【市民学芸員かわら版】魅力あふれる相模湖

4月9日(火)から、当館1階情報サービスコーナー入口横の定位置に市民学芸員かわら版の最新号を掲示しています。
第14号となる今回のタイトルは、「潤水都市さがみはらPart3 魅力あふれる相模湖」です。

近くに休憩コーナーもあります!

「市民学芸員かわら版」とは、当館の博物館ボランティア「市民学芸員」の情報発信チームが作成する壁新聞です。テーマ選定から情報収集、記事のレイアウトまで全て市民学芸員が行い、自然・歴史・文化に関する様々なトピックスについて、市民目線を取り入れながらわかりやすく紹介しています。

今回は、旧相模湖町の町名にもなった市内の人造湖「相模湖」をテーマに、歴史・ 生き物・特産品・観光スポットなどの切り口からその魅力を伝えています。
トピック別に色分けし、見やすく記事をレイアウトしたところも市民学芸員による工夫点です。

市民学芸員かわら版「魅力あふれる相模湖」

タイトルに‟Part3”とあるとおり、これまで津久井湖、宮ヶ瀬湖と「潤水都市さがみはら」が有する豊かな水資源を紹介してきたシリーズの第3弾となります。

今月末には待ち遠しいゴールデンウィークがやってきます。市民学芸員かわら版をチェックして、これからグリーンシーズンを迎える相模湖におでかけしてみてはいかがでしょうか?

(歴史担当学芸員)

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木もれ日に照らされるキノコ

4月16日、博物館お隣の樹林地を歩いていると、キノコがポコポコと出ていました。

アミガサタケの仲間

アミガサタケの仲間です。落ち葉にまぎれてしまう色合いですが、木もれびを受けて傘の濃淡が目立つ時間帯には見つけやすくなります。このキノコ、フランス料理ではモリーユ、イタリア料理ではモリケッタと呼ばれ珍重される食材のようです。ただ、国内で秋に多く発生する著名な山のキノコと比べて特別美味しいとも思えませんが(個人の感想です)、毎年同じ場所に出るとは限らない希少性が滋味を加えているのかもしれません。
駐車場の脇に植えてあるクワの木を見ていたら、ハラグロオオテントウの成虫がいました。

ハラグロオオテントウ

こちらは西日本から徐々に分布を広げてきて、この5年ほどの間に市内でも見られるようになった昆虫です。体長は1センチメートルを超えるものが多く、国内最大のテントウムシです。クワの葉を食害するクワキジラミという昆虫を食べてくれるので、カイコを育てるには都合のよい虫なので、大切に見守っています。
(生物担当学芸員)

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相模原ふるさといろはかるた、れんげの里あらいそで出張展示中!

4月11(木)から5月14日(火)までの期間、れんげの里あらいそ(南区新戸)でミニ展示「相模原ふるさといろはかるた」を開催しています。

施設に入ってすぐの展示ホールで展示しています!

「相模原ふるさといろはかるた」とは、市内47か所の名所・旧跡を紹介したかるたで、当館の博物館ボランティア「市民学芸員」が7年がかりで制作したものです。
これまで、麻布大学いのちの博物館吉野宿ふじやでも出張展示をしましたが、今回はかるたで‟た”の札になっている「相模の大凧」にゆかりの会場での開催です。

‟た”の読み句「端午(たんご)の空 相模の大凧 舞い揚がる」

出張展示を開催している相模の大凧センター展示ホールは、世代交流型複合施設「れんげの里あらいそ」の一部で、訪れる人に本市の伝統「相模の大凧」の魅力を伝えています。ホール天井に展示されている「相模」の文字が力強い大凧は「7間凧(ななけんだこ)」とも呼ばれ、その大きさは12.1m四方、たたみ88畳分に相当します。
大迫力の大凧展示や「相模の大凧まつり」などの映像とともに、「相模原ふるさといろはかるた」展をお楽しみください。

展示設営はもちろん、かるたの制作者である市民学芸員自ら行いました。

手際よくパネルのピン打ちをこなします。

博物館活動で磨かれたスキルにより、パネルのピン打ちなどの設営作業はお手のもの。手際よく展示を仕上げ、最後は参加メンバーで仲良く記念撮影しました。

展示設営に参加した市民学芸員のメンバー。

設営日の4月10日(水)は雲一つない晴天で、施設のお向かいにあるJR相模線沿いの桜並木が青空に映えてとてもきれいでした。

JR相模線沿線の桜並木

おでかけが心地よいこの季節、かるたで楽しく市内の自然や歴史、文化を学べる「相模原ふるさといろはかるた」展をぜひご覧ください。

(歴史担当学芸員)

