盆石実演

今日は企画展「鳥の羽根 温かく、美しくまとうもの」の関連イベントとして「羽根で描く伝統美 盆石実演」を行いました。開始時間のだいぶ前からお目当てに来られた人が展示室でお待ちかねだったため、少し早めに開始。

机のまわりをびっしり取り囲み、実演をしてくださる浮田さんの手さばきを見つめます。「盆石を実際に初めて見た方は?」と伺うとほとんどの方が手を挙げられました。
中でもこの実演を見に来てくれたという市内の小学生お二人は、1回目の最初から2回目の最後までかぶりつき!浮田さんから実際に手ほどきも受けることができました。

最後の片付けの時、浮田さんがお掃除羽根でささっとお盆をはくと、「はぁ~」とため息をついていました。あんなに細かい作業をして描いたものが一瞬にして消えてしまった・・・

でも、そのはかなさの中に盆石の美しさの要素があるということも体験できたのではないかと思います。
盆石実演は次の土曜日、6月18日も同じ時間で実施します。
(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: 今日の博物館 | 盆石実演 はコメントを受け付けていません

触れるヤマドリをメンテナンス

今日は動物標本クラブの久しぶりの週末活動日となりました。若い学生さんたちがたくさん参加して、熱気むんむんです。
特に、企画展「鳥の羽根」の触れる展示のヤマドリのはく製メンテナンスを製作者の標本士Aさんにやっていただくと・・

その繊細、正確な手さばきにみなさんかぶりつき。
触れる展示なので当然なのですが、荒れていた羽根並びが一枚一枚整えられ、体つきも表情も見事によみがえりました。

さて、本日午後は養蚕講話第2回として「カイコの生物学 卵から蛾まで」を開催しました。小学生のお子さんたちもたくさん来てくれて、クイズコーナーなどを盛り上げてくれました。

カイコに対する関心の高さにとても嬉しくなりました。
(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: 今日の博物館 | 触れるヤマドリをメンテナンス はコメントを受け付けていません

本日はカイコの生物学!

さがぽんもつぶやいてくれましたが、今日は「養蚕講話2回目」として「カイコの生物学 卵から蛾まで」を開催します。午後2時から当館大会議室で申し込み不要!避暑にも最適な養蚕講話へぜひお越し下さい!
飼育中のカイコも、本日展示デビューです!

1齢のマックス(4日目)で、そろそろ眠に入っている個体もいます。

今年の品種は「かいりょう・あけぼの」ですが、せっかくなので在来品種「乞食」(左)と「小石丸」(右)の繭(昨年のもの)も会場で展示します。

あまり大きな声では言えませんが、本日に限り、ご希望の方へはこの「かいりょう・あけぼの」をお分けすることもできます。飼ってみたいという方はぜひ生物担当学芸員にお声かけ下さい。
(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: おしらせ | 本日はカイコの生物学! はコメントを受け付けていません

地上の星

今朝、通勤途中に博物館お隣の樹林地の地面上で、星がたくさん落ちているのを見ました。

アカメガシワの雄花です。明るい河原などに多い木ですが、この樹林地では1本だけ、ミズキと高さを争うように高木化しています。
そういえば、住宅地を歩いている時に樹上の星も見つけました。

クチナシです。6枚の花弁が放射状にきれいな星形を描いています。よく見ると、倒れたおしべがやはり星の二重構造を作っています。
よく晴れた朝でしたが、クチナシの花の強い香りに梅雨を感じました。
(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと | 地上の星 はコメントを受け付けていません

柴胡の原の薄曇

今日は相模原市立環境情報センターで、ミシマサイコに関する講演を頼まれました。この講演会は市主催「地域活動実践講座」修了生の会であるシニア活動の森とセンターの共催です。

