地質調査日誌8/25 上野原市鶴川

8月25日、火曜日。曇りのち雨。

今日は上野原市を流れる鶴川へ野外調査に出かけました.

鶴川沿いを川に入りながら調査しました。真夏の暑い日ならばちょうど気持ちいいくらいなのですが、今日は少し肌寒かったです。

礫層を観察しました。

上の写真の礫層を観察し終わって、お弁当を食べていたら雨が降り出しました。だんだん強くなってきたので、調査を中止しました。久しぶりの調査だったので残念です。

(地質担当学芸員 河尻)

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やっててよかった!

昨日の「生きもの大好きミニサロン」は生物分野の博物館実習生ががんばって企画から進行までこなしてくれました。たどたどしい部分もあって内心ヒヤヒヤしながら見ていたのですが、今回、すばらしい想定外がひとつありました。
樹林地を歩く参加者のみなさんの写真です。

一番うしろの白いシャツの方は、御年90歳!
申し込み制ではないので毎回ちゃんと確認したことはないのですが、昨年度までの「博物館のまわりのミニ観察会」も含めて最高齢の参加者のはずです。

今回の参加者の最年少はこちらのお嬢ちゃん、3歳です(ご本人から直接ききました)。なんと年齢差87歳の観察会!

室内ではイスをご用意させていただきましたが、森への行き帰りもかくしゃくと歩いておられていました。
そして、こんな写真も撮れました。最高齢の方も、ほかの参加者のみなさんも実習生も、本当に楽しそう。自然観察は世代を超えて楽しめるということを再確認しました。

想定外のことがそのまま楽しさにつながるのが、こうした観察会のよいところです。短い時間の観察会でも準備などいろいろ大変なのですが、上の写真のような瞬間、「やっててよかった!」と心から感じます。
(生物担当学芸員 秋山)

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ぶんぶん丸

今日午前中、大変珍しい絶滅危惧植物の情報が入り、その確認のために相模原のちょっと南の先の横浜市旭区へ行きました。その絶滅危惧植物についてはまた改めてご報告するとして・・途中歩いていると、カラムシ(イラクサ科)の群落がありました。カラムシがあるということは・・・

嫌いな方には申し訳ないのですが、フクラスズメという蛾の幼虫です。逆さまにとまっている上にイナバウアーをしています。これがこのイモムシのふだんの姿勢です。成虫も美しい蛾ですが、イモムシもびっくりするくらいオシャレな色合いです。でも、このイモムシはオシャレなだけではありません。つんつんとつつくと、イナバウアーポーズのままぶんぶんと頭を左右に振ります。

私は密かに“カラムシのぶんぶん丸”と呼んでいます。なぜこんなことをするのか?おそらく威嚇のためでしょう。でも、人間に対しては子どものよいおもちゃになってしまって、フクラスズメには申し訳ないのですがあまり緊迫感がありません。
フクラスズメと遊びつつちゃんと絶滅危惧種を確認して写真も撮ってきたのですが、この場所でもう一つ、会っておきたい植物がありました。

なんの変哲もない、路傍の雑草に見えます。でも、この植物の日本語名は私が数年前に付けた「アレチアミガサソウ」という名前しかありません。どの植物図鑑にもまだ載っていません。そう、日本新産の外来植物なのです。

中米原産のトウダイグサ科の植物Acalypha setosaという植物であろうことまでは突き止めたものの、なぜそんな植物がここにあるのか、さっぱりわかりません。神奈川県植物誌調査会の会報に投稿しただけなので全国的にはまだ十分に認識されていませんが、ともかく「超珍しい」外来植物なのです。
今年も元気に咲いていました。外来植物なので喜ばしいことでもないのですが、正直言ってなんとなく愛着が沸いています。
(生物担当学芸員 秋山)

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生きもの大好きミニサロンを実施しました

私たちは生物分野の実習生です。今日は生きもの大好きミニサロンを12時からと、特別に14時50分からの2回、私たちが行いました。
テーマは「セミの抜け殻の見分け方」と「ドングリ虫の正体について」です。参加者の多くは親子連れで、中にはミニサロン始まって以来最高齢の90歳になられる参加者もいました。

エントランスに集まってもらい、早速隣の林へセミの抜け殻探しに行きました。

2回目の14時50分の回で、なんとセミの羽化を見ることが出来ました。

セミの羽化は基本的に夜に行われるのでとても珍しいことです。
抜け殻を持ち帰り、ルーペや顕微鏡を使って観察しました。セミの抜け殻を見分けることは難しいので、みなさん集中していました。

次にドングリ虫の正体を探りました。枝ごと落ちているドングリに空いている穴を探してもらい、穴の中に卵が入っているのを観察しました。

ドングリ虫の正体がシギゾウムシの仲間だと知って、参加者のみなさんは驚いていました。

参加者のみなさんにはシギゾウムシのオリジナル缶バッジをプレゼントしました。

博物館実習生(生物分野)
小野沢敬浩(工学院大学)、澤野瑠那(日本大学)、田所愛望(桜美林大学)、八木康輔(東京農業大学)

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明日のミニサロンは実習生ががんばります!