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春の勢い

博物館周辺の植物を見ていると、春の勢いを象徴しているように、次々と花が咲いたり、新緑が広がっています。
こちらは上向きの葉が日に日に広がるミズキです。

ミズキの若葉

カントウタンポポは、葉が地面に円を描きつつ、すくっと花茎を伸ばして咲いています。

カントウタンポポ

アケビもつるの途中から花を垂らしています。こちらは大きくて色の濃い雌花です。

アケビの雌花

こちらが雄花。少し小さく、色が薄めです。

アケビの雄花

ヌルデはバンザイするように葉を広げつつあります。これからあっという間に大きな葉を展開するはずです。

ヌルデの新芽

地面の緑もどんどん濃くなっています。今年はフデリンドウの花が遅めなので、ほかの植物に埋もれてしまうのではないかとちょっと心配です。
(生物担当学芸員)

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二つのキイチゴ

ラズベリーというとジャムの種類を思い出しますが、原料はキイチゴ(木苺)の一種です。在来種のキイチゴもたくさんの種類があり、身近なところにも生えています。博物館周辺の樹林では今、2種類のキイチゴの花が満開です。
その一つ、ニガイチゴです。

ニガイチゴの花 上向きに咲くのが特徴

梅雨の頃に実る果実は赤く、甘みもあって美味しいのですが、その名のとおり、小核(タネの部分)をかみ砕くと苦みが出ます。

梅雨のころに実るニガイチゴの果実

もう一種は、モミジイチゴです。

モミジイチゴの花 下向きに咲きます

果実の味は酸味と甘みのバランスがとても良く、美味しいです。

春の終わりころに実るモミジイチゴの果実

ただし、キイチゴ全般に言えることですが、野生のキイチゴの果実にはたいてい、アリがついています。見つけていきなり口へ入れないよう、注意が必要ですね。
(生物担当学芸員)

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ギフチョウの春

4月7日、市内緑区でギフチョウを観察しました。この場所は、「ギフチョウとその生息地」として神奈川県の天然記念物に指定されています。発生する山の麓の、ミツバツツジの花で吸蜜する様子を撮影しました。

ミツバツツジで吸蜜するギフチョウ

薄紫色のミツバツツジをバックに飛ぶ姿は、幻想的です。

突然現れては、すっと飛び去っていきました

3月下旬から4月上旬の数週間しかその姿を見ることができず、しかも晴天時でないと極端に目撃のチャンスが減ってしまいます。この日は太陽が傾き始めた午後の遅い時間帯になって盛んに飛び回ってくれました。

ミツバツツジとギフチョウ

県内では唯一の発生地なので、これからも見守っていきたいと思います。
(生物担当学芸員)

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桜満開宣言とともに…令和6年度新採用職員研修の講師を務めました。

4月5日(金)、当館歴史担当学芸員が新採用職員研修の講師を務めました。

この研修の「相模原の歴史」というプログラムでは、例年博物館が講師を担当しています。以前、10月採用の研修の様子をこのブログでも紹介しましたが、今回は1年間で最も採用人数が多い4月期の研修ということで、本年度に入庁した総勢140名以上の新採用職員に向けて相模原市の歴史についてお話をしました。

新採用職員がズラリ!

「相模原の歴史」というと、田名向原遺跡勝坂遺跡といった国指定されている特徴的な遺跡や、戦国時代に小田原北条氏の支城として有力視されていた津久井城、1937(昭和12)年の陸軍士官学校移転を皮切りに続々と市内に軍事施設が建設された「軍都計画」など、なかなか持ち時間の30分間だけでは語り尽くせません。

時間の都合上かなり省略した部分もありましたが、受講生は集中して講義を聴いていたようです。途中に出題したクイズは予習が必要な難易度にも関わらず、10名近くが全問正解しました。

講義に集中しています。

この日は相模原市で桜満開宣言されたこともあり、見頃を迎えた桜の名所「市役所さくら通り」を講義後に訪れると、まるで桜のトンネルのようでした。

市役所さくら通り

新採用職員がこの研修で学んだことをそれぞれの職場で活かし、1日でも早く市民の皆さまのお役に立てるよう、博物館としても引き続きサポートしたいと思います。

(歴史担当学芸員)

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生きものミニサロン「踏まれそうなフデリンドウ保全大作戦!」を実施しました!

