テッポウに注意!

先日、このブログでアザミ注意報を発令しました。今回はテッポウ注意報です。
なんて物騒な!でも、この植物の名前なのでしかたありません。今朝、博物館の前庭に咲いていました。

シンテッポウユリという外来植物です。テッポウユリとタカサゴユリをかけ合わせた園芸植物と言われていますが、形質がばらついているのでもはや園芸的なコントロールを外れ、どんどん野外で繁殖を繰り返しているのでしょう。天然の植物ではないことは確かです。
しかし、見た目も清楚な美しい植物です。芽生えて伸びてきても、なんとなくありがたい花が咲きそうな雰囲気があるため、抜かれずに家々の庭先や垣根沿いにぽつぽつと広がっています。わざわざ植木鉢へ植え替えてあるのもよく見かけます。

でも、この時期たとえば高速道路の法面などを注意して見ていると、このシンテッポウユリだらけになっている場所がたくさんあります。放っておくとそこいらじゅうに広がります。博物館に咲いたこの株も数日前に伸びているのを見つけたのですが、花の写真を撮ってから、ということでとりあえず監視していました。今朝、咲いたので抜き取り、標本にしました。
この植物も、甘く見ない方がよいものです。無害なようですが、無節操にはびこってしまうのは避けたいので、博物館の敷地からは排除していこうと思います。
(生物担当学芸員 秋山)

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ツバメ、飛ぶかな?

前の記事でご紹介した「小中学生のための生きもの教室」に向けていま、パソコン上でこんなものを作っています。

ツバメのペーパークラフトです。
生きもの教室の第一部で、鳥の体の構造について学んでいただこうと考えていて、その中で工作してもらうつもりです。
試作品はこんな感じです。

そのままでは飛ばせないけど、前におもりをしっかりつければ軽く飛びました。でもダブルクリップはちょっと痛々しいですね。
当日までに、もうちょっと見た目もよく飛ばせるように改良したいと思います。
(生物担当学芸員 秋山)

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追加募集中!「小中学生のための生きもの教室」

今年も8月25日(木)に「小中学生のための生きもの教室」を実施します。
写真は去年のようすです。

午前中は、模型などを使って動物の体のしくみを実習。午後は、生きものカメラマン松橋利光さんや、ペットショップオーナー後藤貴浩さんの指導で生きものの生態を学んだり、本物の生きものが登場しての「生きものの持ち方教室」!

なんと今年はまだ定員に余裕があります!

ご希望の方はお電話で博物館(750-8030)へお申し込みください。市内外は問いませんが、小中学生のみです!
 8月25日(木)10時~15時
 小学4年生から中学3年生
 相模原市立博物館実習実験室
 申し込み制(定員30名)定員に達し次第締め切ります。

ちなみに、8月27日の「古代アクセサリー作り」も追加募集が出ています!こちらもぜひどうぞ!
(生物担当学芸員 秋山)

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子ども鉱物教室「鉱物のふしぎ」2日目

はじめまして。今回は地質分野の学芸員実習生の3人がブログをアップします。今日は小・中学生を対象とした子ども鉱物教室「鉱物のふしぎ」という教育普及事業を行いました。

前回は7月31日にミョウバンの結晶づくりを行いました。前回育てた結晶の観察と鉱物の硬さ比べをしました。

講師は相模原市立博物館学芸員の河尻さん。また、ボランティアで相模原地質研究会の方、相模原青陵高校地球惑星科学部の方々にご協力していただきました。

午前中に私たち3人は教室の準備を行い、午後2時から教室が始まりました。

前半は前回育てた結晶の観察をしたり、結晶が育っていく様子を映したビデオを見ました。中でも、河尻さんが半年育てた大きな結晶を見せると、子どもたちから驚きの声が上がりました。

後半は6種類の鉱物と爪と釘の硬さを調べました。

鉱物どうしを擦り合わせて、どちらに傷がつくかで硬さを比べました。8種類の硬さの順番を決めるのには皆さん苦労していましたが、親子や友達と相談しながら楽しそうに取り組んでいました。

私たちもミョウバンの結晶作りと鉱物の硬さ比べを体験しましたが、苦戦しながらも楽しみながら学ぶことができました。

桜美林大学 大和
東京都市大学 芦港
日本大学 佐野

 

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「夏休み親子天文教室」ご参加ありがとうございました。

今日8月6日に、「夏休み親子天文教室」を実施しました。
事前に購入した「望遠鏡工作キット」を講師の説明にしたがって作った後、近くの小学校に移動して、実際に「月」や「星」を観る毎年人気のイベントです。
工作の前に、まずは「望遠鏡のお話し」です。望遠鏡の仕組みやいろいろな種類についての興味深い話がいろいろとありました。

