アカボシゴマダラ

今日は休館日ですが、先日、通勤途上撮った写真が、旬を過ぎてしまうともったいないので紹介します。

アカボシゴマダラの幼虫です。
長いツノが結構かっこいいですね。
主に神奈川、東京、埼玉などに分布する外来種ですが、博物館周辺でも当たり前のように成虫が飛んでいるのを目にします。
こうして幼虫を見かけると、確かに定着したんだな、と思います。(学芸班 木村)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと | アカボシゴマダラ はコメントを受け付けていません

セミヤドリガ

昨日、カイコのためにクワの葉をとろうと駐車場へ出たら、数メートル先にボタッと何かが落ちてきました。すぐにセミだとわかったのですが、ビービーとも言わないしバタバタもしないのでおかしいなと思って近づくと・・

うぁああ・・セミヤドリガが取り付いています。この時期よく見られる光景ですが、何度見てもゾワゾワします。5齢幼虫でパンパンに太っているのが2頭。さすがに寄生されたアブラゼミも衰弱しているようです。

ふ化から2週間ほどで蛹化するそうですが、そう言えば先日このブログでセミの成虫期間を1週間ほどと書いたら、知人から「もっと長いのでは」とご指摘を受けました。確かにセミに特異的に寄生するセミヤドリガの幼虫期間を考えると、セミの成虫期間は数週間以上というのが正しそうです。まあ、野生動物は寿命に達する前にほとんどの個体が何らかの原因で命を落とすので、寿命がどれくらいというのも表現しにくいのも確かです。
(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと | セミヤドリガ はコメントを受け付けていません

クイズラリー!!!

今日は8月最後の開館日。雨模様と夏休みの終わりも手伝ってか、博物館は大変賑やかでした。


常設展示室がこんなに賑わっているのは実に久しぶりです。

その理由はこれ。
ちょっと夜店みたいにも見えますが、昨日(29日)に引き続き開催された「探検!クイズラリー」の記念品です。
クイズラリーは毎年、8月に開催している、市民学芸員(ボランティア)の皆さんがが企画・運営するイベントです。年々参加者が増えて、今年は2日間で900人以上という、今までで最高の人数でした。

参加している人たちがとても楽しそうで、その姿をみていると、見慣れたはずの常設展示がとても新鮮なものに見えてきます。
クイズラリーというツールは、使い方次第では非常にに有効なのだという事を実感しました。

そして、それを使いこなす市民ボランティアのパワーにまたまた圧倒されてしまいました。
市民学芸員の皆さん、サポートに入ってくれた博物館実習生とインターンシップの皆さん。本当にお疲れ様でした。(学芸班 木村)

カテゴリー: 今日の博物館 | クイズラリー!!! はコメントを受け付けていません

あかつきトークライブ19

今日の「あかつきトークライブ」のタイトルは、「金星探査機『あかつき』のこれまで 総復習!」。
講師は、大月祥子さん(専修大学准教授)。
「あかつき」のIR1カメラ担当で、このトークライブの企画・牽引役となっている方です。

講演の内容は、金星について、金星探査の歴史、そして「あかつき」の目的、機体構造と、まさに「総復習」。
非常に勉強になりました。
ついに、企画したご本人の登場となったためか参加者数も多く、100人を超えました。
お天気の悪いなか、ご参加頂きありがとうございました。

記念撮影もずいぶん横長に…
そういえば、この記念撮影の瞬間「プラネット~」という掛け声に合わせてみなさんが「シー!」と答えて「チーズ!」の代わりにしているのですが、今日は担当の私がぼんやりしていて「ミューゼス~」と言ってしまい、図らずも笑いをとってしまいました。すみません(でもさすが「あかつき」トークライブ。だれも「シー!」とは言いませんでした)。

今日の「あかつき君」と「ちょこつき君」。夏祭りバージョンです。

記念撮影後の実験は村上真也さん(宇宙科学研究所)、榎本孝之さん(総合研究大学院大学)による「回転水槽実験」。
円形の水槽に温度の高い水、その中にケーキの焼型に入れた常温の水、さらにその中に空き缶に冷たい水を入れ、入れ子上にしたものを回転テーブルの上で回転させます。
すると、対流とコリオリの力により、一番外側の水槽の中に蛇行した流れができるのです。まるで地球大気のジェット気流のようです。
実験装置にカメラが付いていて、水槽の様子をスクリーンに映し出して観察するしくみになっています。
「金星のスーパーローテーションも『あかつき』によってメカニズムが解明されれば同じように再現実験ができるでしょう」という言葉が印象的でした。

恒例のランチタイムも非常に盛況でした。

実はこの「あかつきトークライブ」、次の第20回が最終回となります。
12月7日に、いよいよ金星周回軌道への再チャレンジを控えているためです。
ちょっぴりさびしくなりますが「金星探査機『あかつき』応援企画」と銘打っていますので、いよいよ応援にも熱がこもります。

次回は10月24日(土)午後13時30分~です。どうぞご参加下さい!(学芸班 木村)

カテゴリー: 今日の博物館 | あかつきトークライブ19 はコメントを受け付けていません

カイコ飼育展示始めました

昨日お知らせしたとおり、今日からカイコの飼育展示を開始しました。
展示しているのは在来品種の小石丸です。

じつは今回、展示には出していませんが、小石丸のほかにも青熟、大草といったいくつかの在来品種や変異形質を持った系統のカイコを育てています。これらの交雑品種もあり、すべて別々の入れ物に分けて飼育しています。