明日は毎月恒例の「生きもの大好き!ミニサロン」を実施します。そして、なんと明日は生物分野の博物館実習生が担当します!
今日は一日かけてその企画、準備、印刷物の製作などを行いました。実施場所にネタはあるかな・・?

お隣の樹林地に入ってみると、想像以上にヤブ蚊が多いことに困惑・・。明日の準備品に虫除けは必須です。
虫採りが得意な一人の実習生が、なにやら捕虫網で格闘しています。

ばっちり、サンプルを捕獲できたようです。それは明日のお楽しみとして・・ミニサロンで実習生が取り組むお題はこちら。

セミの抜け殻と、クヌギのどんぐりにまつわるお話です。しっかりと配布物なども用意して、わかりやすく楽しいミニサロンを展開してくれるはずです。12時からの定例と、明日は特別に14時50分からも実施します。それぞれ30分程度となりますので、お気軽にご参加ください。
(生物担当学芸員 秋山)

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生物分野実習 動物標本づくり

今日午前中は昨日採集したチョウの標本の展翅を行いました。
特別ゲストとして、チョウのエキスパートであるK女史が指導にあたってくれました。

昆虫標本は学術的な価値に加え、美的な配慮も強く必要とされます。そのあたりのこだわりの世界を垣間見ながらの作業となりました。

そして、午後からはネズミの仮はく製標本づくりです。その前に、神の手を持つ標本師Aさんのワザを見学します。

続いてヒメネズミの外部計測をして

しっかり仮はく製を完成させました。

なかなかハードな室内作業でしたが、みんな集中して取り組んでくれました。
(生物担当学芸員 秋山)

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生物分野実習はじまる!猛暑の中の生きもの採集

今日は生物分野の博物館実習初日です。この暑さの中、4名の実習生と相模川の河原へ植物と昆虫の採集へ行きました。
採集した標本は博物館資料として未来永劫保管されるので、実習生も真剣です。植物は採集したその場で新聞紙に挟んでいきます。

昆虫はチョウ目に絞って採集しました。これは明日、展翅します。

大汗をかきながらの採集を終えて館に戻ると、今度は押し葉の本押しです。重なりやよじれなどを慎重に直しながらプレスし、さらに標本ラベルを一つ一つ記入して挟んでいきます。

生物分野の実習は来週にかけて集中的に日程を組んでいます。これからほぼ毎日、実習の報告をアップしていく予定です。
(生物担当学芸員 秋山)

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仮面をつけたクモ(?)


朝、博物館の敷地内で見かけたクモ。
アズチグモです。
雌6-8mm、雄2-3mmで、網を張らずに待ち伏せをして獲物を捕らえます(オスがメスの腹部に乗っている事が多いらしいのですが、残念ながら私は見た事がありません)。
そういえば最近、こういう基本情報をあまり書いていなかった気がします。特に大きさは写真ではわかりにくいので、ちょっと反省。
因みにクモの「体長」に脚の長さは含まれません。
ところでこのクモ、顔(眼域)に特徴があります。沖縄などにいる近縁種を除いては、こんな顔のクモはいません。

私はいつも「仮面をつけているみたいだ」と思うのですが、皆さん、どう思いますか?(学芸班 木村)

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ソライロアサガオ

昨日、とある高速道路のパーキングエリアでグリーンカーテンとして植えられているヘブンリーブルー(ソライロアサガオ)が咲いていました。

秋咲きなのにちょっと早めに咲いていたので、雨模様であまり花の開きが良くなかったのですが思わず写真を撮りました。いわゆる西洋朝顔系の栽培品種です。小説のタイトルにもなったりしているとおり、なんとも魅惑的な品種名です。
発芽してからうまく地植えすると驚くほどよく成長するため、最近はグリーンカーテンとして人気が再燃しています。ヒルガオ科のご紹介シリーズでは定番の萼の形は・・。

小さくてほとんど見えません。それが特徴です。
同系列の品種にフライングソーサーなど変わった色の入り方のものもありますが、日本人好みのすっきりとした色合いのヘブンリーブルーがやはり一番人気のようです。これから10月くらいまで花を楽しむことができます。
(生物担当学芸員 秋山)

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演劇部とバスケットボール部

なんだか博物館らしからぬ感じですが、本日、見学で訪れた団体です。
前者はなんと「はやぶさ」をテーマにした演劇(「はやぶさものがたり」というタイトルです)を続けている、大阪の高校の皆さんで、一昨日は調布市で、昨日は相模原での公演を終えて、わざわざ来館してくれました。
後者は市内と(これまたなんと)韓国の中学校の親善試合の後に訪れてくれた皆さん。

「はやぶさものがたり」の皆さんが来館したのは、ちょうど展示解説の時間でした。

それぞれ自分が演じる探査機模型の前で記念撮影をしていましたが、これは「イオンエンジン役」の3人が実物の前で。

とにかくノリが良くて、さがぽんの前でもこの通り。

こちらはバスケ少年たち。試合の後とは思えない元気さでした。

お盆休み終盤の今日、いつもとひと味違った1日でした。(学芸班 木村)

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