お話しが一段落したところで、みなさん事前に購入したキットを手元に用意して、いざ工作開始!講師の説明にしたがって、一つ一つ進めていきます。同じような部品がいろいろと入っていますが、ボランティアのみなさんに分からないところを質問しながら、徐々に作業を進めていきます。

徐々に「望遠鏡」の形になってきましたね。ゴールまであと少しです。あせらず慎重に進めていきましょう。

みなさん徐々に完成してきました。完成後は、ホワイトボードにつけた、「土星」等の的をめがけて事前練習です。上手く見えましたか?

これから少し早いですが、夕食を軽く食べて、「プラネタリウム」に移動します。ここでの最終講義が終わったら、いよいよ、近くの小学校へ移動して実際に天体を観ます。お空の様子はどうでしょうか?どうかお月様月やお星様がよく観えますように。

さあ小学校へ到着。空の状態は、なんと、「お月様」がはっきりと観えます!そして星ぼしも!講師の説明を受けた後、待ちに待った「観望タイム」です。持ってきた三脚に、作り立ての自作の「望遠鏡」を設置して、観たい天体に焦点を合わせます。


暫くして、「月が観えた!」等の驚きや喜びの声があちこちから聞こえます。最初は、お子さんの声ばかりでしたが、そのうち大人の方からも同じ様な声が出始めました。今日は天気も良く、予定時刻の8時まで、じっくりと観れました。名残惜しいですが、きりのいいところで、講師の方からの終了のあいさつの後、現地と博物館に戻る組に分かれて解散です。皆さん、気を付けてお帰り下さい。
今回は天体の見方等については、ほんの少ししか触れられませんでしたが、今日作った「手作りの望遠鏡」と三脚を使えば、自宅やそれ以外のいろいろな場所で天体が観れます。今後は自分で、思い思いにいろいろな方法で使ってみて下さい。
講師の方、ボランティアの方、そして参加者のみなさんのご協力のもと、今年も無事に終了出来ました。長時間に渡り、ご協力等いろいろとありがとうございました。来年もまた、たくさんの方の参加をお待ちしております。

(博物館 高橋・福井・有田)

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吉野宿ふじや「甲州道中と半原宮大工作品資料」展 半原宮大工矢内家第14代曾孫弟子鈴木光雄氏の講話・展示解説

7/15から吉野宿ふじやで企画展「甲州道中と半原宮大工作品資料」展を開催中です。今日は、その関連事業として、展示協力者である半原宮大工矢内家第14代曾孫弟子鈴木光雄氏の講話と展示解説がありました。

宮大工道具が並ぶ中、講話のはじまりです

今回の展示テーマである「半原宮大工」とは、愛川町の半原にいた宮大工の矢内家です。矢内家は江戸時代中ごろから約200年間5代にわたり活躍した宮大工で、江戸城の造営や修復などを行う作事方を務めました。
今回の展示では矢内家が手がけた甲州道中周辺の本堂、社殿、神輿などを紹介し、また、宮大工の匠の技を知る展示として、ノコギリ、チョウナ、ノミ、カンナ…などの多種多様な大工道具などがズラリと並んでいます。

こちらの部屋も満員状態です。

 今日の講話・展示解説は、新聞などの周知もあったためか市内のみならず市外からも多くの参加があり、会場内は満員状態でした。しかもみなさん鈴木光雄さんのお話に真剣に耳を傾け、そして道具の解説にも真剣な眼差しを向けていました。

神輿の図面を解説中!

 この企画展は8/31まで開催しております。まだご覧になっていない方は、ぜひ宮大工の匠の技を実感しに、吉野宿ふじやまでご来場ください。

(歴史担当学芸員 木村弘樹)

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お余所の観察会

今日はお休み番。でも、水モノの調査用具一式を持って県西部のとある谷戸へと自家用車で向かいました。

なんてすばらしい風景。故郷に近い地域にある谷戸です。
今日はここで、子どもの頃からお世話になっている方が観察会を行うということでそのお手伝いに行ってきました。
小さなお子さん連れの親子がたくさん!相模原植物調査会のメンバーで水生昆虫に詳しいSさんなど3名の精鋭も同行してくれました。

