中学生職業体験三日目 タンポポの花粉でしめくくり

水曜日から職業体験に来ていた中学3年生の3名も、今日が最終日でした。午前中に展示解説など行って、午後は環境情報センターの自然環境観察員さんと博物館が実施しているタンポポの花粉検定をやってもらいました。まずは中学生だけで手順の確認です。

とっても細かい作業ですが、さすがに現役の学生さんなので顕微鏡の扱いも慣れたものでした。
手順を把握できたころ自然環境観察員のみなさんが集まってきたので、それぞれペアを組んでもらいました。

若い人がいるだけで、場がいつもより明るくなります(いつも明るく和やかですが!)。今日参加してくださったみなさんには、缶バッチのお土産つきです。

たくさんの市民が活躍する博物館の現場をしっかり見ていただけたと思います。三日間お疲れさまでした!
(生物担当学芸員 秋山)

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中学生職業体験二日目

昨日から職業体験に来ている3名、今日も熱心に博物館業務に携わってくれています。
今日の午後は植物調査会のボランティアさんの指導による植物資料のマウント(台紙貼り)作業を行いました。

植物の押し葉標本を慎重に台紙に貼りつけていきます。
そして、ひととおりの作業をこなしてもらったあとは、学芸員が標本庫を案内しました。

歴史的な標本も含めて、5万点以上の植物標本データをどのように活用しているのか、標本そのものにどのような意味があるのかについて実物をお見せしながら解説しました。
ついでに動物標本も。

仮はく製と本はく製、展示用の昆虫標本と学術資料としての昆虫標本の違いなども、標本を見ながらだと説得力があります。
職業体験は明日までです。明日もまた植物にまつわる作業をしてもらう予定です。
(生物担当学芸員 秋山)

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おかいこさま、はじめました!

毎年恒例のカイコ、始動です。信州上田から、6月初旬ふ化の蚕種(カイコの卵)が届きました!

種屋さんでは、種紙に産卵前のメスを置き、金属製の丸い筒をかぶせます。こうして一腹卵をきれいに丸い中に産ませることができるので、取り扱いやすいのです。

だいたい500粒ほど。今年は「かいりょう・あけぼの」という優良絹糸を産する品種を育てます。
ちょうど今日は午前中大野小でカイコの授業を行いました。

午後は大野台中央小。

ダブルヘッダーでしたが、どちらも大変熱心に話をきいてくれて、カイコを育てるのを心から楽しみにしてくれているのを感じました。
カイコは来週半ばにふ化の予定です。博物館でも来週後半くらいから、飼育展示を開始します!
(生物担当学芸員 秋山)

※カイコの卵は、養蚕農家では「たね」と呼んできました。農作物という意識が強いせいでしょうか。おもしろいですね。

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中学生職場体験

今日から3日間,市内の中学生3人が職場体験で博物館に来ています.

今日の午後は地質資料の整理ということで,標本のラベル付け作業を行ってもらいました.

まず,プリントアウトしたラベルをカッターナイフで切り離します.

切り離したラベルを標本箱に入れていきます.

実はこの標本,戦中や戦前に採集もしくは購入され,某企業から寄贈していただいた貴重な標本です.
貴重な標本に触れることができ,中学生たちも良い経験になったと思います.

(地質担当学芸員 河尻)

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雨のち晴れ

通勤路のチガヤ(フシゲチガヤ)の穂が風に揺られて輝いていました。いつもよりも反射が多く感じるのは、前の晩の雨のせいでしょう。

昨日は予報に反して夜中まで雨が降ったりやんだりでした。その後いつごろから晴れたのかわからないのですが、とにかく今朝は雨露がキラキラと光るほどに晴れました。チガヤの穂のアップです。

小穂の付け根にある長い絹毛に水滴がたまり、これがキラキラの理由でした。
同じ場所に生えているオギの葉にも水滴がついていました。

さらに、クズの葉にも。

葉の葉面の細毛の表面張力で、こうした丸い水滴ができます。みずみずしさを際立たせる雨のあとの晴れ間。なんだか気持ちがよい朝でした。
(生物担当学芸員 秋山)

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地質学講座2日目

今日は地質学講座「岩石学入門」の2日目です.造岩鉱物の話をしました.

最後に実際に鉱物標本を見てもらいました.

講義中も多くの質問が出ましたが,標本を前にしての解説では,さらにたくさんの質問が出され,大いに盛り上がりました.
やはり,実物の持つ力は偉大です.

(地質担当学芸員 河尻)

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オトナの観察会

今日の生きものミニサロンは、なんと参加者全員が大人!

