日の目的地です。ちょっと時期が遅かったので、数は少ないかな・・と思っていたのですが、空が夕焼けに染まるころ・・・

あかね色の空をバックに飛ぶツバメの写真を撮っていたら、その数が見る見る増えてきました。

どんどんと多くなり、360度の大パノラマでツバメの群飛が始まります。

文字通り、空をツバメの群がうねります。その数、おそらく数万羽!

ひとしきり飛び回り、植栽木へと降り立ったのは、すっかり空が暗くなってから。

やっと落ち着いて眠りにつくツバメたち。ここに集まるツバメのほとんどが、今年生まれの若いツバメです。

これから試練の長旅が待っています。無事に秋冬を乗り越えられるよう、祈りながら家路につきました。
(生物担当学芸員 秋山)

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フヨウ、雲、セセリチョウ

今朝、出勤前に空を見上げたら、高積雲の半透明雲が出ていました。個人的に好きな雲です。

空が狭い住宅地なのであまりよい写真ではありませんが、このはかない雲を撮るにはロケーションで贅沢を言っているヒマはありません。
職場に着いてカイコのためのクワを採りに出たら、高積雲どうしが多層になって、かろうじて奥の方にまだ見えていました。せっかくなので満開のフヨウの花と一緒に撮ってみました。

高積雲の半透明雲は特に珍しい雲ではないのですが、穏やかな空に一瞬現れて、だいたいあっという間に消えてしまうので見られるとなんとなく嬉しい雲です。条件が良くてこの雲が一面に広がると、亀甲模様のように規則正しく雲片が並ぶことがあります。亀甲雲という名前がつかなかったのが不思議なくらいです。さて、クワの葉にはセセリチョウがとまっていました。

イチモンジセセリです。秋を感じさせるチョウに、またひとつ季節の移ろいを感じました。
(生物担当学芸員 秋山)

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最後の養蚕を語る

今日午後は、大会議室で養蚕講話5回シリーズの4回目として、「最後の養蚕~市内の養蚕事情~」 が行われました。
講師は、津久井地区最後の養蚕の当事者である緑区根小屋の菊地原稔さんです。

大雨洪水警報が発令される中でしたが、熱心な聴講者のみなさまにお集まりいただきました。菊地原さんは津久井町史編集委員でもあり、当館では展示や現地調査などさまざまな形でご協力いただいている方です。

現在、特別展示室内で展示されているミニ展示「最後の養蚕」も菊地原さんが平成22年秋に行った県内最後の養蚕のようすを記録したものです。
講義の合間の休憩時間にはカイコに繭を作らせる「まぶし」の歴史的な変遷がわかる実物資料を前に、多くの質問が飛び交いました。

伝統産業である養蚕の最後を見届けた当事者として、ノスタルジーだけではなく、農業経営の側面から「なぜ平成22年秋に県内で一斉に養蚕が最後を迎えたのか」という生々しいお話も伺うことができました。私も初めて耳にする内容が多く、大変勉強になりました。
(生物担当学芸員 秋山)

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今年も秋蚕は在来品種

再びカイコの飼育が始まりました!
昨年に引き続き、秋蚕(あきご=夏の終わりから秋にかけて育てるカイコは秋蚕と呼びます)は在来品種を飼育します。
在来品種の中でも抜群の知名度を誇る小石丸(3齢)です。

そして、美しい黄色の繭をつくる在来品種、乞食です。

昨年も書きましたが、このひどい品種名は繭色の黄色から「金色(こんじき)→乞食(こじき)」に転訛したと言われています。ふつうは逆だと思いますが・・。ちなみに乞食は斑紋がほとんど無い、いわゆる姫蚕です。
4齢以降に明瞭になってくるはずの眼状紋が、小石丸と比べるとほとんど見られないので、違いがハッキリしてきます。それはまた来週のお楽しみですね!
(生物担当学芸員 秋山)

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博物館実習 歴史分野スタート ~ミミズ文字に悪戦苦闘の歴女?=実習生たち~

8月上旬に3日間の博物館の共通実習を終え、本日から歴史分野の分野別実習が始まりました。今年の歴史分野では、4人の女子大学生を受け入れています。今日は、歴史関係の収蔵庫の案内などの後、古文書資料の目録作成を実際の史料を使いながら行いました。

古文書の目録作成について説明中!

