雨なので・・羽根の企画展の準備

昨日の穏やかな春の陽気から一転、今日は本降りの雨模様の一日でした。じつは今日は鳥類標識調査(バンディング調査)を実施する予定でしたが、早朝に捕獲用の網を張ったものの、大雨になってきたのでとりあえず今日は中止にしました。明日は調査のようすをご紹介できると思います。
さて、そんな日でしたが、雨になったのをよいことに、5月下旬から開催する企画展の準備をしました。

鳥の羽根!資料メモの写真なのでちゃんと撮れていないのですが、実物は自然の造形美にただ見とれるばかりです。展示では、世界の鳥の羽根のフシギで美しい造形や羽根を使った道具、そして、鳥の羽根の構造と機能などをご紹介する予定です。
この特大の羽根は、セイランというマレー半島やスマトラ島などに生息するキジの一種の尾羽根です。

道具に使われた羽根がなんの鳥のどの部位なのか、バンディング調査者であり、羽根研究の第一人者のFさんが調べてくれています。

今日は雨模様でしたが、そのぶん企画展の準備がぐっと進んで有意義な一日となりました。
(生物担当学芸員 秋山)

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楽園、開演

博物館お隣の樹林地のフデリンドウが、この晴天で一斉に開花を始めました。楽園のはじまりです。

一輪だけ咲く株もあれば、こんなに豪華に咲く株もあります。

ところで、フデリンドウの名の由来は、つぼみの形が筆の穂先に見えるからと言われています。ただ、リンドウのなかまのつぼみはどれもこの形なので、フデリンドウ固有の特徴というわけではありません。雑木林には普通に見られた種なので、昔から一番なじみ深いリンドウのなかま、ということなのでしょう。

フデリンドウは、博物館おとなり(南側)の樹林地(遊歩道がある林)の道路側のフェンス沿いが一番よく見られます。歩道から簡単に見ることができるので、博物館へお越しの際はぜひご覧下さい。
ちなみに、フデリンドウは越年の一年草です。持ち帰っても今年限りの植物なので、とらずにご鑑賞ください(この樹林地は国有地なので、植物などの採集は禁止されています)。
(生物担当学芸員 秋山)

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「おためしタイム」をおためし中!

いつもご来館ありがとうございます。
さて、博物館のプラネタリウムに、毎週日曜日と祝日のお昼に新しいイベントが増えたこと、ご存知でしょうか?

それは・・・「おためしタイム」。

その名のとおり、プラネタリウムを「無料」で「おためし」できるイベントです。

「プラネタリウムの中ってどんな感じなのかな?」
「暗い中で子どもが怖がらないかしら?」
などなど、まだプラネタリウムを利用したことがない方には特におすすめです!
また、実際に投影しているのとは異なる番組をご用意しましたので、いままでプラネタリウムを利用したことがある方にもお楽しみいただけます。

初日となった4月3日(日)は、「国際宇宙ステーションに乗ってみよう!」という番組でした。

先日、宇宙から帰還した油井宇宙飛行士や、今年の6月ごろ国際宇宙ステーションに滞在予定の大西宇宙飛行士のニュースなどでもおなじみになった、あの国際宇宙ステーションをいつ頃見ることができるのか(天気が良い日には地上から目視できるんです。そして、いつ見ることができるか調べる方法もご紹介します!)、それから、国際宇宙ステーションに乗ったらどんなふうに地球が見えるのか・・・。
とても分かりやすい内容でした。

おかげさまでたくさんの方にご覧いただくことができました。
もっと見たい!って、思っていただけたかしら?

次回は4/10(日)に実施します!ご希望の方は直接会場にお集まりくださいね。

さて、実はこの試み、こんなわけがありました→
http://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/031/840/kekka.pdf
博物館のプラネタリウム、今年は一味違うかも?
どうぞご期待ください。
みなさんのご来館、ご観覧、お待ちしております。

(企画情報班 佐々木)

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花を落とすのは雨ではなく・・

ソメイヨシノが満開です。お天気は微妙ですが、今日は市役所前のさくら通りで行われている市民桜まつりも大盛況のようです。写真はさくら通りではなく、博物館近くの並木地区の桜並木です。

「春に三日の晴れ無し」と言われるように、この時期は数日おきに天気が崩れます。満開になって雨模様になると「花が散ってしまうのでは・・」と心配される声をよく聞きます。でも、サクラの花は多少の雨や風で散ることはありません。「満開」と宣言される頃、実際に咲いているのは花芽全体の5割いくかどうかというところです。それが順次咲き、数日で入れ替わって満開から1週間ほど、「見かけの満開」が続きます。ひらひらと散る花びらは、時期が来て落ちているだけで、風や雨で物理的に落とされたものではありません。
さて、それよりも物理的に花を落とす者が自然界にはいます。

上の写真は、地面近くにサクラが咲いているわけではありません。このように、花びらではなくて花が丸ごと落ちてる時は、裏側を見て下さい。

萼筒と呼ばれる花の付け根部分がプチッと切られています。こんなことをするのは・・

そう、スズメさんです。30年前くらいから知られるようになった行動で、萼筒を切って中の蜜を吸っています。もともと花の蜜を吸う習性があるヒヨドリやメジロは、花の表側から舌で蜜をなめ取るため、花粉の媒介に寄与します。しかしスズメのこの荒っぽい食べ方は花そのものを損傷するので「盗蜜」と呼ばれます。
しかし、スズメがこうして花をブチブチ切り落としても、満開の様相が寂しく見えるほどにはなりません。それだけたくさんの花を咲かせるソメイヨシノに、今のところ軍配が上がっているということになりますね。
(生物担当学芸員 秋山)