なんと約80名の受講者で満席。ミシマサイコ(柴胡)への関心の高さにちょっとたじろぐほどの熱気でした。
相模野台地の古地名である柴胡の原(読みはさいこがはら)については二つの由来があります。ひとつは市内下九沢の小泉家に残る芭蕉句碑「陽炎や 柴胡の原の 薄曇」です。
しかし残念ながら、芭蕉が相模野を訪れた記録はなく、現存する芭蕉句集によれば「陽炎や 柴胡の糸の 薄曇」とあります。意図的かどうかわかりませんが、読み替えです。
そして確実な由来は江戸時代の蘭学者である渡辺崋山の遊相日記(1文字目はさんずいに遊のつくり)によります。
ただ、今日のような昼過ぎのお天気はまさに薄曇り。芭蕉の句を読み替えた相模野の先人の思いを感じながらお話を進めました。読み替えとしても、当時このあたりが柴胡の原と呼ばれていたことを示す証拠です。
さて、自分の講演の写真を沢山挙げてもおもしろくないので、昨日の丹沢の写真から。
登り口の沢で植物調査会の方が見つけたナミウズムシ(プラナリア)です。

帰りに水分補給のために寄ったコンビニで人をまったく恐れず羽休めしていたツバメです。美人さん!

今週は花粉症をこじらせて喉を痛めてしまったのですが、頼まれた講演や授業が5回。もっと自己管理をしっかりとしなくてはとちょっと反省モードです。
(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと | 柴胡の原の薄曇 はコメントを受け付けていません

清新中学校より4人の職場体験

今日は、相模野の開拓「清兵衛新田」の名を学校名に残す「清新中学校」から職場体験に来た生徒4名に2つの体験をしてもらいました。
はじめに、自己紹介で好きな歴史の時代や人物を聞いたりして、少し場をなごませてから活動を始めました。(少しは打ち解けたと思うのですが…)

市民研究室で体験開始!中学校から先生が様子を見に来てビックリ!!

最初は、寄贈資料の資料カード作りです。
これは、ご寄贈いただいた資料を博物館資料として適切保管するために行うもので、地味ですがとても大切な作業です。今日カードを作ってもらったものは、いずれも昭和10年代~20年代頃の資料ですが、生徒さんたち全員真剣に取り組んでいました。

昭和初期の資料のカード作りに挑戦中!

後半は約5000年前の縄文土器片の実物を使って、拓本体験を行いました。
拓本は土器に画仙紙をあて、濡らして模様の凹凸を浮き上げらせてからタンポという道具で墨をつけて土器の紋様を紙に写し取るものです。
拓本用の墨の強いニオイ(油分が多いため)に多少困惑したり、画仙紙が破れてしまったりなどもありましたが、土器の実物に触れる貴重な体験になったと思います。

ドキドキ?しながら、土器の拓本にチャレンジ

今日の2つの体験は、昭和初期資料と約5000年前の土器という、年代の幅広いものを使ってみました。そんなことだけでも、郷土の悠久の歴史を感じてもらえたら幸いです。

(歴史担当学芸員 木村弘樹)

カテゴリー: 今日の博物館 | 清新中学校より4人の職場体験 はコメントを受け付けていません

梅雨の晴れ間の加入道山

今日は入梅を承知で計画していた相模原植物調査会の野外調査会で丹沢西端の加入道山(1418.4m)へ行きました。

果たしてこれ以上はないというほどのすばらしい登山日和です。

道志村の登山口から、清々しい風を受けながら東へと登り進めますエゾハルゼミとハルゼミの鳴き声シャワーが気持ちいい!
小さなタゴガエルを見つけて思わず手にとって撮影してしまいました。

ガクウツギの清楚な花が浮き上がっています。

山頂へ続く稜線は立派なブナの大木が多く、せっかくなのでそこで記念撮影です。山頂ではなく、ここで記念撮影というのが植物調査会らしいですね。

加入道山山頂付近で満開だったカマツカの花です。

ところでこの加入道山の山名の由来ですが、鹿が多いとか、大入道伝説とか言われていますが、定かではありません。
ピストン行程で下りてきた登山口付近で、ただ一人20代の参加者のYさんが見つけてくれたヤママユガの繭殻です。

これはカイコ関連の資料として使えます!ちなみにこれがいわゆる天蚕の繭ですが、野生のカイコを天蚕だと思っている人が多いので、その誤解を解くためにもこれは大切な資料になります(そもそもカイコは野生にはいないし、野生では生きていけませんが・・)。
ちなみにそのYさんが本日名付けたこのサクラは、キッテザクラ!

