ぞくぞく熟してます

昨日から熟蚕(繭をつくりはじめたカイコ)が現れていましたが、今日の日中も続々熟しています。
ちなみに、昨日展示用の透明まぶし(ようするに食品パックですが)に入れた塾蚕の、今朝のようすです。

薄くですが、もう形ができていました。

そして、同じまぶしを午後2時半に撮影したものです。

形がはっきりしてきているのがわかります。繭は丸2日で完成なので、明日の晩までにはできあがりです。
もちろん、通常のまぶしへ移したものもがんばっています。

が、こんなふうにすぐには作ってくれません。なかなか落ち着かず、上の方へ出たりうろうろしたり、行き場がなくなって立ち往生したり・・。ま、そのうちまぶしへ入るでしょう。

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熟蚕出来!

今日午後、企画展で借用していた資料を返却に行って戻ってきてみると、飼育カゴの隅で怪しげな動きをしているカイコを見つけてしまいました。

繭を作っています!
そうそう、先週の金曜日には5齢を確認していますから、それからちょうど1週間。熟蚕にできあがっているカイコがいてもおかしくありません。この個体は展示用の透明な食品パックのまぶし(カイコが繭をつくる部屋)へ移しました。
熟蚕の見極めはちょっと慣れないと難しいのですが、まず色が黄色っぽくなり(下)、大きさもMAXの5齢5日目ころ(上)に比べて若干小さくなります。

さらに、手に持った時の感触も、5日目のぱつぱつぷりぷりだったときよりも、少し緩んでぷよっとします。
おそらく明日朝は大忙しでまぶしへ移動する作業が待っていそうです。今日のうちからまぶしの準備をしておこうと思います。
(生物担当学芸員 秋山)

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撤収完了

企画展の撤収作業も、今日午前中に演示具類を片付けてほぼ完了しました。
昨日の朝はこのような室内のようすだったのが・・

今朝はもうこんな感じです。次の展示のレイアウトを作るのが来週の作業になるため、壁やケースはまだそのままです。

ところで、カイコは5齢になってすでに4日から5日経っているため、今がMAXの大きさです。

あと2日くらいで熟蚕(繭を作り出す状態のカイコ)になります。
(生物担当学芸員 秋山)

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キノコの宿題

先週の宿題(正体が分からなかった薄紅色のキノコと、白いキノコ)となっていた菌類について、神奈川県立生命の星・地球博物館の折原学芸員(菌類担当)に教えていただきました。まずこちら

キツネノタイマツとのことです。「キツネノ~」というスッポンタケ科のキノコがいくつかありますが、いずれもハエなどを呼び寄せるために粘着質の悪臭を放つグレバという部分が頭についています。しかし今回撮影したものは、グレバがすでに虫に食べられたようできれいさっぱり無くなっているということでした。これは難しい!
続いてこちら

クロサイワイタケ属の一種ということで、これはもう完全にプロの世界・・。未解明、未記載の種が多いキノコの中でも、マニアックなグループです。
梅雨時は特にスッポンタケ科のキノコの発生のピーク(折原学芸員)だそうです。妖しげな姿のものが多く見つけると嬉しいグループです。これからも地面近くをよく見ていきたいと思います。
(生物担当学芸員 秋山)

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撤収中

企画展「鳥の羽根 温かく、美しくまとうもの」が一昨日終了し、今日は朝から撤収作業を行いました。
撤収は、最後にもう一度、展示資料を手にとってじっくり見られる瞬間でもあります。

たとえばこのヒヨクドリの尾羽。信じがたい造形ですね。
そして、大人気だったセイランの目玉模様の羽根。

みなさん、これが本当に立体だと信じておられる方も多かったようです。ご丁寧に光沢まで表現していますが、完全に平面の模様です。

この羽根を持ってくれているのは、展示の列品から撤収も獅子奮迅の大活躍をしてくれた「相模原動物標本クラブ」のYさん。今日も手にとってこそわかる光沢の美しさなどに何度も歓声を上げていました。がんばってくれた人の役得ですね。

羽根コレクション所蔵者の藤井さんも午後から来られて手際よく撤収を進めてくれました。展示業者さんも入って、タペストリーや看板も下ろしました。

ちょっと寂しい気もしますが、館内はもう次の展示へ向けて動いています。
ささっと片付けて、気持ちを切り替えていこうと思います。
(生物担当学芸員 秋山)

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並雲

今朝は気持ちよく晴れて、しかも青空にぽこぽこと積雲の並雲や扁平雲が浮かんでいて、なんだか嬉しくなりました。

雲好きとしてはもちろんレアな雲に出会うのが嬉しいのですが、やっぱり基本中の基本、出現頻度が高い普通の雲であろうとも、「青空に並雲」を空の広い場所で見られるのが喜びです。
さて、企画展が昨日終了しましたが、今日は休館日なのでとりあえずまだ撤収はしません。でも、カイコは休みません。
5齢のすさまじい食いっぷり!