数十分採集して、とれたものをみんなで確認。さすがSさん、水生動物のちょっと驚きな形態や生態を織り込みながらの解説にみなさんくいついています。

ひとしきり採集したあと、観察できた生きものをスケッチ。みんな、パッと集中してササッと上手に描いてくれたのにはほんとうにびっくりしました。

最後の方に登場のトウキョウダルマガエル。

植物は特に扱いませんでしたが、水路脇にたくさん生えていた、大好きなカヤツリグサ科の植物を。

ヒメクグと言います。丸い小さなぼんぼりのような花穂がかわいい。じつは小さい頃に家の裏にたくさん生えていて、この植物でよく遊びました。でも、家にある図鑑をいくらめくっても名前がわかりません。そう、当時の子ども向けの図鑑ではカヤツリグサ科なんてマニアックなものはほとんど扱っていなかったのです。ほぼ大人になってから偶然名前を知り、なんだか初恋の人に思いがけず会ってしまったような不思議な気分になったことを思い出します。
故郷の暑い夏、大汗かきながらの楽しい観察会でした。
(生物担当学芸員 秋山)

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博物館実習3日目 共通実習3日目

博物館実習3日目の今日は展示解説の実践です.

常設展示室から資料を1点選んで,3分間の展示解説をします.実習生や学芸員の前で解説します.

午前中は解説をする資料の選定をして,解説のシナリオを作成します.
まず,常設展示室で解説する資料を選定します.選んだ資料によっては解説が難しくなる場合もあるので,資料選定は重要です.

解説する資料が決まったら,文献を調べ,解説のシナリオをつくります.

午後からは,一人ずつ常設展示室で展示解説を行いました.時折,一般の来館者も足を止めて解説を聞いていきます.
トップバッターは自然歴史展示室入り口にあるマンモスを選んだ実習生です.一番最初はかなり緊張します.

一番最初でなくても,やはり緊張します.それでも,クイズを出したり,手を上げてもらったり,触れられる資料に触らせたりと工夫を凝らして解説を行っていました.


5年次研修の先生方も,実習生と同じように解説を行いました.聞き手の引きつけ方などの話術はさすがです.実習生も参考になったと思います.

共通実習はこれで終わりです.今後は分野別の実習となり,日程も分野によって異なります.どんな分野別実習になるのか楽しみです.

(地質担当学芸員 河尻)

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やっぱりアブラゼミ

今年の博物館周辺のセミはちょっと寂しげです。ニイニイゼミの鳴き出しが遅くて少なく、アブラゼミもとても少ないです。通常は梅雨明けをはかったかのようにニイニイゼミからアブラゼミへバトンタッチ、ものすごい喧噪で鳴くのですが、今年はさっぱりです。そうこうしているうちにツクツクボウシが昨日から鳴き始めました。ヒグラシも7月中旬から鳴いています。
でも、樹林地内には抜け殻が目立ってきました。

鳴き声が少なくても、やっぱり目立つのはアブラゼミばかりです。ほかのセミがわりと木の幹などにこだわるのに、アブラゼミは杭でもロープでも、または上の写真のようなクズのつるにも器用に登って、所構わず脱皮をするということなのでしょうか。歩きながら目に付く大きめの抜け殻を見ると、ほぼ9割方、アブラゼミです。
それだけに、ほかの種類の抜け殻を見つけるのが宝探し的でちょっとおもしろくなるのも事実ですが・・。時間ができたら抜け殻探しに行こうと思います。
(生物担当学芸員 秋山)

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博物館実習2日目 共通実習2日目

今日の博物館実習は資料の取り扱い実習です.
自然系資料と人文系資料を取り扱った他,パネルの作成実習も行いました.

自然系資料の取扱いでは,押し葉標本の作成を行いました.担当学芸員から説明を受けた後,実際の作業はボランティアの相模原植物調査会の方から指導を受けました.

押し葉標本の作成の後は,標本が収蔵されている様子を見るために収蔵庫を見学しました.

人文系資料の取扱いは,掛け軸と巻物の扱い方の実習です.

パネルの作成実習では,館内に掲示するイベントの案内などを作成しました.

作成したパネルをピンで固定する練習も行いました.実際は展示室の壁や移動式展示ボードに打ち付けますが,今回の実習では壁の代わりにコルクボードに打ち付けました.
コルクボードは柔らかいので簡単に打つことができますが,実際の壁では簡単にはいきません.

学芸員や他の実習生が見ている前で実際の資料を取り扱うので,かなり緊張します.パネルの作成は初めて行う実習生が多く,悪戦苦闘してました.特にパネルの余分な部分を切り落とすのが難しかったようです.

(地質担当学芸員 河尻)

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