星空と生演奏にうっとりした1時間でした。プラネタリウムオータムコンサート!

「宇宙を身近に感じられるまち さがみはら」で10月11日(水)16時15分から、市民会館とコラボしたオータムコンサートが行われました。昨年度に続き、2回目の開催となり、今年も大好評でした!

市民会館開催のランチタイムコンサートに出演された、林愛実さん(フルート)、櫻井音斗さん(パーカッション)、原礼以菜さん(電子ピアノ)が駆けつけてくださり、プラネタリウムで息の合った素晴らしい演奏を披露してくださいました。

素敵な生演奏と県内最大級・直径23mのプラネタリウムに映し出された満天の星や、曲のイメージに合わせた映像に酔いしれた会場の様子を紹介します。

あっという間に宇宙空間へ。宇宙での生演奏を堪能しました♪

当館名物、星空生解説!みんなで見上げましたね。

演奏は前半、後半に分かれており、間に星空生解説をはさみます。地上が明るいから見えないけれど、ほんとはもっとたくさん見られるそうです。写真はドームいっぱいに星座を一斉に示した場面。会場からは「お~!」というざわめきが聞こえました。

秋のメドレーを聴きながら・・

映像のどんぐりはなんと!当館で拾ったものをこのイベントのためにプラネタリウム操作スタッフが映像化してくれたそうです。ドームをくるくる回転してました。

国際宇宙ステーションからの眺め。最後の曲、瑠璃色の地球を聴きながら私たちの地球に思いを馳せ・・

鳴りやまない観客席からの拍手にアンコール曲を奏でてくださいました。会場の熱気は最高に。

お客さまの退場の際、お見送りをいただきました!!ありがとうございました🌟またお願いします。

星空の下で秋の音色の生演奏を堪能できました。あっという間の1時間でした。このコンサートはどなたでも鑑賞できるので、大人はもちろん未就学児のお子様のクラシックデビューにもおすすめです。10月から市内在住・在学の小・中学生は無料でプラネタリウムを鑑賞できるようになったことも影響してか、たくさんのこどもたちの姿もみられ、楽しい時間を過ごしてもらえたようでした。また来年もプラネタリウムコンサートが開催できますように・・!

(プラネタリウムイベント担当)

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考古分野も出張します!麻布大学いのちの博物館で出張ミニ展示

考古出張ミニ展示「コクゾウムシが教えてくれた!~縄文土器研究最前線~」

いのちの博物館エントランスにて展示しています。            生きたコクゾウムシもご覧いただけます。

7月~9月3日まで博物館で開催されていたミニ展示が、麻生大学いのちの博物館へ出張展示されています。現代人を悩ます米びつに潜むコクゾウムシの痕跡が、縄文土器から発見されました。コクゾウムシの生態からみえた当時の暮らしや思想と土器の新たな研究方法を紹介します。ぜひ、お立ち寄りください。

会期:11月30日(木)まで
午前10時~午後3時30分
(土・日・祝日ほか休館。詳しくは同館ホームページで)
会場:麻布大学いのちの博物館
料金:無料

入館:電話による事前予約制 ※入館希望日の3開館日までに同館へ
☎042-850-2520

展示(入り口側)

コクゾウムシの動画も見られます

 

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むかごの季節

博物館の駐車場に、ヤマノイモ(通称ヤマイモ)のつるが伸びています。

ヤマノイモのつる

よく見ると、つるの途中に黒いものが・・

むかご

これは「むかご」です。植物用語では、無性芽と言います。つまり、種子ではなく、クローンを増やす新しい芽で、これがぽろりと地面に落ちると、そこから根や芽が出て生長していきます。ヤマノイモのむかごは食用になり、これをご飯に混ぜて炊き、「むかごめし」が季節の風味として食べられてきました。
むかごには様々な形態があり、下の写真はコモチシダのむかごです。

コモチシダのむかご(明るい緑色の葉)

明るい緑色の葉がある時ぽろりと落ちて、そこから新しい植物体が成長します。コモチシダの名も、むかごに由来しています。昔から植物の性質をよく観察されていたことがわかりますね。
(生物担当学芸員)

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自然観察のヒント探し

10月7日、秋晴れの下、博物館前庭やお隣の樹林地で、自然観察学習会が行われました。これは、公益財団法人日本自然保護協会が主催する自然観察指導員の相模原連絡会「さがみはら緑の風」の新入会員を対象にした勉強会で、定期的に実施しています。この勉強会の受講者の中から、当館で行われる自然観察会のサポートスタッフになってくださる方が何名もいます。

身近だからこそ面白い自然観察実施中

今回のテーマは「得意な“定番”を持とう」です。「この季節なら、この場所なら、いつでもどこでも」という自分のお得意ネタを持っておけば、いつでもどこでも誰とでも自然観察会ができます。まずは、当館の「生きものミニサロン」などでも定番のプログラム、「落ち葉の色相環」です。

みなさんで力を合わせて落ち葉を並べます

みなさんで落ち葉を拾い、似た色同士が隣り合うように並べて環(わ)をつくります。

正確には「色相環」ではありませんが・・環にすることがミソです

その場で拾った落ち葉を並べただけで、こんなに美しい!
そんな身近な自然観察を中心に、みなさんでああでもない、こうでもないとディスカッションしながら歩きました。こんなアートな一瞬も。

木の葉に写った虫のシルエット

アカスジキンカメムシの幼虫でした。

同じ葉ではありませんが、近くでは至る所にいました!