夜クワの葉をあげて、朝博物館へ来てみると、葉っぱはだいたいこんな感じです。

主脈と何本かの太い側脈以外は、葉脈ごと食べてしまうのが5齢です。
食べる音もMAXです!
(生物担当学芸員 秋山)

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閉幕

今日、企画展「鳥の羽根 温かく、美しくまとうもの」が閉幕しました。
閉館時間の17時に、シャッターが下りました。

今日は日中、たくさんの来場者をお迎えしていつにも増して賑やかな展示室内でした。

そして、閉館後の展示室です。

慌ただしく過ぎ去った日々と対照的なこの静けさをしばし堪能できるのが、担当学芸員の特権とも言えます。
しばらく、資料ひとつひとつと向き合う時間を楽しむことができました。
(生物担当学芸員 秋山)

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地質学講座4日目

今日は地質学講座「岩石学入門」の4日目です.

今日は堆積岩の話をしました.分類方法やでき方について話をしました.礫岩や砂岩は私の専門でもあるので,研究手法とそれからわかることの話も盛り込みました.

最後に実際の標本を見てもらいました.

砂岩や礫岩は見てくれが様々なので,一つの標本で説明するのは難しかったです.
参加された方は,見分ける指標として,まず色に着目してしまいがちなので,岩石を構成している粒の大きさに着目するよう,繰り返し説明しました.

(地質担当学芸員 河尻)

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第426回津久井城開城記念の日&築井古城記碑撰文200年記念

本日、県立津久井湖城山公園で行われた「第426回津久井城開城記念の日」において、津久井城山頂に建つ「築井古城記碑」のお話をさせていただきました。
「426回目の開城記念!」と聞いて何ごとと思う方もいられるでしょう。実は、426年前の天正18年(1590)に、津久井城が豊臣秀吉による小田原攻めに伴い開城した日が6月25日であり、その近い日に合わせ津久井湖城山公園で、イベントと近隣の功雲寺にある城主内藤氏のお墓参りを行っているのです。

功雲寺の伝津久井城主内藤氏の墓にお参り

また、津久井城の由来の一説を伝える「築井古城記碑」に刻まれている撰文(文章が作られた)の年(文化13年=1816年)からちょうど200年のため、イベントとして「築井古城記碑」の話を私がさせていただきました。

建立に松平定信ら当時の著名人がかかわった築井古城記碑

このイベントには、津久井衆甲冑隊の皆さんの参加もあり、寸劇や墓参における演出でイベントを大いに盛り上げてくださいました。

寸劇~皆さんの気合いの入った自前衣装~・・・台詞のたどたどしさはご愛嬌で(笑)

現在、大河ドラマ真田丸でもちょうど小田原攻めの話で、タイムリーだったせいか、会場の研修棟がほぼ満席の70名ほどの方が集まり(中には歴女風な方も…)、寸劇、講話、墓参に熱心に参加されていました。
熱心といえば津久井衆甲冑隊の皆さまは鎧を着たまま功雲寺までの往復を歩き、最後まで甲冑武者を演じていました。(そのコスプレ魂はお見事です!)
控え室に戻って鎧を脱いだ時の達成感と開放感の汗だく姿も印象的でした。(笑)

(歴史担当学芸員 木村弘樹)

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企画展千秋楽

今日はいよいよ企画展「鳥の羽根 温かく、美しくまとうもの」の最終日です。千秋楽と言えるその日に展示物ではない資料の写真をまずご紹介してしまいます。オオコノハズクの本剥製です。

この資料は、企画展の間に3度ほど、展示室に登場しました。そして、今日も。なぜかと言うと・・

今日は神奈川大学から理学部生物科学科の学生さんなどが実習に来られました。博物館学芸員コースのカリキュラムの一環です。博物館における標本の役割や収集の意義についての講義、バックヤード見学などの後、せっかくなので企画展の展示解説を行いました。こうした展示解説のときに、臨時資料として登場しているのがオオコノハズクの本剥製です。ナマの展示解説の「お得感」を出すために、とにかくこの羽の触り心地を体験していただこうという意図です。みなさん、恍惚の表情でやわらかい触り心地を満喫されます。
さて、最終日に往生際の悪い見所紹介です。

羽根の写真から何という鳥のどの部位の羽根かを当てるクイズです。
今日も学生さんが結構楽しみながらヒントと答えをめくっていました。

このクイズは、ヒントを見ずに答えられるのは相当の羽根マニアです。一般のバードウォッチャーでもほとんどわかりません。ヒントをめくると、鳥を知らなくてもなんとなく答えられるように作ってあります。オープン当初はちょっとマニアックだったかなと心配だったのですが、アンケートでもこのクイズパネルは大変好評です。そんなリアクションに気をよくして、企画展終了後もイベントなどの出張展示に利用できないかと考案中です。
企画展も現時点で、あと半日で終了です。ラストスパートです!
(生物担当学芸員 秋山)

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