それもそのはずで、博物館の外へ出ると、あちこちから「入場門へ・・・」「一位は・・・」「・・・がんばってください」などと放送がきこえてきます。
今日は市内小学校の運動会特異日です。ミニサロンは子どもさんだけのものではないので、颯爽と大人の観察会をしに、外へ!
ジャストタイミングだったので、キアシドクガをじっくり観察しました。成虫の顔を虫めがねでよく見てもらうと、モンシロチョウなどにふつうにあるものが無い・・

そうです、ストロー(口吻)がありません。キアシドクガは、成虫になると飲まず食わず。交尾して産卵、そして衰弱してゆくのみ。1週間から10日ほどで短い成虫期間を終えます。ついでに、キアシドクガの幼虫の食草であるミズキとクマノミズキの見分け方を解説したりして、そんなお話をしながらのあっという間の30分でした。今日は今年の大発生を記念して特製缶バッチを作りました。

大人のみなさんにどうかな・・と思ったら、結構喜んで持ち帰って下さいました。
オープンから1週間の鳥の羽根展も、ご好評いただいています!

まだご覧になっていない方はぜひご来館ください!
(生物担当学芸員 秋山)

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花粉を見まくる

今日午後、博物館の実習実験室では14名ほどの方がなにやら真剣に顕微鏡を覗いていました。
揃ってるかなあ。ちょっと不揃いだよね・・などなど。

これは、環境情報センターの自然環境観察員による全体調査、タンポポ調査の在来種の確認作業のようすです。
詳しい説明は省きますが、在来のカントウタンポポと、外来種のタンポポの間にできた雑種は、外来種と同様に花粉の形や大きさがばらつくという特徴があります。

これは今日、顕微鏡にカメラを押しつけて撮影したものです。一見、つぶぞろいに見えるのですが、よく見るとかなり小さなモノや少し大きなものが混ざっています。おまけに、なにか別の花の花粉も。これはおそらく、昆虫が運び込んだものでしょう。
このように、昆虫が運び込んだ可能性も含めて、ある程度の確率で不揃いの花粉が含まれていれば雑種と判断します。

なかなか微妙な作業で、たくさんあるサンプルが混ざることなく進めなくてはいけないため2人一組のチームを作り慎重に作業していただきました。
この作業がまだ何回か続く予定です。そして、その結果どんなタンポポ地図ができるでしょうか。今から楽しみです!
(生物担当学芸員 秋山)

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地質調査日誌5/25 相模原市緑区牧野

5月25日、水曜日.曇り.

相模原市緑区牧野の小さな沢で,凝灰岩の分布調査を行いました.

小さな沢ですが,落差1mくらいの滝が連続しています.落差は大したことはありませんが,表面が滑るので登りにくく,予想以上に歩くのに苦労しました.

今回の調査範囲では凝灰岩しか分布していませんでした.小さな断層も見られました.

地質とは関係ありませんが.いろいろなものを見つけました.

イノシシの泥浴び場です.

先端は少し折れていますが,鹿の角を拾いました.

炭焼き窯の跡も見つけました.石組みが残っており,周囲の地面が炭で黒くなっています.ほとんど小さな破片ばかりですが,比較的大きな炭も拾いました.



(地質担当学芸員 河尻)

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チドリの木(追記あり)

今日は丹沢方面に植物相調査に出かけました。いつもは相模原植物調査会のみなさんと行くのですが、今回は採集許可などの関係で変則的なメンバーで調査に行きました。そこでふと出会ったチドリノキ。

カエデ科なのにぜんぜんカエデらしくなく、そもそもなぜチドリノキなんて名前なのかよくわかりませんでしたが、新緑のこのようすを見て納得しました。千鳥が飛んでいる姿を連想します。いや、これが名前の由来かどうかはわかりませんが、とにかく自分としては納得です。
途中、去年産まれでしょうか。小さくてかわいらしいヤマカガシに出会いました。

尾根筋の急斜面を上り下りしました。

じつは、当初の調査予定場所はちょっとトラブルがあって林道に入れず急遽変更した調査地だったのですが、思いがけず絶滅危惧種をたくさん確認できて結果オーライとなりました。ところで、今シーズンはじめてヤマビルにやられました。毒々しいので写真は載せませんが、靴下が血で赤く染まりました。

帰りがけ、緑区の相模川に近い場所で歩道に咲いていたヤグルマギクです。

園芸種ですが、路傍で逸出定着する気配があったので、標本用に採集しました。
今日行かれなかった調査地は、来月またリベンジします!しかし今日は今日で、梅雨の足音を聴きながらの楽しい調査でした。
(生物担当学芸員 秋山)

◆追記◆
その後、一応調べておかなきゃ、とチドリノキの名の由来を調べたところ、複数の文献で「対になった翼果を千鳥の飛ぶようすにみたてたもの」とありました。「それじゃカエデはみんなチドリノキ?!」と思わずツッコミを入れてしまいました。自分の感性を信じることにします・・・。

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