4月6日、今年度の第一回目となる、臨時の生きものミニサロンを実施しました。テーマは、「踏まれそうなフデリンドウ保全大作戦!」です。今年はソメイヨシノと同様に、少し開花が遅れていたフデリンドウが、やっと開花しました。

やっと開花したフデリンドウ

しかし、ある程度明るい場所を好むフデリンドウは、樹林地内でも少し開けた遊歩道沿いの、踏まれてしまいそうな場所にも開花してしまいます。そこで、咲き始めのこの時期に、そうしたフデリンドウのまわりに小さな杭を立てて保護します。

杭を立てたところ

臨時で生きものミニサロンを実施したのもこのためで、今回の参加者のみなさんにこの重要なミッションをお願いしました。はじめは小さなフデリンドウがなかなか見つからないのですが、目が慣れてくると次々と見つけられます。

みなさんとフデリンドウ探し

最後に見つけたのは、開花前のつぼみです。

開花前のつぼみ

ここにもしっかりと杭を立ててもらいました。

力をこめて杭をさしています

これから2週間ほどがフデリンドウの見ごろです。

バス停近くには比較的大きな株も見られます

博物館へご来館の際は、バス停近くの植込みの中にも咲いていますので、ぜひご覧ください。
次回の生きものミニサロンは、4月20日(土)12時からです。お気軽にご参加ください!
(生物担当学芸員)

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生きものミニサロン、今年度も毎月実施です!

毎月恒例の生きものミニサロン、今年度も毎月実施します!
そして4月はなんと、明日4月6日に第1回を実施します。博物館周辺を代表する花、フデリンドウの開花が今年は遅めです。そこで、遊歩道などで踏まれそうな場所に生育しているフデリンドウのつぼみを探して、そこに目印を立てます!題して「踏まれそうなフデリンドウ保全大作戦!」

一昨年のミニサロンで実際に作業している様子

この1週間ほど、不安定なお天気が続いていますが、気温は着実に上昇しています。ソメイヨシノも満開が近いので、フデリンドウの開花も一気に進みそうです。

フデリンドウ 昨年の開花の様子

4月の生きものミニサロンは2回、4月6日と4月20日、12時~12時30分です。申込不要、参加無料なので、お気軽にご参加ください。
5月以降の日程もこちらに公開しました。
今年度も楽しく身近な自然観察を楽しめる、生きものミニサロンをよろしくお願いします!
(生物担当学芸員)

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ここにもサクラ咲く

3月29日には相模原市でサクラの開花宣言が出され、4月4日現在、市内の桜並木も日に日に桜色に染まりつつあります。そんな中、博物館お隣の樹林地内で、こんな花を見つけました。

裁断された幹に咲いている花

2月初旬に降った雪によって、樹林地内ではかなりの倒木がありました。そのうちの1本が、ヤマザクラの大木でした。雪の重みによって根もとで割けるように倒れたのです。

ヤマザクラの切り株

それが道路沿いに張られたフェンスへもたれかかってしまい、危険な状態だったため、短く裁断された枝が現場に残されています。その枝から伸びていた花芽が開花したのです。

ヤマザクラの花 通常の花と比べてもなんの遜色もなく咲いています

裁断されてから1か月ほどなので、幹には十分水分が保たれていたのでしょう。ちょっと痛々しくも見えますが、植物の生命力も感じます。
すぐそばのソメイヨシノもあと数日で満開になりそうです。咲き始めからおおよそ1週間で満開、それから見ごろが1週間続きます。春のお天気は変わりやすいので、その間の雨風のたびに「サクラが早く散ってしまう」と心配の声が上がります。しかし、花弁は多少の風や雨、低温などで散ったり、散るのが早まったりはしません。順次咲いていったサクラの花の中で、散るべきタイミングの花弁が風などをきっかけに散っているだけなので、ご安心ください。
(生物担当学芸員)

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