今回使用した古文書は、旧家から寄贈された江戸中期から明治にかけての史料で、実物ですから当然活字ではなく、ほとんどがミミズのような「くずし字」です。普段大学で歴史などを学んでいるため歴女?である実習生たちもこれには悪戦苦闘していました。その分、くずし字が読めた時は、喜びはもちろんで、まさに感動している様子でした。

ミミズ文字に苦戦中①

ミミズ文字に苦戦中②

今回の実習はくずし字を解読してもらうことよりも、資料目録がその資料を収集、調査、保管、活用する上で、いかに重要であるかを実感してもらうことが主な目的です。資料目録の作成が必要不可欠でかつ大事な学芸業務であることをあらためて認識してもらえたと思います。

分野別実習は、あと5日間です。8/27(土)には勾玉等の古代アクセサリー作り、9/11(日)には原当麻周辺ぶらり歴史さんぽにスタッフとして参加し、そして9/17(土)からは各分野の実習生による企画展もありますので、歴女4人の実習成果をぜひ見に来てください。

(歴史担当学芸員 木村弘樹)

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野の花は秋へと移行中

毎日猛暑が続いていますが、ふと足下の野草のようすを見ると、すでに花々は秋へと移行しつつあります。
お隣の樹林地で咲き始めたヒメキンミズヒキです。

センニンソウは猛暑の似合う花ですが、立秋後の、やや斜めからの強い日差しの下に咲きます。

「秋まで咲くタムラソウ」のアキノタムラソウはもちろん、まだまだ咲いています。でも、やっぱりこの花が一番元気なのは初夏です。「秋まで咲く」はちょっとムリがあるのでは、と毎年この時期余計な心配をしてしまいます。

そういえば昨日の夕方、帰り道で珍しい雲の形を見ました。左上の方のような、正方形に近い雲の抜け方は、あまり見た記憶がありません。

少し前にSNSなどで、人気絵本のかわいいクマのキャラクター形の雲が出た!なんていう合成が一目で分かる写真が出回っていました。雲の出来かたと風による変形のしかたを考えるとそういう画像処理写真はすぐに見破れるのですが、この雲の抜け方はちょっとよくわかりませんでした。まあ、そんなこともあるかなと、少しトクした気持ちになりながら家路につきました。
(生物担当学芸員 秋山)

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台風一過のはずが・・

台風7号の接近で風に流れてきた渡り鳥がいるのではないかと思い、午前中、お休みをとって相模川へ行ってみました。

台風一過らしい澄んだ青空ではありますが・・
結局渡り鳥に影響を及ぼすような風は吹かず、市内の南から北へと相模川を流したものの、暑さからか、ふだんいるような鳥も静かであまり姿がない・・
独り立ちしたばかりのシジュウカラの若鳥を撮ったり、

咲き始めたマルバルコウの写真を撮ったり、

標識の支柱を突き抜けて伸びるクズのつるに驚いたり。

やっぱり8月は暑い!!ということを再確認して帰宅、出勤しました。
(生物担当学芸員 秋山)

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台風、雨、風・・

台風7号が太平洋上からまっすぐに関東地方へと向かってきています。
その影響で、博物館のあたりも午後から断続的な大雨となっています。ヤブランが満開ですが、大粒の雨に当たって痛々しい。

景色がけむるほどの降り方になったかと思うと・・

ちょっと明るい空が見えたりと、上空の雲がめまぐるしく動いていることが外の明るさや雨の降り方の変化からもわかります。

自然災害の危険がある台風接近を前にちょっと不謹慎ですが、自然を相手にしていつも感じるのは、台風は恵みの雨と風をもたらす存在でもあるということです。河原などはその典型ですが、台風も織り込み済みの自然環境というのが間違いなくあるからです。
そして、私たち鳥好きにとっては・・。
明日の朝、渡り鳥の中継地となっているような場所は珍客到来となっているかもしれません。ちょっとウズウズした気持ちがあるのも、正直なところです。
(生物担当学芸員 秋山)

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日差しとの競演、里のいごこち

博物館を入って総合案内カウンターの横を見ると・・

地階ホワイエなど3カ所に展示されている、相模原の動物写真展「里のいごこち」への誘導パネルです。
この博物館の建物は、外光を大胆に取り入れる構造になっています。展示施設は資料の保護のために外光を遮断するのが普通ですが、当館では差し支えのないスペースについては昼間、室内が外光でかなり明るいと思います。
だから、夏の日中はホワイエの床面に光がぺたんと落ちていることがあります。

展示スペースとしては外光は邪魔者になるのがふつうですが、今回はこんな感じに、写真パネルとうまく競演しています。写真のモチーフが「里」なのでなおさら演出効果をもたらしているのかもしれません。
特別展示室前にある「里のいごこち」展示のすぐそばの、朝のようすです。

ただの木もれびなのに、ちょっとドラマチック。
夏の日差しと写真の競演、ぜひお楽しみ下さい!
(生物担当学芸員 秋山)

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