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今年のスライムは

昨年の3月、博物館駐車場のミズキに蛍光色に光るオレンジ色の物体が取り付きました。滴り落ちた樹液にカビが取り付き、いわゆる樹液酵母のなれの果てのスライム・フラックスの形成でした。今年は出ないなと思ってミズキの幹を見ていたら・・

規模はだいぶ小さいものでしたが、ありました。去年のようなひだ状にはなっていません。

それでもこの色は派手ですね。地上から4mくらいの位置にできていたので気付きませんでした。すでに乾燥してます。

あまり盛大にスライムが形成されると異様ですが、今年は小さめでちょっと肩すかしな感じがしてしまいました。
(生物担当学芸員 秋山)

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極楽鳥

昨日はお隣の留保地が楽園まであと少し、という写真をアップしました。今日は、極楽がやって来た写真です。

オオフウチョウ、通称ゴクラクチョウ(極楽鳥)の剥製です。昨日、市民の方から「実家にある極楽鳥の剥製を寄贈したい」というご連絡をいただきました。初夏に予定している羽根に関する企画展で、オオフウチョウの羽根を展示しようと思っていたところだったので、とにかくタイムリーで嬉しいお申し出!と早速取りに伺いました。

オオフウチョウはワシントン条約付属書Ⅱに掲載されています。現在は国際的な取引が規制されていますが、古い時代には日本でブームがあったようで、相当数の剥製が輸入されました。ただ、この種の特徴の一つであるワイヤー状の尾羽根や脇の飾り羽根が傷んでいることが多いのですが、この剥製はほぼ完璧な状態で保存されていました。
初夏の企画展でみなさんに公開できるよう、クリーニングしておこうと思います。
(生物担当学芸員 秋山)

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楽園まで、あと少し

事務仕事をやっと終えて、西日の射す博物館お隣の樹林地へ行ってみました。
色温度の低い太陽光がタチツボスミレの薄紫色を打ち消していますが、それもまた時間限定の色合いです。

ここは、フデリンドウの楽園です。毎年、4月上~中旬には一面にフデリンドウが咲き乱れます。今年はちょっと遅めの気配ですが・・

明日には咲きそうな株がありました!
日当たりなどの条件が違うため、場所によって育ち具合がまちまちですが、早いところでは来週には見頃を迎えそうです。

楽園まで、あと少しです。
(生物担当学芸員 秋山)

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春の定番

今日は写真を撮りに相模原市内の緑区の里山へ。毎年この時期行くものの、なかなかお天気などの条件が整わずに満足いく写真が撮れなかったのですが、今日はよいコンディションに咲き具合などもバッチリで、花のいろいろな表情を撮れました。まずはカタクリ。

カタクリの花は、ちょっとした向きなどによってずいぶんと印象が変わります。

近くに咲いていたヤマエンゴサク。少し妖しげです。

花だけでなく、この時期は芽吹きも劇的に変化していきます。ヤマブキの若葉がリズミックに並んでいました。

ちょっと場所を移動して、アマナの咲きみだれる斜面へ。

お天気が良くないと開かない花ですが、今日は文句なしの春の日差しが降り注いでいました。
春の定番といえる花ばかりですが、それでもやっぱり毎年確認しておきたくなる花たちです。
(生物担当学芸員 秋山)

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春の滴

今日の生きものミニサロンは、昨日の予告どおり「春のお散歩」をしました。
まずは、博物館の前庭に咲くヒトリシズカを観察。午後の全天周映画のドラえもんにも、似た名前のヒロインが登場しますね!

そして、この時期ならではの水芸。ミズキの木の枝をちょっと切ると、ぽたりぽたりと樹液の滴が落ちます。ミズキの名の由来です。参加者のみなさんから「おぉ~っ」の声が!滴には博物館が映りこんでいます!

お隣の樹林地では、用意していた双眼鏡で、運良く目の前に現れたコゲラを観察したり、

妖しげに咲くミミガタテンナンショウを間近で観察したり(さらに花粉媒介に潜む罠の話にみなさんどん引き…)。

最後は、モグラ塚をつんつんして坑道を探り当てて、モグラのサイズをみんなで確認しました。

たまたま寒川町から来館してくれていたグループのみなさんや、常連のみなさんたちと、楽しくワイワイと観察しました。
(生物担当学芸員 秋山)

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明日のミニサロンは、春のお散歩

明日は毎月第四土曜日恒例の「生きものミニサロン」の日です。
今回は、ちょうど外歩きによい季節なので、のんびりお散歩しようと思います。
お隣の樹林地ではカントウタンポポがだいぶ咲いてきました。

もしかしたら、こんなあやしげな花を見ることができるかも。ミミガタテンナンショウです。

鳥も見ましょう。シジュウカラが繁殖に向けて活発に動き回っています。

運が良ければ、アイドルのエナガも見られるかも。

双眼鏡などは博物館で用意します。手ぶらでお気軽にご参加ください。
12時から12時半頃まで、お申し込み不要です!
(生物担当学芸員 秋山)

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