図鑑的名前はマメザクラです。しかし、そのネーミングセンスに脱帽、しばらくこの植物にはキッテザクラを使わせてもらいます!
梅雨の時期、これ以上のコンディションは考えられないというすばらしい天候の中、調査成果も想定以上に上がりました!
(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと | 梅雨の晴れ間の加入道山 はコメントを受け付けていません

本日掃き立てました!

今年のカイコ、いよいよ本日掃き立てました。
掃き立てとは、ふ化したカイコを蚕座へ移して給桑を開始することです。その言葉の意味についてはこのブログで以前に書きましたのでご参照ください。
この間、まだ卵の状態だったのが・・・

今朝にはこんな感じになっていました。最初は毛虫なので、毛蚕(けご)と呼びます。

ほぼすべてがふ化したので、夕方、クワを刻んであげると・・

散らばっていた毛蚕がすぐに寄ってきてクワにとりつきます。
そして1分もするかしないかのうちに、どんどんと食べ始めます。

カイコの生命力を感じる一瞬です。
さて、今日もカイコの授業をダブルヘッダーで行ってきました。午前中は二本松小学校3年生。

前に座っていた生徒さんに代表して生糸の重さを感じてもらっています。「軽い!」と良い反応をしてくれました。
午後は星が丘小3年生です。

みなさんとても元気がよくて、しかもよく集中して聴いてくれます。
忙しいけど充実したカイコの日々が続きます!
(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: オカイコサマ | 本日掃き立てました! はコメントを受け付けていません

真田丸にも登場している人物のお墓が実は市内にも・・・

本日、田名向原遺跡学習館(旧石器ハテナ館)の探訪事業で、矢部駅から古淵駅までの中世関連史跡などを巡る「武士(もののふ)たちの史跡を訪ねて」にて、案内・解説をさせていただきました。

横山党矢部氏にまつわる伝承がある上矢部の板碑の説明

今回主に取り上げたテーマは、①鎌倉時代の横山党矢部氏 ②南北朝時代の淵辺義博、③戦国時代・江戸時代の板部岡江雪斎(淵野辺村領主旗本岡野氏の祖)といった「もののふ」たちを紹介しました。
特に、板部岡江雪斎は、最近大河ドラマ真田丸に小田原北条氏の重臣として度々登場している人物ですが、なんと東淵野辺の龍像寺にその江雪斎の墓(供養墓ですが…)があるのです。

板部岡江雪斎の墓のある龍像寺の岡野氏墓地・・・あやしいパワーストーンの説明ではありません(笑)

その他、旧石器ハテナ館探訪にふさわしい旧石器、縄文、古代の遺跡の案内・解説を文化財保護課や旧石器ハテナ館指導員の担当等から行いました。

古淵B遺跡・・・3万年も前の石ヤリなどが出土したんです!

参加者は定員いっぱいの35名ほどでしたが、定員オーバーで申込みをお断りした方が多数いたそうです。みなさまの関心の高さが感じられます。そんな意欲の高いみなさまにご満足いただけるお話ができたか不安ですが、相模原の中世の歴史を少しでも知っていただけたなら幸いです。
探訪にご協力いただいたボランティア文化財調査・普及員の皆さま、昼食場所をお借りした山王自治会さんなど、関係者の皆さまありがとうございました。

(歴史担当学芸員 木村弘樹)

カテゴリー: 報告, 学芸員のひとりごと | 真田丸にも登場している人物のお墓が実は市内にも・・・ はコメントを受け付けていません

市民パワー

今日は午後から環境情報センターで自然環境観察員制度平成27年度活動報告会が行われました。

全体調査、各部会の調査の調査結果が次々と発表されます。どれも地域にがっちりと根付いた地道な調査で、研究の大切な要素の一つであるオリジナリティがしっかりと確保されています。

全体調査をやり、部会の調査もやり、さらに自主テーマ研究もやりと、お一人でいくつもの調査をかけもちされている方もいて、そのパワーと熱意に脱帽です。
報告会の後は交流会で、クイズ大会やじゃんけん大会など楽しいひとときを過ごしました。

こうした活動も、環境情報センターという場があるからこそです。スタッフのみなさんのコーディネートの賜とも言えるこの自然環境観察員制度、これからも相模原市の環境行政の柱として続いていくといいなと思いました。
(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと | 市民パワー はコメントを受け付けていません