青空にも羽根

今朝、通勤途中にお隣の樹林地を歩いていてふと足が止まりました。

ネムノキの花が落ちていたのです。キャンプ淵野辺返還地の処分留保地として閉鎖されていたこの樹林地が開放されてから、もう5年が経ちます。でも、今までこの樹林地にネムノキがあることに気付きませんでした。自分の注力不足にちょっとショック・・。
見上げると果たして空に抜ける特徴的な羽状複葉がありました。(小さな写真ではわかりにくいですが)

梅雨の合間の晴天。カイコのためのクワを採っていたら、青空に羽根が浮かんでいました。

巻雲の変種で、肋骨雲と言います。
でも、これは羽根雲!「鳥の羽根 温かく、美しくまとうもの」も残り1週間余りです。本日は盆石の実演を行います。
まだご覧になっていない方はぜひご来場ください!
(生物担当学芸員 秋山)

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らせん

毎年この時期の定番ネタですが、最もポピュラーでありながら信じられないくらい美しい野生ランが、博物館駐車場で咲いています。

ネジバナです。小さいというだけで、形はれっきとしたランです。庭や芝生などにも普通に咲く花です。

らせんを描いて咲くこの姿を、“天使の階段”と表現する人もいます。
天使がのぼるその先を見ようと空を見上げたら、積雲と高積雲が幾重にも広がって、天使の帰りを待ちわびているかのようでした。

(生物担当学芸員 秋山)

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カイコの授業、フィニッシュ!

今日は午前中、博物館近くの市立青葉小3年生にカイコの授業をしてきました。

先々週から続いてきたカイコの授業もこれで8校目、そして今シーズンのフィニッシュとなりました。
すでに3齢に入っているカイコを育てているところなので、生徒さんたちは食い入るように話を聴いてくれました。

特に、ペットを飼うこととの違いと、カイコの命に対してどう責任を持つのかという部分では、生徒さんたちの目の色がはっきりと変わりました。
これから自分たちが直面することの大きさ、重さに思い至ったのでしょう。
それでも、農作業の意味や人間が生きていくための衣食住との関連などをお話ししていく中で納得顔になってくれました。こうしたダイナミックな反応があるので、この授業、やめられません。
さて、博物館の3齢のカイコたちはモリモリ食べています。

昨日は頭がやたら大きく見えていたのに、体が全体に大きくなっているので頭がもう小さく見えています。
日に日にというより、見る度に大きくなっています。
(生物担当学芸員 秋山)

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3齢の頭

カイコたちの多くは今朝、3齢に脱皮していました。
まだ眠の状態の2齢は・・

もう頭部がほとんど抜けていますが、体の方は黒い斑点が残る2齢です。
よく似ていますが、こちらは脱皮殻が後方にある脱皮直後の3齢です。頭にちょこんと2齢時代の頭の殻が残っています。

これを見るとよくわかりますが、カイコは2齢から3齢の時に大きな変化があります。2齢までは黒かった頭部が、3齢からはベージュ色になります。脱皮して黒い殻も落ちてモリモリ食べ始めた3齢はこんな感じです。

頭部が大きくなってカイコらしい顔つき(?)になりました。
食べる量もだんだんと多くなっています。
(生物担当学芸員 秋山)

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棚田

今日は県内西部のとある棚田を訪れました。経験や理屈でなく、懐かしいと感じてしまうこの景観・・このすばらしさを表現する言葉が見つかりません。

当然ながら、アマガエルがわんさかいます。オタマジャクシもわんさか。

ヤブカラシについていたセスジスズメの若齢幼虫です。あまりのスタイリッシュさに脱帽です。

あたりまえのように見つかるカヤネズミの球巣。

ずっとここにいたいと思ってしまう素敵な景観でした。
(生物担当学芸員 秋山)

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市民学芸員研修で石神井ふるさと文化館へ~石神井城との意外なつながり~

本日、博物館ボランティアの市民学芸員さんの研修として、練馬区の石神井公園ふるさと文化館への視察に同行しました。石神井公園ふるさと文化館は、石神井公園に隣接する場所に平成22年に開館した施設で、練馬区の歴史、伝統文化、自然などを楽しく学ぶことができ、観光情報も発信する博物館です。それとおいしいうどん屋さんもおススメです(笑)