カナヘビが日向ぼっこ。急に気温が低くなったので、少し体を温めてから動き出すのでしょう。こんな風景も秋を感じる一瞬です。

日向ぼっこ中のカナヘビ

駐車場では、樹木の状態に詳しい参加者から、洞(うろ)が広がってしまったミズキの状態を教えていただきました。

幹を叩くと、方向によって音の高さが異なりました

教える、教わる、という関係だけでなく、双方向のコミュニケーションで全員が学び楽しむ会となりました。
(生物担当学芸員)

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野鳥の世界も秋

相模原市内ではないのですが、10月5日に近接地域の緑地へ調査へ行っていたら、モズの高鳴き(秋のさえずり)が聞こえてきました。モズは主に肉食性なので、秋から冬も1羽ずつなわばりを持ち、食糧を確保します。声の方を見ると、ネムノキの枝上でなにやらくわえています。

カナヘビをくわえたモズ

くわえられていたのは、カナヘビでした。まだ抵抗して動いています。食べるわけではなく、枝におしつけるような動作を繰り返していましたが、そのうちモズはカナヘビをくわえたまま飛び去りました。

カナヘビをくわえたまま飛ぶモズ

しばらくして戻ってきたら、すでにカナヘビはいません。その前の動作から推測すると、おそらく食べたのではなく、どこか尖った枝などに串刺しにしてきたのでしょう。

戻ってきたモズ

モズは秋の後半から冬にかけてこうした行動をとり、「モズのはやにえ」と呼ばれています。貯食の意味もあると言われていますが、そのわりには、捕まえた虫やカエル、時にはメジロやモグラといったものまで、目立つ場所に堂々と刺してあります。おそらく、なわばりの誇示の意味もあるのでしょう。
残念ながら今回は「はやにえ」となった状態そのものは見つけられませんでしたが、これからの季節、モズのいる場所にはたいていありますから、また紹介したいと思います。
近くでは、エゾビタキがミズキの果実を食べていました。

ミズキの果実を食べるエゾビタキ

エゾビタキは北方で繁殖し、東南アジアなどで越冬するため、秋には日本各地の緑地や公園を通過します。ミズキが渡り途中の野鳥の栄養を支えていることがよくわかります。
ここ数日ですっかり秋めいてきました。野鳥の世界はすでに秋風が本格的に吹いています。
(生物担当学芸員)

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【開催中!】市史ミニ展示 日露戦争と市域の村々<鈴木重光コレクション>

現在、当館の常設展示室内で市史ミニ展示を行っています。

テーマは「鈴木重光(しげみつ)」です。
鈴木重光(1887~1967)は旧津久井郡内郷村の民俗研究者・郷土史家です。
民俗研究者の柳田國男とも親交が深く、多くの著作を残しています。

鈴木重光(一番左端)

展示の様子

当館では鈴木重光が集めた資料約8万点を収蔵しています。
近年、当館歴史ボランティアグループである「水曜会」により目録が整備され、その全体像が明らかになりました。いずれも明治~昭和の貴重な資料です。

今回は日露戦争に係る貴重な写真やイラストを展示しています。
このころ流行した風刺画や戦場の状況を伝える写真から、日露戦争がどのように報じられたのか、改めて考えるきっかけになればと思います。
また、市内の戦没者慰霊碑にも注目し、併せて紹介しています。

機関銃をみる日本軍兵士たち

118年前の風刺画(1905年刊行の冊子)

このミニ展示は10月22日(日)まで開催していますので、ぜひご覧ください。
また、10月末には内郷村周辺の民俗をテーマとして、展示の内容を変更しますので、お楽しみに。

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天高くタカ渡る秋

9月下旬から10月上旬になると、市内緑区の高台には、20人以上のバードウォッチャーが集まります(休日には50人前後になることも!)。目的は、タカの渡りの観察です。毎年秋、タカの仲間のサシバという鳥が、集団で南方へ渡る様子が観察できるポイントなのです。ただし、「いつ飛ぶか」は、天候や風向きなど様々な要素が絡み合うため、渡りを狙うには、周辺の観察地の状況をネットで見たり、週間天気予報を随時チェックしたりと、株のトレーダーさながらの「読み」が必要とされます。
そんな10月2日は、一つのピークと言える数のサシバが飛びました。

サシバのタカ柱 タカ柱には、理屈ではない感動があります

この日は午前中の早めの時間から断続的に群が旋回して上昇し、西へ流れていく様子を観察できました。大きな群れは、11時台の約40羽と、13時台の約50羽、合計で200羽近い渡りを記録しました。
どこからともなく現れたサシバの群が、数十羽で旋回しながら上昇する様子は「タカ柱(ばしら)」と表現されます。悠然と旋回していたかと思うと、上の方の個体から順次西へ猛スピードで滑空していくのを見ていると、大自然の営みの中に身を置いている感動を覚えます。

頭上を西へ滑空していくサシバ

たまたま、単独で低空を飛んで行った個体もいましたが、基本的には群で上昇気流に乗って高空へ旋回、上昇し、東風に乗って西へ滑空するという動きを繰り返しながら渡ります。

比較的低空を飛んだサシバ

この日はサシバだけでなく、少し大型のハチクマも少数ですが渡りました。

ハチクマ とても高い上空を飛んでいました

さらに、ハヤブサも!