これらは単に伝統的な在来品種というだけでなく、日本の遺伝学の基礎を築き、蚕遺伝学として世界をリードしてきた実験材料の子孫でもあります。

信州大学繊維学部で系統保存してきた研究用の品種を分けていただいているのですが、日本の蚕遺伝学の蓄積とその奥深さを感じながら飼育しています。
(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: オカイコサマ | カイコ飼育展示始めました はコメントを受け付けていません

色変わり

先ほど博物館の駐車場に出てみたら、こんなものが目につきました。

キノコです。こんなとき、まわりを見回すとたいていいくつも見つかります。

ふむふむ・・これはたぶん・・ということで館内に一つ持ち帰りました。傘の裏側のスポンジ状の部分に傷を付けると、瞬時に色が変わりました。

イグチ科のキノコの中で、傘の裏側や柄を傷つけるとこのように濃い色に変化するものがいくつも知られています。キノコは図鑑に載っていない種もたくさんあってよくわからないのが正直なところです。でも、おそらくこれはクロアザアワタケか、それにとても近い種類と思われます。

キノコにキノコって書くなんてあまりにも芸が無いのですが・・。つい手が動いてしまいました。
(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと | 色変わり はコメントを受け付けていません

小石丸はじめます!

今年も初夏はカイコの飼育展示を行い、そのようすはこのブログに何度もアップしてきました。
通常はこの1回で飼育展示は終了するのですが、今年はもう一度実施する予定です。
展示するのはこの品種です。

といっても、見た目ではなんの違いもありません。でもこの品種がつくる繭は、初夏に育てた「春嶺×鏡月」という雑種第一世代の雑種強勢を利用した大きな楕円体の繭とはまったく違います。
今育てているこの品種は「小石丸」。日本の伝統的な在来品種です。繭の形は「くびれ繭」。このブログでご紹介した和菓子の繭形の繭です。
さてさて、ホンモノの繭形を作ってくれる小石丸の成長をこれから数週間、お伝えしていきます。まもなく飼育展示も始めます。お楽しみに!
(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: オカイコサマ | 小石丸はじめます! はコメントを受け付けていません

地質分野博物館実習 剥ぎ取り標本洗浄・展示検討

今日の地質分野の博物館実習は標本の洗浄作業や展示製作の検討を行いました。。

午前中は昨日剥ぎ取った標本と剥ぎ取りに使った道具を洗ったり、採集した軽石層から鉱物を洗い出したりしました。

地質分野の博物館実習生は、昨日剥ぎ取った地層でミニ展示を作成します。午後からは展示の製作に取り掛かりました。

まずは、展示の内容やレイアウトを検討しました。

内容とレイアウトも決まり、解説文の作成開始。

どんな展示ができるのでしょうか?お楽しみに!

(地質担当学芸員 河尻)

カテゴリー: 今日の博物館 | 地質分野博物館実習 剥ぎ取り標本洗浄・展示検討 はコメントを受け付けていません

地質分野博物館実習 地層の剥ぎ取り標本作成

今日の地質分野の博物館実習は相模原市緑区で、地層の剥ぎ取りを行いました。御嶽山が約10万年前に噴火した時の細かい軽石が降り積もってできた地層を剥ぎ取りました。

露頭に向かう途中には急な斜面もあります。滑りやすいので慎重に下ります。

露頭に着いたら作業開始。まず、表面の土や草を取り除き、地層を露出させます。

剥ぎ取りやすくするために鎌やねじり鎌で表面をなめらかにします。

剥ぎ取る箇所に寒冷紗を釘で止めて、その上から剥ぎ取り剤を刷毛で塗っていきます。

剥ぎ取り剤を固めるため、霧吹きで水をかけます。

固まったら、鎌で地層を少し削りながら剥ぎ取っていきます。

立派な剥ぎ取り標本ができました!

(地質担当学芸員 河尻)

カテゴリー: 今日の博物館 | 地質分野博物館実習 地層の剥ぎ取り標本作成 はコメントを受け付けていません

小中学生のための生きもの教室を実施しました

こんにちは。生物分野の実習生です。今日はプロの生きものカメラマン松橋利光さんとペットショップのオーナーの後藤貴浩さんに来ていただいて、小中学生のための生きもの教室を実施しました。午前中は生きものの体のつくりについて学芸員の秋山さんが講義と実習を行いました。

午後からは松橋さんから動物の見つけ方についてのクイズを出していただき、子どもたちが答えていました。私たちも答えましたが、見つけられず全員不正解でした・・・
クイズの後に動物の持ち方の説明を受けました。

その後、後藤さんが連れてきて下さった動物達とふれあいながら、動物の正しい持ち方、扱い方を学びました。

烏骨鶏やボールパイソンという大きな(でもおとなしい)ヘビ、チンチラ、ヒッシングローチ(外国産のゴキブリ)など珍しい動物にふれあえて、みんな楽しそうでした。

本日が実習最終日でした。実習の間、たくさんの事を学び体験し、長いように思えた9日間があっという間に終わってしまい少し寂しいです。しかし、お客さんとたくさんふれあえたことは一生の思い出になると思います。ありがとうございました。

小野沢敬浩(工学院大学)、澤野瑠那(日本大学)、田所愛望(桜美林大学)、八木康輔(東京農業大学)

カテゴリー: 今日の博物館 | 小中学生のための生きもの教室を実施しました はコメントを受け付けていません