展示については、さわって体験しながら学べるものが多く、大変参考になりました。特に、「練馬ダイコン」と「アニメのまち練馬」を、一番の売りにしていると感じました。また、今回はふるさと文化館のボランティアさんにも多く集まっていただき、展示解説をしていただきました。展示解説の中で、様々な情報交換や親睦交流も深めていたようです。

練馬ダイコンや沢庵の展示・・・たくあん食べたくなりました(笑)

歴史担当として個人的に感動したのは、石神井公園内にある石神井城跡の遺構(土塁・堀など)が大変良く残っていることでした。石神井城は15世紀後半の長尾景春の乱にて、太田道灌の軍勢に落とされた城ですが、実は相模原にある磯部城も同様に長尾景春方の城として太田道灌勢に落とされているのです。相模原とのこんな意外なつながりがあったんですが、私の力不足でこのことを伝えられませんでした。残念…

石神井城の土塁と堀 フェンスで囲まれ大切に保存されています

今回の研修では、市民学芸員のみなさんも私たち職員も、今後のボランティアさんの活動や展示手法など大変参考になる内容でした。夏から秋には、クイズラリー、学習資料展、展示替えなど市民学芸員さんにご活躍いただきたい活動がたくさんありますので、研修成果を活かしていただければ幸いです。私どももその活動を支えていきたいと思います。

たくさんのボランティアさんに対応していただきました 感謝!

(文責 歴史担当学芸員 木村弘樹)
(市民学芸員担当 学芸班指導主事 福井智之)

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地質調査日誌6/15 相模原市緑区寸沢嵐

6月15日、水曜日.曇り.

石老山の麓の小さな沢で,凝灰質砂岩や礫岩の分布調査を行いました.

場所によっては河床がなだらかな滝となっていたり,小さな滝があったりします.

凝灰質砂岩と礫岩の境界です.写真の右側が礫岩です.

近くで見るとこんな感じです.礫岩中の大きな礫がわかります.

こちらは断層破砕帯です.

梅雨らしい空模様で,沢も小さく,露頭が暗くて見にくかったです.

幸い雨にはほとんど降られずにすみました.細かい雨が降っていて,木々の葉が茂っていたので,下まで落ちてこなかっただけかもしれません.いずれにしても,梅雨の最中に1日調査を続けることができてよかったです.

(地質担当学芸員 河尻)

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カエルづくし

今日は帰宅後、ちょっとミッションを遂行しに市内の田んぼへ出かけてきました。
この田んぼは土の畦が多く残っているため、とにかくツチガエルが多い!

1歩ごとに1匹ずついる感じでした。
そしてトウキョウダルマガエルも!「グゲゲゲゲッ」と攻撃的な声が田んぼに響き渡っていました。

さて、定番のニホンアマガエルも忘れてはいけません。

鳴いていたのですが、カメラを近づけると鳴嚢を膨らませたまま固まってしまいました。鳴こうかどうしようか迷っている表情がかわいいですね。
ホタルのシーズンはほぼ終わりましたが、カエルの夜はまだしばらく続きます。
(生物担当学芸員 秋山)

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2齢です

今日は休館日ですが、カイコにお休みはありません。朝からの土砂降りのため、クワの葉を一度ふきんでふいてからの給桑です。

びしょびしょの葉を食べさせると弱って病気になりやすくなるためです。嫌いな方にはちょっとキツイ絵かもしれませんが・・

ほとんどの個体が1齢から脱皮して2齢になりました。脱皮殻も小さい!4mmほどしかありません。

枝先の方についたやわらかく新しい葉(最大光葉と言います)だと、1齢でも葉脈標本のようにきれいに食べてくれます。

2齢の期間は短く2日程度なので、あさってにはまた眠に入っているはずです。
(生物担当学芸員 秋山)

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地質学講座3日目

今日は地質学講座「岩石学入門」の3日目です.

今日は火成岩の話をしました.分類・名前のつけ方が中心です.

今日も最後に実際の標本を見てもらいました.

写真もたくさん見せながら話をしましたが,やはり実物にはかないません.
標本を前にすると,話す方もつい,力が入ってしまいます.

(地質担当学芸員 河尻)

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