ハヤブサも一部の個体は渡ります

タカやハヤブサだけでなく、ヒヨドリも小群で渡ります。

ヒヨドリの群れ

タカの渡りは全国的な情報網が確立され、特に今世紀に入ってからはネット上で随時、全国の速報を見ることができます。今年は、特に太平洋側の観察ポイントはやや遅めに渡りが進んでいるようです。9月中はなかなか飛ばなくてやきもきしましたが、この1日でそんなことをすっかり忘れさせてくれる、ダイナミックな渡りを見せてくれました。
(生物担当学芸員)

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ノビタキの技

9月27日、市内緑区のある草地で、ノビタキを見ました。ノビタキは春から夏は北日本や標高の高い地域で繁殖し、越冬のために南下する途中、市域の水田地帯や河川敷などに立ち寄っていきます。このような鳥を、渡り鳥の区分では「旅鳥(たびどり)」と言います。

ススキにとまってあたりをうかがうノビタキ

ススキにとまってあたりをキョロキョロ見まわしていたかと思ったら、突如飛び立って、イナゴの仲間をパクリとくわえました。

イナゴめがけて飛び出しました

しっかりキャッチ!

見事なフライングキャッチ!ヒタキの仲間は、こうして止まり木からフワッと飛んで昆虫を捕食する習性があります。それにしても、チョウやカゲロウなどのようにフワフワ飛んでいる昆虫ではなく、直線的に素早く飛ぶイナゴを捕まえるとは、技ありの瞬間でした。
(生物担当学芸員)

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ススキとオギ

今年の十五夜は9月29日です。中秋の名月を愛でることはできるでしょうか。
十五夜と言えば、ススキと月見団子です。身近な場所にススキは生えているでしょうか。河原や、ちょっとした空地のような場所に生えていますが、実はススキと私たちが呼んでいる植物の中に、そっくりだけどちょっと違うものが含まれているのをご存じでしょうか。ススキはこちらです。

ススキ

そして、よく似ているけど別種である、オギがこちらです。

オギ

おそらく、よほど植物に詳しくなければ、この両者は区別されていないと思います。どこが違うかというと、穂を拡大して見るとわかります。ふさふさした穂の1本の、さらに、そこに並んでついている粒の一つを「小穂(しょうすい)」と呼びます。イネでいうところの、お米の1粒にあたる部分です。図の方がわかりやすいので、下の図(当館作成)を比べてみてください。

ススキの小穂

オギの小穂

上がススキで、下がオギです。違いは、小穂の先から1本長い針状の毛が伸びています。これを「芒(のぎ)」と言います。根もとから出ているフワフワの毛は短めです。オギの方は、この芒が無くて、根もとから出る毛が長く伸びています。穂を全体的に見てもわかりにくいので、穂の1本をつまんで曲げてみます。すると、ススキの方は芒がピンと立ち上がって見えます。

ススキ 芒が1本ツンと立ち上がる

オギは芒が無くて、毛が目立ちます。

オギは芒がありません

ほかにも、ススキは束生(そうせい)といって株がまとまって束のように出るのに対して、オギは1本ずつ地面から伸びます。また、ススキは乾いた場所に多く、オギはどちらかというと湿り気のある場所に多いという特徴があります。でも、博物館のそばにも隣り合って生えている場所もあり、生育環境ではっきりとは分けられません。
と・・ここまで詳しく述べておきながら・・十五夜にオギを飾ったところで、何の問題もありません。むしろ、オギの方が全体的にフワフワしていて雰囲気が出るかも。とってきて飾ったのがどちらの植物か?ちょっと調べてみると楽しいかもしれません。
(生物担当学芸員)

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地質分野実習 ~展示解説編~

こんにちは!地質分野の実習生です。

今年の地質分野の実習では、ミニ展示「関東大震災と相模原」の「相模原市緑区鳥屋の地震峠の地形と石造物」のコーナーを担当しました。

実習最終日(9月24日)は、実際に来館された方に向けて私たちの展示の解説を行いました。

様々な方が来館されていたため、それぞれに合わせて解説をすることを心掛けました。

熱心に聞いて下さったり、展示の感想をいただけたり、来館された方とコミュニケーションをとることができて嬉しかったです。

日曜日ということもあり、沢山の方に足を運んでいただきました。ありがとうございます!

私たちが制作した展示『相模原市緑区鳥屋の地震峠の地形と石造物』を通じて、関東大震災のことを知り、地震や防災のことを考えるきっかけになると嬉しいです。

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